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肥満化小説・肥満化絵投下スレッド その3

1名無しさん:2013/03/03(日) 11:21:45 ID:.5M1ZTCQO
肥満化小説や絵を投下したい方へのスレです。
作品の感想などもこちらへどうぞ。

705651:2014/03/14(金) 19:44:20 ID:r5xm2pUE0
>>684の続きですが最近忙しく投稿はまだ先になると思います…
1週間内には投稿するつもりですので、すみません

706名無しさん:2014/03/15(土) 03:00:23 ID:Udo9Boes0
>>705
ゆっくりでも良いのよ?

707名無しさん:2014/03/15(土) 08:27:12 ID:Jvi5ENHA0
気にせずゆっくりでいいのよ

708名無しさん:2014/03/15(土) 10:09:12 ID:AS1JgH1E0
楽しみに待ってます!!!!11

709547:2014/03/16(日) 21:49:21 ID:S6A1sg8I0
> 705
自分も続きを楽しみにしてます。

その前菜になれるかはわかりませんが、SSを投稿します。

「朱の女」
 『夜の病院、重い病気やケガに苦しんでいる人の枕元に
  朱色の髪をした美しい女が現れる。
  数日後にまた現れて、抱えているケガや病気を治してくれる。
  しかし、その代償として美しさを奪い取ってしまう』

そんな怪談がこの地域に伝わっていた。
そしてそれは現実の話となった。


深夜の病院、その病室の一つ。ここにいる患者は、
長い黒髪を後ろでくくった30代前半の女、
下半身の複雑骨折で入院し全治6ヶ月と診断された二島佐奈子と
薄茶色の髪をツインテールにした11歳の少女、
心臓病で一年も入院している白田都美。

その二人の前に現れたのは夕暮れを思わせる朱色の髪の女、
女としては高い背丈にメリハリのある肢体、怪談通りだ。
ただ、着ている服は、その整った体を程良く露出させたタンクトップとスパッツで、
その顔の印象は、ぷっくりとした唇と紫色の大きな瞳から、美しいと言うより可愛いと思える。

710547:2014/03/16(日) 21:54:27 ID:S6A1sg8I0
「それじゃあ始めるけど、本当にイイの?」
「私は美しさを取っちゃうんだよ」
「醜くなってもいい、子供達の為に一日でも早く戻りたいんだ・・・」
「私も・・もう病院から出て学校に行きたい・・」
「そう、じゃあ奪わせてもらうよ」
女は二枚の札を取り出し、佐奈子と都美のヘソの辺りに貼り付ける。
「よろしくお願いします  えっと・・・」
どう呼んでいいのか分からずに、言葉に詰まった都美に
後ろを向き返答する。
「ああ、私は『リーファ』 美しさを奪い、命を治す」
背中を向けたまま、病室の片隅に置かれた誰かのバッグをまさぐる。
「朱の女」 リーファは振り返り、満面の笑みを向けた。
それを切っ掛けにして、佐奈子と都美の体に脂肪が付き、膨れ、太ってゆく。
にも関わらず二人は微笑みを浮かべていく。
体に脂肪が付き重くなると共に、
それまで抱えていた苦しみが抜けていくのを確かに感じていたのだ。
佐奈子が脚に感じていた痛みが、都美が胸に感じていた辛さは消えうせ、
それは重さに変わっていった。


「はい、これでオシマイ」 
「「あ・・りがとう・・・ございました」」
急激な肥満化に対応しきれず、息も絶え絶えに礼を言う二人。
しかし、その体は通常の肥満による弊害は最小限に抑えられており、
至って健康な、肥満体で間違っても美しいと、
言えるかどうかは見る人によるだろう。

「 た、頼・・だ・・・か、いが・・・・あつたよ・・・」
佐奈子の体は下半身を中心に肥満化していた。
病院着のズボンは完全に破れてしまい、
そのとても太く分厚い下半身が丸見えになってる。
特に腰周りの太さは、マワシを巻いた横綱を思わせる。
そんな下半身と比べると細いが、
上半身は上半身でかなり太く病院着もパツパツだ。
普通の人の腰並に太い二の腕に、
そんな腕が閉じきれない程になった脇。
そして、新たに子を宿したかの様な大きさのお腹に、
そんな腹を上回るサイズの胸はメロン大の爆乳である。
顔も丸々と膨れ、顎は軽い二重顎で、
頬肉が膨れすぎて鼻が低くなり目が少し細められている。

