[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
変身ロワイアルその6
444
:
あたしの、世界中の友達
◆gry038wOvE
:2015/07/26(日) 18:06:29 ID:2QeaXfr60
「あの殺し合い……やっぱテメェの差し金かッ!」
杏子は、彼がその事を口にした瞬間──怒りが抑えられず、思わずキュゥべえに掴みかかるが、彼は相変わらず飄々といている。
咄嗟に、彼が殺し合いに一枚噛んでいるのではないかと杏子は睨んだ。この物言いではそうとしか思えなかったのである。
もし、彼が殺し合いに無関係な立場の人間であるならば、彼は全く、そんな事を知る由もないだろうと杏子は思ったのだ。
だが、キュゥべえは答えた。
「いや、それは違うよ、杏子。むしろ逆さ。──あの殺し合いが起きた事によって、僕たちはとても迷惑しているんだ。……まあ、この世界が出来た理由や、魔法少女の間で“円環の理”と呼ばれる物が生まれた経緯を知るには丁度良かったけどね」
円環の理──その存在ならば、今の杏子の頭の中にはインプットされている。
魔法少女が旅立つ時に現れる、神の伝説だ。それは、あの殺し合いに参加していた鹿目まどかと酷似した外見をしたイメージとして、杏子の中にもどことなく存在している。その二つに何らかの関係があるのは、今、杏子にも理解できた。彼女はまどかを覚えていた。
キュゥべえにとって、それは最近まで絵空事扱いされるべき話だったが、彼も今はその存在を認めている。それはあの殺し合いがキュゥべえに齎した効果の一つだ。
「……じゃあ、あんたたちは殺し合いには関係ないっていうのか? じゃあなんであのクソゲームの事を知ってる……?」
杏子には、キュゥべえが殺し合いには全く干渉しておらず、それと同時に、殺し合いについて知っているような素振りを見せている点を気にした。
「そうだね。まず、そこから説明しなきゃいけないか。……君たちは知らなかったようだけど、あの殺し合いは、主催者の手によって世界中の人にモニターされているんだ。彼らが帰るべき世界にも全て中継されてるよ」
「何だと……?」
「ほら、上を見てごらん」
杏子が、キュゥべえに促されるまま、空を見上げた。
ビルとビルの間に挟まれた、今は日の当たらない暗い路地裏であるが、そこにまた影ができる。彼女の頭上を通過していく影は巨大であった。
「なんだ、あれは……」
ビルの真上を──そこを、奇妙な平面の物体が飛行しているのである。
あれは何だ……? と思い、杏子は、それを注意深く、覗いた。
「あたしたちが殺し合いをしてる時の映像……! 悪趣味な事をしやがってッ!」
それは、巨大なテレビモニターであった。前面からは電子映像が発されており、そこには杏子たちの姿──あの場で起こったドウコクとの戦闘が、丁度、放送されているのだ。
キュゥべえの言う事が事実だった。
……そんな恐るべき物が、この世界では飛んでいる。
「この世界は、君たちが捕まっていた九日間の内に、ある一人の人物によって管理されたんだ。そして、君たちが殺し合いをする映像をああして映す事によって、人間を絶望させ、そのエネルギーによって更に多くの世界を侵略している」
「一人の人物……!?」
全ての光景が実況されていた──それは、まだ、杏子の中では収まりのつく話である。別段、正体を知られたくない相手がいるわけではないので、杏子には、それによって困る所は少ない。強いて言えば、着替えやトイレが誰かに覗かれていたかもしれないという程度の小さな不快感だ。あとは、単純に照れくさいという所もある。
だが、そんな些末な問題を気にしている場合ではない。
あの殺し合いを企画し、それを世界に実況し、世界を侵略しようとしている者がいるのだ。そんな悪趣味な“主催者”はまだ生きている。それどころか、世界に大きな影響を与えてしまっている。
その人物の名前を杏子は知りたかった。
「カイザーベリアルという、かつての────ウルトラ戦士だよ」
キュゥべえは、躊躇する事なくその名前を告げた。
杏子にも、「ベリアル」という名はどこかで聞いた事があった。記憶を掘り出す。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板