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変身ロワイアルその6

407RISING/仮面ライダーたちの世界 ◆gry038wOvE:2015/07/16(木) 02:39:58 ID:W9I5Hun20

(あんたにはそのメモリは似合ってないぜ。どこかの誰かさんもそいつに拒絶されてたっけな)

 ──アクセル・ドーパント。
 一見すると強敵のようだが、照井竜がその運命の相手である。
 よもや、運命を味方につけているジョーカーとスカルに勝てる要素が見当たらない。


──Joker!!──
──Skull!!──


──Maximum Drive!!──


 そこから先の結果は、言うだけ野暮という物だ。







 ──アースラの迎えが来た。

 この世界で共に戦っていた仮面ライダースカルこと鳴海ソウキチとは別れの時だ。
 翔太郎は、たった一度だけでも、彼と共に戦う事ができて光栄に思う。
 アースラが風都の街の上空を斬り裂き、異空間で浮遊していた。そこで翔太郎を連れて行くべく待ち構えている。人が少ない場所であったが、財団Xが聞きつけて来るのも時間の問題だろう。
 隠し通路がここに繋がっている以上、いずれ財団Xはあのルートからここを発見し、押し寄せてくる。
 あまり長い言葉をかける時間はなかった。

「……翔太郎。全て、倒して来い。帰るべき街がお前を待ってる」

 別れ際、ソウキチはそんな事を言った。
 士が撮影した写真を見て、ソウキチも翔太郎が住む風都の事を思ったのだろう。
 ソウキチもまた、翔太郎と共に戦う事が出来たのを良かったと思っている。

「それから、一つ忠告だ。──若すぎる娘に手を出すのはやめておけ。お互いにヤケドする」
「それって……まさか……。──なあ、おやっさん! それは違う! 断じて違う! 若すぎるっていうか、それロリコンだから!」

 ソウキチが杏子の事を言っているのだと理解し、翔太郎は慌ててそれを訂正しようとする。だが、ソウキチは、ちょっとした悪戯心で言ったつもりだ。
 フッ、とニヒルに笑い、翔太郎の前に手を差し出す。
 左手だ。左手の握手は、無礼に見えるが、翔太郎の腕の熱さをソウキチは感じたかった。
 それを察して、翔太郎は左手を差し出した。

「また会おう。……左翔太郎」
「ああ。またいつかな、おやっさん。……あんたに会えてよかったと思う」
「俺もだ。まあ、俺は今後も、弟子を取るつもりはないがな」

 そして、二人は、とある男のセリフを言ってみた。
 ソウキチも翔太郎も憧れている、小説の中の名探偵の台詞である。

「「──さよならを言うのは、僅かの間死ぬ事だ」」

 自分で考え、自分で決める。──そんな男の中の男の言葉。
 翔太郎もまた、それを実行しようとしているのだ。ソウキチがいくら彼に肩入れしても、男がそれを止める事など許されない。

 以前、殺し合いの中で、翔太郎はそんな言葉を言うチャンスを言い逃し、うめいていた事がある。
 それは、翔太郎と杏子の間の言葉だった。
 結局のところ、そんな言葉を言えたら、それはそれでカッコイイ……という程度の意味でしか、彼はこの言葉を使わなかったが、今使えた時、その言葉の意味が身に染みた。

 そして、遂にアースラは翔太郎を迎える。
 ソウキチとはまた遠い長いお別れが来るのだろう……。
 それでも、前を向いて翔太郎は叫ぶ。



「……待ってたぜ! 俺たちは、何度だって倒れずに立ち向かってやる!! 待ってろよ、ベリアル!!」



【左翔太郎@仮面ライダーW GAME RE;START】


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