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ニコニコ動画バトルロワイアルγsm3

565 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/23(月) 16:47:19 ID:tAvGiWS.0
ご指摘ありがとうございます
wikiに直接直しておきます

あとアサシンの支給品はまどかに手に渡ったという事でこれも修正しておきます
すっかり忘れてたorz

566 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/23(月) 16:57:49 ID:tAvGiWS.0
本編のほうはwiki収録時に直してくださったようです
ありがとうございます

567 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:08:24 ID:Ud8G8Q4w0
投下します

568ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:09:36 ID:Ud8G8Q4w0
「嘘……」

サーニャが目にしたそれは人とは思えない食いカスだった。
無残に散らばった血に塗れた服、髪の毛が生え所々肉片の付いた髑髏の数々。
如何な方法を以って殺せばこうなるのか、最早人の所業とは思えない。

「うっ……おえっ」

涙よりもサーニャを襲ったのは強い吐き気だった。
エイラと思われる髑髏を見つけたとき、反射的に意の内容物が逆流し吐瀉物として外部に排出される。
愛らしい小顔は見るも無残な白貌の骨へと変わり、残った髪と二つの目玉がギョロリとこちらを睨んでいる。

「エイラ、そんな……」

それをエイラと呼びかけるのに躊躇いすら生まれた。
死んだという覚悟は出来ていたが、これはあまりにも酷すぎる。
怒りや悲しみを飛び越え、嫌悪感を感じた。

「ガキか」

男の声がサーニャ耳を鳴らす。
半ば逃避的にエイラから目を離し振り返る。

「あなた、は……?」
「少なくともそいつらを殺した下手人じゃねえな」

ヘルメットを被っている為、その下の顔は分からないが、何処か声は皮肉が込められている。
サーニャは不快な印象を抱きながら、その男に現状の説明を求めた。

「俺が来た時にはこうなってた。もし誰かの仇討ちでもしたいんなら残念だったな」
「そうですか……。もうここには、透明の殺人鬼も居ないみたいですね」
「あ? 透明の殺人鬼だと?」

ヘルメットの男、ジャギは透明という言葉に反応する。
忘れもしない。あの姿を隠しジャギとドラえもんを襲撃してきた卑怯者に間違いない。
妙な苛立ちが、ふつふつと再び燃え上がってきたジャギは咄嗟にサーニャの胸倉を掴む。

「ちょっ、何を―――」
「おい、その透明の殺人鬼の事を教えやがれ!」
「わ、私も会った訳じゃありませんけど……姿が見えない殺人鬼に襲われた人が居て、彼らは……」

サーニャから手を離しジャギは舌打ちをする。
ほんの少し前まで、ジャギの探していたドラえもんを殺した卑怯者はここに居たのだ。
何というすれ違いだろう。あともう少し早くに学校に来てさえ居れば。

569ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:09:53 ID:Ud8G8Q4w0

「あの野郎、かならず見つけ出して……」
「貴方も……もしかして」
「ちっ、てめえには関係ねえ」

サーニャの目にはジャギは誰かの為に怒る。
善人のように一瞬映ってしまった。
だからだろう。

「……そうそう、忘れるところだったが俺の名前はケンシロウ、お前を殺す男だ」

その唐突な豹変ぶりと自らの殺害予告に気を取られ、反応が遅れたのは。
ジャギの手に握られた刃物が真っ直ぐサーニャの顔目掛け振り下ろされる。
瞬きする暇もなく、視界が冷たく銀色に輝く鉄に覆われる。

「そ、んな―――」

刃物がサーニャの顔をかち割り、赤く染まろうとしたその瞬間。
壁を薙ぎ払い粉砕し、突き進む男の轟音と咆哮が木霊する。

「衝撃のファーストブリット!!」

まるでミサイルのようだとジャギは錯覚した。
壁があった筈の向こう側から、こちらへと一直線に突っ込んできたのは一人の男だ。
その右腕をアルターで武装し壁を突き破り、ジャギへと殴りかかるカズマ。
ジャギはサーニャから離れ、高く後方へ飛ぶ。
カズマの右腕の軌道からジャギが外れ、その拳は誰も居ない唯の壁へとぶち当たる。
ビスケットのように音を立てながら壁は崩れ去った。

「てめえか? 透明の殺人鬼ってのは!」
「生憎と人違いだ」
「そうかい、でも殺し合いには乗ってるんだろ?」
「だったら?」
「ボコる! 徹底的にだ!!」
「面白え、やってみなこのケンシロウ様を相手によ!」

互いに啖呵を切ったところで、ジャギはカズマの首元にあるはずの物がない事に気づく。

「お前、首輪は……」
「あ? んなもん外した」
「そうか。……特別サービスだ。そいつの外し方を教えれば見逃してやる」
「絶対にノゥ!」
「イエスと言いやがれ!」

ジャギの刃物とカズマの拳がせめぎ合い火花を散らす。
普通の拳ならば血を噴出し、肉が裂けるところだがアルター、シェルブリットの姿となったカズマの拳は刃をものともせず受け止める。
そのまま数度打ち合い、ジャギの蹴りがカズマの腹へと放たれる。
空気を無理やり吐き出されるような感覚と息苦しさを同時に味わいながら、カズマも負けじと左拳でジャギ鳩尾へとストレート打ち込む。

「埒があかねえ、撃滅の―――」

また、あれがくる。
ジャギの体をピリピリと刺激する威圧感。
それが最初に放たれた、あのミサイルのようなものだと予感させる。

「セカンドブリット!」
「うおおおおっ!!」

だがそれはミサイルでありながらミサイルにあらず。
如何に威力が桁違いであろうとも、人の手により放たれた拳であることに違いはない。
ならば、そこに武術の挟み込む余地は確実にある。
殴りかかるという、人のもっとも基本的な戦闘スタイルは何年、何千年も前から研究され尽くされてきた。
故に、それに対する対策など腐るほど編み出されてきている。

570ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:10:58 ID:Ud8G8Q4w0

「なっ!?」

殴りかかったカズマの力を受け流し、腕を掴み。あらぬ方向へと投げ飛ばす。
北斗神拳ですらない一本背負い。
予想外の出方にカズマも一瞬混乱しながらも辛うじて受身を取るが、流されたセカンドブリットの衝撃がモロに身体を流れかなりのダメージを負う。

「ぐっ、が、あ……」

痛みで動きの遅れたカズマへジャギの刃物が振りかぶる。
カズマは無理やり右腕を動かし、肘で地面へと叩きつけその反動で跳躍した。
刃物は空を斬り、ジャギは天井を睨む。

(あいつにただの拳はきかねえ。なら―――)

再び拳を構え、カズマは天井近くでジャギを見る。

「はっ、また懲りずに殴りかかる気か!」
「抹殺のラストブリット!!」

アルター粒子の噴射で勢いを付けたカズマはジャギではなく、その真上の天井を殴りつける。

「これなら投げられないだろうが!」

崩れ、砲弾のようにジャギに降り注ぐ天井の中を掻い潜り、カズマはサーニャを連れ離脱、半壊した学校から校外へと飛び出した。


「はあ、はあ……おい無事か姉ちゃん?」
「ええ、何とか。それよりもカズマさんは大丈夫なんですか!?」

サーニャの横で気丈に振舞うカズマだが額に汗をかき、目は少しうつろ気味だ。
ここに来て連戦の疲労がピークに達したのかもしれない。

「それよりも、下がっとけ。多分、あのヘルメットくたばってねえ」

左腕で汗を拭いながらカズマは崩れた瓦礫の山を見つめる。
すると目の前の瓦礫から物音が響く。

「!? そこ―――」「違います、あっち!」

カズマが振りかぶった瞬間、サーニャの声で別の方向を見たカズマが捉えたのは、別の死角から不意を付こうとしてきた五体満足のジャギだ。
すぐさまカズマは追撃を中止し、ジャギの攻撃をかわし後方へ飛ぶ。

「ちっ、あのアマ……」
「良かった、私の魔法が役に立って」

ジャギは舌打ちをする。
サーニャの姿が先ほどとは打って変わり、猫のコスプレのようなものに変わっている。
恐らくは何らかの得意な索敵能力を使い、こちらの居場所を察知したのだろう。
こうなると奇襲はまるで役に立たなくなる。

「一応、礼は言っとくぜ姉ちゃん」

サーニャへ一瞥くれ拳を握りなおす。
あのヘルメット男には普通の拳は通用しない。
ならば、更に火力を上げ触れさせなければいい。カズマの周辺の物質が分解され粒子となりシェルブリットへと集まっていく。
シェルブリット第二形態。
もう疲労など気にしている場合じゃない。全力でなければ叩き潰せない相手だ。

571ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:11:43 ID:Ud8G8Q4w0

「まだ、そんな隠し玉を持ってやがったか」

まいったとしか言いようない。
あの拳は流せない。もはや拳でありながら人のそれではない。
触れるだけで、消し飛びそうなほどのエネルギーを纏っている。

「正面から受けるしかねえってか?」
「もっとだ、もっと輝け! シェルブリットバースト!!」

右腕のプロペラが回転し拳が勢いを付けジャギへと向かっていく。
ミサイルどころか、光り輝くそれは隕石のよう。
ジャギは小細工は捨て、自身の体の秘孔を突き肉体を強化する。
咄嗟の思いつきのアドリブだが上手くいった。あとは迎え撃つのみ。

「ぐ、おおおおおおお……」
「この、野郎ォ……!」


骨が軋み、皮膚は裂け、肉は悲鳴をあげる。
だがジャギはその両腕でカズマのシェルブリットバーストを受け止めた。

「ぬ、ぐうううううう」
「うおおおおおおおおおお」

もっとも僅かながらジャギをカズマが圧している形だが。
二人は連戦を繰り広げ、疲労が溜まっているのは共通している。
問題はその二人を縛る制限だ。かたや首輪を外し本来の力を発揮できるカズマ。かたや魔法戦士の力を得ながらも、しかし制限を受けているジャギ。
そこで地力で二人の間には差が生まれてしまっている。

「畜、生ォ……!」

力が徐々に抜けていく。
シェルブリットバーストが既に眼前にまで迫り、寿命のリミットを数えてすらいるようだ。
どうして止められない。何が足りない。冷静に己と敵の戦力を分析し得た結果、自らを縛る首輪の存在に気づいた。
これだ。これがどうしようもなく人の力を奪い去っている。

「邪魔、なんだよ……首輪(てめえ)は!!」

無理やり引きちぎり、そしてボンっと軽く鈍い爆発音が響く。
カズマが逡巡した次の瞬間、シェルブリットが押し返される感触が伝わってくる。

「お前、まさか……!」
「はっ、これでお前と対等って訳だなァ!!」

首輪を千切った瞬間、秘孔を応用し首周りを硬化させ爆発を耐えた。
一か八かの賭けだが勝った。
ここからが本当の勝負の幕開けだ。

「もっと輝け!」
「しゃらくせえ!」

受け止めたシェルブリットへ真下からの膝打ちを叩きつける。
わずかにジャギへの狙いが反れた瞬間、カズマの顔面へと頭突きを叩き込む。
だが、カズマも負けじと左肘で首輪のなくなった首元へ肘打ちを打ち込む。
カズマは鼻血を噴出し、ジャギは潰れた声を捻り出しながら。それでも二人は退かない。

「面白えな、ほんとに何なんだろうなあ!」
「ごちゃごちゃ、うっせえんだよ!」

顔を歪ませた二匹の獣が更に殴り合い互いを血に染めていく。
あまりにショッキングな光景にサーニャは目を背ける。

「なんで……あんな、あの人たちおかしい……」

殴るのは痛いことだ。殺しあうのは悲しく辛いことだ。
それなのにあの男たちは笑っている。互いに楽しんでいる
理解できない。どうして? 味方であった筈のカズマすら恐ろしく感じてしまう。
なんで殺し合いを楽しめるのか、どうして……?
おかしい、理解できない。人が死んでいるのに、しかも自分たちがそうなるのかもしれないのにどうして。
段々、不快さと腹正しさすら沸いてくる。

―――こんな人達にエイラは殺されたの?

ふとサーニャの脳裏をエイラの目玉と髪が残った髑髏が過ぎる。
戦いが殺しが好きな人たちにエイラは殺された?
そう思ったとき、無意識の内にカードを掲げていた。

「なっ? アルターが!?」
「なんだあ?」

その絵柄に描かれた一体のドラゴンが召喚され、再び姿を消した時カズマのシェルブリットが解除されジャギの拳を食らい吹っ飛ばされた。
覚えているのはここまでだ。あとは無我夢中で走って逃げた。

572ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:12:09 ID:Ud8G8Q4w0

「ごめんなさい。ごめんなさい……」

サーニャは走る。
エイラの悲惨すぎる死、男達の血みどろの殺し合いから逃れるように。



【c-03 /1日目・夕方】

【サーニャ・V・リトヴャク@ストライクウィッチーズ】
[状態]:健康、魔力消費(微) 、精神的な落ち込み、腹部に重傷、精神的ショック(大)、錯乱
[装備]:★Rock Cannon@ブラック★ロックシューター、黒猫のゴスロリ服@俺の妹がこんなに可愛いわけがない
[道具]:メントスコーラ(空)@コーラを開けるとメントスが落ちるトラップの作り方、
    DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D's (自身をリリースし破壊を無効化したあと帰還する効果で夜中に再び使用可能)
[思考・状況]:殺し合いには乗らずゲームを打破する
0、……。
1、エイラの仇を討ちたい。
2、知り合いが居れば合流する
3、ストライカーユニットとフリーガーハマーが有れば入手したい
4、殺し合いに乗ってない参加者が居れば合流したい
5、まどか達を警戒
6、エイラを殺したのは……
7、あの人たちはおかしい

※DMカード『スターダスト・ドラゴン』@遊戯王5D'sは自身効果により消えたので、短時間で復帰します。
ただし復帰前と後の時間を合わせ、一定時間で消滅しその後半日使用不可です。
それ以外は普通のDMカードと同じです。



「どうなってんだ……クソッ!」

あの時、一体のドラゴンが現れたかと思えばカズマのシェルブリットを打ち消した。
ジャギはサーニャが、あのドラゴンで攻撃してくるものとばかり思っていたが、そうではなかったことに疑問を持つ。
スターダスト・ドラゴンの特殊効果は自身を墓地に送り相手の破壊効果を無力化するもの。
サーニャがそれに気づかず発動させカズマのアルターを解いた事など知る由もない。

「ちっ、とにかく今は休むか」

あの少女はジャギと戦っていた男の仲間の筈がどのような心変わりがあったのか。
何にせよジャギには関係の無いことだ。
休息のはずがとんだ戦闘になってしまったがやっと静かになった。
少し休ませてもらおう。幸い学校内の治療用具がありそうな場はまだ無事だ。

【c-03 見滝原中学校 /1日目・夕方】

【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:疲労(大)+奥義連続使用による消耗、ダメージ(大)、全身に爆発によるダメージ×2、QMZの力の目覚め、原因不明の苛立ち、右腕に裂け傷(止血済み) 左肩に大きな噛み傷、首輪解除
[装備]:魔法戦士の衣装一式@QMZ
[道具]:基本支給品一式、音の出るフリスピー@ミツバチ(遊助)
    こんなところの閉鎖病室の鍵の束@チャージマン研!、銃火器予備弾薬セット@オリジナル
    日本酒一升、刃物×2(全て違う種類、そこそこ大きい)
[思考・状況]
基本思考:ケンシロウの名を騙ってゲームに乗る
0:ケンシロウも気になるが、コソコソ見てた奴(譲治)も気になる。
1:参加者を探し、殺す。
2:銃火器がほしい。ガトリングとか。
3:襲撃者(にとり)は確実に殺す。
4:自分をコケにした女と犬(早苗と権兵衛)は許さない。
5:研、リュウセイ(名前を知らない)とカズマは次会ったら殺す。
6:奇跡の部屋にある新鮮な血に疑問。
7:右腕と左肩の治療を優先。
8:あのドラゴンは…?
※青鬼のデイバックがC-04に放置されています
※青鬼の事を支給品の類いだと考えています

※学校が半壊しています。

573ならず者達 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:12:41 ID:Ud8G8Q4w0



「あいつ…」

c-03から離れた場所でカズマは悪態をつく。
理由は分からないが人の喧嘩を邪魔されたのは非常に腹立たしい。
文句の一つや二つ言ってやりたいところだった。
あの戦いの間に少女の中で、何があったのか想像もつかない。
追ったほうが良いのだろうか。しかし、学校でアカツキ達を待たなければならないのもある。
そうなった場合、またあのヘルメットと戦う羽目になるだろう。それは別に構わないカズマだが。

「だが、ちっと疲れちまったな」

流石のカズマも疲労困憊だった。このまま連戦は避けたいところだ。
一先ず一眠りすることする。あとのことは寝たあと決める。
そう決め、目を閉じ眠りに落ちた。


【c-04 /1日目・夕方】

【カズマ@スクライド】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、激しい怒り、首周りに少し焦げ跡、首輪解除 、睡眠
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、ケイネスのメモ、ランダム品0〜1
[思考・状況]
基本:気に入らない奴はとにかくぶん殴るが、あのせこい男(サリー)の言いなりになるつもりはない。
0:今は寝る。今後のことはあとで決める。
1:このバトルロワイアルとやらを破壊するためにも、せこい男(サリー)の思い通りにさせない。
2:男声の女(譲治)とフランクを撃った男(ロックオン)、野獣先輩を警戒。場合によってはぶちのめす。
3:雛子、響、アカツキ(名前を知らない)にケイネスのメモを渡す為、学校に向かったが……。
4:ケイネスに言われたので、化け物については一応気を付けておく。
5:まどかは次会ったらぶちのめす。ほむらのまどかへの態度が気に入らない。
6:あいつ(サーニャ)はどうしちまったんだ?
※ミルキィホームズとデッドライジングの世界を聞きましたが、何処まで覚えてるか不明です。
※少なくとも参戦時期は君島死亡後です。
※ケイネスのメモには、ケイネスが立てた青鬼増殖の仮説。
 それと雛子、響、アカツキの名前が書かれています。

574 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/25(水) 01:13:00 ID:Ud8G8Q4w0
投下終了です

575名無しさん:2015/03/25(水) 01:57:27 ID:qoC1Ha8.0
投下乙

よし、これでおほむの秘孔で首輪解除出来る説は立証されたな!
オリーブオイルで解除出来た時点で最早、首輪なんてあってないようなもんだからま、多少はね?

576名無しさん:2015/03/25(水) 14:28:15 ID:pdyJMWqM0
投下乙

577名無しさん:2015/03/25(水) 16:19:26 ID:m3IWKemY0
さすがジャギ様つよい

578 ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:28:32 ID:q9aC/MPE0
投下でーす

579アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:29:45 ID:q9aC/MPE0


時刻は13時38分。


「無いなぁ…」


「勝手に提案しておいてのその態度ですかい」


相生祐子は嘆息を漏らし、操舵室の椅子に座りこんだ。

先ほどからマニュアルの類いを見つけるため、しらみつぶしに操舵室内を調べて回ったが、梨の礫であった。
とは言え二人はたったこの15分間しか探してなかったのだが。

祐子の信念は熱しやすく、しかし冷めやすかった。


(何が船の操作法知らない人の為にマニュアルがあるだよチキショー!!)


