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変身ロワイアルその6
451
:
あたしの、世界中の友達
◆gry038wOvE
:2015/07/26(日) 18:09:50 ID:2QeaXfr60
尤も、本当に……杏子が何かや、誰かの為にやろうと思えた時には使うが、今契約すると言うのは早計だ。
「──まったく、また、逆境か」
とにかく、杏子は生身で、信じがたい強敵を迎え撃たなければならないらしい。
すぐに、その目を、少しだけ朗らかにした。笑いが自分の中で巻き起こってくるのが堪えられそうになかったのだ。何故だか、恐いというよりおかしかった。
キュゥべえは、そんな杏子の様子を見て、怪訝そうだった。
(……)
──しかし。そうだ。
あの場所に向かう事ができるなら、杏子は折角友達になった人々と、会えるのだ。
あそこは凄惨な殺し合いが行われ、その中で多くの大事な物を亡くした場所でもある──が、杏子にとって青春の場所でもあった。
その気持ちは、少しばかり複雑なのだ。
今は──喜びの方を優先して、杏子は、勝気に笑って見せた。
「とにかく、みんなでベリアルを倒せばいいんだよな?」
「そうだけど……この状況で妙に自信があるね、杏子。絶望して円環の理に導かれたらどうしようかと思ってたけど、立ち直ってくれて安心したよ」
彼は不思議そうに首を傾げるが、彼の抱いているであろう疑問に杏子は答えなかった。
それよか、彼女は自分が訊きたい質問をキュゥべえにぶつける。
「ああ。それはそうと、あいつらは──他の奴らはどうしてる?」
「今のところはわからないよ。でも、僕たちも総力を挙げて彼らを捜索しているから安心するといい」
「──じゃあ、全員見つかれば、勝てるだろ。もうあたしたちに敵はない」
杏子は、自信ありげにそう言った。
ウルトラマンやプリキュアや仮面ライダーは強い。──確かに、多くのそれらが今回命を落としたが、どんな強大な敵も最後はそれによって敗れた。
翔太郎が、美希が、零が、つぼみが、良牙が──彼らがいるならば、どこか安心ができる(杏子の中で誰か飛ばされた人間がいるかもしれないが気のせいだ)。
「……まあ、精神状態が戦闘に悪影響を及ぼすよりはずっといいや。………………おっと、どうやら、ここで僕の仲間が迎えに来てくれたみたいだね」
キュゥべえがそんな風に言うと同時に、裏路地から、コツコツと足音が聞こえた。
こうして会話している最中にも、彼は仲間と交信していたのであろう。
陰から現れたのは、同年代とは思えないほどに落ち着いた金髪のその少女。──杏子の期待と外れる意外な人物の登場に、杏子は絶句する。
見た事がある。
──それは、美国織莉子だ。
この世界の上では、彼女の記憶はない。
しかし、バトルロワイアルの中で、杏子と彼女は出会っていた。
魔女に関する説明を杏子に行った主催陣営の協力者として──。
「──ッ!?」
彼女を見た瞬間、殺し合いと魔女の事を思い出し、杏子の背筋が凍る。
「テメェ……! やっぱり……!」
杏子がそう言って睨んだのは、織莉子ではなく、キュゥべえだった。
やはり、主催と繋がっていた、と一瞬疑ったのである。
だが……
「佐倉杏子さん。お迎えにあがりました」
冷静に、織莉子が言ったため、杏子はそちらを向き直した。
「──は? 迎えだと? やり合おうって話ならまだわかるが……」
「いいえ、お迎えです。……疑っているようですが、私はもう、ベリアル帝国の人間ではありません。それに対立するアースラ一行にあなたを迎え入れさせてもらいます」
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