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変身ロワイアルその6
416
:
HEART GOES ON
◆gry038wOvE
:2015/07/21(火) 00:58:39 ID:RKdo8Dag0
「……お父さん、お母さん、ふたば……」
そして、見知った通りに出たのを気づき、しばらくすると、つぼみの目の前には、二つの商店の姿があった。
HANASAKIフラワーSHOPと、その隣にある来海家の家──服飾店フェアリードロップの二店舗だ。だが、HANASAKIフラワーSHOPの様子は違った。
この一角で、その一軒だけが、何者かによって、店内を踏み荒らされ、外のガラスが割られ、鉄骨が潰され、そして、全てが崩されていたのである。──いや、何者かと言う言い方は適切ではなく、おそらくは何名かの人間の手による物だ。
「……酷い……酷すぎます……」
もしかすると、人間の手による物ではないほど、叩き潰されている。ショベルカーでも使わない限り無理だが、この周辺をそんな物が通った様子はなかった。
しかし、実際のところ、つぼみにとっては、誰がどうしたのか、その方法は何なのか……などというのは、どうでも良かった。
「私……どうしたら……」
──ここは、つぼみの帰るべき場所だったのだ。
壊した者の正体が掴めないというのも恐ろしいし、同時に、そこにいたはずの家族の姿が見えないのもつぼみの胸を締め付けた。
これから自分はどうすればいいのだろう……。
「まさか……みんな……!」
つぼみの中に巡る嫌な想像──。
つぼみの自宅が壊されているという事は、生還者の身内を狙っている可能性が高い。もしかしたら、両親やふたばは──。
つぼみは、慌てて、今はそこに誰もいないと思い、呆然としながらも、自分の家に帰ろうとした……。ドアですらなくなったHANASAKIフラワーSHOPのドアの前に立つ。
中の花たちは建物に押しつぶされ、萎れていた。プランターからこぼれた土が床中に散乱している。
つぼみの両親が売る大事な花たちが誰かに荒らされたのである。
「捕えろォーッ!!!」
そうして言い知れない悲しみと不安感に言葉を失っていた時、どこからともなく聞こえた野太い男性の声。
「!?」
見ると、そちらにいたのは、白い詰襟姿の男たちであった。
そう、加頭や先ほどの男同様の服装をした集団──財団X。
彼らがベリアルの侵略を手伝い、外世界の支配に一役買っているのである。
「──っ!!」
──そうか。これは、囮だったのだ。
と、つぼみは今この瞬間に気づく事になった。
先ほどのモニターの情報がすっかり頭の中から飛んでいた。いわば、つぼみたちは指名手配犯と同じ状況だ。
あの殺し合いから脱出した者は外の侵略世界では罪人として捕えられようとしている。
冷静に考えれば、そんなつぼみがこの世界でまずどこに向かいたがるのかは明白であり、彼女たちを捕えたい者たちが自宅に張りこむのは定石の策である。
つぼみの家の周囲に人がいなかったのは、ここまでつぼみをおびき寄せる為に違いない。
つぼみは、変身しようと、ココロパフュームとこころの種を取りだした。あのバトルロワイアルに参加させられていた反動だろうか、つぼみはいつもより迅速にそれを取りだし、装填する事ができた。
「プリキュア・オープンマイハート!!」
いつものように、叫ぶ。──が。
彼女の身体は、この時、キュアブロッサムには変身しなかった。
財団Xの構成員たちも、彼女が変身しようとするのを許してしまっただけに、一瞬焦ったようだが、彼女が何らかの事情で変身できないと知ると、躊躇なく飛びかかった。
「どうして……っ!? 変身できません……っ!」
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