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変身ロワイアルその6
386
:
崩壊─ゲームオーバー─(12)
◆gry038wOvE
:2015/07/12(日) 14:07:08 ID:OT9PV3kg0
それは、確かにこの島へと接近していたのだ。
では、彼こそが──
「てめえが会いたがっていたこの殺し合いの本当の主催者──カイザーベリアル様さ!!」
──彼こそが、全ての元凶なのだ。
やっと会う事が出来た。
ここであらゆる悲しみを作り、あらゆる思いを踏みにじった諸悪の根源。
あるいは、石堀光彦も──ダークザギも、この殺し合いに巻き込まれた一人の犠牲者なのかもしれない、と思う。
そして、ベリアルがいなければ、まだこの世界に在り続けたはずの笑顔がある……。
「そうか……お前がみんなを……!」
ノアが構えた。
まだ戦いは終わっていない。
だが、ここで全てを終わらせようと……。
孤門は──ウルトラマンノアは、仲間たちが帰っていったこの場所で、ただ一人、真の主催者と戦おうとしていた。
ノアが、前に駈け出そうとした時だった。
「──おっと、動かない方がいいぜ」
カイザーベリアルの忠告の言葉が聞こえた。
しかし、既に手遅れだった。──ノアは、カイザーベリアルの前に拳を叩きつけようとしていた。
肉薄するノアを前に、ベリアルは妙に冷静に構えている。
「────!?」
そう、彼はただ余裕なのではない。
ノアの力を知り、それに対策する術を持っているから、こうして一人のうのうと経って至れるのだ。
地面から、光線が発された。
「これは、一体……!!!」
それは、主催側が用意したシステムであった。
ウルトラマンノアやダークザギが、圧倒的なパワーによって主催に歯向かおうとした時、この地下に仕掛けられた光線が敵を包む事になる。
たった一回きりには違いないが、この場所に仕掛けられた“確実に敵を無効化する有効打”──その黒の光線が、ノアに発されたのである。
「……ナッ……シュゥッ……!」
命あるものの時間を止める「ダークスパーク」のエネルギーである。
主催陣営は、「ウルトラマンギンガの世界」に存在していた闇の力・ダークスパークを確保し、この殺し合いの基地に防御壁としてそのエネルギーを利用した。ダークスパークは、その世界でウルトラマンたちを人形の中に封印した悪魔の道具である。
これは、この場においては──主催基地、あるいは、カイザーベリアルを攻撃しようとした際に発動し、強敵をダークスパークに封じてしまう最後の切札であった。
ノアの身体が、次の瞬間には、物言わぬ小さな人形──スパークドールズへと変わった。
もはや、伝説のウルトラマンといえども、こうなってしまえば戦う牙はない。
「────ハッハッハッ!! これで、ウルトラマンノアはいなくなった!! ダークザギも消滅した!! 俺に歯向かう者はいない!! 貴様らの希望は潰えたんだ!!」
そして、スパークドールズにされた者は、自力では元に戻る事が出来ない。
ウルトラマンノアの姿は、人間が掌で握る事が出来てしまうほどの大きさに早変わりした。
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