(っていうかそんな意味不明な理論思いついたの誰だよ!!…あ、私か)

いちいちテンション上がっては後悔を繰り返す祐子も、研とは別の方向でキチガイである。





「…そろそろ逃げる事も考えないといけないんじゃないの?」

ふとバリカンがゆっこに声をかける。

いわれてみればそうである。
何だかんだで探し続けてみればこの場所が禁止エリア指定されるまで20分程しか無くなってしまった。
それまでにここを出るか船を操作するかしてこのエリアから逃げなければならないのだ。
さもなくば、自らの首輪が爆発してしまう。


殺し合いを強いるための参加者に課せられた首輪という枷。
その首輪の爆発、普段のゆっこにしてみればそんな物はトリックに過ぎないだろうと受け流していた所である。
しかし、あのゲーム開始時に見せられた「見せしめ」はゆっこに首輪の恐ろしさを植え付けるには十分だった。
今の今まで生きていた人間が首輪の爆発とともに物言わぬ首無き死体へと変わる。
それは、ゆっこが今までもこれからも断じて経験する事も無かった非日常。
後20分、ここに居るだけで自分も同じ立場におかれてしまう。

主催側の手によって見事にゆっこはこのゲームが「殺し合い」であると刷り込まれてしまったのだ。


脱出は確かに重要だが、それは命ある事が大前提である。
このまま動かし方がわからない首輪がまま爆発して死ぬよりはここから離れた方が良い。
船に未練は残るが背に腹は代えられない。


「なんでこんな首輪なんか…」

「首輪?」

忌まわしき首輪に手をかけて、ふとゆっこが気づく。

確かに自分にはこの首輪がはめられている。
だが、この目の前に居るロボットはどうだろうか。
彼(?)は参加者とやらではなく一介の支給品という存在である。
つまり、参加者に課せられるべき首輪が無いのだ。
例え禁止エリアに指定される時間になってもバリカンには何ら影響は無い。

580アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:30:37 ID:q9aC/MPE0


「バリカン!良い事思いついた!」

「え?」

「君、首輪無いよね?」

「え?あぁ、うん」

この時点でバリカン何か嫌な予感を察した。
また面倒な事を言い出しそうな雰囲気とバリカンは思ったのだ。

「一度私は避難するから、バリカンはここで船を何とか動かす方法を探してくれない?」

「エ゛ェー!?」

「取り敢えずホテルに私は避難するよ、日が暮れても動かせなかったら戻ってきて!」


またしても無茶振りを押し付けられた。とバリカンは感じた。
同時にゆっこは善は急げといわんばかりに出口へと駆け出していた。

「あー…うん」


慌ててバリカンは引き止めようとした。
が、ふと操舵室の備え付けの時計を見れば時刻は既に13時42分。
はっきり言ってもうあまり時間に余裕は無い、ここで判断がもたついては彼女の命に関わるだろう。
そう判断し、半ば仕方なくゆっこの話を承る事にした。


「その必要はない」

「!?」


駆け出すゆっこの足は、目の前の声によって遮られた。





/////






「これがエスポワールとやらか…」

「豪華客船の名には恥じないな」


それが、二人の目前の豪華客船への感想。

運良く何事もなく船に到着したお陰で何とか25分近くの余裕を作れた。
これなら船を操作してこのエリアを出られるだけの余裕はあるだろう
メイトリックスとフランクは君島の車から降り、辺りの様子を調べながら船に入る。



「ケイネス、こいつを見てくれ」

桟橋に足を踏み入れたメイトリックスが言い放つ。
ケイネスが指差した先を見れば、桟橋に泥汚れがついていた。
豪華客船という名に合わせて桟橋も蒼く美しい物であったが、その汚れは余りにも場違いであり、とても目立つ。
そしてその泥汚れは、靴の形で列をなしている。


「足跡か…」

「ああ、大きさからして女か子供だ、それにまだ中に居る可能性が高い」

「たしかに、これは入ってきた足跡だが、出てきた足跡は見られない」

実際、汚れの列は一列しかなく、その隣に杖のような物をついた跡がある位である。
そうだとしたら奇妙な形の杖だ、とケイネスは思った。

「もしかするとケンとやらがここに逃げ込んだのではないか?」

「違うな、ケンの靴は子供の運動靴だ、もっと複雑な形の足跡をしている」

「この靴はローファーかなんかだろう。普通は学生とかが履く物だ」

やはり早くに禁止エリアに指定されるだけあって、ここに来る人間は少なかった様だ。

「どちらにせよ、急ぐ必要があるな」


ケイネスはこの男が信頼に値する人間という程ではないが、少なくともある程度の信用をおいていた。
根拠の一つとしてこの軍人らしい判断力、洞察力の高さ。
サーヴァントのマスターであるという性質上、戦闘では基本的に後衛つく事がほとんどであるため、ランサー同様に前線経験に富んだ人間の存在は有り難い。
サーヴァントではない為ランサーと違い命令を下す事はできないが、そんな事を不満に思う程ケイネスは傲慢ではない。
協力し合える存在が居るだけで、少なくとも彼には十分なのだ。

581アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:32:34 ID:q9aC/MPE0


「ん?」

「どうした?」


ケイネスが訝しむと、それに呼応してメイトリックスも聞き返す。
だが、すぐにケイネスがなんでもない、といった素振りで返した。

普通ならば気づかない物である。
蒼い桟橋についた青い滴り跡など。
ましてや足跡のその下にあるのだ、メイトリックスでも気づかなかったのも道理である。
だがケイネスは気づく事ができた。その滴り跡に残されたわずかな魔力のお陰で。

それが何を意味するのか、少なくとも今の彼らには知る由もないだろう。





これだけの大きさを誇る客船、参加者の身を隠すにはうってつけだろう。
とは言え彼らにとって今は操舵室以外に用はない。
当然のように寄り道もなく二人は操舵室をまっすぐ目指した

「君、首輪無いよね?」

「え?あぁ、うん」


操舵室から漏れる声。
やはり予想通り人が居た、それも女性。

「…もう一人居る様だな、敵対者じゃなさそうだが」

やはり年を取ったかとメイトリックスは思った。


「一度私は避難するから、バリカンはここで船を何とか動かす方法を探してくれない?」

「エ゛ェー!?」

「取り敢えずホテルに私は避難するよ、日が暮れても動かせなかったら戻ってきて!」


操舵室に入ると席で騒ぐ少女が一人、球体の何かに話しかけていた。
ロボットの類いだろうか。
どちらにせよ彼女達には船を動かす算段はないらしい。
わかっていた事だが自分が動かす他にないだろう。

「その必要はない」

「!?」

メイトリックスは少女を引き止め、尚も続ける。

「船は俺たちで動かす。君たちは休め。OK?」



「えっ…誰?」

突然の救世主に対するゆっこの反応は、困惑であった。
目の前に筋肉モリモリマッチョマンの変態が薮から棒に現れれば致し方のない事だろう、とケイネスは思った。

「俺はメイトリックスだ、後の事は船を動かしてから説明する」

メイトリックスはゆっこに最低限の紹介をした後ケイネスに指示を出した。

「ケイネスだったか、まずは船のタラップを上げてきてもらえるか?」

「了承した」

そう言ってケイネスは操舵室から出た。
そして徐にメイトリックスは操舵室の席に座り、計器を弄り始めた。

582アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:33:33 ID:q9aC/MPE0

(すごく…歴戦の戦士っぽいです…)

自分では触れる事も気が引けるような計器をメイトリックスはまるで使い慣れた物のように動かしている。

「そ、そういえば筋肉のおじさん、おじさんは最初のあの時また娘がどうとかって言ってたけど…」

「また人質にされた、君よりも幼いだろう」

「また?」

「ああ、そうだ。少し長くなるがそれでも構わないなら話そう」

ゆっこが頷いた。

船を動かす準備をしながらメイトリックスはゆっこにベネットとの因縁や娘について大まかに話した。
(要はコマンドー本編の全容である)



「外したぞ」

ちょうどメイトリックスの話が終わる頃、その声とともに先ほど部屋から出て行った壮年が戻ってきた。
メイトリックスに言われた仕事を終えた様だ。


「随分と早いな、例のヘンテコな金属を使ったのか?」

「そうだ、ついでに車も積んでおいた」

「有り難い、ここからは一人じゃ難がある。俺が指示するから手伝ってほしい」

「それと祐子、君の話も後で聞いておきたい。船を動かすまでは取り敢えず休んでいてくれ」


わかったという間にケイネスはヘンテコな金属―月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)を取り出し、詠唱を始める。

「トゥットゥルー!!メタルまゆしぃでーす!」

可愛らしい声とともに水銀がうねる。

「よし、じゃあまずはそこの2番目のレバーを下げるんだ…」

ケイネスはメイトリックスの指示通り、水銀を操作する。
そして、その度に可愛らしい声が水銀から漏れる。





「私たち、完全に蚊帳の外だね」

「仕方無いでゲス」

現在、ケイネスとメイトリックスは操舵室で機械と格闘を繰り広げている。
ゆっこ達はそれを操舵室の片隅から遠巻きに見ている形だ
ぼっちを完全に脱却したのは有り難いがどうにも疎外感は拭えなかった。

「船の中、見てくる?」

ここでゆっこが提案する。
今の所、彼女らがあの場に入れる余地は無い。
しかし、彼らに最低限の協力ぐらいはしたい。
そこで自分にもできる事といえば、船の探索であった。

「わかった、一緒に行こう」

バリカンも賛成した。


こうして、二人きりの時間がまた始まった。

583アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:35:17 ID:q9aC/MPE0







【I-01/1日目・午後 船内】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち脱却
[装備]:バリカン
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:何だったんだろう今の人?
1:船内を探索。
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:さっきのは何だったんだろう?
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります








† † †

584アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:39:57 ID:q9aC/MPE0








「よし、何とか出たな」

ケイネスとメイトリックスが船の計器と戦う事十数分。
どうにか禁止エリアという峠は越えたようだった。

「終わったか…」

溜め息まじりに言うケイネスの声は大分疲れているようだった。
参加者に賭けられた制限のお陰でかなり魔力の燃費を悪くされているという点に加え、
ケイネスにとって水銀で細かい機器を丁寧に操作するのは骨の折れる作業であった為である。

「取り敢えず、岸へ戻った方が良いのではないか?」

ケイネスの問いかけにメイトリックスは頷く。
メイトリックスとしてもそのつもりであった。
船に乗っただけで脱出できてしまう程ガバガバ運営な主催ではないだろう。
何より自分たちに付けられたこの首輪の存在がある。
下手に出れば奴らはこの首輪を吹っ飛ばすだろう。それこそケイネスの愛人のように、何の戸惑いも無く。
今は船を動かせる事を確認できただけで十分だ。

航路を西へと変え、船を停められる場所があれば停めておく事にした。


一段落した所でケイネスは座席に深く座り込む。
そして、ふと気づいた。




「…そういえばあの2人は何所へ行った?」





【I-01/1日目・午後 船内・操舵室】


【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(大) 魔力消費(中) 令呪残り二画
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
1:松岡勝治と会う、
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?
7:あの少女と一緒に居た丸い生き物は何だったんだろうか。
※車内でメイトリックスとの情報交換を軽く済ませました。
※青い滴り跡については軽く気に留めている程度です。

【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:GUN鬼の銃@MUSASHI-GUN道-
[道具]: 基本支給品、ラットの爆弾×3@探偵オペラミルキィホームズ、氷剣ユキアネサ@BLAZBLUE
    宝塔(罅が入っている)@東方Project 、セイバーのカード@遊戯王なのはMAD(使用不可)
    世界樹の巫女 エレイン@カードファイト!! ヴァンガード、確認済み支給品1
[思考・状況]
基本思考:娘を助け出し、殺し合いをぶっ潰す。
0:岸まで船を動かす。
1:士、イーノックと合流する。
2:鹿目まどかとはいずれ決着をつける。
3:なんだこいつ?
4:そういえばあの2人(一人と一匹?)は何所へ?
[備考]
※参戦時期は原作終了後。
※エイレンは4時間、セイバーは半日です。
※アザディスタン王宮に向かう予定です。
※GUN鬼の銃に触れましたが元々能力制限されておらず潜在能力が底上げされている状態です。
※車内でケイネスとの情報交換を軽く済ませました。

585アンハッピーリフレイン ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:43:23 ID:q9aC/MPE0








ーー何故桟橋に青い滴り跡があったのか。



ーーー何故。




それは、




希望の船の、ある一室。





黎明に放たれた、小さな悪夢がーー





ねぇ あそぼうよ こ43lr76+*<'しろいもの

たくさん あるん6bi,uc5f6e7;@p/fr

あたらしい おようふ@.]9-^]\9,gyしいなぁ

to;097

ずっと あなrywj7q;ずっと あなたに ついてくね

254876 0ni@kv:h;d]cy@p/_いてくね わた]_t[@g/sうち すぐそこ6ch,gc;:x

vy/_[:@/e7c6ju:/




言うなら、それはー






※船のどこかの部屋が【青い人形の部屋@Ib】と化しています。

586 ◆J/0wGHN.4E:2015/03/25(水) 16:44:36 ID:q9aC/MPE0
投下完了です

587名無しさん:2015/03/26(木) 04:47:20 ID:cO09s8wA0
投下乙

588 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:05:12 ID:9Bho4KFc0
投下します

589 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:17:08 ID:9Bho4KFc0
ちょっととらぶったんで中止します

590 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:21:27 ID:9Bho4KFc0
行きます

591 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:21:56 ID:9Bho4KFc0
『よう大佐? 聞こえるかベネットだ。
 殺し合いも中盤、第三回放送を始める。
 まず死亡者の発表からだ。


 ありがとウサギ
 巴マミ
 四条雛子
 日本鬼子
 我那覇響
 アカツキ
 ルシフェル
 権兵衛
 右代宮譲治
 ロックオン・ストラトス
 男色ディーノ
 門矢士
 巡音ルカ
 松岡勝治
 アサシン…ああ、こいつは前に呼ばれた奴とは別の正規参加者として加入の予定だった補欠だ。あまり気にするな。

 言い忘れるところだったが、青鬼って奴が二体ほどまた参加者として加入する。覚えておけ。

 さて、禁止エリアだが指定の前に今まで禁止エリアになった場所に踏み入ったら首輪が爆発することになっていたが、
 もう一つ別個に新しいルールを付けることにする。それは―――」

ベネットの台詞に合わせるように、今までに指定された爆音を巻き上げ、禁止エリアが大炎上し消滅していく。
もしこの中に人がいようものなら生きて出ることなど到底不可能だ。

『こういう事だ。
 これは禁止エリア内に人が入った瞬間爆発する仕掛けになっている。
 つまり、この島内が全て禁止エリアになる前に、殺し合いを終わらせなければならないって訳だ。
 まあ気張って早く殺しあうんだな。
 それと忘れるところだったが、禁止エリアの指定だ。

 19時にD-2 20時にD-3 21時にG-2 22時にG-3 23時にG-4 24時にF-3だ

 そういうことだ。精精がんばるんだな』




「ごくろうだったね。ベネット」

放送を終えたベネットの額は汗でぬれていた。
決して放送に緊張したわけではない。それは依頼者(クライアント)からのプレッシャーによるものだ。
姿を現さなかった、全ての現況が今目の前に居る。その事実に動揺と緊張をベネットも隠せない。




「そう、私が真の主催者であり君達のクライアントである―――ニコニコテレビだ」



テレビに顔の付いた謎の生命体。
なんだこいつは……たげたなあ……。

592 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:22:33 ID:9Bho4KFc0

「あんたが俺たちを行き返らせた……」
「その通り、君たちに二度目の正を与えたのは私だ。
 それより、立って話をするのもあれだ。席に着きたまえ、夕飯には少し早いがチキンでも食って話そうじゃないか」

ベネットの前に広げられたテーブルとその上に置かれたチキン。
これは少し前まで生きていた。生きて意志を持ち、ニコニコテレビに殺し合いの廃止を訴えていた。
もっともそれが聞き入れられるはずも無く、殺されチキンにされてしまったが。
確か名前は、ニワンゴと呼ばれていたとベネットは記憶していた。


【ニワンゴ@ニコニコ動画】死亡


その他にも死体の山だ。
彼らは全員生きて、そして二ワンゴと同様に殺し合いを止めようとした。
そして殺される。一つ違うのは食されもせずベネット達に後始末をさせているということだけだ。

「ニコニコマスコット達の惨殺は中々いい再生数だな。
 まっ殺し合いに比べれば微々たる物だがね」

【ニコニコマスコット達@ニコニコ動画】死亡

「話すことと言っても特に無いんだがね。ベネット何が聞きたい?」
「一つ、あんたは本当に殺し合いをさせる気があるのか?
 例えば速水もこみち、例えばカズマ……あいつらは首輪を外しやがった。
 そして松岡勝治、あいつは何なんだ」
「首輪に関しては予想外だった。こちらとしては再生数が伸びてうれしい誤算だったがね。
 まあ、対策としてエリアそのものを爆発させれば問題ない。
 勝治君は彼自身の持ち味だよ」

ベネットは心の中で舌打ちをする。
まるで話しにならない。そもそも質問をしても、更に謎を深めるようなことばかりこいつは言う。
再生数とは何だ? 首輪に関して大した束縛を期待していないのか? 一体こいつは何なんのか?

「まだ質問は? あるなら受け付けよう」
「色々あるが、単刀直入に聞く。この殺し合いの目的は何なんだ?」
「そうだな……強いて言うなら細分化したジャンルの整理、及びついでに再生数を上げること、かな」
「細分化…? 何の事だ一体!?」
「増えすぎたという事だ。増えすぎた余分な物は排除すべきだろう?
 そして、ただ排除するのはつまらない。せっかくなら娯楽として消化すべきだ」

ニワンゴであったチキンを食べながらニコニコテレビは答えていく。
ベネットはただ黙って話を聞く事しか出来ない。

「質問はこれで終わりにしようか、まだ全ての種明かしには早すぎるからな」
「待ってくれ、まだ聞きたいことは―――」

その時、クックが慌てた様子でベネットへと駆け寄ってくる。

「なんだ? 忙しい後に……」
「メイトリックスの娘が逃げた」
「何!?」

こんな時にと怒りを露にするベネットに対し、まるで嘲笑うかのようにニコニコテレビは口を開く。

「怖いのか? メイトリックスの娘が」
「何?」
「仮にも、お前を殺した男の娘だからな……」
「―――ねぇ……あいつの娘なんか怖かねえ!! 俺が見つけ出して半殺しにしてやる!!」

そう叫ぶとベネットは駆け出し、クックもそれに続いた。

593 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:00 ID:9Bho4KFc0



主催者及び依頼者【ニコニコテレビちゃん@ニコニコ動画】確認



【ベネット@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスの娘を見つけ出して半殺しにする。
1:アリアスの死体はどこに置いたんだろうか


【クック@コマンドー】
[状態]:健康
[道具]:デーモン・ハンド@デュエルマスターズ、
    地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ、
    雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん、その他余りの支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスとは後で再戦したい
1:メイトリックスの娘を探し捕まえる。
※午後までの参加者状況と位置を依頼者から説明をうけています
※デーモン・ハンド、地獄門デス・ゲートは元は支給品となる物でしたが枠から溢れ没になった物です。
 このため他のカード等と同様制限がかけられており、一度使うと6時間使用できません。

594 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:33 ID:9Bho4KFc0
放送の少し前、カルロ、志村、江頭は任務を終え暇を持て余していた。
と同時に男だらけの主催陣営にも飽き飽きし、性欲も持てましていた。
そう思いながら歩いていると、ちょうどジェニーが監禁されている部屋へと辿り着く。
戦場では、捕虜の女を犯すなんて良くあることだ。そう考えた三人は早速ジェニーを犯すことに決めた。

「な、何するの!? やめて離して!!」

逃げようともがくジェニーの服をひん剥く。
少し幼いがこの際どうでもいい。さっさと犯してやろうと三人はジェニーの体を触りまくる。

「嫌……パパ!!」

純潔は汚され、処女は散る。
一人の少女は無理やり大人(おんな)へと咲き乱される。
初行為を血で濡らし、頬を伝う涙。






コキャッ
ズドンッ! ズドンッ!


