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変身ロワイアルその6
428
:
Tomorrow Song
◆gry038wOvE
:2015/07/21(火) 01:03:19 ID:RKdo8Dag0
つぼみたちは、そこへ逃げていた。体育館裏に行くルートの一つだ。
グラウンドの方からは激しい音と声が鳴り響いている。──男子生徒たちが、集団で一体のスナッキーに向けて戦おうとしているのが、その声でわかった。声変わりの頃の男子のかけ声が、つぼみの耳に聞こえる。
そう。いつもならば、プリキュアとして戦える。
だからこそ、今はただもどかしい。戦える力がなく、誰かに任せて逃げるしかないむず痒さがつぼみの体中を駆け巡る。
あそこでつぼみたちを守ってくれる人たちが死んでしまったら──それは、つぼみの責任なのではないか。
「見つけたっ! いたぞーッ!! 花咲つぼみだっ!!」
遂に、見つかってしまったらしく、どこからともなく声が聞こえた。
その彼らの姿を見た時、つぼみたちの間に、妙な緊張が走ったのだ。
「!?」
財団Xの構成員による掛け声であると想定していたが、それは、全く違った。
彼らが変身した怪人というわけでもない。
むしろ、そのどちらでも──力のある人間ではないからだった。
「……あなたたちは──!」
そこにいるのは、私服を着用した一般人であった。「第二ラウンド」に参加し、生還者のつぼみを捕えようとしているのだ。
何人かの若い人間の群れが、つぼみのもとに集っていく。
財団Xの人間はグラウンドにいるのか、一人も来ていなかった。
そして、その理由を、彼女は察する。
──この学校に、かつて通った事のある人間ならば、この広い学校で逃げるのならばどこか適切か、そして、どこに隠れればいいのか、自分の中学・高校生活の中で記憶していてもおかしくない。
この学校にいかなる隠れ場所があっても、OBやOGが相手ならば全て筒抜けなのだ。
……彼らは、この学園の高等部の人間だ。
『尚、彼らを捕えた者には、幹部待遇と生活保障などの優遇が成され、──』
つぼみは、あのモニターで財団Xの男が告げた事を思い出す。
そう、あの殺し合いを見ていたのなら、誰もそんな言葉に耳を貸さないと思っていたが──現実には、こうして現れる者がいた。
『──あのバトルロワイアルで誰も叶える事がなかった、好きな願いを叶える権利を差し上げます』
幹部待遇に目を眩ませた者などいないだろう。人々が求めるのは、就職しなくても未来の安定を図れる生活保障か、その、何でも叶えてくれるという“願い”だ。月影ゆりや、“ダークプリキュア”が求め、殺しあう条件とした、それ。
信頼に足るものではないと、あの映像を見れば充分にわかるはずなのに……と思う。
もしかすれば、管理下にある人間ゆえの洗脳状態に近い状態だからこそなのかもしれない。意思で乗り越えている人間がいる一方で、そうはならない人も何人かはいる。
理由はわからない。だが、彼らは、少なくとも、どんな事情であれ、今はベリアルに魂を売った“敵”だった。
「──悪いけど、一緒に来てもらうわよ。花咲つぼみさん」
そして……。
そんな敵たちのリーダーとして、見知った一人の女性が、こちらに、真っ黒い銃を突きつけながら、現れたのだった。
「……ももかさん!」
──来海ももかであった。
あのバトルロワイアルの中で死んだ来海えりかの姉であり、彼女には「ももネェ」と呼ばれ、なんだかんだと仲の良い姉妹であり続けた。
そして、彼女にはもう一人、親しい友人がいた。
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