二島佐奈子(33)  162cm
55kg 80・58・71→106kg 103・90・127

711547:2014/03/16(日) 21:56:01 ID:S6A1sg8I0

「お、お父さんが言った通りだった・・・今日で治った・・・!」
これまで心臓病で苦しんでいた都美だったが、
そんな過去を覆い隠す厚い脂肪が付いていた。
言い換えれば、胸が重点的に肥大化した肥満体になっていた。
しかし、佐奈子と同じく胸以外も十分すぎる程肥大化している。
手足は以前の倍近い太さで、袖も脚も今にもはち切れそうだ。
小さかったお尻は大きくなりすぎて、
ズボンを裂いてブリンとはみ出している。
ほっそりとしていたお腹も、ドンと突き出して、
大玉スイカを入れた様なサイズの太鼓腹になってしまった。
そして、そんなお腹が括れて見えるほどに巨大になった胸。
こちらは片方ずつがスイカ並みの大きさである。
スリーサイズだけ比べれば、「ボン・キュッ・ボン」で、
ある意味、大人顔負けのナイスバディーだ。
そんな体とは逆に、顔は満月の様に真ん丸とした丸顔で、
幼く可愛らしい印象だ。

白田都美(11) 142cm
35kg 65・49・57→ 88kg 119・98・117


「あなた達の美しさはいただいたよ」
リーファは二人に貼り付けていた札を拾う。
  二人には暗くて見えなかったが、札の裏は複雑な構造の電子機器になっていた。
「それじゃあ、二度と私に会うことの無い様にね」
リーファは、そう言って何故かさっきまさぐっていたカバンを抱え上げ、
窓から飛び降り、夜の闇に消えていった。

712547:2014/03/16(日) 22:00:21 ID:S6A1sg8I0


その頃、あの病室の真下、1Fにある応接室に、この病院の医師と
都美の父親がいた。
都美の父は深々と頭を下げ、数十万円相当の紙幣が入った封筒を医師に差し出していた。

「娘の治療、ありがとうございました」
「いえ、肥化治療という手段をとらざるを得ず申し訳ありませんでした」


肥化治療―――特定の栄養素を急激に送り込むことによって、肥満化と引き換えに
患者の回復機能を活性化させ、疾病を即座に完治させるという処置。
コストもリスクも現時点でかなり抑えられているが、
当然のことだが、世間からの批難の声が強く、
実用化に踏み切れないでいる。


「しかし何であんな形で治療を行ったんですか」
「いえ、それが彼女がそうしたい、と言ったので・・・」
「問題もないので、好きにさせているのです」
丁度その時、上から人影が飛び降りて、裏庭に敷かれていたマットに着地したのが窓から薄らと見えた。
庭の照明に照らされたその人影は、紛れも無くリーファだった。
「本当に物好きな人ですよ」
「自分で作ったシステムなのだから特許を申請すればよいのに、
「必要経費以外ほぼ無償で私達医療機関に配布してくれて」
「・・・本当に変わった人ですよ」
少しの呆れと大きな感心が入り混じった医師の言葉はリーファの耳に届かず、
彼女は、子供の様な満面の笑みを浮かべて夜の闇へ駆け出していった。

おわり

あっ、タイトルは 「 美と健 肥化治療と演じる女」です。

713651:2014/03/21(金) 15:17:46 ID:cKg/E8eE0
547さん
星新一の短編のようで短いけれど面白かったです。

遅くなりましてすみません。
短いですが続きを投稿させていただきます。

714651:2014/03/21(金) 15:19:31 ID:cKg/E8eE0
「よくも私にこんな屈辱を…」
呪詛の言葉を吐き、立ち上がろうとする。

しかし、膨らんだ腹が邪魔で満足に上体を起こすこともできず。
再び前のめりに倒れたアニスに容赦のない嘲笑が投げつけられた。

「さ〜て、今のアニスちゃんの体重はどのくらいかしらね」
倒れているアニスをサクラが体重計の上まで転がしていく。
「あらあら、198kg。随分太ったわね〜」
実に100kg近い増加である。