【カルロ@コマンドー】死亡
【志村けん@コマンドー】死亡
【江頭2:50@コマンドー】死亡


カルロの首は百八十度捻じ曲がり、志村と江頭はカルロの持っていた銃で銃殺。
無我夢中で抵抗していたジェニーは咄嗟に手をカルロの首に回し、思いっきり捻った結果首がひん曲がりそのまま銃を奪い二人を殺害したのだ。
こう見えてジェニーはメイトリックスは護身術を習っていたこともあり、土壇場での爆発力は父譲りだったのかもしれない。
こうしてジェニーは処女(はじめてのころし)を散らした。

「私だって……パパの娘なんだから!」

ジェニーは三人の武装を奪い、カルロの持っていた何でも入るディバックに全て突っ込むと部屋を出た。




【ジェニー@コマンドー】
[状態]:健康
[装備]:銃
[道具]:カルロ、志村、江頭の武器
[思考・状況]
基本思考:本部からの脱出。パパと合流したい。
0:とにかく逃げる。






※禁止エリアのルールが変更され、首輪ではなくエリアそのものが爆発し消滅します。

595 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:48 ID:9Bho4KFc0
タイトルは第三回放送で

596 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/27(金) 02:23:59 ID:9Bho4KFc0
投下終了です

597名無しさん:2015/03/27(金) 03:57:14 ID:St5Tv3Mc0
投下乙

遂に黒幕のお目見えか……
にしてもエリアごと爆破とはその発想は無かったwww

598名無しさん:2015/03/27(金) 08:45:45 ID:oa/1TQoE0
投下乙です。

コマンドー見たこと無いから知らんけどこの娘強くね?

599名無しさん:2015/03/27(金) 10:02:44 ID:fesTO8Do0
祝☆第3回放送
>>598
://www.nicovideo.jp/watch/sm15868274
(元ネタ動画を)見てこいカルロ

600 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:05:19 ID:zcibUdVY0
投下します

601これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:07:22 ID:zcibUdVY0
「嘘だろ、権兵衛……」
「そんな権兵衛さん」

第三回放送にて流れた権兵衛の名前に、リュウセイとシャーロックは衝撃を受けていた。
今まで、いつもの四人としてチームを纏め上げていた、リーダー格の権兵衛の死はそれだけ重い。

『いつものチャージインです。リュウセイくん!』
『いつもの推理です。シャーロックさん!』

もうあの権兵衛に会えないという事実が二人の胸にのしかかる。



「ジュラル星人め、奴らのせいでこれだけの人間が死んでしまうなんて。
 必ず滅ぼしてやる!!」

研もまた怒りに燃えていた。
先の放送での死亡者の人数も、今までと依然変わらず。むしろ加速すらしている印象すら覚える。
このまま、主催の好きにさせておく訳にはいかない。
しかし、未だに何らかの策もなければ、首輪も外せない状況がさらに苛立ちを増す。
目の前でジュラル星人に、ここまで好きなようにされたのは始めてのことだ。
何が何でも、こんなキチガイロワイアルを終わらせてやると決意する。

「勝治くん……」

そして放送で呼ばれた仲間の名前にシャーロックの目に涙が溜まる。
自分のために命を賭して戦ってくれた少年のために、今はないてる暇などないと自分に言い聞かせる。
幸い、今はアルセーヌと共闘状態だ。普段は敵だが味方になれば頼もしい。

「三人の気持ちは分かりますが、ここは禁止エリアになりましたわ。早く離れないと」
「分かってるよ、早く残った早苗たちにも会ったほうが良いしな」

地図を確認したアルセーヌが退避を促す。
あと一時間程で、このエリアは大炎上する。そんなものに巻き込まれるのはごめんだ。

「そうだ、待ってください。実はバックの中に気になるものが入ってたんです」

シャーロックがバックから一本のUSBメモリーを取り出す。

「これは?」
「分かりません。私の支給品かと思いましたが数が合いませんし……」

怪訝そうに聞く研にシャーロックは答える。

「取り合えずパソコンだな。この辺の家でも探せばどっかにあるんじゃないのか」

そう言いリュウセイは堂々と不法侵入し、何件か回るとノートパソコンを一台持ってきた。

602これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:08:21 ID:zcibUdVY0

「よくありましたわね。そんなもの」
「ネットには繋がらないから、外から助けを呼ぶことはできないみたいだけどな。
 とにかく挿してみるぜ」
「気を付けるんだ、リュウセイくん。これを挿した瞬間爆発するジュラル星人の罠かもしれないよ」

「そんな馬鹿な」とリュウセイが笑いながらUSBを再生する。そこには―――

「こマ?」

リュウセイは唖然としつい呟く。
USBの中には首輪の内部構造とその外し方が入っていた。

「間違いない。これは罠だよ、みんな騙されちゃいけない!」カチャカチャ

真っ先に反応したのは研だ。
これはジュラル星人の罠だと決め付ける。

「でも、ここまで詳細に書かれているのは……」
「間違いない、ジュラル星人の仕業だ。首輪を外させられると思わせて首輪を弄らせた後、地球人を爆殺する気なんだ」カチャカチャ
「けど試してみるのも……」
「アルセーヌさんもシャーロックちゃんも甘いよ。奴らはこういう回りくどくて残忍な事を好む外道なんだ!! 信じちゃいけない!」カチャカチャ


次の瞬間、カチャリと乾いた音が響き研の首輪が外れた。

「アッ!」
「おっ、外れた」

リュウセイが何処からか持ってきたのか、幾つかの工具で研の首輪をUSB通りに弄ると本当に首輪が外れてしまった。
シャーロックとアルセーヌも急いで駆け寄って、分解された首輪を見つめる。

「これ本当みたいだな。俺もさっそく外すぜ」
「なんてことするんだ! 爆発したらどうするんだい!?」
「誰かが試さなきゃ駄目だろ? それに安心しろ、死んでも俺たちは仲間だ」

そのままリュウセイが首輪を弄り、恐る恐るシャーロックとアルセーヌも同じように首輪の分解を始める。
数分後には、この場にいる四人とも綺麗に首輪が外れていた。

「こんなあっさり取れるなんて……」
「間違いないよシャーロックちゃん、頭の中に爆弾があるんだ。
 こっちが本命なんだよ」
「お前、いい加減にしろ。はっきり言ってやる、そんなものはお前の決め付けと妄想の押し付けだ!」
「君は奴らの恐ろしさを知らないから、そんなことが言えるんだ! いいかい? 奴らはね―――」

「実は、私もその説を少し考えていました」

アルセーヌの一言で口論を始めかけた二人が黙り込む。
まさか本当に信じる気なのかというリュウセイの驚愕に満ちた顔と、逆に信じてくれるのかと換気に満ちた研の顔が相対的だ。

「オリーブオイルで外れたり、私たちがこうもあっさり外したり。
 多分、他にも何人も既に外してる人たちが居る筈、ならその対策をしないのも不自然。なら、本当に本命は別にあるんじゃないかとも思いましたわ。
 さっきの放送を聞くまでは」
「まさか、あのエリアごと爆破するってやつか?」

リュウセイが三回放送を思い出す。
確か禁止エリアのルールがかわり、踏み入れた瞬間エリアそのものが爆発するというルールだ。

603これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:08:42 ID:zcibUdVY0

「それなら首輪がなくても、参加者に殺し合いを強要出来る。
 さらにそう考えると、必然的に主催はこの島の外のどこか安全な場所に居ることになりますわ」
「それもフェイクだよ。本当は頭に爆弾が……」
「首輪が外れて、幻惑のトイズの制限が解けたからそれを応用して体の中を調べてみたわ。けれど結果は爆弾なんて一つもありませんでしたわ」
「そ、そんなあ……」

何故か、残念そうに研はうな垂れた。
思えばここに来てから、自分の考えがほとんど見当違いだったりする。

(やっぱり、僕の勘が外れるのもジュラル星人の仕業……!?)

「まっ、何はともあれ首輪が取れて頭に爆弾がないのも分かったんだ。
 あとは脱出して、主催を叩きのめすだけだ」

意気揚々とリュウセイが闘志を燃やすが、アルセーヌはそう短絡的にもなれない。

(この島は海に囲まれているし、主催は何処にいるかも分からない。
 まずは島から移動できる足と、主催の本拠地を見つけないと。
 モタモタしている時間はないわ。奴らが殺し合いを続けようと、まだ考えている間だけがチャンス。
 この島の全てのエリアを爆破される前に全ての条件を揃えないと) 

まず思い立ったのは、制限が解けた幻惑のトイズで船を作る。
いや不安定すぎる。長時間維持できる保証はない。

(なら、以前行ったように地球の自転を半回転させて、場所自体を移動させるしかないかしら)

ラードのトイズで一騒動あった時、アルセーヌは海外からミルキィホームズの援護のため、地球の自転を半回転させヨコハマに帰還したことがある。
ならば試しにと、以前と同じように足を振り上げ、全力で蹴り上げてみるが轟音をあげるだけで会場に何の影響もない。

「お前、いきなり何するんだよ。うるせーぞ」
「どうしたんですかアルセーヌ? もしかして更年期障害……。あっ、ごめんなさい」
「チェッ ちっ くっそぉ……」

「……」

かわりに返ってきたのは三者三様の酷い反応だけだった。

604これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:09:03 ID:zcibUdVY0

(この会場自体が非常に頑丈に作られているのか……そもそも、ここは地球なの?)

首輪という難題が思いもよらぬ方法で外れたかと思えば、また別の問題が浮上する。
やはり、そう簡単には終わらせてくれないということだろう。

「まだUSBの中に何かあるな。何だ? ニコニコ動画だってよ」

リュウセイが見つけたニコニコ動画なるものをクリックすると奇妙な動画サイトが開かれる。

「なんだこれ? 訳分からない動画ばっかだな」
「ちょっと、そんな事をしている暇はないわ。忘れたの? ここは禁止エリアになりますわ」
「おっと、そうだった。このサイトは後回しだな」

その時、ふとリュウセイは思い出す。
このパソコンはネットに繋がらない筈なのに、何故かこのサイトだけに繋がるということに。
そしてぱっと見ただけだが、動画のサムネに研の姿が映っており、シャーロックの言っていたミルキィホームズという名前と同じタイトルのアニメがあったのも気になった。

(……もしかしてあいつら、今流行のユーチューバーって奴か?)

しかし彼はニコニコ動画とようつべの区別があまりついていなかった。



「水」

四人がエリアから出ようとしたときだ。
水を求めた一人の浮浪者が現れた。

「水? 支給されてますよ―――え?」

シャーロックがそう答えようとした時、薄暗い中見えづらかったその浮浪者の容貌が露になる。
なんかもう色んなところから赤い液体を噴出した謎の生き物だ。

「下がりなさい、シャーロック」
「”水”!!」
「幻惑のトイズ」

赤い液体を噴出しながらこっちに向かってくる男にアルセーヌは幻惑のトイズを放つ。
だが悲しいかな、この男ケンシロウは既に人生を幻惑しているので、制限が解けたトイズでも大した効き目がなかった。

「アルファガン!」
「行け! 俺のトムキャット・レッド・ビートル!」

トムキャット・レッド・ビートルとアルファガンがケンシロウを吹き飛ばす。
だがケンシロウは平然と立ち上がり、こちらへと向かってくる。

「うえ、気持ち悪! なんだあいつは」
「キチガイだよ」
「それを寄越せ、全部だ!」

相手は水を欲しがっている。
それに気づいたリュウセイは自分のバックから水の入ったペットボトルを取り出した。

「欲しけりゃ、くれてやるよ!(震え声)」
「寄越せ……」
「ただし、俺にボーグバトルで勝てたらな!!」

唐突に何を言い出すんだと思った研達だが、ケンシロウはバックに手を突っ込みガサゴソと漁ると一台のカブトボーグを取り出した。

「良いだろう……」
「俺が負けたら水とシャーロックとアルセーヌと研の命をやる。お前が負けたら即刻自殺しろ!」
「あちらに……ボーグ台がある……」

ケンシロウが指差すとリュウセイも後に続く。

「あっ、悪いけどトイレ行ってくるから先に行っててくれ」
「良いだろう」

そう言い、催したリュウセイはトイレに駆け込みケンシロウはボーグ台に向かう。






「み、水……」

そしてすっぽかされ行き倒れた。

605これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:10:01 ID:zcibUdVY0

【D-3/一日目・夜】


【天野河リュウセイ@人造昆虫カブトボーグV×V】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、左肩に刺し傷、オリーブオイル臭い、強い怒りと決意、首輪解除
[装備]: トムキャット・レッド・ビートル@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品、スコップ@現実、ノートパソコン@現地調達、USBメモリー@ニコロワγ
[思考・状況]
基本:殺し合いを止め、主催者を叩き潰す。
0:勝治、権兵衛……。
1:もこみち死んだのか。
2:ケン…… 。
3:早苗達と合流。
4:研やシャーロックはユーチューバーなのか?
5:ケンシロウから逃げる。
※ニコニコ動画の存在を知りました。今のところニコニコで把握した動画はチャー研、ミルキィ関連だけです。

【アルセーヌ(アンリエット・ミステール)@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:健康、アルセーヌの怪盗服 、首輪解除
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品、ランダム品×1、 シャロの探偵服@探偵オペラミルキィホームズ
[思考・状況]基本思考:殺し合いを壊し主催から願いを叶える方法を盗み出す。
0:ケンシロウから逃げる
1:施設を巡り調査する。
2:ルセーヌとして行動するが、協力者を集める。
3:男声の女(譲治)とロックオンを警戒。
4:自分の推測が正しいか確かめる為、情報を集める。
5:黒幕は神……そんなわけないですわね。
6:会場からの脱出を模索。
7:会場の強度に疑問、本当に地球なのか?
※デッドライジング、スクライド世界の話を聞きましたが半信半疑です。
※有野、もこみち達と情報交換しました。
※首輪解除でトイズの制限が解けました。

【泉研@チャージマン研!】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)
[装備]:スペクトルアロー(ランダム品3つ扱い)@チャージマン研! 首輪解除
[道具]:基本支給品、ランダム品無し
[思考・状況]基本思考:主催者及びジュラル星人、殺し合いに乗ったキチガイ参加者を全て滅ぼす!
1:ありがとウサギ(名前を知らない)、ムラクモを倒す(特にムラクモの計画は必ず阻止する!)。
2:間違いない。黒幕はジュラル星人だ!
3:頭の中に爆弾が! ……ない。
4:ジュラル星人め許さないぞ!
※自分の勘が外れているのをジュラル星人の仕業だと断定しました。(真相は不明)
※首輪解除により、変装制限が解けました。

【シャーロック・シェリンフォード@探偵オペラミルキィホームズ】
[状態]:疲労(小)、全裸(上に勝治のジャンバーを羽織っている) 、首輪解除
[装備]: なし。
[道具]:基本支給品、手鏡@現実、権兵衛のメモを再現しいくつか書き足したもの
   フォーミュラ・シンクロン&シューティング・スター・ドラゴン@遊戯王5D's
[思考・状況]
基本:探偵として主催者を捕まえ殺し合いを終わらす。
1:勝治くん……トイズが戻っていれば……。
2:リュウセイに勝治を会わせるつもりだったけど
3:権兵衛さん……
4:アルセーヌとは共闘
※遊星の首輪と放送に関する考察を聞きました
※主催側はメモリーにが気付いていません。

606これマジ?首輪が貧弱過ぎるだろ ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:10:40 ID:zcibUdVY0






そしてD-2は禁止エリアとなり爆発した。
もちろん、行き倒れたケンシロウも爆発に巻き込まれ爆☆殺!されたかのように思えたが。

「あ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」

中途半端に残った赤い水の力で爆散した体が再生を始めていた。
だが、赤い水の再生力も中途半端なもので体の構築がおかしくなり四足歩行の謎の生命体のようになってしまった。

「な”ん”だ”、こ”れ”は”あ”……水」

色々あったが、とにかく水だ。
四足歩行だろうが何だろうが関係ない。
水を求めて、ケンシロウは四つの足を器用に動かし始めた。

あと爆破の影響で首が一時的に撥ねたので首輪が外れた。


【D-02周辺 /一日目・夜】

【ケンシロウ@北斗の拳(真・世紀末死あたぁ伝説 )】
[状態]:ダメージ小(水により回復)、屍人化回復中… 、首輪解除、四足歩行の生命体
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(水無し)、不明支給品×2、詳細不明のカブトボーグ@人造昆虫カブトボーグV×V
[思考・状況]
基本:水か血が欲しい(優先は水)
1:水か血を飲む。出会った参加者からどちらか分けてもらう。
2:水を求めて街へ向かう。
3:湧水があるなら確保しておきたい。
4:ラオウを追い、今度こそ確実に倒す。
5:士(名前は知らない)はいいやつだ。
6:水を汚した奴(譲治)を探し殺す。
7:この体は……? ……水
※堕辰子が帰った影響か屍人化は停止し思考力も大分戻ってきています。夜頃には完全に回復するでしょう。
※屍人化していた頃の記憶はかなり曖昧です。第2回定時放送の内容もほとんど覚えていません。
※首輪が取れたので制限が外れました。

607 ◆FbzPVNOXDo:2015/03/28(土) 02:11:06 ID:zcibUdVY0
投下終了です

608名無しさん:2015/03/28(土) 03:52:14 ID:7cQSsa6E0
投下乙

怒涛の首輪解除で草
もう(侵入しても死なない禁止エリアなんて意味)ないじゃん……

609名無しさん:2015/03/28(土) 09:26:31 ID:cOb3qFww0
投下乙!
オラなんだかケンシロウのことが好きになって来たぞ!!

610名無しさん:2015/03/28(土) 17:36:04 ID:fYaG7MXI0
投下乙!

