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変身ロワイアルその6

446あたしの、世界中の友達 ◆gry038wOvE:2015/07/26(日) 18:07:24 ID:2QeaXfr60

 グリーフシードを用いたエネルギー回収の話は、杏子が全く知らない話であった。──キュゥべえの策略に関連する事かもしれないが、敢えてキュゥべえはそれを暈すように喋っているらしい。
 彼にとっても多くを説明するのは都合が悪いと見え、少なくとも自分が明らかに責められる要因などは回避しようとしているらしかった。
 だが、そんな細かい所にいちいち突っ込む杏子ではなかった。

「彼らは、時間軸介入や、本来繋げてはならない世界の融合や連結を行ってしまったんだ。それにより、歴史や宇宙は幾度も世界を修正する必要が出来てしまい、あらゆる宇宙に大きな負担がかかった。──今、宇宙はキャパシティを超える酷使をされすぎて、激しい金属疲労を起こしているんだよ。これ以上それをやられると困るんだよね」
「歴史の修正……」

 杏子は、自分がここに来た時に幾つもの記憶が流れ込んできたのを思い出す。
 彼の言葉に実感が伴ったような気がした。魔女が魔獣に変わったのもその一端かもしれない、と杏子は思った(実際には今回の件とは無関係な話だったが)。

「……まあ、そのお陰でベリアルの支配によって戦争などの小さな問題は解決したけど、そのせいで、今度は宇宙の寿命が消えかかっているんだ。まったく、これじゃあ元も子もないよ。僕たちにとっても不都合な事の方が多いじゃないか。自由きままに戦争をしていてくれた方がずっと宇宙へのダメージは小さくて済むくらいだよ」

 ……杏子にとって、そこからの話は果てしなくスケールの大きい話にさえ感じられた。
 地球という惑星の人間は、まだ手の届く範囲でしか宇宙への進出を叶えておらず、沖一也でさえ月止まりなのだ。杏子の周囲の常識でもそれは遠い未来である。高度に進出したのは、テッカマンブレードの世界の地球くらいの物だろう。
 先ほど、ウルトラマンの出自について軽く知らされたが、実際のところ、杏子にはどの程度信じて言いのか見当もつかない。
 ……まあ、キュゥべえも宇宙から来た観測者で、魔法少女もそんな宇宙の果てから授かった力らしいのだが──それも今しがた知ったばかりの情報である。

「このまま、あと一週間でもベリアルが侵略を続ければ、宇宙はオーバーロードを起こし、遂に取り返しのつかない事になってしまうだろう。だから、僕たちは何としてもベリアルを倒さなければならないんだけど、今度はそこでまた問題が生じてしまったんだ」


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