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変身ロワイアルその6

383崩壊─ゲームオーバー─(11) ◆gry038wOvE:2015/07/12(日) 14:05:24 ID:OT9PV3kg0



 ゆえに、彼は、いつしか、来訪者たちの英雄から、宇宙の脅威へとなり下がり、落ちぶれていく事になった。ビーストを使役し、人間を利用し、あらゆる手段を使って宇宙の全てを滅ぼす悪の戦士となってしまった。


 自分は、ノアの代わりにはならない。
 ノアの“敵”となればいい。ノアの“逆”になればいい。
 ノアが誰かを救うならば、ザギは何かを壊せばいい。
 それによって、“虚無”の中で世界に平和を齎せばいい……。
 そうすれば、争いもなくなる。殺し合いも、死も、死に至る生の存在もなくなるのだ。


 だが。
 宇宙を全て無に返し、全ての命を奪う事が──いかに、残酷な事なのか。
 それは、平和と呼ぶには、生ける者たちにとって、最も無責任な行為であると、彼はまだ知らなかった。
 永遠の命を持っているが為に、彼は、“虚無”が、彼には正確にはわからなかったのだ。


 そして今。
 遠く、宇宙の深淵に消え、この世界の外に弾かれ出され、「虚無」の世界に落ち込んでいく時────彼は思った。

(消えたくない……!! 俺は……、俺は、こんな所で……!!)

 虚無になってしまえば、苦しみが消えるが、喜びも消える。
 自分自身の何もかもが消えていく。
 この想いも。この、“消えたくない”という気持ちも。

 だが──

「グァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!!!!!」

 俺の喜び……ふと思ったが、それは何だったのだろう。
 そう、ダークザギの頭に何かが過った時──


 ──この宇宙ので、巨大な爆発が起きた。
 ダークザギの身体が、ライトニング・ノアの光に包まれた瞬間だった。
 彼の身体が崩壊していく。
 体はばらばらになり、その中にあった意識も、ノアの光の中に消えてしまう。



「                   」



 ……何もない宇宙の果てで、ダークザギの意識は、虚無の世界に途絶えた。
 虚無に飲み込まれた時、彼は、自分自身の存在意義を考え、答えに辿り着く喜びを得る事も──そして、それを感じさせてくれた何かに気づく事さえできなくなってしまったのだ。
 いや、今、それに気づいたとしても、遅すぎたのだが──せめて、最後に一瞬でも気づく事が出来れば、彼自身は何かに救われる事ができたかもしれない。

 しかし、それが出来なくなるのが、“虚無”。
 暗黒の破壊神が、ずっと求めてきたものだった──。



【石堀光彦/ダークザギ@ウルトラマンネクサス 死亡】
【残り10人】






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