「モミジちゃんと同じくらいね」
「ふざけるな! この私があんな肉のお化けと一緒だと!」
口角泡を飛ばしアニスはモミジを指差した。モミジは少し悲しそうだった。

「うふふ、今の自分の姿を自覚していないようね〜。だから私に出し抜かれるんですよ、魔王さん」
「な、なぜ私が魔王だと知っているのだ!?」

戸惑うアニスにサクラは顔を近づけて囁いた。
「本っ当に鈍感ですね。過去に見捨てた自分の部下さえ覚えていないなんて」

サクラの姿が歪んで溶けていく。
膨れていた体はするすると萎み。
瞳の色は燃えるような緋色に変わっていき。

サクラがいた場所に立っていたのはスレンダーな若い女(アニスは知る由もないが魔王を召喚する本を売った骨董品屋の女店主)だった。

「お前だったのか。魔王軍の元近衛隊長ティナ・ルーク!」
「やっと気づきましたか。罪を負われてあなたに地上に追放されてから随分苦労しましたよ」
「宝物庫の金貨を着服していたからだ。自業自得だろ」
「自分勝手な魔王の尻拭いに対する我慢料としては、近衛隊長のお給料だけでは全然足りなかったんですよ」
「貴様…」

「魔界を追われてから苦節十年、来る日も来る日もあなたに復讐することだけを考えていました。そしてやっとこの日が来た。
魔力も十分溜まり魔法も使えるようになりました」
観衆はいつの間にか消えていた。魔法で創り出された幻影であった。

「しかし、どうやらあなたは自分を慕っていた者にさえ罵声を浴びせるのですね。ほらあそこにいるのは…」
ティナはモミジを指差した。
「あなたの付き人だった下級悪魔のハンナですよ」
「は、ハンナ。お前はあの『ちびっこハンナ』だったのか!? 急に失踪して心配していたのだぞ!」

「ひ、ひどいです。私、好きでこんな姿になったんじゃないのに『肉のお化け』だなんて…グスッ」
「ち、違うんだ。お前だと分かっていたら!」
「追放されるときに魔界から攫ってきたんですがね。今は私の魔法で姿を変え、自己主張できない奴隷として働いてもらってますが」
「この…外道が!」

睨みつけるアニスに向けてティナは冷やかな笑みを返した。
「あらあら、魔王に外道呼ばわりされるとは光栄ですね。
でも、あなたが魔王の椅子にふんぞり返っているのは今日でおしまい。これからは私の奴隷にジョブチェンジしてもらいましょう」

ティナが呪文を詠唱するとアニスの周りに魔方陣が展開された。
「そうですね。取りあえず本物の豚さんになってもらいましょうか?」
「何を言って…ぶひっ!? …ふごっ…な、なんだこれは!?」

顔の中央部に違和感を感じアニスが鼻を触ると、立派な豚の鼻がついていた。
ティナは嗜虐に満ちた表情でアニスの鼻をなぞる。

「ぶひぃ…も、元にもど…ぶふぅ、んごっ…ぴぎぃぃ!?」
「なかなかお似合いの姿ですよ。これであなたは人語を喋ることはできない。誰の助けも呼べない。さて…」
ティナがアニスに手を伸ばす。
「もっともっと太ってもらいましょうか。かわいい私のペットさん」
眼の端に涙を溜めながら、最後にアニスが思い浮かべたのは彼女を召喚した男の顔だった。

715名無しさん:2014/03/21(金) 15:46:11 ID:LAyvPgCU0
続き来てた!乙です
豚化は好き嫌い別れるかもしれないけど個人的には大好きなシチュなので嬉しい