611 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:01:06 ID:VHcLlfrM0
投下します

612友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:01:51 ID:VHcLlfrM0
「ちっ、安全らしい連中が随分死んじまったな」

放送を聞き終えた麗華はたまらず舌打ちをした。
先の放送で、フランクとランサーから聞いた殺し合いに反対する者たちの名が、半分近く呼ばれた。
つまりそれだけ殺し合いに積極的な連中が、幅を利かせているということになる。
いつ自分がそんな連中に襲われる番になるか、分かったものじゃない。

「杏子にマミさんまで……」

そしてさやかもかなりのショックを受けていた。
頼れる魔法少女の先輩、巴マミの死は未だに信じられない。
その両目に涙が沸いてくる。

「泣いても始まらないだろ。こう言っちゃあれだけど、あんたの言ってたまどかって娘は無事みたいだしさ」
「……そうだね。まだまどかに転校生だって無事なんだ、ここで泣いてる場合じゃないよね」

涙を拭うとさやかは意を決したように笑顔を作る。

「私から言っといて何だけど、大丈夫、か……?
 無理してるみたいな」
「平気平気、さやかちゃん復活。早くまどか達に会わなきゃ」
「そう……」

どう見ても無理をしている。
麗華はもっと良い言い方があったんじゃないかと後悔したが、今更どうも言えない。

(ああ、くそっ。なんで私がこんな悩まなきゃいけないんだよ!)

一先ずまどか達を探しがてら悩みを振り払うように歩き始める麗華。

「あっちょっと待ってよ麗「さやかちゃん!?」―――え?」

聞き間違えるはずがなかった。
それは、その声こそは他の誰でもない唯一無二の親友でいてさやかの探し人の―――

「まど、か……?」
「さやかちゃん! さやかちゃんだよね!!」
「まどか!!」

その時のさやかの顔はどんなに泣き崩れていたか分からない。
友に会えた嬉しさや、鬼柳の容姿をしているさやかを一目で看破してくれた嬉しさ。
様々な歓喜がさやかの中を駆け巡り、さやかはまどかへと一直線に走り、その両腕を広げ抱きしめた。

「まどか、まどかなんだね!
 私こんな姿なのに分かってくれるの!?」
「うん、分かるよ。だって私達友達だもん」

こうして二人の友人は美しく再会した。



――――

613友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:02:18 ID:VHcLlfrM0


「と、言う訳。私の言った連中は殺し合いに乗っていない。あとケンってのを探してる」

再会したまどかとさやかは、互いの連れを交え情報交換を始めた。
誰が危険で誰が安全か。ここに至るまでの経緯を互いに話し合う。

「嘘、メイトリックスって人殺し合いに乗ったわけ?」
「うん変な仮面の人と一緒に襲われたの」
「おい、ちょっと待て。仮面の奴は知らないけど、メイトリックスは安全だって聞いたぞ」

麗華が口を挟む。
確かランサーとフランクの話では、メイトリックスは殺し合いには乗っていないと言っていた。
この食い違いに麗華が怪訝そうにまどかを睨む。

「あの人は……口が上手いの。私達も最初は娘を助ける為に協力して欲しいといわれたもん」
「ええ、まどかの言うとおりだわ」

まどかの連れの一人であるほむらも会話に参加しまどかを擁護する。
麗華の疑惑は消えないが、少なくともさやかは嘘とは断定しきれていない。
さっきあったばかりの参加者よりも、親友の証言のほうが信用できるのは当然のことだ。

「待ってよ。何かの間違いなんじゃ」
「親友同士の話に口を挟んで悪いが、ワシもさやかちゃんと同じ意見だな」

今まで話を聞いていた閣下もまた違和感を感じていた。

「じゃあ、誰かが変装してたってこと?」
「そうだよ。じゃなきゃランサーさんやフランクさんが、嘘を吐いてるってことになるよ」

まどかは心の中で舌打ちをする。
どうやら、ランサーは自分の言葉を信じてはいないらしい。少なくとも、メイトリックスを危険人物とは想定していない。
幸いなことに、自分からメイトリックスの悪評を聞いたとは流してはいないようだが。
ここは、一先ず自分の勘違いであったとすませるしかないだろう。本来なら、メイトリックスを殺すように上手く誘導するつもりだったが仕方ない。

「分かったよ。さやかちゃん……」
「うん、何とかメイトリックスさんに会って確認してみようよ」

不本意ではあるが今は話を合わせるしかない。

(まあいいや。ともかく今は自由に動かせる駒が必要だもん)

友好的な関係を築けたのは良かったものの、ギルガメッシュや閣下は扱いづらくグレーテルは戦力にならない。
ここでさやかの存在は非常に貴重な人材になる。

「ところで、今ランサーと言ったな」
「えーと、ギルガメッシュさん……ですよね? ランサーさんと知り合いなんですか?」
「そやつが探している、ケイネスという男に用がある」
「ケイネス? そういやフランクが前まで一緒に居たって言ってたな。
 今は船のはずだ」
「ほう」

思いもよらぬ場所に居るなと言いたげな顔で、ギルガメッシュは笑みを作る。
そのまま地図を開き、指でエスポワールの位置をなぞりながら思案を巡らせ始めた。

「船から会場の脱出か……」
「そうか、それなら」
「脱出できる、とでも思っていたのか? アホか?」
 
ギルガメッシュの呟きを聞き歓喜の声をグレーテルが漏らすがすぐに一喝される。

「そ、そんな……」
「……だが目の付け所は悪くないかもしれぬな」
「え? それって」

さやかとまどか、ギルガメッシュとグレーテルのやり取りを見ながら麗華はちょっとした苛立ちを感じていた。
―――何やら胸糞が悪い。
一言で言い表せばこう特に理由はないが、ともかく何か気にいらない。
特にまどかという女は何かが気に入らない。

614友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:02:42 ID:VHcLlfrM0

(訳がわからないけど……何なんだこれ)

そんな変わった感覚に襲われたせいか、まどかがさやかにそっと耳打ちをしたのに麗華は気づけなかった。

「ちょっと、私トイレ……」
「なん……だと」

モジモジとした様子でまどかが草むらへ駆け込む。閣下のテンションが上がるが

「ごめん、私も」

鬼柳(さやか)で下がる。



「なるほど、そうか」

辺りを歩き回り、考え込む動作を見せたかと思えば納得しギルガメッシュは笑う。
閣下はトイレでも覗き込んでるのかと疑うが、そういう様子ではない雰囲気だ。

『結界だ』

一言、紙にそう書き込みギルガメッシュは全員に見えるように投げた。



――――

615友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:03:17 ID:VHcLlfrM0

「はぁ…はぁ…」

ギルガメッシュ達から離れたさやかの息は荒い。顔も真っ赤に染まっている。
さっきからさやかはおかしな気分だった。
正確にはまどかを抱きしめたときから、ドキドキと興奮が止まらない。
さやかも年頃の女性だ。これが何なのかは理解できる。

「これ、勃起……だよね?」

必死に隠していたが股間の盛り上がりは明らかに異性と刺激をを求めていた。
さやかの精神を押さえ込み、男の肉体がまどかを求めている。

「……良いんだよ、さやかちゃん」
「まど、か」
「私で思いっきり気持ちよくなって」

衣服を乱し誘惑的な姿をさらすまどか。
理性は弾け、考えるより先に手が伸びる。

「まどか……まどか!!」

雄と雌が交わり、そして――――







―――――



結界。
この殺し合いには結界が貼られているとギルガメッシュは筆談で伝えた。
そして今、皹が出来ているとも。
たったそれだけを伝え、ギルガメッシュは筆談を打ち切った。

話を伝えられた面子が目を丸くするなか、まどかとさやかが帰ってくる。

「ごめんね。遅くなっちゃった」
「大か」
「…コロス」
「すいません……」

閣下の呟きがほむらに聞こえ睨まれる。

「!? まどか……」
「どうしたのほむらちゃん」

まどかに近づいたとき、変なにおいがした。
この匂いは、そうこれは少し男臭い。

(美樹さやかと一緒に……まさか……)
「ほむらちゃん? 分かってるよね」

頭が真っ白になるのを必死に考え塞き止める。
これは何らかの手段として行った行為、だから自分を捨てた訳じゃないしこれはこれは―――

「とっても仲が良いんですね。さやかさんとまどかさん」

グレーテルの一言が今度こそほむらの思考を遮り頭を真っ白にした。

―――仲良し? 何を……?

―――私が一番長く居て、守ってきて

あの時、まどかと再会し行為を行ったとき、まどかの顔は快感で満たされていなかったかもしれない。
けれど今は、何処かしら満足そうな顔をしている、ように見えた。
勘違い? 気のせい? 

(そうよ、そうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよそうよ。勘違い気のせいだわ)

「ほむらちゃん?」
「何? 何でもないわ。何でもないわまどか」
「そう?」

そんなほむらの心境も知らず、まどかは内心ほくそ笑む。
今さやかは、ある種の恋愛に似た錯乱状態のようなものだ。その衝動に戸惑いを感じながら、発散したいと考えている。
そこに付け込む隙はある。ある意味ほむら以上に従順な僕になってくれれば万々歳だ。

(私の体をはったんだから、ちゃんと役に立ってもらわないと本当に殺すからね。さやかちゃん)



――――――

616友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:03:36 ID:VHcLlfrM0


「仲が良い、か。お前も中々やるようになったじゃないか」
「え?」

それは皮肉や他意など一切含まない。
ギルガメッシュからグレーテルへの心からの賛美だった。

「分かるだろう? あの三人は良い愉悦になる。
 お前は、それを更に良くする為に劇薬を放り込んだのだ」
「あの三人ってまどかさん達のこと? そんな、違う。私はそんなこと」
「もう隠す必要などないだろう。
 ―――第三者としての観測、いや傍観者とでも言うべきか。それがお前の本質であり、起源だ。
 今まではそれに気づかされる環境に居なかっただけ、だがこの場でお前は自身と見つめあい。気づき始めている」

否定したかった。
こんな王様気取りで全て見透かしたような発言、全てが見当外れの大間違いだと。

「それの何が悪い? 
 人が娯楽を楽しむのは当然のこと。それがお前は他人の不幸を見ることに特化していただけだ」
「そんなこと……」
「良いだろう? お前は散々不幸を味わってきたのだ、ならば今だけでもその分の蜜を啜る価値はあると思うがな」

分からなくなる。
自分の本質が何なのか、何もかも分からない。
ギルガメッシュの言っていることは出鱈目なのか、的を得ているのか、自分が本当は何をしたいのか。




―――――



閣下は既にここの面子に見切りをつけ始めていた。
まずまどか、さやか、ほむら、この三人の関係性は非常に危うい。
まどか自身は上手くやれていると思っているかもしれないが、閣下から見ればそれは火に注いでいるようにしか見えない。
おそらくこのまどかという少女自体人の心が理解できないのかもしれない。閣下はそう考える。
そしてギルガメッシュは優秀ではあるが、それ故に自信に溢れそう遠くない内にポカをやらかすと予想できる。
ありがとウサギとの戦いからもそれが伺えた。
その尻拭いが、自分にまで及ばないとはどうして言えようか。間違いない、セル編のべジータみたいにこいつは絶対何かやらかす。

(何処か別の参加者と会えれば、そっちに乗り換えたいところだが)

最悪、一人で別行動というのも取るべきかもしれない。
とはいえギルガメッシュの言っていた結界というキーワードが気になる。
しかし、当の本人がそれ以上の事を話さない以上、聞き出すこともできない。

(結界……。駄目だ、わしの今の知識では何も思い浮かばん。
 やはり魔術師、ケイネスとの合流が先決か)

幸い船に居る事は分かっている。
何処かうまいこと先回りし合流したいところだ。



―――――

617友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:03:57 ID:VHcLlfrM0


「おい、さやか。お前大丈夫か?」
「え? 何、が」
「いや、前からモジモジしてると思ったら何か今度は悟ったみたいな顔して」

麗華はさやかの挙動不審さを見て訝そうにまどか達に聞こえないよう話しかける。

「何でもない、から」
「いやでも……」
「何でもないの。……本当」

まるで、拒絶されているかのような。
自分のある領域に踏み込んで欲しくないということなのか。
ともかく無理には聞き出せない様子だ。

(待て待て、そもそもこんな奴他人なんだ。私の知ったことじゃない。
 そうだ、別にほっときゃ良いじゃん。まどかって奴も居るんだし)

考えれば成り行きで共に行動していたが、自分が気にかける必要などもうまるでない。
あとは大親友であるまどかとやらに任せればそれで自分はお役ご免。
もう何も気にかけなくても良い。

(私一人で船に行くのもありかな。空飛べるし)


―――――



心は女なのに、それなのにまどかに強く惹かれてしまう。
これはいけない事だと思うのに、男の体が反応する。
それは今まであった友情と恋愛、発情へと変わった瞬間だった。

(まどか……まどか……)

まだ、あの行為がなければそれは戸惑いで終わった筈だった。
だが超えてしまった。だからもうこの思いは止まらない、止められない。

(まどか……こんなこと……)

どうすれば良い? こんなことさやかは誰にも相談できない。
麗華にだって言えば引かれる。転校生だってそうだ。
このままでは本当におかしくなりそうだ。

(こんなにまどかが好きになっちゃうなんて……)

この体は他人のものだ。
鬼柳、遊星にも合わす顔がない。もうさやかは分からない。
ただ今は、まどか笑みにそっと身を任せることしか出来なかった。

618友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:04:28 ID:VHcLlfrM0
【F-4/一日目・夜】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ(クズなまどかシリーズ)】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:ソウルジェム 、螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式×3、キングクリムゾン(残り3回)@ニコニコ動画、タイム風呂敷@ドラえもん、不明支給品0〜1
    十六夜咲夜のナイフ×3、イカ娘の支給品(ランダム品1〜3)
    ゴンさんのデイバック(ヴェルタースオリジナル一袋@現実、スタングレネード×5@現実、コンコン@JAPAN_WORLD_CUP
    キャラ改変パッチ@MUGEN、ランダム支給品(0〜2),ウィンチェスターライフル(1/7)@うみねこのなく頃に
[思考・状況]
基本:ゲームからの生還
1:ほむらちゃん、さやかちゃんと一緒に行動。あまり役に立たないようなら捨てる。
2:利用できる者は利用し、邪魔になる者は殺す。士、メイトリックスはいずれ殺す。
3:行動に出る際はパッチを利用してなるべく自分の悪評が広がることはないように動く。
4:海魔召喚のための餌も探す
5:ほむらの仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
6:優勝も視野に入れなきゃかな……。
7:四回放送までに残り二人何としてでも殺す。可能ならば目立たないよう確実に、でも余裕がなくなれば……。
8:ギルガメッシュ達を上手く利用したい。
9:二人殺害が間に合わなければ、ほむらの首輪解除の仮説も視野に入れる。
10:さやかを上手く利用できる駒にする。
※クズなまどかVS逆襲の魔法少女スーパーさやかちゃん【前編】直後の参戦です。
※さやかの体が鬼柳京介になっているのを知りました。
※螺湮城教本は制限により海魔の現界、術者の魔力補給、本体のダメージ修復等の同時運用は出来ません。
※制限として海魔の最大同時現界数は五体までしか出せません、また能力も下方修正されています。
※AV動画オールスターセットの動物はもう残っていません
※四回放送までに残り二人殺さないと死にます。


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)、マドカァー 、ヤンデレ状態
[装備]:ソウルジェム、バルメM78(36/40)@コマンドー、ストライカーユニット@ストライクウィッチーズ、世紀末魔法少女パッチ@MUGEN
[道具]:基本支給品一式、キャベツ@夜明け前より瑠璃色な 〜Crescent Love〜、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:まどかに全てを捧げる。
0:絶対に残り二人まどかに殺させる。
1:何があってもまどかを守る。
2:どんなことをしてもまどかに認めてもらう。
3:もう役立たずだなんて言われたくない。
4:まどかに危険を及ぼしうるものは全て排除する。
5:北斗神拳を使い秘孔を突けば首輪が外れるんじゃ。
6:自分の仮説を確かめる為に生きた参加者で実験する。その為に手頃な参加者を捕獲する。
7:何か大切なことを忘れている気がする。
8:まどかの一番は私よね? 私よね?

【グレーテル@よもやま四方山】
【状態】軽度の火傷、打撲、疲労(小)、血塗れ、迷い
【装備】ボロ服
【道具】ディーノの基本支給品一式、ポッチャマ@ポケモン
    浜口優かも×3@学校で配られたDVDがひどい件、剣(石)@Minecraft、アサシンの首輪
【思考・状況】
基本:出来れば死にたくない
1:ギルガメッシュに着いていく
2:愉悦…
3:自分のデイバックを回収する
4:私は……
※モンスターボール(ポッチャマ)が壊れたため、引っ込めることができません
※ギルガメッシュと情報交換をしました
※会場からの脱出は諦めました

619友【さいかい】 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:04:54 ID:VHcLlfrM0



【ギルガメッシュ@Fate/stay night】
[状態]:打撲 、右腕復活、疲労(小)、機嫌回復
[装備]:王の財宝@Fate/stay night(空)、天の鎖@Fate/stay night、 必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)@Fate/Zero
[道具]:基本支給品一式、作業台@Minecraft、ランダム品(0〜1)
[思考・状況]
基本行動方針:気の向くままに行動する。
1:主催者を殺し王の財宝を取り戻す。
2:ポッチャマに興味。グレーテルはポッチャマのおまけ。
3:男(木原)は今度遭ったら殺す。
4:ヒトラーと共に市街地へ。ケイネスを探す。
5:まどかとほむらとさやかの関係は面白い。愉悦愉悦。しばらく同行してやる。
※自身にかけられている身体能力の制限に気が付きました。
※殺し合いの参加者が別の世界から呼ばれていると考えています。
※アカツキ電光戦記と総統閣下シリーズ、よもやま四方山の世界を知りました。
※ギルガメッシュがこの先どこへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。
※放送と戦闘が被りました。しかし案外聞いている可能性もあります
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。
※何か気づきましたが詳細不明です。結界とか言い始めてます。


【総統閣下@総統閣下シリーズ】
[状態]:疲労(大)、左肩負傷 、まどか達を警戒
[装備]:出刃包丁@現実、キー・オブ・ザ・グッド・テイスト@人造昆虫カブトボーグV×V
[道具]:基本支給品一式、大量のマンガと本、カイジの地下王国豪遊セット(ポテチ、チーちく、肉じゃが、ビール×4)@逆境無頼カイジ 破戒録編
[思考・状況]
基本行動方針:生きて祖国に帰り可能であるのなら二次元に行く。打倒主催。
1:情報収集。首輪の解析
2:主催者どもは必ず倒すが、具体的な作戦及び行動方針はこれから考える。
3:クリーパーを失うのは惜しかった…
4:メイトリックスと譲治を警戒……?
5:青鬼とレーザー、およびそれを発射した「何か」を警戒。
6:まどかに違和感と何処かで見た既知感。
7:こいつらがやらかす前に何とか別れたい。船に居るケイネスと会いたい。
[備考]
※出典はあくまで総統閣下シリーズ、現実や最後の十二日間での真面目な独裁者ではありません
※サブカル知識も豊富ですが、なんらかの制限がかけられている可能性があります
※ギルガメッシュ他、数人の参加者について情報を得ました。
※アカツキ電光戦記の世界を知りました。
※別の世界から呼ばれた事がほぼ確信に変わっています
※総統閣下のノートには今まで見聞きした事のまとめや考察が数ページにわたって書いてあります。
※クリーパーの説明書を読みました。
※総統閣下の持ち出した本やマンガの詳細は次の方にお任せします。ただしDVDやBDは持ち出していません。
※過去に読んだ「HUNTER×HUNTER」を思い出しました
※メイトリックス、士、カズマ、サーニャが殺し合いに乗ったと聞かされましたが何処まで信じてるか不明です。


※さやか達と情報交換しました。



【東豪寺麗華@MMDDFF】
[状態]:健康
[装備]:エクスカリバー@Fate/Zero
[道具]:基本支給品、DMカードセット(デモンズ・チェーン@遊戯王5D's)
[思考・状況]
基本:生存優先、主催は殺す
1:とりあえず積極的に人と会い情報を集める。その一環で船の方に向かう
2:幽香の奴、死んだのか。
3:水色髪の男(さやか)はほっとけない。
4:レア様とはいずれ決着をつけるつもりだったけど……。
5:まどかに何か嫌悪感?
6:メイトリックスは殺し合いに乗っている?
7:もうさやかは放っといても良いだろうし一人で船に行こうか……
※制限はほとんどされてません。
※遊星、フランク達と情報交換しました。


【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:鬼柳京介の肉体。まどかに発情、戸惑い
[装備]:さやかのソウルジェム(濁り:大)@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:基本支給品、「スピード・ウォリアー」のカード@遊戯王OCG、
    「くず鉄のかかし」のカード@遊戯王OCG、「???」のカード@遊戯王OCG、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本:殺し合いをぶち壊して鬼柳の分まで満足する。
1:謎の戦車を警戒。
2:まどかと会えて嬉しい…けど
3:メイトリックスは殺し合いに乗ってる? 会って確認したほうが良いかも知れない
※ショウさんの話を聞く直前からの参戦。
※肉体は鬼柳京介のものになっています。
※第一放送を聞き逃しました。
※遊星、フランク達と情報交換しました。


※まどか達と情報交換(嘘を含む)しました。

620 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 03:05:12 ID:VHcLlfrM0
投下終わります

621名無しさん:2015/04/01(水) 16:00:24 ID:m9b.5f760
投下乙

こいついつもセックスしてるな(まどか)
このメンバー総じて不安定な上に、ステルスマーダーばっかの早苗さん組も近くにいるので今後に期待

ちょっと謎なのが、さやか達はG-03から船を目指していたはずなのに、何故逆方向のF-04に居るんですかね?

