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変身ロワイアルその6

401RISING/仮面ライダーたちの世界 ◆gry038wOvE:2015/07/16(木) 02:33:13 ID:W9I5Hun20

 晴人は、誰かに希望を与え、心を救う為に戦い続ける。
 彼と共にバイクに乗り、少女もこの世界の最後の希望となるべく旅を始めた。
 少女の名は、奇しくも、晴人の大事な少女と──コヨミと、同じ名前をしていた。

 パシャ。







 ある仮面ライダーの世界。

 ──犯した罪を背負い、仲間と共に前に進む男がいた。

 海沿いの都市・沢芽市。
 ──この街は、かつて、この世界中を舞い込む“理由のない悪意”との戦いの発端となった場所だ。
 その少年もまた、その戦いが行われていた時は、その悪意の渦中に巻き込まれ、やがて己の中に潜んでいた見えない悪意を曝け出し、友に対しても信じがたい悪行を繰り返した。
 その結果、全てを失った彼であったが、そんな彼を──友や兄を裏切ったはずの彼を、再び仲間として迎えてくれる場所があったのだ。
 それは、彼自身の知らぬ間に、仲間が守ってくれていたこのステージだ。

 今も街の人々は、そして彼は、この街を再興しようとしている。たとえ道を踏み外しても、また壊されても、人間は何度でも立ち上がろうとする生き物らしい。
 彼らの場合は、「ダンス」によって街を盛り上げ、再興しようとしていた。これが彼らに出来る精一杯の事である。文化の力で誰かを元気にしようという。馬鹿らしい自己満足かもしれないが、それに勇気づけられている人たちがいる事は事実であった。

 そして、沢芽市の巨大モニターには、今も若者たちが前向きにダンスを中継する姿が映り続けている。本来なら、ベリアル帝国以外の映像は放送されてはならない規則になっている。
 だが、この街を支えている巨大企業・ユグドラシルのある男が、この街のモニター映像を切り替えたのである。──勿論、財団Xは黙っていない。

 次の瞬間、彼──呉島光実の耳に、ステージを見ていた観客の悲鳴が響いた。
 ダンスが一時中断され、音楽だけが流れ続けた。観客たちは、蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。見れば、財団Xの手の者が戦極ドライバーを用いて、アーマードライダー黒影へと変身して人々を襲い出していたのだ。

「大丈夫……みんな、踊り続けて!」

 光実の兄が、ユグドラシル内部で中継の中止を頑なに拒んでいる為、こうしてステージの方に妨害を仕掛けようとしている方法を選んだのだろう。
 光実は、それを見て、敵と同じく戦極ドライバーを腰に巻いた。

「見ていてください、こうたさん、舞さん!! この場所は……僕たちのステージは、僕が守ります──」

 彼の持つロックシードは、黒影とは違うブドウ型の物である。
 彼はそれを使い、彼だけのアーマードライダーに変身するのだ。

──ブドウ!──
──ロックオン!──

「──変身!!」

──ハイィィィィィ!──
──ブドウアームズ!──
──龍・砲! ハッハッハッ!──

 アーマードライダー“龍玄”へと変身した彼は、走りだす。
 そうだ、この場所は──この世界は、絶対に壊させはしない。あの人が守ったこのステージは──。
 その想いは、宇宙のどこかで自分の星を守るために戦う、別の男と重なった。

 パシャ。






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