716名無しさん:2014/03/22(土) 00:29:56 ID:fiA3peYg0
乙です
さぁ、盛り上がって参りました!!
アニスの運命は如何に…

717235:2014/03/25(火) 00:03:26 ID:rpJrRk420
おお、小説投稿乙です!なかなか興奮する内容でなかなかそそるものがあって素晴らしいです!ごちそうさまです!
・・・あ、盛り上がってるところで、自分、話とは全く関係ない絵を書いたので
貼っておきます。
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1643_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1644_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1645_1.jpg
思いつきですがどうぞ。みなさんのフェチ力に役立てれば嬉しいです。

718名無しさん:2014/03/25(火) 01:09:18 ID:XEhn7pqQ0
GJ!
スク水ははちきれさせる物だよね

719名無しさん:2014/03/25(火) 17:33:57 ID:63S3icMg0
やはり段階を追って太っていくのはいいねえ、乙!

720名無しさん:2014/03/26(水) 16:53:39 ID:DRc/jpaw0
うぶぅう とかゲップとか萌えるwやっぱり強制だよね

721 ◆t3E9hfR0Bc:2014/03/28(金) 23:57:47 ID:3n9h/8WM0
みなさん投下お疲れ様です。
29日ですので駄文ですがどうぞ

ttp://www1.axfc.net/u/3207793.zip
パス:himanka

722547:2014/03/28(金) 23:57:57 ID:EBK2DjxI0
651氏 遅くなりましたが乙です!
まさかの伏線、アニス様どうなってしまのか・・・続き楽しみにしてます
それと「星新一の短編のようで〜」という、
自分には過ぎたお褒めのコメントありがとうございます

235氏もイラストの投下乙です!!
新たなシチュをわかりやすいイラストで展開させてくれて、ありがとうです。

さて、私こと547も、毎月恒例のあの人のSSの前座としてSSを投稿します。

235氏のイラストを駄文ながらもSS化したものです。

「人が着る水着(もの) 人を使う実験(もの) 」

コンクリートの床と壁に四方を囲まれた無機質な部屋。
そこに少女がスクール水着を着て立っていた。
その体はか細くて、 
?? (細すぎないか・・・)
??(元が細いほうが耐用実験には適している)
体重は重く見積もっても、40kg強 
??( いや体重は関係ないだろ)
スリーサイズは、74・49・71だろうか 
??(そこは測れよ) ??(どうでもいい)
この少女、ある会社が新開発したこのスクール水着の耐用実験の
アシスタントとして、法外とも言える程の、高額で雇われたのだが、

「これより水着の耐用実験を行う」
「耐久実験って水着着てるだけじゃない」
壁の向こうからの電子音声に少女が突っ込んだ。しかし・・

723547:2014/03/29(土) 00:00:02 ID:rzWBd3MQ0
「実験開始 スイッチON」
その音声をきっかけにして、少女の体が
「ちょ! 何よこれ! 体が・・・どんどん膨らんでいる・・・」
膨張し始めた。それも脂肪で、
少女の体はじわじわと膨れていく。
大きくなかった胸も、脂肪で大きく膨れていき、
谷間が形成され、水着の上からちらりと見えている。
その下のお腹もぽっこりとせり出していき、
柔らかくたるんだお腹は、
添えられた両手に沿って、むにりと変形している。
下半身、特にお尻と太ももも、丸く太くなっていき、
水着を押し上げていく。
しかし、布地はその変形に耐えてキズ一つ付いてない。
少女の精神は耐え切れずに錯乱しているが、

724547:2014/03/29(土) 00:04:53 ID:rzWBd3MQ0
「出力アップ」 電子音声が無慈悲に響いた。
そして少女の膨張、いや肥満化もペースアップした。

「うぶぅう!」
少女は体全体に水を無理やり入れたかの様な・・・
自分では上手く表現できないほどに不快な、その衝撃に耐え切れずに
大きなゲップを漏らしてしまった。
「いやぁあああああ!」
涙目になりながら、絶叫する少女。
だが肥満化は止まらない。

