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変身ロワイアルその6

374崩壊─ゲームオーバー─(11) ◆gry038wOvE:2015/07/12(日) 14:01:44 ID:OT9PV3kg0



『────みなさん、正午になりました。残った参加者は、7名。あなたたちの勝利です』

 加頭順のホログラムが上空に現われ、音声がそこから発された。
 ダークザギと戦う戦士たちの前に、その音が鳴り響く。
 怪物が暴れ狂う音にかき消されるが、それが正午を超えた事によるメッセージだというのはすぐにわかった。

『勝利を祝し、あなたたちを────』

 その時、──地上では、蒼乃美希と孤門一輝が、忘却の海レーテから帰還した。
 そして、佐倉杏子のソウルジェムが彼女自身の身体へと帰り、彼女は目を覚ました。
 しかし、そんな事にも気づかず、加頭は、その先の言葉を告げた。

『────強制送還します』

 空が裂け、そこから、奇怪なブラックホールが誕生する。
 地上で暴風が吹き荒れ、参加者たちを吸いこもうとしていた。
 参加者たちを識別し、それを吸収しようとする奇怪なブラックホール。
 それは外の異世界と繋がっている。遂に、あれだけ求めていた外の世界とのコネクトが始まったのだ。







 赤い光に導かれるまま、孤門一輝と蒼乃美希の前で、巨大化したダークザギが暴れていた。圧倒的に規格外に巨大であり、二人も威圧感を覚えていた。
 彼らの周囲には、ブラックホールの影響による強風が渦巻いている。

「……」

 孤門は、自らの手に、“それ”を握りしめた。
 エボルトラスター。
 姫矢准が、千樹憐が、佐倉杏子が、蒼乃美希が──、共に戦っていたウルトラマンの力が、今度は孤門のもとにあるという事だった。

 彼らの戦いが──彼らの魂が、そのエボルトラスターの鼓動を感じて、孤門の胸の中に蘇った。

 孤門は、美希の方を振り返った。
 そんな孤門の様子を見て、美希は、何も言わずに頷いた。

 ──孤門は、美希に任されたのだ。
 ウルトラマンとして、このダークザギを倒す力を。

「絆……」

 ならば……今、孤門一輝は戦う。
 ダークザギを……石堀光彦を倒す為に。

「────ネクサス!!!!」

 エボルトラスターが強く引き抜かれる。
 空にエボルトラスターを掲げると、“赤”と“青”の光がその中に収束し、孤門の中でウルトラマンが覚醒する。

 ────共に戦ってきたウルトラマンが、自分と共にある。
 その初めての感覚に──、孤門は、不思議な暖かさを覚えていた。


「デュアアッ……!!」


 Nexus……それは、受け継がれる光の絆。






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