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変身ロワイアルその6
387
:
崩壊─ゲームオーバー─(12)
◆gry038wOvE
:2015/07/12(日) 14:07:27 ID:OT9PV3kg0
カイザーベリアルは、それを爪の先で捕まえると、空に向けて放り投げた。──そして、カイザーベリアルの力により、大気圏も超え、宇宙の果てまで飛んでいく。
「宇宙の果てに消えろ……ッ」
この世界の宇宙は広いが、果てまで探してもカイザーベリアル以外、誰もいない。
孤門一輝とウルトラマンノアは、このスパークドールズの中に封じ込められ、無限の宇宙を彷徨う事になる。
先ほどの忘却の海レーテのように、侵入してくる者もいない。
この世界に入る事が出来るのは、“それ以前にこの世界に入った事がある者”と、“カイザーベリアルが呼んだ者”だけである。
ゆえに、“円環の理”もこちらの世界に姿を現す事が出来なかった。
ここは、ベリアルだけの世界なのである。
──全ての世界を支配した彼にも侵されず存在できる世界、それがこの場所なのだ。
……とはいえ、この殺し合いで生きて帰った者たちは例外である。
彼らがカイザーベリアルに立ち向かう術は既にないが、いずれにせよ、全員、ベリアルの部下が始末する手筈になっていた。
もし、部下たちが彼らを始末できなくとも、ベリアルはこの世界で彼らを迎え撃ってみせる。
────ここに、ゲームの破綻と、ベリアルの目的の達成が祝された。
【孤門一輝@ウルトラマンネクサス 封印】
◇
全パラレルワールドに、ここまでの映像は発信されると、 “再生終了”された。
あらゆる世界に設置された街頭モニターや放送が、一斉に終了し、画面は真っ黒に塗り替えられる。
一日と十二時間、常に流れていた殺し合いの実況中継は、今ようやく終わりを告げた。
そして、殺し合いを生き残ったヒーローたちの全てが終わっていく。
彼らは、あのブラックホールを通じて、それぞれの世界に帰っていた。
または、彼らに縁のない世界に誤って送還される事もあるようだが、それも全て、管理されている範囲の世界である。管理の手がまだ行き届いていない世界には転送されない。
──いずれにせよ、多くは世界のどこかに転送され、その世界を管理する主催陣営の人間たちに狙われる事になる。
レイジングハート・エクセリオンもまた、ある世界に転送され、逃げ惑っていた。
彼女も全く知らない世界であったが、少なくとも、そこで、外の世界が管理されている事実を知る事になった。
殺し合いは終わったが、その間に、主催陣営は別の目的を達していたのである。
──たとえ、殺し合いが
弱り切ったレイジングハートに、彼らの魔手に立ち向かう術はもうなかった。
彼女は、人間の姿になり、追い詰められながらも、そこで一人の少女の助けを受ける事になった──。
「一閃必中! アクセルスマッシュ──!!」
意外な人物の生存に驚きながらも、彼女は、その人物に救われ、窮地を脱する事になる。
そして、この危機に立ち向かおうとする──心強い船団に、無事合流する事ができた。
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