胸は頭よりも大きくなり、深い谷間が水着の上からでも分かる。
腹は、そんな胸を遥かに上回る程に突き出ていて、立派な太鼓腹である。
お尻は前から見ても大きく突き出ているのが分かる程のサイズだ。
そんなお尻に水着を押し上げられ、少女の脚がどんどん露出していく。
それと同時に太くなっており、脚と脚の隙間が無くなってしまった。
二の腕も丸太の様な太さである。
そして顔もぶくぶくと膨れて二重あごができていく。
しかし、ここまで来ても水着には亀裂一つ入っていない。

少女の体型情報(目視による推定)
146cm 38kg 74・49・71
→ 53kg 87・68・83
→81kg 97・109・93
→・・・

水着 耐久性評価 S(実験により確定)

少女の有様を、コンクリートの壁を隔てた向こう側、
白衣を着た2人の男が見ていた。
最初に少女の体型について雑談していたのもこの2人である。
「耐久性は問題無しと、後は・・・」
片方の男は、実験で得られたデータを淡々と記録していく。
「おいここまで太らせる必要は無かったろ」 
もうひとりの男が軽い憤りを見せながら、問い詰める。
「そもそもあんな少女を実験に使うなんて・・・」
男はその問い詰めに『お前は何を言ってる』、と言わんばかりのドヤ顔で返答する。


「人が着るものだぞ、実験には人間を使うのが一番だろ」

駄文かつ短文ですが、これで終わりです

725547:2014/03/29(土) 00:11:06 ID:rzWBd3MQ0
しかし前座はまだ引っ込みません。
後ろに控えしあの人にあやかって、
もう一本投稿させてください。

こちらは「がんばれゴエモンシリーズ」を原作とした
二次創作の長編、のプロローグです。


時は江戸時代(?)
伊賀の物知りじいさんが作った死んだ者を蘇らせる
「ウルトラ・(中略)ゴーストリターンマシーン」(以下召還マシーンとする)を
オカマの未来人シスタービスマルが奪ってしまった。
取り戻すためにまたまた冒険の旅に出発した義賊ゴエモン、
お供は毎度おなじみ自称正義の忍者エビス丸、ではなかった。


はぐれ町の茶屋、そこにゴエモンが誰かを連れて入ってきた。
彼を待っていたからくり忍者サスケが声をかけ近づく。
サスケ「ゴエモンどの―、さがしたでゴザル・・・よ・・?」
確かに入ってきたのはゴエモンだ。
しかし彼が連れているのは、見知らぬ人。
青いこの世界の一般的な服とはやや作りが異なっている、服を着た、
すっきりした体の可愛い女の子だった。
サスケ「ゴエモンどの、エビス丸どのは?」

ゴエモン「  あんとき、エビス丸はビスマルに突っ込んでいって、
避けられて・・・あのタイムマシンにぶつかって・・・
そんとき召喚マシーンとタイムマシンが光って・・・」
「で、光が消えた時にはエビス丸がいたところにこの子がいたんだ」
「物知りじいさんが言うには、

『召喚マシーンとタイムマシンは時間の流れに逆らうという点で
同様の技術を使っているのじゃが、
その部分が『シンクロ』して暴走した結果
エビス丸とこの子がいる時間を入れ替えたのじゃろう、
戻す為には召喚マシーンを取り戻して調べてみるしかない』

「と、いうワケなんでい」


サスケ「そういうワケでござったか・・・」
それでその方の名は?」
とりあえず納得したサスケは連れてきた少女に声をかける。
エビス「私はエビスって言います」

「がんばれゴエモンガールズ でぶでぶ道中 おにくでんこ盛り」
「ステージ1 新世代から来た女の子」

726547:2014/03/29(土) 00:14:17 ID:rzWBd3MQ0
サスケから、ゴエモンインパクトが暴走して
大江戸城に向かっていることを教えられたゴエモンは大江戸城に行くことにしたが、
そのためには城までのステージを攻略し手形を集めなければならない。

ゴエモン「オイラ達で次のステージに行ってるから、
エビちゃんはこの町で待っててくれ」
エビ「いえ、私も手伝います!」
サスケ「協力してもらうにしても、
この時代のことをもう少し知っておいたほうが良いでゴザロウ」
エビス「そういうことなら、分かりました」
という訳で一人はぐれ町で留守番になったエビスは、
エビス「この時代のことを知る・・・やっぱりからくり技術について、
ぐぎゅるぅぅぅ(腹の音)
「・・・そ、その前に何か食べよっと」
まずめし屋に向かった。


