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変身ロワイアルその6
434
:
Tomorrow Song
◆gry038wOvE
:2015/07/21(火) 01:05:13 ID:RKdo8Dag0
「つぼみっ!!」
──刹那。
体育館の屋根の上から、オリヴィエが飛び降り、マスカレイドの頭部に着地した。マスカレイドの首が大きく前に畳みこまれ、バランスを崩す。
ももかの弾丸は文字通り、的外れな方向に飛んでいってしまったが、そこで鳴った音がオリヴィエをここに引き寄せたのだ。
「オリヴィエ!!」
つぼみたちを庇うように、マスカレイドとの間に立つオリヴィエ。
オリヴィエは、二体のマスカレイドを前に構えた。いつでも相手はできる準備は整っている。彼はここで唯一の、異人と並べる戦闘能力の持ち主だと言っていい。彼が来た事で安心も湧きでた。
「──っ!!」
その次の瞬間、彼の攻撃を待たずして、突如、二体のマスカレイドは苦しみもがき始めた。
なにゆえか、空気の中を溺れているかのように、虚空を掴むマスカレイドたち。
その姿は異様であったが、彼らがふざけているわけではないのはその苦渋に満ちた声からわかった。
「──あああああああああああああッッ!!!!」
そして、やがて──マスカレイドたちが、一気に泡になって消えていった。
「……っ!?」
人間が泡になって消えていく光景に、そこにいた女子中学生たちが、そのあまりのグロテスクな光景に目を覆う。
いくら敵とはいえ、突然、まるで奇妙な薬品の攻撃でも受けたかのように、もがき苦しみ、死んでいったのである。その光景は、彼女たちにとってはショックに違いない。
オリヴィエも、戦おうとした相手が突如として消えた事に驚きを隠せなかった。
そこに安心感などない。
おそるおそる、マスカレイドたちが消えたそこに歩いて向かっていく。
人間は泡にはならない。──彼女は、それを知った上で、冷静に、その解けた泡の残りかすのあたりへと歩いていった。
「彼らは人じゃないわね。……どうやら、元々、心や生命がない人間の模造品だったみたい」
薫子が、その消えかけた泡の残る、芝生の上を見て、言った。
財団Xの何名かは、人間ではなく、生命以外のナニカから作られたその模造品のようだ。
下っ端の構成員でも、管理している全ての世界に派遣できるほど多くはない。このような手抜き構成員もいるのだろう。
つぼみたちはほっと胸をなで下ろしたが、何故そんな事が起きたのか、疑問にも思った。
そして、今、そんな現象が起きた理由を、数秒後にオリヴィエが気づき、言った。
「結界だ……。誰かが結界を張ったんだ……! だから、彼らは浄化された……」
「一体誰が……? まさか、コッペ様が……?」
つぼみが薫子に訊くと、彼女は首を横に振った。ふと、オリヴィエが、上空を睨んだ。
それにつられてつぼみたちも真上を見てみるが、眩しい日差し以外には何もないように見えた。
オリヴィエだけにはその感覚に覚えがあったが、それが何なのかは言わずにおいた。
◆
「──やれやれ」
人狼以外が可視できない遥か上空、一人の使徒が空を飛んでいた。
美青年の姿をしており、かつて見せていた冷徹な瞳は、どことなく穏やかにさえ見える物に変わっていた。
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