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一時投下・修正用スレッド

30 ◆EASY8BNCiM:2010/12/19(日) 20:45:36 ID:4WKuLtsM
「――――何奴」

気配のする方向に身体を向け、それの持ち主に問いかけた。
鎌を握る力が、自然と強くなる。

「失礼。驚かせてしまったようですね」

丁重な口調で、目の前の存在は言った。
声質からして、男性であるのは間違いないだろう。

「あなたと殺し合うつもりはありません。どうかその鎌をこちらに向けないでもらいたい」
「ぬかせ。姿を見せぬ輩の戯言を聞く耳は持ってはおらぬぞ」
「……分かりました。少し待っていて下さい」

少ししてから、男は影の中から姿を現した。

「姿は見せましたよ。そろそろ警戒を解いてくれませんか?」
「ムッ……」

見た所、男は妙な格好こそしているものの、武器らしき物は持ってはいない。
どうやら、本当に戦うつもりは無さそうだ。
鎌を握る力が、若干だが緩んだ。

「その口ぶり、お主も『ばとる・ろわいある』とやらに乗ってはおらぬようだな」
「当然ですとも。主催者の言いなりになるつもりは、毛頭ありません」

つまりこの男も、自分と同じで『殺し合いには乗らない』という方針をとっているらしい。
無駄な戦闘を行なう必要は無くなったという事だ。

「『お主も』と言う事は、あなたも殺し合いには乗っていない様ですね」
「まあな。おれにはやらねばならぬ事があるのだ。殺し合いなどやっている暇など無い」
「それを聞いて安心しました。……どうでしょう?
 しばらく私と行動を共にするつもりはありませんか?」
「何?」

いきなり何を言っているのだ。この男は。
彼の言っている事は、見ず知らずの者に背中を見せるという事と同義だ。
それがどれほど危険な事かを、小四郎は良く知っている。

「断る。時は一刻を争うのだ」

男と馴れ合っている暇など無かった。
こうしている間にも、天膳様は『死んでいる』かもしれないのである。
会話の時間すら、彼には惜しい。

「『やらねばならぬ事』の為、ですか」
「そうだ。安心しろ。他人に害を与えるつもりは無い。人を探すだけだ」
「……では、その人探し、私に手伝わせてはくれませんか?
 見つけ次第、必ず保護すると約束しましょう」


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