622 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 17:11:03 ID:VHcLlfrM0
言われてみれば反対側じゃん(困惑)
【F-4/一日目・夜】を【F-3/一日目・夜】で

623名無しさん:2015/04/01(水) 17:24:01 ID:m9b.5f760
>>622
それでも南西にある船に対して北に行っちゃってるので微妙っすね
G-03かG-02辺りじゃないでしょうか

624 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/01(水) 17:30:00 ID:VHcLlfrM0
ありがとうございます
じゃあ【G-2/一日目・夜】で

625 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 12:58:21 ID:Zg9kHjMA0
短いですが投下します

626どうしてD・ホイールと合体しないんだ・・・ ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 13:02:31 ID:Zg9kHjMA0
「くっ、マミさん、権兵衛さん……それにまた僕の名前まで」

息を吹き返した勝治は放送を聞き、マミ、権兵衛の死に胸を痛める。
そしてシャーロックの無事に安堵し、また放送で呼ばれた自分の名前に疑問を抱いていた。

「シャーロックちゃんはリュウセイくんが付いてるから安全だろうけど。
 僕はそうもいかない……。早く頼れる仲間を見つけなきゃ」

ここに来てから、勝治は同行者と毎度毎度必ずと言っていいほど逸れている。
幸い、カブトボーグは近くに置いてあったので戦闘はこなせるが、それでもやはり心もとないのも事実。
この殺し合いの打破は一人では困難だ。それを理解していた勝治に焦りの表情が見えはじめた。

「うんざん、うんざん!」

「ハッーハハハハハハハハ!! これが俺の真の姿だ!!!」

そんな勝治の願いを叶えるかのように、ケンタウロスのような姿をした変な男と雲の妖怪が勝治へと爆走してきたのが目に入った。



――――


無事、ゲキド町へと辿り着いたプラシドは下半身の修復を始めていた。
自分が予め持ってきていたパーツと、更にゲキド街で現地調達した道具を上手く使い修復を続け、何とか三回放送が終える辺りには修復が完了する。
即席の修理だった為、かなり足に違和感を感じるが仕方ない。何より、違和感があったところでさほどの問題はなかった。

「う、うんざん?」
「フッ、驚いたようだな。これが俺の真の姿だ」

プラシドの下半身はオデッセイと合体していた。
足のあった部分に、大破したオデッセイの無事な車体とタイヤがあるのだ。その姿はまさにケンタウロス。
プラシドはオデッセイの無事な部分と、自信のDホイールとの合体ギミックを上手く使い、擬似的なオデッセイとの合体を果たしていた。
無論、合体解除も可能だ。その時は通常の人間形態になる。
なお、足の部分が壊れていた為、ルカの足のパーツになった結果、とんでもない美脚になってしまった。
上半身と下半身のバランスがまるで取れていないが、ここは我慢するしかない。

「感謝するぞうんざん。俺が何とか足を直せたのもお前のお陰だ」

三回放送で流れた仲間達の名前がプラシドの心に響く。
少ない付き合いだったが、悪い奴らではなかった。自分がもっと早く復活していれば、死なずに済んだかもしれない。
そのどうしようもない。だがプラシドに付き纏うことをやめない後悔が沸く。

「うんざん……」
「……慰めているのか? そうか、すまないな」

「俺もセンチになった」プラシドはそう嘲笑する。
何処かの蟹頭の絆厨が移ったのかもしれないと、何処か皮肉気にプラシドは思った。

「良し、ここに用はない。早く行くか」

プラシドのタイヤが回り加速する。
それに引っ張れるように付いていく雲山。

こんな時だが、少しプラシドは気分が良かった。
誰も居ない夜道を一人突っ走るのは、中々気持ちのいいものだ。ましてや市街であればなおさらだ。

「ハッーハハハハハハハハ!! これが俺の真の姿だ!!!」

だからだろう。
こんな大声を出してしまったのは。
だからだろう。目の前の少年に気づくのが遅れたのは。

「あっ」
「うわああああああああああああ!!!」

その病弱そうな少年を轢いてしまいプラシドは大転倒。
カラカラと空しい音が響かせながらクラッシュ。
幸い上半身が吹っ飛んだり、ボディに異常はなかったが問題は轢かれた側の方だ。
大急ぎで体を起こしたプラシドは少年へと駆け寄るが、もう遅い。手遅れだ。


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグV×V】死亡


「うおおおおおお!! これが絶望だと言うのか!!」

みすみす一人の少年を死なせたことに罪悪感と後悔しか浮かばず叫ぶプラシド。
何ということだろう。己自身が殺人者になるとは。こんな、こんなことなど――――

「うんざん」
「何だ? 今それどころじゃない!」
「うんざんうんざん」
「だから、うるさいぞ」
「うんざん!!(マジギレ)」
「何、息をしている……?」

なおその少年は気絶しているだけだった。
幸いバックがクッションとなって外傷もない。


この時期になると事故が増えると聞きます。
ドライバーの皆さんは勿論のこと、歩行者の方も交通事故に気をつけましょう。

627どうしてD・ホイールと合体しないんだ・・・ ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 13:03:08 ID:Zg9kHjMA0


【E-02/1日目・夜】


【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:希望の番人化、オデッセイと合体した真の姿、ルカの美脚
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6)@アカツキ電光戦記、金色の法輪@東方Project
[道具]:基本支給品一式、プラシドの下半身@遊戯王5D's、モンスターボール(バッフロン)
    もしかしてオラオラですかーッ!?@未来ガジェット研究所、ふなっしー@現実 、@課金騎兵モバマス予告集
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:生きているのか!? この少年!
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:宙、ルカ、雛子、鬼子、響、アカツキ……
5:青鬼を最優先で警戒
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※プラシドのディバック及び支給品は灰になりました。
※ケンタウロスみたいな真の姿になりました。人間形態の時は美脚です。


【雲山@東方星蓮船 AfterExtra】 支給品
【思考】
1:プラシドについていく
2:サーニャ達の事が気になる


【松岡勝治@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疲労(大)、頭部に打撲の跡、足に豆が出来た、気絶
[装備]:ダークサイド・プレジデント@人造昆虫カブトボーグ
[道具]:基本支給品、GOと10万円@真夏の夜の淫夢
   サイバーZ二号のベルト@真夏の夜の淫夢関連
[思考・状況]
基本:殺し合いを止める。
1:……
2:リュウセイ、ケンが心配
3:田所(野獣先輩)を警戒
4:ケンは絶対生きてる
5:少年への軽い罪悪感
6:権兵衛さん、マミさん……
※遊星に今までしてきたことを話しました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは言ってません。
※田所(野獣先輩)が一服盛ったと思いこんでいます。
※放送には、嘘があると思っています。
※遊星と権兵衛の情報交換を聞いています。
※奇跡的に生存していました。

628 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/02(木) 13:03:31 ID:Zg9kHjMA0
投下終了で

629 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:03:46 ID:BMwVZHXA0
投下乙
勝治の死亡は最早ノルマですね…間違いない
遅れましたが自分も投下します

630 ◆qPqX2r.h0A:2015/04/02(木) 21:04:52 ID:BMwVZHXA0


「ここにも…あったゲソ…」


深海の侵略者、イカ娘はそういって地面に落ちていた「それ」を拾う。
そして自分の触手を器用に扱い、近くの地面を掘る。
次に、自分の手で拾った「それ」―肘から先の無い人の腕をそっと穴に入れ、土を被せる。

付け足しておくとこの腕は爆☆殺されたディーノの残骸である。
最もそんな事はイカ娘にとっては知る由もない。

だが、また自分の知らない所でこうして罪も無いであろう人々が無惨に死んでいく様は、イカ娘の心を強く痛めつけた。

もうこの作業にも慣れてしまった。
海の家れもんから街へ向けて歩みだした矢先、イカ娘を迎えたのはおぞましい死屍累々であった。


最初にイカ娘が見つけたのは氷漬けになったバラバラ死体。
その死体を見るに30くらいの男性のようであり、死顔は苦しみに歪んでいた。
人は死ぬ瞬間、こんな顔をするのだろうか。
イカ娘はついそんな事を考えてしまい、背筋が凍った。

幸いデイバックを身に付けていたようなので埋葬した後で失礼ながら頂く事にした。
ついでに首輪も何かあった時に備えて回収しておく。

氷漬けの死体が土に埋まっていく瞬間、その男の死顔がどこか誇らしい表情に変わった…ような気がした。


次に見かけたのは指先や足で辛うじて人とわかる死体の残骸。
ここまで酷いともはや爆死にしか見えないのだが何故か周囲に焦げたような後が無い。
まるで内側から破裂していったようにも見える。
しかしそれでも、何とか残っていた残骸を埋めていく。

道中、血塗れた槍を見つけたので一応拾っておく事にした。


3番目にイカ娘が目にしたのは緑色の肌をした幼い少女のような死体と顔の無い猫のような動物であった。
少女の死体の方は首を折られたことが死因のようであり、死体の損壊は少ない。
年齢はあかりよりも幼いくらいであろうか。
動物の方は何らかの力によって顔から上が無惨に抉られている。

その幼い少女の死体はそれほど無惨な形ではないが、むしろイカ娘はそれに目を合わせたくなかった。
イカ娘にとってこんな幼女までこの殺し合いに参加させられているとは考えたくはない。
こういったものを見る事になるなら、まだ原型のわからないくらいバラバラ死体の方が良かった。


そして先ほど埋めた5つ目の死体。
腕だけは何とか見つかったがそれ以外は梨の礫であった。

「こんな事をする理由が…何所にあるんでゲソ…」


人だって自分だって魚や家畜を殺し、自らの糧としている。
それは自然の摂理であり、生きていく為に必要な事。
ただ殺すだけ殺して、命であったものを無為に捨てる。
人として、生物にとして、この上無い愚行である。
それを剰え人間という同族に、これだけ凄惨に殺めておいて野に捨て置く。

イカ娘は人間ではない、故に人と価値観も死生観も異なる。
だがそれでも、許せない物は許せない。
人にしろイカにしろ、このような惨い行いが許される摂理などあるのだろうか。断じてあり得ない。

自分は無力だ。
だから、誰にでもできる事を誰よりもできるようにしたい。
その怒りと悲しみは決意となり、イカ娘の歩みをより確かな物にした。






¶ ¶ ¶

631レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:06:34 ID:BMwVZHXA0
(酉がおかしくなってました、すいません)









「ここが光写真館ですね」

うさんくささに定評のある男、海東が言った。

遠目に見ると少し大きな民家程度の認識であったが、近くで見れば意外と豪華な外装であり、館と言った印象はある。

「へぇー、以外とゆっくりできそうじゃん!」

「でも大事なのは中身さ、酷かったらおっさんでも怒るからな」

何とあつかましいキチガイであろうか。
大人への態度だとか接し方という物すら何一つ録に学んでいない様だ。
育ちの問題なのか或は脳に障りでもあるのか。
そんな思いを心に抱きながらも、海東はまったくもって平静を乱さない。表情は緩み気味だが。

「こら、紹介してもらっておいてその態度はダメですよ!」

早苗がケンを宥める。

「いえいえ、構いませんよ」


何故光写真館に5人が向かったのか。
わずかに時は遡る。



§ § §



「せっかくの部下なんだ、命令ぐらいしてもいいよな!」

唐突にケンが声高に言った。

「俺ちょっと疲れたからさ、休むトコとかない?」


このキチガイはどこまで自己中心的な人間であろう。
こんな戦の場において悠長にちょっと疲れたから休むなどとふざけた真似を。
貴様のような者の為に安息など毛頭も要らぬ。
首輪の解除の真偽はともかく、用が済めばこいつから真っ先に殺してやる。


「わかりました、近くに光写真館という施設があります。」

「私が知る限りではそれ也に休む空間はあるので行く価値はあるかと思われます」

「私も一応それが私の知る光写真館なのか確かめたいのです。いかかでしょうか?」


心の中で半ギレするムラクモとは対照的に海東は妙に協力的であった。
何故海東とやらはこのキチガイにここまで協力的なのか。
いや、それ以前に気になる言葉が出てきた。
「私の知る光写真館」とはどういう事なのか。
自分が地図を確認する限りでは何所にでもあるような施設と聞いた事も無いような施設の2種類しかなかった。
奴が元々この場所を知っていたのか。いや、それはないだろう。
ではなぜなのか。

こんな疑問を持つ者がもう一人。星君である。
先ほど自分が訪れた光写真館というものを、奴は知っている。
自分が訪れた時はホモ向けAVを見て一人シコシコ自慰行為に耽っているクッソ汚い野獣がいたくらいだったがあの施設に何か特別な物でもあるのだろうか。

632レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:07:45 ID:BMwVZHXA0



「じゃあわかった、行ってやるよ」

「行ってやるよじゃありません!大人の人には敬語を使いなさい」

しつこく早苗が指導する。

このままでは早苗をこのキチガイから引き剥がすのは難しそうだ。
と、海東は思った。
だが、これで良い。少なくともこれで自分の目的の一つである光写真館を調べる事ができる。
首輪の取り外しの真偽だけでなくあの二人の情報についても聞いておいて損は無い。


こうして一行は光写真館に向かう運びとなったのだ。



「よし、合格!」

ケンが海東を認める。

「早速飯でも食おうぜ!」

「ってわけで早苗、何か持ってないか?」

早速ソファに座り込み、ごく自然な流れでケンは物乞いをする。
現在ケンの所持品は愛機であるエレクトリカル・スピードワゴンしかない。
デイバックなどの支給品はクッソ汚い野獣に略奪されてしまったのだ。

助けってもらった分際で何を抜かすか、とムラクモがまた心の中でキレる。


「私ので良ければどうでしょうか」

そういって海東は自分のデイバックから食料品を取り出し、ケンに見せる。

「お、じゃ遠慮なく頂くぜ!」

それに答えるようにケンは海東の食料に手を伸ばす。
が、その手は第三者によって阻まれた。

「ありがとうは?」

早苗である。
そういわれて、嫌々ながらもケンは海東に感謝する。

「はい、ありがとうございます」

「良いんですか海東さん」

「買いませんよ、それより私はここをもう少し調べたいので」

そういって海東は隣の部屋に入っていった。







「ふむ、見事な再現具合…いえ、本物でしょうね」

海東が独り言を呟く。
配置されている写真、部屋の作りや模様、調度品の位置、どれをとってもオリジナルと何ら変わりはない。

「ん?」

奇妙な違和感を感じた。
妙にイカ臭い、元々こんな匂いはなかったはずだ
ふとこの部屋の片隅を見る。すると何か奇妙な跡があった。
大分乾いてはいるが何かを零したような跡である。臭いの原因はこれであろうか。

633レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:08:44 ID:BMwVZHXA0

ここでまた海東はもう一つ異変に気がついた。
零し跡の側には再生機があるのだが、よくみるとDVDが差さったままなのだ。
そしてそれに接続されているテレビも電源がはいっている。
入り口に面した四人の居る部屋にもテレビはあったがあちらは電源が切れていた。

「だれかが、ここにいたんですかね。」

そういうことになる。
何のDVDかはわからないが興味を持ったので取り敢えず再生してみた。


〜真夏の夜の淫夢〜

第四章「昏睡レイプ!野獣と化した先輩」


テレビに映像が映し出され、そのようなテロップが流れた後二人の男が映し出される。


「ん〜。いい時には結構いくね」

「う〜ん・・・」

「結構楽だった?」

「こ↑こ↓」

「へぇ〜、すっごい大きい・・・」

ガチャン!ゴドンッ!
乱暴な音を立てて映像の扉が開く。

「入って、どうぞ

「おじゃましまーす」

ギィー、ガッタン!
閉まり音も何所か乱暴である。

「いいよ上がって」

「あっ・・・」

「こっちも大きいっすね〜・・・」

「まずウチさぁ、屋上、あんだけど・・・焼いてかない?」



(クッソ汚いし長いので少し中略)

(なお、この間海東は普通にホモビに見入っていた模様)



