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変身ロワイアルその6
414
:
HEART GOES ON
◆gry038wOvE
:2015/07/21(火) 00:57:55 ID:RKdo8Dag0
これはちゃんと消えずに、胸の中に秘められていた。
──遂に、彼女は、自分のいた世界に戻る事になった。
◆
つぼみは、自分の世界に帰ってきて間もなく、かつて、初めてプリキュアに変身した丘の上に転送された。
どこかから、小鳥の鳴き声が聞こえた。──そういえば、あの殺し合いの現場には、小動物などいなかった。こんな鳴き声を聞くのは久々で、それがまた帰って来た実感を彼女の中に強くする。
「良牙さん……」
殺し合いが終わり、あそこで共に戦った仲間たちの姿が自分の周りにない事を知って、つぼみの胸中には微かな寂しさも湧きでていた。
思い返せば、良牙たちに、ちゃんとした挨拶が出来なかったな……と、少し感傷的な気分になり始めていた。空を見上げ、自分たちを送ったであろう場所を見つめてみるが、そこにはもう彼女たちを異世界に送る事ができるブラックホールは消えていた。
良牙から貰ったバンダナを、つぼみは強く握りしめた。
……だが、そんなノスタルジーを覚えられるのも、束の間の話であった。
まずはここがどこなのかを知っておく必要があると思い、つぼみはフェンスの外から見下ろせる町を見る事になった。そしてその時、彼女はその異変に気づいた。
一応、見下ろしている景色は希望ヶ花市のそれであるのは、自分が通う私立明堂学園の校舎が遠くに見える事からもわかる。
──だが、街の様相は大きく異なっていた。
明堂学園の周囲には、人が集まっており、祖母の話に聞いていた「学生運動」のデモのような光景が広がっている。
それに──
「──あれは……一体?」
街に浮かんでいる巨大な電子モニター。そこで映し出されているのは、殺し合いが行われている真っ最中に何度か見た光景。
知らない映像もある。──そう、たとえば、“ゆり”が“えりか”を殺害するまさにその瞬間の映像。
知っている映像も映っている。──そう、たとえば、良牙とあかねの戦いの時の映像。
しかし、どうして──何故、そんな映像がこの街の中で堂々と発信されているのだろう。
つぼみの中に、この上なく厭な予感が芽生え始めている。彼女は息を飲む。
『──ベリアル帝国に属する皆さんには、このゲームの生還者・蒼乃美希、佐倉杏子、涼邑零、血祭ドウコク、花咲つぼみ、左翔太郎、響良牙、およびその仲間の捜索、確保──あるいは殺害をして頂きます』
つぼみがその異様な光景に気圧され、背筋を凍らせながらそれを見ていれば、加頭と同じ白い詰襟服を着た、眼鏡の中年男性がそんな事を宣告する。何やら、変身ロワイアルの第二ラウンドとして、そんな提案をしているらしい。
「──どういう事ですか……変身ロワイアルって……!?」
……だが、つぼみには何が何だかわからない。
あの悪夢の殺し合いは終わったのではないか。
だからこうして帰って来られたのではないか。
そして何より、あの戦いは、つぼみたちの胸の中にだけ秘められたものではないのか。
「まさか……」
──しかし、考えてみれば、このゲームの主催者はまだ生きている。異世界の異なる時間軸から人間たちを拉致し、あらゆるオーバーテクノロジーや魔力の道具を与え、島や建造物まで用意して殺し合いをさせる事ができる強大な存在が。
その時、サラマンダー男爵の言葉がつぼみの脳裏に浮かんだ。
『いや、主催の目的はこの殺し合いがどう転がろうが、もうじき達成されるんだ』
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