それから1日が経過し、大江戸城までのルートを確保した2人が
はぐれ町のエビスの元へ戻ってきた。だが・・・

ゴエモン「・・・・・」
サスケ「・・・・」
エビス「・・・・・・」
宿屋の一室、三人とも何も言えずにいる。
そのワケはエビスの体が変わり果てたから、
そう、とても太っていたからである。
元が痩せていただけに、そこから結構な量の肉が付いたことがよくわかる。

まず手足は2回り程太くなってる。
お腹はぽこんと少し体のラインからはみ出ている程度だが、
元を考えると、腹回りもかなり肉が付いたことになる。
そして服の上からでも分かるほどに巨大化した巨乳、
服がキツキツで今にも破れてしまいそうだ。

ゴエモン「エビスちゃん・・・どんだけ食ったんでぃ・・・」
エビス「フツウの量しか食べてません!!」
ようやく口を開いたゴエモンに、
真っ赤になって涙目で返答するエビス。
実際、エビスがこの1日で食べたものはごく普通のの量で、
ここまで太ることは絶対にありえないのだが・・・

727547:2014/03/29(土) 00:21:28 ID:rzWBd3MQ0
サスケ「もしや、『レキシのシュウセイリョク」とやらの一種では・・・」
エビス「歴史の修正力・・・そ、そうですか!」
「私とエビス丸さんの一番大きな違いは体重、
だから少しでもその違いを埋めるために私を太らせて・・・」
ゴエモン「そんなアホな!」
「・・・どっちにしろ、早いとこ大江戸城に行こうぜ!」


ステージ1クリア(訳 今回はここまでです、
(一応でろでろ道中をベースにしています)
(肥満化の形式としては、2、3人を集中攻撃!、という形にするつもりです)
(もちろん、その2、3人には、「あの娘」も含まれております)
(それでは続きは来月の29の日までには投下できる様にします)
(あと、今更ですが、がんばれゴエモンシリーズを知らない人に
かなり不親切なSSとなっております)

今回の犠牲者
・エビス
「新世代襲名」から登場。
エビス丸とは似ても似つかない、すっきりした体型の少女だが、
エビス丸と入れ違いにこの時代にやって来たせいで、
『レキシのシュウセイリョク』によって肥満化してしまうことに・・・
現在の体型 57kg 88・59・84

728235:2014/03/29(土) 11:33:20 ID:EDLiHTMA0
547氏、乙です!!!!!
自分の絵をSSにしていただきとても嬉しいです!
もうまさしく自分が考えていたものにかなり近いシチュだったので、
とても満足する内容でした!鬼畜度も増してすごいよかったです!ありがとうございます!

729651:2014/03/29(土) 20:36:02 ID:f0HY2RR20
>>721
安定した高クオリティ、特に輝子の「ふひぃ」が可愛いですね!

>>547氏、235氏
やっぱり絵と文があると妄想力2倍で凄くいいですよね
続きを待ってます!

29の日ということで私も続き投稿します。
相変わらず短くて申し訳ない…

730651:2014/03/29(土) 20:38:50 ID:f0HY2RR20
「…ふごっ!?」
気が付くとアニスは暗い牢の中にいた。

石畳の無機質な床。ところどころ崩れ落ちた壁。窓には鈍い光を放つ鉄格子が嵌っている。

「(ティナの店の地下室…というわけではないようだ)」
別の場所に移され、牢屋の中に閉じ込められた、ということか。

注意深くあたりを確かめる。
牢屋だから当たり前だが、どうやら出口はないようだった。

「(私に復讐する、と奴は言っていたが…?)」
死ぬまでここに幽閉しておく、という意味だろうか。

「そんなに怖い顔をしなくても大丈夫ですよ」
鈴を転がすような声がしたかと思うと、牢の中央に一人の少年が立っていた。
「ぷぎっ!?」
「ああ、ティナ様の術をかけられて喋れないのですね。あの方の嗜虐癖にも困ったものです」