「これ以上やると気持ちよくなっちゃう。もういいよ。ヤバイヤバイ」

「喉渇いた・・・喉渇かない?」

「あー、喉渇きましたね」

「何か飲み物持ってくる。ちょっと待ってて」

「はい」



何か嫌な予感がしてきた。
テロップの時点で疑わしかったがこれはもしやただの同性愛者向けのAVではないのか。

634レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:09:40 ID:BMwVZHXA0




「ああ、気持ちイイ・・・。」

「イイよぉ・・・ハァ、ハァ・・・・アアッー、アッ、ンアッー、ンッ・・・ォゥ、ォウ」

「オォン!アォン! ハァ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ、アッ・・・」

「アアッー!ハァハァ、イキすぎィ!イクゥ、イクイクゥ・・・」

「ンアッー!」

「ウン、ウン、ウン、ウン、フン、ウン、ウン、ウン」

「ウンッ!ウンッ!ウンッ!ンッ!・・」

「イキそ・・・」

「いいよ、来いよ!胸にかけて!胸に!」

「アッー、胸にかけて、アッー!・・・ファッ!?」


〜二人は幸せなキスをして終了







ーー結局最後まで見てしまった。

「私の知る写真館には、こんなDVDはなかったはずだが・・・」

この床の零れ跡の正体も何となく理解できた。
これは恐らく映像にも映されていた体液という事になる。
余り想像したくないが、何者かがここでこれを見ながら自慰行為に耽っていたのだろう。
だからといって床を汚染したまま放置するのはいかがな物か。


心のどこかで無駄な時間を過ごしたと思う一方で気がかりなものが一つあった。
あの役者の中で遠野という人物を襲った男は田所と呼ばれていたのだ。


『野獣先輩…いや田所と言った方が良いか』

ここで海東は記憶を巡らせる。
第2回放送のたしかそのような死亡者が呼ばれていた。
田所と言った方が良いか、という呼び方をする事はつまりその呼び名が本来あるべき名である事を示す筈だ。
名字だけなら偶々という可能性もあり得るが、先ほどのテロップには「野獣と化した先輩」表示されていた。
これを略すれば参加者名簿にも記載されている「野獣先輩」となる。
憶測の域を出ないが偶然にしては奇妙な一致である。

もしこれが実際の参加者の情報であるならば他にも、参加者の情報を知る事ができる物もあるかもしれない。
ステルスマーダーとして行動する自分にはこれほど有益な物は無いだろう。

「いいヒントだ 感動的だな」


といった理由で海東は早速再生機とテレビ回りの引き出しなどを漁ってみた。




& & &

635レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:10:47 ID:BMwVZHXA0




「飯の味に関しては流石にどうしようも無いか」

またしてもケンが不満を漏らす。

ムラクモはもうこんなキチガイに一々心の中でつっかかるのは面倒なのでやめる事にした。

「呑むが良い、オレンジジュースだ」

「腹の足しにはなるだろう」

割り切ったような表情で早苗がオレンジジュースに変えた水をデイバックから取り出しケンに差し出す。

あの女の事なのだから毒など入ってはいないだろうが、警戒に越した事は無い。
実際に毒がはいっていたにしてもこうして渡してしまえばキチガイも処理できるのだから一石二鳥だ。

ケンにジュースを取り出した後、ムラクモも食料品を取り出して口に運ぶ。
凡人というものはいつも周囲に流されてばかりでまったくもって芯が無い。
流石に自分もここで周りに合わせて食べておかなければこの女に妙な情をかけられてしまうだろう。
それは正直言って癪に障るのでそういう庇護念はしばらくはこのキチガイに向けてもらいたい。




『首輪の話だが、どうなった?』

食事時が一段落した所でムラクモ支給品のメモに書いた文字をケンに見せる。
所謂筆談である。
これで首輪に盗聴機能があったとしても大丈夫な筈だ。

「あ、わりぃ、ちょっと飯食った跡だからさ、食休み、休ませて」

素っ気ない返事とともにケンは寝込んでしまった。
同時にムラクモは、手に青筋を浮かべながらメモ用紙を握りつぶした。



「おや、星君どうしたんですか?」

早苗が問いかける。
その目線の先にはその場を離れようとする星君の姿があった。

「うん、気になる事があったんでちょっとこの館を調べてみたいと思ったんだDA」

そう答えると海東とは別の部屋に入っていった。


運のいい事もある物である。
海道や星君とも分断できた事だしさっさと首輪の話を聞き出したら、いっそ早苗ごとこのキチガイを殺してしまおうかとムラクモは考えていたが、ふと思いとどまった。

海東という男、おそらくは黒と見て間違いないだろうが何故こんな無力そうな女を殺さないでいるのか。
このキチガイと違って首輪の解除の話みたいな有益な情報も持っていない。
自らの手を汚したくないにしても自分が見ていない間に何時でも殺せたはずである。
何か生かす理由が?



ムラクモが自らへ問いかける。

636レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:11:36 ID:BMwVZHXA0

そして、その答えが出るのは比較的早かった。



ーなるほど、そういう事か。

確かに、生かしておいて得策かもしれない。
これからも、たくさんの仲間を引き入れるのならば。
あの男、実際何を考えているかは審らかではない。
が、スタンスとしては自らの手を汚さずこのゲームに乗る。
これが一番早苗を生かす理由を含めてしっくりくるという物だ。

早苗を生かす理由。
推測に過ぎないが海東はあの女を自分の潔白のシンボルにしたいのではないのか。
まず第一印象の時点で海東を心から信頼できるような人間はそう多くはないだろう。
だが早苗はそんな海東に憧れの念すら抱いている様だ。
早苗という女ははっきり言って頭の程度はそれほど高くなく、疑う事すら知らない。
騙すのもさほど難い事ではないだろう。
信頼されている人間が居れば、それだけでその人物の信頼性を大きく引き上げる事になる。

東風谷早苗、考えてみればこれほど良い駒もなかなかないというものである。
精々自分もそれに肖らせてもらうとしよう。


…ガチャリ。

「!」



「すまない、ここにスカートを履いた少年が来なかったか…あっ!」





⌘ ⌘ ⌘






「うん、気になる事があったんでちょっとこの館を調べてみたいと思ったんだDA」

少し面倒な事になった。
星君はそう思う一方で丁度いい余裕ができたかもしれないと感じた。

海東という男は元々ここに住んでいたような素振りは無いのにこの光写真館を知っていた。
あの男が何か特別なのか、それてもこの施設に何か彼に知り得る要素があるのか。
本来なら自分が彼に詰め寄るのが一番手っ取り早い話である。

だがあの男の表情が、星君にそれを躊躇わせた。

637レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:12:37 ID:BMwVZHXA0

              /. : /⌒ヽ ∨,.≦三==:.、ヽ. \
             ,.イ. : /∠⌒ヽヽ_彡' ⌒ヽ`ヽ ヽ ':, ヽ
            //.:: /: :/´ ⌒` ー '´    ヽミ、 ',  :. :丶
        //.:: /: :/ .: .              ヽミ、 ', :. : .丶
       〃.: : .: :〃 .: .            ',ミ;、 :. :. : . ヽ
       〃.:: : .: .:i| :.: .            ミハ :. ヽ. : . ヽ
       ,' .: : : : : :儿_,.-='≧:.    .;≦三ニ:.ヽ'ミ人. :. . ヽ、._ ',_
     、i .: : : : : ;レ'イ'´_,..,_`ヽ.   .:  _,..,_ `ヾ\:.≧==ニ二 > 、
     ヽ._彡.: : : リ ;'_イ'じノヘ ';:. . : ∠じリ>.、_ \≧==ニ ='⌒ヽ  
     ._,.イ.:: : ノ.: .:`¨¨⌒ ;:':; . : ::. . .::⌒     :乂 ー-=彡ヘ ':.   
     ≧=ー .:彳.:: .:      ,' .:; .: :  .:: .      .:从':.、: : .ヽ、)′ 
     三:._彡'.::从:: .:    .イ:::;'  .:   , 、: .      :|lヽヽ`:.、: . 〉  
     /.:/.: ;厂ヘ.: : :. / `'ヘ、_ , -:'  \     :リ ヽ \`:.、
      乂 .:: :人__八 : .′ _,..,_    _,,..、 〉    从_ .ノヽ冫〉
      ヽ: ;' .: : : :∧  : <L.T^Y^レイ:/     .:////イ′
       ヽ\ : :/. :ト、 .   \`'┴ イ/   . :,イ|// . : : :/
        \|l : : :ノ| ';.丶   `¨¨ ´   , : , '  |/, : : ; ;'
            〃: :〈│: '; .ヽ: .        ,.:' :/  .:|八: :ノノ
          八:、;ゝノ: : : : . ヽ、: : . ._.; .;' : : '   . : |、彡'
            ` 爪: : : : : : : : : : : : : :      . : ;ハ、
            ,イ│\: : : : : .            . :/  |:.\


↑常にこんな顔をしているのだ。怪しすぎる。
何だあのいかにもうさんくささの漂う貼り付けたようなにやつき方は。
まるで『私は何か企んでいます』と書いてあるような物だ。
元々人間なんてハナから信用していないが、あの顔はその不信感に一段と磨きがかかっている。
今はこうして穏健派を装って居る以上、今あの男が本音を吐くとは思いがたい。
何か都合の悪い事でも聞かれれば適当な嘘を吐いて自分たちを混乱させてくるだろう。
できるだけ、海東に依存するのは控える。
そして、解決できる謎は自分で解決していく。

そう思ったが故の、この館の探索行動であった。

考えてみればこの人間の集まりで利用できそうな者は少ない。
ムラクモといっていた少年だが彼も少し妙だ。
海東程露骨ではないがあの目つき、産まれもって身に付いているにしては鋭すぎる。
それは非力な少年の眼というよりは獲物が隙を見せる瞬間をじっと待ち続ける蛇のそれに近い。
仕草や歩き方も気になる事がある。
背丈からしてだいたい年齢は10にも満たないであろうが、それにしては隙がない。
常に周囲に気を配り続けており、後ろに立っていても見られているような気分だった。
結果的に見れば、恐らく何らかの訓練を受けていると見て間違いない。
悟られない程度には警戒しておくべきだろう。



そんな事を考えながら星君が入った海東とは別の部屋。
少し広いが物置きの様だ。
棚にはDVDやらBDやらが仕舞われており、下の方には今では珍しいVHSなどが所狭しと敷き詰められている。
床に置かれたカゴを見るとフィルムが入っていた。
星君は直感的に匂うと思い、DVDやらBDやらがはいった棚の方から気になる物が無いか探した。


「…?」

638レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:13:27 ID:BMwVZHXA0

見つけた。気になる物を。

[人造昆虫 カブトボーグ V×V]とパッケージに書かれたDVD。
問題はそのパッケージイラストである。
さっき自分が戦っていた人間ーーケンというらしいーーがこのパッケージイラストに写っている人物のそれではないか。
ケンという奴はこうして人間達の間でメディアにもよく顔をみせているのか。
となるとこの殺し合いに参加させられる人間は一定の世間への知名度を参加者の判断基準にしているのだろうか。
だがそれなら何故自分が参加させられている?
美少年の転校生という芝居書きの元で泉研に近づく予定はあったが、テレビに出た覚えは無い。
仮にそんな事をしたらかえって動きにくくなる。
自分はジュラル星人の中でも単体で見ればかなりの強さを持つエリートとと自他ともに認めている以上、そんな事をする理由も無い。
何はともあれ、内容も含めて後ほどケンに聞いてみる事にしよう。
そうして人造昆虫 カブトボーグ V×VのDVDをデイバックに入れる。
ついでに同じ物もいくつかあったのでそれも纏めていれておいた。

デイバックにDVDを入れた後、軽く外の様子を確認し、見ている人間が無い事を確かめた。
その上で星君は物置き探しを再開する。
今度は先ほどの棚とは違う棚を漁ってみた。
見るとこちらの棚の上には妙な物がある。
透明のケースの中に入れられた精巧な人形のようだ。
大きさは8センチから15センチ程であり、どれも綺麗に並べられている。

ここでまた一つ、気がかりな物を見かけた。
ケース内に並べられた人形の内の一体だが、それが早苗とか言う女の容姿と一致する。
緑の髪、白い装束、青い袴、どれをとっても大きさ以外は本人と瓜二つだ。
彼女もまた精巧な玩具が作られる程、人間共の間で著名な存在なのだろうか。
逆の考え方もある。
彼女らがこのような作品を模した服装を着ているとしたら。
となると海東も何かの人物の模倣をしているのだろうか、その割にはただのフォーマルな服で見分けがつきにくいが。

これも機会があれば早苗に聞いてみる。
早苗という人間は海東やムラクモと違って表情や目つきに一切曇りが無い。
根っからの正直者で今も穏健派として動いている。
あの女なら嘘を吐く事は無いだろう。実際駒として利用できそうだ。
早苗の人形をデイバックに入れ、星君は再び棚の中を探す。

こちらにもDVDやBDが入っている様だが、ちらほらゲームソフトの類いも見られる。

…[Fate/Zero]

…[日常]

…[DEAD RISING]

…[HUNTER×HUNTER]

…[探偵オペラ ミルキィホームズ]

…[THE IDOLM@STER]

…[チャージマン研]

!?

ハッと気付いたような顔で[チャージマン研]のDVDを見つめ直す。
星君が驚くのも無理は無い。
何故か、理由はそのDVDのパッケージイラストにあった。
見間違えようが無い。それは自らの宿敵である泉研が大きく写し出されているのだ。
何故研がここに。否、やはりと言うべきなのだろうか。



…ガチャリ。

639レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:15:19 ID:BMwVZHXA0

「!」

物音。
同時に星君は部屋の扉の方に目を向けるが、異常や変化は無い。
ここではない別の部屋からの物音の様だ。恐らく入り口の広間からだろう。
扉の向こうから声が漏れる。

「…すまない、ここにスカートを履いた少年が…」


誰かが来た。
どうせ人間だろうが口ぶりからして襲撃が目的ではないだろう。
取り敢えず目欲しい物はそれなり見つけた事だし探索はもう切り上げても良い。
DVDをデイバックに入れ、来訪者を確認するために星君は部屋を出た。





♩  ♩  ♩





「ヴォー…」

結局こんな日暮れまで探してしまったが、未だ音沙汰はない。
麗華達と別れてから三、四時間は経っただろうか。
遊星はどこか施設に居るのかもしれないと踏んで道中ホテルや王宮も見て回っていた。
だが両方とも蛻の殻であった。
建物を見ても半壊しており、安全は保証できそうにない。
皆ここを拠点にしている可能性は低いだろう。

そういった事情の中遊星が地図で見つけたのは光写真館と呼ばれる場所であった。
写真館と言うと美術館や博物館のような施設のイメージが沸く。
人が落ちつける場所かと言われると微妙だがそういった場所にも医務室の類はあるだろう。



「ここが…光写真館…」

今、遊星の目の前にある建物こそ光写真館である。
外見としては民家が二つくっついたくらいの大きさに少し洒落の利いた外装が施されている様だ。
一見床屋のようにも見えるそれは美術館や博物館のような施設のイメージを持っていた遊星を意外に思わせた。
それなりに急いでここに来たつもりだが時計を見るともう5時15分を回っている。
次の放送はここで聞く事になりそうだ。

窓から光が漏れている。
中には人が居ると見て間違いないだろう。
遊星はDホイールから降り、入り口のドアを開ける。



「すまない、ここにスカートを履いた少年が来なかったか…あっ!」




「誰…ですか?」

東風谷早苗が素っ気なく返した。

まずい、順番が逆になってしまった。自己紹介を先にしておくべきだった。
とは言え、自分が探し求めていた人間を見つけ出す事ができたのは大きな成果である。


当のスカートをはいた少年、ムラクモにも自分の事は覚えてくれていた。
恐らく、表情からしても確実にスカートを履かせられた事をまだ怒ってはいる様だが。
ムラクモの事は権兵衛が言っていた早苗達が見つけてくれた。
今生きているかはわからないが彼には感謝しておかなくてはなるまい。
早苗達は今参加者達を味方につけ大きな集団になっている。
自分が協力しない理由は無い。

640レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:16:22 ID:BMwVZHXA0


現在遊星は早苗達の中に溶け込み、情報交換を進めていた。
今までであった人物、自分の居た世界の話、この会場に対する推測。
恐らく教えても問題ないだろうと判断した範囲まで遊星は話した。

情報交換の中で泉研には気をつけてほしいと星君に教えられた。
話からして朝方出会った黄色の少年の事だろう。
確かにあれは正義の味方という割には容赦がないというか、キチガイ染みた様子だった。
やはり殺し合いに乗っていたのか。

教えても問題ないだろうという範囲を選択する、砕いていえば全部教えない事であるが端から見ればそれは妙かもしれない。
別に遊星は早苗を疑っているわけではなかった。

問題は自分がこの館に入りしばらくして部屋から出てきた男ー海東純一というらしいーだ。

『海東には気をつけてください。明確な根拠があるわけはありませんが……あの男は怪しいです」

遊星は記憶を掘り起こす。
昼頃出会った権兵衛が自分との別れ際に聞かされたセリフである。

(海東純一か…確かに怪しいな…)

いわれてみれば確かに怪しい所がある。
早苗の憧れる人物だというが…



        __ ,.,.,. -‐==ミ            x==‐- .,.,., __
       /.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::}         {::::::::::::::::::::::::.:.:.`ヽ
.      /''"´ ̄ ̄   ```: .、      〃´´´     ̄ ̄`ヽ
     /    _, ==ミ     ::ヽ           , ==ミ,_      ヽ
        〃_xく(:::じ::)`ヽ   .:::       ,ィ (:::じ::)`ヾx_
        ^ニ二二ニ''^ ノ .::}      ^ニニ二二ニ´
          ⌒>‐--   彡 .::|      ヾ..   --‐<⌒
        /           .:::|                   ヽ
                    .::::|  i
               /^ヽ.:::::|  i    ヽ
                 {  〃 .:       }
           /   ー-、      .-‐ ''     \
              /       ヽ. __ ,ノ          ヽ
          {           、_              }
             ::__.:.:.:.:.:.:.:.J.:.:.:.:.:.:.:.__;:
             ヽ i^Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y^i .ノ
                    \!._{__|__}_.!/
                      、:::::::::::::::::::::::::::,
                    `二二二二´



↑常にこんな引きつったような笑顔をした人間を信じろと言う方が難ではないのか。
雰囲気からして、少年少女達を纏める冷静な大人、と言った印象を受けるがそれには表情が場違いである。
人は見かけによらないとは言うが、初対面の人間には正直第一印象でしか判断できない。
権兵衛もまた同じ気持ちであったのだろう。


一応本来の海東はこんな朝から晩までオリジナル笑顔を振りまくような人間ではないのだが。
このバトルロワイアル会場はニコニコ動画バトルロワイアルであるという事を忘れてはならない。
奇妙なハサンダンスが強化されていたアサシン同様、知らぬ間にニーサンにもニコニコ補正がかかっているのだ。
こんなうさんくさい表情に本人が気づかないのも、その補正の一環である。

641レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:17:40 ID:BMwVZHXA0







情報交換を一通り終えた後、遊星は本題に入った。
いつの間にかケンも起きている。
ちなみに遊星のデイバックから顔だけ出していた淫夢くんは今、早苗の膝の上で可愛がられている所だ。

「その動物、なんて種類かわかるか?」

その言葉に合わせて遊星は話し合いの間に予め書いておいたメモを見せる。

【突然で悪いが早苗以外は静かに各自で筆記用具を用意してほしい】

それを見て一同はおもむろに筆記用具を取り出す。
少しだけ、早苗は遅れて取り出しながらこたえる。

「え、えっとなんでしょうか…リスザルかキツネザルか…アイアイにも見えますね」

【やはり盗聴機能?】

ムラクモが最初にメモに書いてみせた。

「生き物には、詳しい人はいないのか?」

【はい、まずはコレを見てほしい】

そう書いて、遊星はまたメモを渡す。
それは昼頃権兵衛達にみせたメモであった。
一同がそれぞれ回し読みしていく。


彼らのメモに対する反応は多種多様。
だが、大局としては勝治がここまで放送で呼ばれる事への納得であった。


皆がメモを回し読みしている間も遊星はメモに綴る。
遊星は以外と字は丁寧に書く方であった。

【とりあえずここで放送がおわったら勝治の首



ガタンッ!






