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変身ロワイアルその6
413
:
HEART GOES ON
◆gry038wOvE
:2015/07/21(火) 00:57:35 ID:RKdo8Dag0
元の世界への帰還の瞬間、花咲つぼみの頭に次々と浮かんだのは、本来、バトルロワイアルに連れて来られた彼女にはあるはずのない記憶だった。
ブラックホールを通して粒子空間に入り、膨大な記憶と情報が雪崩のように頭に舞い込んでくる。
──地球の砂漠化。
──デューンとの決戦。
──後の時代のプリキュアたちとの出会い、交流。
(これは……)
つぼみがバトルロワイアルに巻き込まれた後──いや、もっと言えば、“つぼみがバトルロワイアルに巻き込まれなかった場合の世界”のその後の話であった。誰が与えるわけでもなく、湧き出るように──しかし、彼女の頭の中には、微弱な負担をかけながら、そんな記憶たちが生まれてくる。
やがて、身体的にも、その期間における成長分だけ、微かに彼女の身長・体重・スリーサイズ・髪や爪の長さ・健康状態などが修正されていった。それにより、“その時代”にいても大きな違和感のない形になっていく。
この世界において連れ去られた参加者の内、最も遠い時代──桃園ラブが連れ去られた未来の時間軸の数日後が、つぼみの帰るべき世界の“今”だった。つぼみが連れて来られる直前の記憶は、誰にとっても遠い過去へと変わっていくのである。
彼女は、まるでタイムスリップするように自分の未来へと帰っていく事になるのだが、彼女自身もそこまでの自分の記憶と身体的変化を取り戻しており、その結果、あまり大きな違和感を覚える事もなく、時代に適応できる形に変わっていった。
(ゆりさん……)
自然と更新されていく記憶の中には、このバトルロワイアルで持った疑問を解決する物もあった。──月影ゆりとサバーク博士とダークプリキュアの事も、つぼみの目の前で繰り広げられた戦いの記憶として再生されたのである。その実感が、つぼみの中に湧きあがる。
確かにそれは、つぼみが経験したはずのない出来事であったが、この環境につぼみを適合させる為、本来つぼみが持つべき記憶を世界が与えていったのだ。
殺し合いに巻き込まれた自分と、巻き込まれなかった自分──同じ時間の中で二つの記憶が混在していく。確かに矛盾はしているが、いずれも、真実であった。
そして、その中でつぼみは、自分が帰る世界にはもう、えりかやいつきやゆりは絶対に存在しない事を──元々、希望を持ってはいなかったものの、そこで完全に知る事になった。
──テッカマンブレードの世界の住人がそうであったように、彼女たちは元の世界の帰還と同時に、“最終時間軸”の世界に統一される現象が起こったのだ。
桃園ラブも、蒼乃美希も、山吹祈里も、東せつなも、ノーザも、花咲つぼみも、来海えりかも、明堂院いつきも、月影ゆりも、ダークプリキュアも、クモジャキーも、サラマンダー男爵も、元々この一つの世界の別の時間軸から連れ去られた身である。
もし、誰か一人がどこかの時間軸で連れて来られた場合、その時点で、その人物が行方不明になった世界が展開されなければ不自然な事になってしまうだろう。しかし、先に誘拐された人物以外の他の参加者たちは全くその記憶を持っていなかった。
それでも、彼女たちは、間違いなく同一世界の人間たちであった。
一人の不在で歴史が修正されていく前にまた別の参加者が同じ世界から連れて来られたのだ。世界や歴史そのものがベリアルたちの暴挙に対応する事ができなかったのである。
その結果、この世界の住人たちは──“誰かがいなくなった世界”と“ある日突然全員が一斉に消えるまで正常に進んでいた世界”の二つの記憶を持つ事になった。中には、そのせいで起きた世界の混乱で復活したテッカマンオメガやテッカマンダガーのような者もいる。
とにかく、こうして、つぼみは、“ここで戦い続けた記憶”と、“変身ロワイアルに招かれた記憶”の、本来同居するはずのない二つの記憶を持つ事になったが、その仕組みを理解せずとも、「何故かそうなっている」というくらいで、あまり疑問には持たなかった。
これも、彼女自身、この世界を構成する物の断片として、どこかで理解しているせいなのかもしれない。
(……みんな)
──確かに昨日、つぼみはバトルロワイアルの最中にあった。
こちらの世界での様々な出来事が遠い過去の事として蘇っていくが、あの戦いは確かに昨日の事だという実感は残っている。──しかし、つぼみの中に平穏な時はなかった。
響良牙や、蒼乃美希、佐倉杏子、左翔太郎、涼邑霊、涼村暁、レイジングハート……などといった仲間たちと、血祭ドウコクとの共闘と、別れ。
石堀光彦を救えず、結局はダークザギとして葬った無念。
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