少年が指を一振りするとアニスの豚鼻が縮んでいき真っ直ぐ整った本来の鼻に戻った。
さらにもう一振りするとアニスの体が光始め、太る前の引き締まった肉体に戻っていた。

アニスは困惑しつつ、少年に問いかけた。
「お前はティナの手下ではないのか?」
「はい。ティナ様の使い魔です」
「なぜ私の体を元に戻した?」
「さあ? ただの気まぐれですよ」
少年は笑顔を見せた。

訝しく感じつつも、口元が緩むのを我慢することができない。
ひとかけらの余分な脂肪もない己の体を撫で、筋繊維のしっかりとした感覚を確かめる。
鉛の鎧を脱いだように全身が軽い。

「喜んでいただけているようで幸いです。それでは私はこれで…」
テレポートの魔法を使い、部屋から出ていこうとする使い魔の腕をアニスは掴んだ。
「待ってくれ。無理な頼みなのは分かっているんだがここから出してはくれまいか?」
「んー…っと、そうですね。私の言うことを聞いてくれれば出してあげますよ」

使い魔が指を振るとアニスの目の前の温かい料理が表れた。
パンとスープ、それに羊の肉を炙った質素な料理だった。

「これを完食できたらティナ様に頼んでここから出してあげますよ」
「ほ、本当か?」
「はい」

アニスの胃袋なら5分とかからず食べ終えることができる量だった。
監禁された魔王は余裕綽綽の面持ちで料理に取り掛かった。

「では私はティナ様にこのことを伝えてきます」
「頼んだぞ!」
「ええ。豚は太らせてから喰った方が美味しい、とね」
テレポートの魔法で牢屋から退出する直前、使い魔が歪んだ笑みを浮かべぼそりと呟いたことにアニスは気が付かなかった。

731名無しさん:2014/04/01(火) 07:55:50 ID:50rqZzdU0
乙です!
「上げて落とす」ならぬ「痩せて太らせる」
個人的に大好きなシチュですので、
これからかどうなっていく(しまう)のか楽しみです

732名無しさん:2014/04/17(木) 00:52:13 ID:/a8e8yQA0
まだ?

733名無しさん:2014/04/20(日) 00:02:10 ID:MO/1WxqU0
まとめが消えたからどこからここに来れば良いのかわからないんじゃ

734名無しさん:2014/04/20(日) 00:03:16 ID:MO/1WxqU0
Sage忘れてたよ

735名無しさん:2014/04/20(日) 00:15:51 ID:siy4oAEE0
>>733
肥満化で検索

かわいい女の(ryを見つける

>>1で避難所を見つける

736名無しさん:2014/04/20(日) 20:53:37 ID:QPdcaxO.0
肥満化SSを投下するのは初めてなので、至らぬ点もあると思いますが、是非感想を下さい。
「復讐を転じて福となす!?」

僕の名前は草薙俊介。僕はある女の子に告白したんだけど、フられてしまった。別に僕がそんなにカッコ悪いってわけじゃないよ?勘違いしないでね?彼女が「君とはちょっと付き合えないなぁ…」って言ったから無性に腹が立ってさ。あ、そうそう、彼女の名前は渡辺万葉。確か親が先生をやってるとかなんとか。今はやり?のDQNネームっぽいよね。話を続けるよ。何とか復讐してやれないかって思ってたんだけど、中々いい方法が見つからなくってさ…え?その子は可愛いのかって?うーん、正直言うと世間からはブサイクって言われちゃう顔だねぇ…そんな奴にフられたから余計にムカつくんだ。ふと考えたんだ。
「人は見た目が九割」モデルの仕事をしている僕の母さんがよく言っている言葉だ。じゃあ見た目を悪くしてやろう、と考えたわけ。
でも既に顔は悪いしなぁ…ん!そうだ!太らせれば顔だけでなく体も悪くできるじゃん!と、言うわけで、僕は彼女を太らせる事にしたんだ…