「誰か居るんじゃなイカ!」


物音。そして同時に放たれる声。
遊星含めた一同が二人目の入り口の訪問者へ再び目を向ける。



「どうした!?」

思わず遊星が訊く。

642レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:19:43 ID:BMwVZHXA0
声の主は奇妙な青髪の少女であった。
早苗もその姿を見て遊星に続いて反応する。

「あらかわいい、お名前は何でしょう?」

「あ、イカ娘でゲソ!」

青髪の少女は早苗の問いかけに対しイカ娘と名乗った。




イカ娘が言うに元は街に向かう予定だったが通行ルートでここを見つけ、明かりが付いていたから様子を見に来たらしい。
こんな一人で歩いていてよく誰にも襲われなかったものだ。

そしてイカ娘は今まで出会ったあかりや襲撃者の事、南の海の家れもんの事、自分も持ち物の事を包み隠さず話した。
出会った時点でまだ彼らが味方どうか確定していないのに自分の手の内を明かしてしまった辺り、いかにしてイカ娘が追いつめられているかが伺える。
そこに遊星達が疑う余地はなかった。


「で、君のさっき首輪を回収したといっていたな。それを見せてくれないか?」

「わかったゲソ」

話も一区切りついた所で遊星の提案にイカ娘が答える。
本来なら壊れているはずの勝治の首輪で解析してみたかったが、無人の首輪なら尚安全だ。
これならもし爆発機能だけは作動していたとしても、人が死ぬ事は無い。

「ありがとう」

早速遊星はデイバックから工具を取り出し、イカ娘から受け渡された首輪の解析を始めた。





♯ ♯ ♯





(((こいつは使えそうだ)))

星君、ムラクモ、海東の三人の中では無駄に洗練された無駄の無い無駄なハーモニーが発生していた。

星君としては自らの警戒対象たるムラクモや海東もこいつを利用する気だろうと考えていた。
それにしても奇妙な髪だ。
先ほどの遊星は頭に蟹でも乗っけているのかと思いきやその蟹と一体化したような髪型であったのだ。
そしてこのイカ娘もイカと一体化したような髪型をしている。
まさか二人は人間ではないのだろうか。
もしそうなら協力をあおげるかもしれない。
特に遊星は利用価値が高いだろう。



「みんな!見てくれ!」

唐突に遊星の声が響く。
見ると遊星はやはりメモを皆に見せた。

643レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:20:51 ID:BMwVZHXA0




『早速イカ娘の持ってきた首輪を解析してみた

 だが思ったよりかなり簡単な構造

 さっき見せたメモのように勝治のが壊れていたとしても十分納得いくレベルに

 この首輪の正確な機能もわかった

 まず爆弾とそれを起動する装置(以下爆破起動装置と書く)

 この装置は恐らく主催者側が任意で起動する事もできるのだろう。

 禁止エリアに入った際に警告するスピーカー 全て自動音声の様だ

 次に動きを感知する装置 これは参加者の生死を知る為の物だろう

 ついでにこれが一定以上の強い力を感知するとさっきの爆破起動装置に働きかけるようになっている様だ

 そして盗聴機能 これはみんなも薄々感づいていたと思う

 さらに位置情報機能もついていた 爆破起動装置とも接続さされていた事から禁止エリアと同期をとる為の物であるようだ。

 ここまで書いたがこの割に首輪の分解や解析などの行為に反応して爆発するような対策プログラムは付いてなかった

 結論を言ってしまえば爆弾の調達はともかくこのレベルなら自分でも作れるような物体だ

 つまり、みんなの首輪は自分なら解除できる』



皆がメモを読み終わる頃、遊星はもう一つの物を皆に渡した。
取り外した遊星の首輪である。

「おお!すげーじゃん!ほんとにく…」

首輪の解除という事実に興奮しうっかり声を出そうとするケンの口をムラクモが押さえる。
反対の手で「よくやった」と書いたメモを遊星に見せる。

「ああ」

と、言うわけで早速遊星は一同の首輪の解除に取りかかった。
最後に海東の首輪も解除した後で丁度第3回放送の時間となった。






〒 〒 〒






「ふむ、やはりこの首輪が原因だった様だ」

644レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:21:44 ID:BMwVZHXA0

光写真館のトイレで星君が呟く。
しかしそれは参加者としては「星君」だが皆の知る「星君」ではない
星君は首輪を解除された事で急に体が軽くなった気がしたのだ。
もしやと思いトイレに入り、変身を解除してみた。
すると即座に手足が細長くなり、肌は赤黒く変色し、着衣は霧散し。
星君はいわば本来の姿、ジュラル星人のそれに戻った。

しかし、今はこの姿で行動するメリットは無い。
少なくとも早苗や遊星を生かしておく必要がある間は。
そして十秒と経たず、星君は元の少年の姿に戻り、トイレから出た。

(それにしても海東は何を…)

参加者の中に潜り込む中で避けては通れない海東の存在。
このまま行けば確実に隙を見て誰かを殺すはずだ。
とは言え、誰を殺すかはかなり見極めた上で行うだろう。
早苗は海東の事を大分信用している様だし、遊星も首輪を解除する技術があるのだから早々に捨てるとは考えがたい。
そうなれば、自分かムラクモかイカ娘か。
自分をが狙われる事似関しては遊星と接点を深めていけば奴はそう簡単に手出しはできないはずだ。
その線で行けば遊星に探されていた人間の様だしムラクモも殺害対象から外れるか。
それなら問題はイカ娘かー

そうだ。
一人忘れていた。
ケンという奴の存在を。
あいつはキチガイだ、泉研と同様に。
名前が同じなのはそういう繋がりがあるのだろうかと問いたくなるレベルに。
いくら上辺で仲間を集めると言ってもキチガイまで欲する事は無いだろう。
何よりケンと自分は海東が来るまで殺し合っていた関係だ。十分亀裂が生まれる原因にもなる。
そもそも自分が彼を生かす理由も首輪を解除できるかもしれないという話に付いてきただけだ、奴も同じ考えである可能性は低くない。
総じて、海東にとってイカ娘以上に殺すメリットと殺さないデメリットが大きい。

わかったぞ。
海東はケンを殺す気だ。

自分としてはそれに反対する理由も無いし、むしろ有り難い。
このゲームで問われている事は「一番殺したのは誰か」ではなく「最後まで生きのこったのは誰か」である。
無理に点数を稼ぐ必要は無い。
それに海東の真意を探れるきっかけになるかもしれない。
思い通りに事が進めば、人はつい気が緩みやすくなる物だ。

ならば泳がせてみるか。







‡ ‡ ‡

645レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:22:41 ID:BMwVZHXA0







 …まあ気張って早く殺しあうんだな。
 それと忘れるところだったが、禁止エリアの指定だ。

 19時にD-2 20時にD-3 21時にG-2 22時にG-3 23時にG-4 24時にF-3だ

 そういうことだ。精々がんばるんだな』

同時に西から爆音が押し寄せる。
それきり、放送は聞こえなくなった。

(ディケイドが死にましたか…意外ですね…)

海東は最後の順番で遊星に首輪を解除してもらった。
そして外し終わった直後で放送の時間となった。
解除した首輪は遊星が何かに使えるかもとデイバックに入れた。


「なるほど、そういう事だったか…」

解除した首輪を前に遊星が呟く。

「落ち着いて下さい、遊星さん」

「まあここら辺の事は読めてたようなものでした」

「彼らはハナから首輪に拘束力を期待していなかった。という事ですね」

「悔しいが…そういうことだ」

(この男はもう用済みではありますが…まだこの技術を利用する機会は十分にあるでしょう)

(しかし、このキチガイは…完全に不要ですね。殺しても問題ないでしょう)

海東はケンを見る。
首輪を解除した事でまだ浮かれている様だ。
考えながら、遊星と話を続ける。

(先ほど訊いた限りではあのリュウセイの仲間のようですね…)

(友人を山車にすればこいつを誘き出して殺す事もできるでしょうが…)

(不動遊星…少しばかり邪魔ですね)

この不動遊星という男、先ほどから常にこちらを視界に入れている。
端から見ればそういった嗜好の人間にもみえる。
ちょうどあのAVの野獣と化した田所とやらの目もあんな感じだった。
だがそうではないだろう。
自分の事をかなり警戒している様だ。
これでは少し動きにくい。



「遊星さん、たなびたい事があるんだ」

不意に遊星に向けられた声は、星君からだった。
当然ながら遊星が答える。

「何か用があるのか?」

「うん、ちょっと来てほしいんDA」

646レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:26:21 ID:BMwVZHXA0

「わかった、できれば早くしてくれ」

そういって星君と遊星は先ほど星君が調べた物置きに入っていった。

珍しい事もある物だ。
だがこのチャンスを逃さない手は無いだろう。
幸い早苗とイカ娘はあの獣に夢中だ。

手招くようにケンに声をかける。

「ケンくん、ちょっと訊いても良いかな?」

「ん、なんだおっさん?」

「まあついてきてほしい、リュウセイ君の事について君からいろいろ訊きたくてね」



そういって海東は目立たないようにケンを館から連れ出した。

電磁サイリウムを後ろ手に持ちながら。



「で、リュウセイがどうかしたn…」








(腹パン)

強烈な痛みがケンの腹部を襲う。
それが海東の拳によって行われた。と知った時にはもう遅かった。

頭が痛い。否、痛いを通り越した何か。

ー何かで叩かれている。

ーヤバい、ーこのままじゃ死ー


「てめっ…!」

ケンはそれでももがく。

だが。










【竜昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V 死亡】








(思ったより手こずりましたね…)

647レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:27:15 ID:BMwVZHXA0

今はもう「ケン」ではなく「死体」に成り果てたそれを抱かえ、海東は心の中で呟いた。

(ブレイブバックルの制限が解けていないようなのは困った所ですね…)

首輪とは別に課せられているのか、ブレイブバックルの制限が解けた様子は無い。
とは言え変身しては目立つ可能性があるので解けたとしてもここでは使わなかったであろうが。
変身して殺すのではなく、豚の屠殺のようにケンの頭に電磁サイリウムを叩き付けて殺す事になった。
結果としては十分良い方だろう。
返り血も付かないので大分怪しまれにくい。



(どのみち此処にはもう未練は無いですし、ここから動いてしまえば死体は見つからないでしょう)

そう思い、ケンの死体は裏の草むらにでも隠す事にした。
落ち葉の山を掘り返して遺体を置き、その上に枯れ葉や枯れ草を積み上げる。
これで遠目にはわからないだろう。
我ながら完璧



「見てしまったぞ」





…ではなかったようだ。

厄介な事になった、が。

「そう敵意を向けなくて良い、むしろお前の判断は正しい」

「そいつが本当に首輪を解除できたかは最早どうでも良い事だからな」

「私はあなたを殺そうと考えている所なのに…妙に友好的ですね」

「当然だ…今お前を失うのは少々惜しい気がしてな」

「私の部下になれ。見逃してやる」

これは交渉という物だろうか。
だが海東は目的の為なら手段を選ばない人間である。そこに恥も外聞も無い。

「参りましたね…」





「…いいでしょう」

故に交渉は成立した。
そしてムラクモはフン、と小さく笑いを漏らした。


やはりこうするだろう、とムラクモの予想は当たっていた。
キチガイには何か特別な力がある。
などという憶測を付けてこのケンというキチガイに興味を持ち、殺さず様子を見ていた。
だが遊星の手によって首輪が外されてしまった以上この男は不要。
最も首輪が無くても主催側は参加者をいつでも殺せるとわかった以上遊星の助力も徒労に終わってはいるのだが。



§ § §

648レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:28:24 ID:BMwVZHXA0



(まずい…海東から目を離してしまった)

星君との話を終えた遊星は急いで広間の部屋に戻る。

しかし、そこに海東の姿は居ない。
そしてケンとムラクモの姿も無かった。

(遅かった!)

「海東は何所に行った!?」

「えっ…そういえばいませんね、何所へ行ったのでしょう?」

「クソッ!」

遊星は舌打ちし、入り口の扉を開けようとする。
ノブに手をかけようとした瞬間、逆側にノブがひねられ扉が開く。
つまりそれは、向こう側の人物が遊星より先にドアを開けたという事。

「遊星さん、ケン君が…!」

ドアを開けたのは海東であった。

「ケン君が…だと、お前」

遊星は怒りをあらわにする。
こうも速く動いてくるとは思わなかった。

「ケンがリュウセイの所へ行くと言って、一人で何所かへ行ってしまったんです」

「それは本当なんだろうな」

遊星は疑ってかかる。

「念のため此処の辺りを調べさせてもらっても良いか?」

「そう疑うな、この男は間違っていない」

いつの間にか海東の隣に居たムラクモが会話に割って入る。

「俺も見た。北の方に走っていくケンをな」

「そうか…」

「だが何故止めなかった?」

「止めたられたならこんなに騒いでないだろう」

再びムラクモは答える。

「実際ケンは一人で突っ走るような奴だしね」

星君も会話に加わる。
一応納得したのか、遊星は口を閉じる。

「…わかった、北の方に向かったんだな?」

「はい」

間を置いて遊星が振り向く。

「みんな、ケンがリュウセイって人の所に勝手に行ってしまったらしい」

「探しにいきたいが此処で別れると危険だと思う。だから一緒についてきてくれないか」

「大丈夫だ、問題ないゲソ」

イカ娘が遊星の呼びかけに応える。

「よし、じゃあ準備ができたら行くぞ」


こうして陰謀渦巻く一行は見事遊星らの籠絡に成功した。
星君、ムラクモ、そして海東の真意は何なのか。
それを皆が知るのはそう遠くない未来であろう。

649レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:30:19 ID:BMwVZHXA0



【H-04 光写真館前/1日目・夜】



【海東純一@仮面ライダーディケイド】
[状態]:( ^U^)申し訳ございません、このような健康体で。首輪解除
[装備]:グレイブバックル@仮面ライダーディケイド、電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER
[道具]:基本支給品(一食分消費)、電光戦車@エヌアイン完全世界、外部AI@MUGEN
   AT-4@魔法少女まどか☆マギカ、権兵衛の書置き(偽)
[思考・状況]
基本:優勝して、元の世界を支配する。
 0:取り敢えずここを離れる。
 1:街にでも向かってみましょうか
 2:表向きは対主催として振る舞い、集団の中に潜む。
 3:早苗達と行動を共にする。 特に遊星は生かしておいて損はない
 4:ノーリスクで殺人が可能な武器が欲しい。
 5:グレイブバックルの制限は首輪とは別にかけられている様だが…。
 6:ディケイドは死んだか…
 7:AIを搭載した電光戦車は切り札。
※「ディエンドの世界」編終了後からの参戦
※鬼柳とさやかを死んだと思っています。
※大変胡散臭い表情をしていますが、本人はそれに気付いていません。
※グレイブバックルは一度使うと2時間使用不可になります。
※電磁サイリウム@COBRA THE IDOLM@STER、AT-4@魔法少女まどか☆マギカを早苗から譲り受けました
※早苗のことは別の世界の仮面ライダー住民だと思っています。
※権兵衛の書置きを偽造する為、支給品のどれかの説明書の端を破り取ったようです。
※ブレイブバックルの制限は支給品として独立してかけられている為解けていません


【東風谷早苗@守矢一家コスプレ劇場】
[状態]軽傷、霊力消費(小) 首輪解除
[装備]無し
[道具]基本支給品 (一食分消費)
    VGカード『幸運の運び手エポナ』@カードファイト!!ヴァンガード、権兵衛の考察メモ
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない。
0:ケン君を追いかけないと
1:権兵衛を追って光写真館に向かう。
2:ムラクモを守りたい。
3:海東さんはさすが仮面ライダーだ!
4:北東から見えたあの光は……?
5:守矢の巫女として信仰を集める。
6:博麗神社は後で改めて訪れたい。
7:権兵衛さん…
8: \  /
9: ●  ● この会場では常識に囚われてはいけないのですね!
10:" ▽ "
11:ケン君は更正させなきゃ(使命感)
※権兵衛が光写真館に向かったものと思っています。
※海東を正義の仮面ライダーだと信じて疑っていません。
※ムラクモはただのミリオタの少年だと思ってます。


【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:貧血、疲労(中)、ダメージ(中)、右足に刺し傷(処置済)、身体が十二歳程になっています 首輪解除
[装備]: 六〇式電光被服@アカツキ電光戦記、十六夜咲夜のスカート
[道具]:基本支給品(一食分消費)、マッド博士の整形マシーン、ポラロイドカメラ、
[思考・状況]
基本:主催も含めて皆殺し。
1:早苗はいつか絶対に殺すが利用できるなら生かす。
2:海東を警戒しつつも一時的に協力。
3:無力な少年を装い彼らと行動を共にして隙を見て支給品を奪い殺す。
4:怪我の回復にも専念する。
5:早苗を利用すればオリーブオイルを入手できるかもしれない。
6:もこみちざまあwwwwwwwwwwwww
※海東が自分の思惑を見抜いていると思っています
※権兵衛の考察メモを読みました。
※早苗が現人神である事、奇跡を起こす程度の能力の一部を知りました。

650レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:31:08 ID:BMwVZHXA0



【星君@チャージマン研!】
[状態]:右手に野獣先輩のアレが付着
[装備]:金属バット@現実 、キリン装備@モンスターハンター、地の石@仮面ライダーディケイド、首輪解除
[道具]:基本支給品(一食分消費)、双子シグナーカードセット@遊戯王5D's、謎の白い液体@THE 世界遺産、王宮内で手に入れた食料と武器、フランクのカメラ@デッドライジング、
   射命丸のカメラ(30/30)@東方Project、士のカメラ(30/30)@仮面ライダーディケイド、
   射影機(30/30)@零〜zero〜、カメラのバッテリー@現実×2、十四式フィルム(30/30)@零〜zero〜×2、フィルム@現実(30/30)×3
   カブドボーグとチャ-ジマン研のDVD、早苗のフィギュア
[思考・状況]基本思考:母星や仲間のために殺し合いに乗る。
0:海東の目的を知る為、敢えて泳がせてみる。
1:チャージマン研は最優先で抹殺する。
2:チャージマン研、アルセーヌ(名前は知らない)を警戒(特にチャージマン研)。
3:これから毎日、不意討ちしようぜ!
4:遊星とイカ娘は人間なのだろうか。
※参戦時期は不明ですが精神病院の事は知らないようです。
※遊星に何を頼んだかは後の人にご一任します。


