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変身ロワイアルその6
370
:
崩壊─ゲームオーバー─(10)
◆gry038wOvE
:2015/07/12(日) 13:59:33 ID:OT9PV3kg0
どこかで強い光が発されたのだ。──それは、蒼乃美希から孤門一輝の手に受け継がれていった絆の光であった。
そして、その光は、マミの前で“何か”に反射した。
「……これは……?」
赤く光る一つの宝石──。
それは、忘却の海レーテの中を彷徨い続けるはずだった杏子のソウルジェムである。
真っ赤な杏子のソウルジェムは、闇の中できらきらと輝き浮かんでいる。
こんな所を、一人で彷徨っていたのだ。──マミは、この広い忘却の海の中で、それを見つけ出す事が出来たらしい。
「良かった……」
マミはそれを、両手で掴んだ。
これを持ち帰れば杏子は目を覚ます事が出来る。
孤門と美希のお陰だ。──マミが聞いた声もまた、時空を超えて、孤門が発した言葉が辿り着いた一つの行き先なのかもしれない。
……しかし、そう思った時であった。
マミが目を開くと、そこには、ソウルジェムなど気にならないほど意外な物が映っていた。
「──!? どうして、あなたが……」
思わず、口が開く。
マミの視界を覆うほどの巨大な白の魔法少女。
信じがたい、ありえないはずの存在が、その宝石の真後ろに立っていたのである。
『マミさん……』
そうして、巴マミの名を呼ぶのは、マミにとっても見覚えのある一人の少女。
まるで女神のような圧倒的な力を持っているのが、マミにはわかった。
だが、驚くべきは、その力ではない。その姿だ。
何故、彼女がこんな闇の果てにいるのかはわからない。レーテに蓄積された膨大な絶望のエネルギーから、こうしてここにやって来たのだろうか。
「あなたは……鹿目さん?」
──鹿目まどか。
マミの通う見滝原中学校の後輩で、ふとしたことから魔法少女と魔女の戦いに足を踏み入れる事になってしまったただの女の子だ。
そして、ここで、ノーザやアクマロたちとの戦いに巻き込まれ、死亡してしまった。
少なくとも、彼女がどこかで魔法少女になったという情報はない。しかし、確かに、彼女の姿と声だった。
『違うわ、それは全ての魔法少女を導く果て──円環の理よ。あなたが知るまどかでもない』
答えたのは、暁美ほむらと瓜二つの少女だ。
彼女もまた、ここにいるはずはなかった。
『まっ、結局まどかだから、“まどか”って呼んでるけどね』
マミには理解できない理屈を並べるのは、美樹さやかと瓜二つの少女だ。
そして、彼女もいるはずはなかった。
「あなたたちは、一体……」
マミはまだ状況を飲み込めていなかった。
無理もない。彼女の生きていた世界は、まだ、まどかが一つの願いを叶える前の世界だった。──それによって、マミたちの存在も何度もリセットされる事になるのだが、その最も世界を揺るがしたリセットさえ、まだ起きていない。
平凡な女子中学生に過ぎない鹿目まどかが、魔法少女たちの中で囁かれる救済の魔法少女になる事など、彼女には想像もつかない出来事である。
『佐倉杏子のソウルジェムは、この空間に投げ込まれた事で、少なからずレーテが持つ恐怖のエネルギーの影響を受けてしまっているわ』
『だから、私たち──“円環の理”とその鞄持ちがそれを救済しなきゃいけない。でないと、杏子ももう間もなく魔女になる……』
ほむらとさやかがそう言った。
つまり──、少なくとも、杏子のソウルジェムがこの闇の中で、だんだんと濁り、この場所で魔女になる直前にまでなっているという事らしい。
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