【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、殺人者への怒り、強い決意、首輪解除
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1、ポケットに入るだけの食料品(すぐ食べれるような物)、地図
    毘沙門天の槍、ドーピングコンソメスープ×2本@魔人探偵脳噛ネウロ、ATTACK RIDEてれびくん@仮面ライダーディケイド
    観葉植物くん@真夏の夜の淫夢、DMカードセット(氷結界の龍ブリューナク、グングニール、トリシューラ)@遊戯王DT
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する
1:他の参加者と協力する
2:あかり……
3:どうやってれもんをここに持ってきたんだろう?
※E-09にあかりのバックが放置されています。
※海の家れもんを自分の世界から何らかの技術で持ち出された物と考えています。
※ポケットに入るだけの食料品はデイバックに入れました。
※首輪探知機は見落としました。


【不動遊星@遊戯王5D's】
[状態]:疲労(小)、主催者達に怒り、首輪解除
[装備]:デルタイーグル@遊戯王5D's(操縦中)
[道具]:基本支給品、サイバーZ一号のベルト@真夏の夜の淫夢関連、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's(二日目午前まで使用不可)
ライダーズカード一式@仮面ライダーディケイド、沈黙の騎士ギャラティン@カードファイト!! ヴァンガード
大量の玩具@現実、玩具を弄る為の工具@現実、武器になりそうな物@現実(包丁や鋸など)、鬼柳のハーモニカ@遊戯王5D's
解除した首輪×7、分解した首輪
[思考・状況]基本思考:殺し合いの打破
1:ケンのもとへ向かう。
2:海東純一を警戒。先程の爆発との関連も考慮
3:ありがとウサギ…
4:首輪の構造の簡素さに疑問。
5:自分のカード達や仲間を探す。
6:勝治を攻撃した誰かに警戒。
7:許せ、少年
※勝治が今までしてきたことを聞きました。ただし、アルセーヌを覗き見してたことは聞いてません。
 また、田所(野獣先輩)が勝治に一服盛ったと思っています。
 また、ケンが生きてると言う勝治の説に疑心的です。
※勝治の首輪には不具合が起きていると推測しています。
※主催側に何か不都合な事が起きていると推測しています。
※権兵衛からリュウセイと少年(ムラクモ)の現状、危険人物の話を聞きました
※麗華達と情報交換しました。
※この会場が人工的に作られた物では無いかと考えています。


【淫夢くん@真夏の夜の淫夢】
[状態]:疲労(微小)
[思考]:基本思考:ヴォー・・・
0:ヴォー・・・
1:ヴォー・・・・
2:ヴォー・・・・・
3:ヴォー・・・・・・

651レ陰謀クルーズ ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:32:06 ID:BMwVZHXA0











: : :











海東がミスを犯していたのだろうか。
もしそうなら海東がもっと入念に首をおるなど処置をしておけば良かった話である。

だがそうだったにしても、死ぬ死ぬ詐欺とは簡単には破れない物である。
しかし本来ならケンには死ぬ死ぬ詐欺は余り起こっていない。
首輪の解除による制限の無力化か、それともニコニコ補正か。

ただ、はっきり言えるのは写真館の裏にはまだ小さな命の灯火が残っているという事である。



【竜昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V 生存確認】



【H-04 光写真館裏/1日目・夜】



【龍昇ケン@人造昆虫カブトボーグ V×V】
[状態]:疑心暗鬼 激しい怒り、天才、 奥義チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得、早苗に惚れた 、疲労(小)、首輪解除、意識不明
[装備]:エレクトリカル・スピードワゴン@人造昆虫カブトボーグ V×V
[道具]:なし
[思考・状況] 基本:皆、俺に着いていけないのでボコボコにする。
0:あのニヤついたおっさんは殺す。
1:色んな奴をボコボコにして天野河リュウセイを誘き出す!
2:さっきのオッサン達もボコボコにする。
3:早苗は可愛いし、変な生き物や男じゃなさそうだから一緒に居てもいいかな。
4:あのムラクモって奴もカツミ並みにスカート似合ってたな。
※松岡勝治が死んだと思っています
※正気に戻りましたが、錯乱しています
※この会場にいる女は全員、男か謎の生物が化けたものと思っています、ただし若干都合の良い解釈もするようです
※幾多の激戦を潜り抜けた事により、チャイナクック・マーベラス・満漢全席を取得しました。
※彼の言ってる事は全て妄言です。
※生きてました。

652 ◆J/0wGHN.4E:2015/04/02(木) 21:33:44 ID:BMwVZHXA0
投下終わりになります
長くなったので>>640までを前編、>>641からを後編でお願いします

653名無しさん:2015/04/02(木) 23:06:54 ID:4W0Bv0cs0
投下乙

うわあ・・・
盛り上がってみりました

654名無しさん:2015/04/02(木) 23:18:05 ID:Zg9kHjMA0
投下乙です
華麗なまでのマーダー達の結束
これもう(どっちが対主催か)わかんねえな

655 ◆K.6zmCzCcE:2015/04/03(金) 15:33:20 ID:vrE2MDPs0
投下します

656 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:33:46 ID:vrE2MDPs0
なんか変になりましたがもう一度

657 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:34:09 ID:vrE2MDPs0
いけますね
じゃあ投下します

658首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:35:01 ID:vrE2MDPs0
「くそっ!」

メイトリックスが思いっきり壁に拳を叩きつけ叫ぶ。
第三回放送で呼ばれた仲間、門矢士。
まどか達に襲撃され分断された後、もっと別の場所を探し再会できれば彼は死ななかったかもしれない。
あるいはフランクと合流した時、早くに二手に分かれていれば、いや船に向かうときフランクに士のことを伝えていれば。
もっとも、メイトリックスもあの短時間に様々な事があった。主にケン絡みで。
エスポワールも禁止エリア指定され時間がなく一杯一杯なのもある。

だが二回放送でイーノックの名前を呼ばれた時に、もっと最悪の事態を考えられたのではないか。
メイトリックスの中でそんな疑念が生まれる。

「メイトリックス、気持ちは分からないでもない。
 だが……」
「分かってる。こういうことは戦場でもよくあった」

流石は軍人というべきか。
後悔や動揺はしたものの、すぐさまやるべき事を理解し切り替える。
だからこそ彼は優秀な兵士として、ここまで生き延びてきたのだろうとケイネスは思った。

「ところで、あの少女の事だが」

【首輪と会場について、いくつか気付いたことがある】

何気ない会話に紛れ、一枚のメモをケイネスはメイトリックスに渡す。
頷きながらメイトリックスも会話を続けながらケイネスのメモに目線を落とした。

【首輪は解除可能かもしれない】

「ああ、いつの間にか居なくなっていたが」
「変な機器を触られる前に、探しておいた方が良いかもしれない」

そのままケイネスのメモが綴られ、首輪の内部構造などの詳細がメイトリックスに伝えられる。
ケイネス曰く水銀を首輪内に忍び込ませ、内部を探ったところ科学的な技術が多いことが分かった。
魔術的なものは、魔力などの参加者に制限を掛ける部分のみ。それ以外はいたって神秘の欠片もない。

【だが、私はその手の知識が皆無だ。君の知識を借りたい】
【分かった。この内部構造なら、地雷の撤去の要領で可能な筈だ。
 先ずは―――】

再び首輪に水銀が忍び込み、メイトリックスの指示に従い。首輪の爆弾の無力化及び解除を始めた。


数分後、分解された二つの首輪が転がり、ケイネスとメイトリックスの二人は筆談を止めていた。

659首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:35:27 ID:vrE2MDPs0

「何とか、取れたが。しかし随分思い切ったことをしたな。
 そのスライムみたいなのを忍び込ませても、首輪が爆発しないと確信でもあったのか?」
「いや、私も賭けだった。だが少し心当たりが出来てね。
 あの三回放送だ。
 わざわざ首輪の爆破からエリアの爆破に切り替えた辺り
 こいつを外した参加者か、あるいは元々首輪に大した期待を奴らはしていないかのどっちかだと思った。
 どちらにせよ。試してみる価値はあるだろう?」
「なるほどな。これでエスポワールで脱出……したいところだが」
「無理だろうな」

しかし首輪が取れて一段落付いたのものの、主催はこの会場をいつでも爆破出来るという事に変わりはない。
恐らくエスポワールで脱出しようとした瞬間、そのエリア一帯は炎上するはず。
二人はそれを理解していたのか、首輪の解除でもそう喜びの色は見せなかった。

「エリア爆破もそうだが、何より結界が厄介だ」
「結界? またファンタジーな」
「エスポワールから、海の向こうを見て確信した。あれは上手く見せてるが。あの先はハリボテだ。見えない壁に包まれている。
 この島から出ることは不可能だ。その結界を破らなければ」
「でも、お前は心当たりがあるんじゃないかのか? さっきの言いぶりでは」

ケイネスは少し間を置き、辺りを警戒してから静かに口を開いた。

「この場は一時期、異界になっていた」
「イカイ? なんだそりゃ」
「説明すると長くなるが、大雑把にいえば世界が浸食されたとでも言おうか。
 ともかくこの島がちょっとおかしくなっていたと思えばいい。
 ほら、やかましいサイレンの音だの。色々心当たりがあるだろう?」

思い返せば気にする暇がなかったが、確かにこの島は何かがおかしかった期間があった。
それは確信に変わる前に元の世界に戻ってしまったが。

「その原因は“神”が居たからだ」
「神? そりゃ随分と大袈裟な」
「私も便宜上もっとも当てはまりそうな言葉で、そう呼んでいるだけだ。どちらかと言えば邪神の類だろう。
 幸いな事に、その神はこの場がお気に召さなかったらしい。大した害も残さず帰って行った」
「待て? 帰った、だと? それは」
「結界を破り、次元を超えたのだ。
 その時の歪がまだ残っているとしたら? 次元の裂け目が残っているとしたら?」

メイトリックスは高ぶる感情が抑えきれなくなってくる。
脱出困難に見えた会場に、抜け穴があるのだとすればジェニーの奪還にも繋がる。

「だが、問題が二つ。歪はあるが我々が通るには些か小さいものだ。 
 結界に自己修復機能がある。これが曲者で完全にではないがほぼ修復しかけている。
 事実私も、エスポワールに乗ってじっくりと見えない壁を観察しなければ、気付けなかった。
 何か、強力なエネルギーをぶつけてやらなければ、穴はこじ開けられない。
 もう一つ、仮に穴をこじ開けても、主催本部の座標を固定しなければならない。
 そのまま、飛び込めば次元の裂け目の中で迷子だ。下手をすればその神の世界にも繋がりかねん」

強力なエネルギー。
メイトリックスに一つ心当たりがある。
バックからセイバーのカードを取り出すと、ケイネスにセイバーが放ったエクスカリバーの事を話した。
ケイネスもカードから、あのセイバーが召喚されることに驚いていたが、話を聞き何やらブツブツと考え込む。

660首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:36:16 ID:vrE2MDPs0

「いけるかもしれない。
 君の言ったそのビームを放つ剣が、もしあの聖剣ならば……だが一度召喚して確認しなければ」
「おい、召喚と言っても一度出したら半日は使えないんだぞ?」
「話を聞く限り、それはカードの魔力切れによるものだ。私が補給してやれば、すぐとは言わずとも数時間で使用可能になると思う。
 多分、現界時間も伸ばせる」
「分かった。ともかく、カードはお前に渡しておく。
 こいつは召喚した奴に従うらしい。くれぐれも気を付けてくれ」

エネルギーに関しては解決出来るかもしれないが、問題は座標だ。
こればかりは、メイトリックスには完全にお手上げでケイネスに任せるしかない。

「次の放送で、奴らの声が何処から発せられているか逆探知し、そこから座標を導き出してみようと思う」
「大丈夫か?」
「君は気づいていないかもしれないが、ここの放送は全て魔術的なもので行われている。
 ならば、奴らのいる座標のヒントになるかもしれない。
 それに幸い、この結界の自己修復機能のおかげで、パッと見は完璧だ。
 奴らはこのことに、気づいていない。座標のことまでは思いつかないはずだ。
 まず君に因縁のある連中は全員、神秘関連に気付ける筈がないし
 バックに控えているような連中は、直接会場を見に来るわけではないからなおさらだ。
 あの神の存在は奴らにとっても、イレギュラーだったと考えるべきだろう。
 だが、時間の経過と共に気づかれる可能性は高くはなる。早めに座標は特定しなければ」

そう言うとケイネスは何やら胡散くそうな礼装を作り始めていた。
魔術にからきしなメイトリックスだが、それが逆探知用の装置なのだろうという事は何となくだが理解できる。
それからさらに地図を眺め、しばらくそれと睨めっこしていると思えば顔を上げ声をあげた。

「よし、メイトリックス。F-5だ。
 神が居たのはあの辺りだと思う。なら次元の穴はそこにある。そこへ向かおう」
「分かった。船はヨコハマ埠頭に止めようと思うが良いか?」
「ああ、構わない」

「そうそう忘れるところだったが、あの少女の首輪も外してやらなければ」
「そうだな、探して来よう」

661首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:36:34 ID:vrE2MDPs0

【D-01/1日目・夜 船内・操舵室】

【ケイネス・エルメロイ・アーチボルト@Fate/Zero】
[状態]:疲労(大) 魔力消費(中) 令呪残り二画、首輪解除
[装備]:メタルまゆしぃ@Fate/Zero(ケイネスの礼装をCv.花澤香菜にしてみた)、 ヒラリマント@ドラえもん、君島の車@スクライド
[道具]:基本支給品×4(食料×1)、アカツキのディバック、ジャックのデイバック
   ブック・オブ・ジエンド@BLEACH、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ 
   ハリボテエレジー(破損状態、濡れてる)@JAPAN WORLD CUP
   乖離剣・エア@Fate/stay night、セイバーのカード@遊戯王なのはMAD
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒。
0:F-5へ向かう。次の放送で主催の位置を逆探知する。
1:松岡勝治と会う、
2:不動遊星、鬼柳京介を捜索。
3:ランサーの魔力は誰が・・・?
4:ギルガメッシュ、アサシン、ラミエル、グレーテルを警戒。
5:化け物(青鬼)を警戒。
6:このゲームは聖杯戦争と関連している・・・?
7:あの少女と一緒に居た丸い生き物は何だったんだろうか。
8:結界の歪をこじ開けるのにセイバーを利用する。
9:あとで祐子の首輪も外してやる。
※車内でメイトリックスとの情報交換を軽く済ませました。
※青い滴り跡については軽く気に留めている程度です。
※会場にの結界に歪があることに気付きました。主催側はまだ気づいていません。
※会場からの脱出、主催本部に乗り込むには。強力なエネルギーと座標の正確な特定が必要です。

【ジョン・メイトリックス@コマンドー】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除
[装備]:GUN鬼の銃@MUSASHI-GUN道-
[道具]: 基本支給品、ラットの爆弾×3@探偵オペラミルキィホームズ、氷剣ユキアネサ@BLAZBLUE
    宝塔(罅が入っている)@東方Project
    世界樹の巫女 エレイン@カードファイト!! ヴァンガード、確認済み支給品1
[思考・状況]
基本思考:娘を助け出し、殺し合いをぶっ潰す。
0:岸まで船を動かす。 その後、F-5へ
1:士、イーノック……
2:鹿目まどかとはいずれ決着をつける。
3:あの2人(一人と一匹?)を探す
[備考]
※参戦時期は原作終了後。
※GUN鬼の銃に触れましたが元々能力制限されておらず潜在能力が底上げされている状態です。
※車内でケイネスとの情報交換を軽く済ませました。

662首輪解除×脱出×ぼっち ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:37:02 ID:vrE2MDPs0





「え? ここ何処?」

その頃、ゆっこは変な部屋に迷い込み。でかい人形に遭遇し。
気付けば、まったく見覚えのない空間に放り出されていた。



「あれ? どこ行ったでゲス?」

そして地味にバリカンはその部屋に入っていなかったので、彼女はまたぼっちに戻った。



【???/1日目・夜】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち逆戻り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:えっ…何ここは…(ドン引き)
1:船内を探索。
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
8:またボッチだよ……
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【D-01/1日目・夜 船内・操舵室】

【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:ゆっこ何処行っちゃったんだろう。
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります

663 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:37:35 ID:vrE2MDPs0
投下終了です

664 ◆FbzPVNOXDo:2015/04/03(金) 15:51:27 ID:vrE2MDPs0
すいません>>662はこっちにすり替えで
間違えて把握して書いてた部分を投下してしまいました

「え? ここ何処?」

その頃、ゆっこは変な部屋に迷い込んでいた。
人形に囲まれた、エスポワールにはまったく不釣り合いな部屋だ。

「あれ、バリカンも居ない……」

そして地味にバリカンはその部屋に入っていなかったので、彼女はまたぼっちに戻ってしまった。

「ちょっと、鍵も開かない……あれ?」

何か背後から気配がする。
そんな気がした。そうだ気のせいだろう。
ともかくゆっこは部屋から出る方法を探し始めた。



【青い部屋/1日目・夜】


【相生祐子@日常】
[状態]:疲労(軽微)、死への恐怖とそれに伴う悲しみ(若干克服)、若干希望を持ちつつある。ぼっち逆戻り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、一本満足バー×28inファミマの袋@アサヒフードアンドヘルスケア、
バトルロワイアルガイドブック@ニコロワγ
スポンジボブ@ハッキョーセット、でかいきんのたま@ポケットモンスターBW
キチガイレコード@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いには乗らない
0:えっ…何ここは…(ドン引き)
1:船内を探索。
2:研君を探しに行きますか
3:危険地帯…恐るべし…!
4:もっといい道具が欲しかった
5:研君の そこにシビれる 憧れる
6:なのちゃんに続く新しいロボットの知り合いができて嬉しい
7:………死にたくないよ
8:またボッチだよ……
※ジュラル星人と研の関係、泉家の家族構成を簡単に知りました。
※精神がわずかに不安定になっている可能性があります。
※民家の地下でニコニコ危険地帯を発見しました


【D-01/1日目・夜 船内】

【バリカン@チャージマン研!】※意思持ち支給品
[状態]良好、首輪なし、愛称で呼ぶ程度にはゆっこを信頼
[思考]
基本行動方針:ゆっこと一緒に研を探す。見つけたら保護してもらう。
0:ゆっこ何処行っちゃったんだろう。
1:何か胡散臭そうな船でゲス
2:ゆっこと行動。
3:終わったらゆっこがジュラル星人の存在を知らない事について話し合う
※機能に何らかの制限が課せられているかもしれません。
※ゆっこの交友関係を軽く知りました。
※星君を警戒対象に入れてないのは、彼がジュラルであることを知らないからです
※参戦時期は最終回よりも前のどこか。魔王については面識があるか見たことはあります


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