737名無しさん:2014/04/20(日) 20:54:44 ID:QPdcaxO.0
まずは、どうやって太らせるか考えなきゃ。手っ取り早いのはめちゃくちゃ食わせる事だけど、そんな事出来っこないよなぁ…あ、そっか、脅せば早いよな。まずは見られたら将来が危なくなるような写真をとってやらなきゃ…え?手段が定番すぎるって?定番じゃない、安定と言って欲しいな。先人が成功しているんだから、下手にオリジナルに手を出すよりいいはず。さーてと、彼女、チョコが好きだったよな、睡眠薬入りのトリュフチョコでも作るか…



翌日、何個か強めの睡眠薬を混ぜたチョコを学校に持って行って、食べさせた。「変な事言ってごめんね、これからは友達としてよろしく」って言って渡したら簡単に食っちまった。なんだ、ちょろいじゃん。

738名無しさん:2014/04/20(日) 21:07:11 ID:QPdcaxO.0
ここは学校の倉庫。誰も使ってないから安心だね!え?御都合主義すぎるって?そこはフィクションだからおいといてくれよ!
さ、とりあえず脱がしてあんな写真やこんな写真をとっちまおう…因みにチョコを渡した場所は倉庫近くだから運ぶのは楽だった。

ふう、こんなもんかな。こんな写真をばらまかれたら僕なら引きこもるか自殺するような写真を数十枚撮った。お、起きた起きた…

「草薙くん…?何で…私…キャッ!」

「ようやく気づいたの?脅すわけじゃないんだけどねー…僕の頼みを聞いて欲しいんだ」

「た、頼み…?そんなの、聞くわけないじゃない…!警察に連絡するわ…!」

「あっそう、僕の父親の仕事、わかってないみたいだね。折角だから教えてあげる。表向きは公務員だけど、裏ではちょっと危ない事をしててね、盗撮事件ごとき余裕で揉み消せるわけ。おわかり?」

「う、うぅ…」

「そんな怯えなくていいよ、簡単な事さ。一ヶ月後までに、そうだな…7㎏増やしてきてよ。今の体重は?最後に量った時のでいいからさ」

「ご、53㎏…」

「なら60㎏じゃないか、まだまだ太ってるとは言えないから大丈夫だよ」

「はい、って、言いなよ」

「は、はい…」

「よろしい!」

完全に僕の勝ちだ!

739名無しさん:2014/04/20(日) 21:10:42 ID:QPdcaxO.0
(視点変更です)
ど、どうしよう…こんな事、お母さんやお父さんに相談するわけにもいかないし…
やっぱり、7㎏増やすしかないのかな…と、とりあえず一日どれくらい食べればいいのか計算しよ…
えっと、私のエネルギー必要量は2250だから…脂肪1gで9kcalで…脂肪1㎏で…1000g…うわぁ…1000kcal余分にとっても111gしか増えないよ…でも1000って以外と簡単かも…チョコとかあるし…
よし、計算しよ。えっと、2250は通常の三食で摂るものとして、えーと、何を食べるのが一番手っ取り早いのかなぁ…あ、チョコパイなんて良さそう。えっと、これを一箱食べると978で、これを三食の間に食べると…3000近く行くのか…これなら早く60にいけそうかも…うぅ…なんで…こんな事に…なっちゃったんだろう…
私が…フった腹いせ…?で、でも…あんな写真撮られちゃったし…で、でも、すぐに痩せれば大丈夫だよね…


翌日、私はコンビニでチョコパイを3箱買って、一箱はすぐに食べた。うぅ…やっぱり辛いなぁ…胃がもたれるよ…

午前の授業も終わって、お昼休み。お弁当、食べられるかなぁ…
と、思っていたが、心配は杞憂に終わった。

以外と入る…でも、これで体育とかやったら吐くかも…

「万葉ちゃんそんなに食べて大丈夫?」友達の美沙ちゃんが声をかけてくれた。

美沙ちゃんに相談すべきだろうか?でも、彼女にまで危害を加えられたらどうしよう…
やっぱり、言えないよ…

740名無しさん:2014/04/20(日) 21:31:14 ID:QPdcaxO.0
「う、うん!大丈夫だよ…」

「そう?何かあったらいつでも言ってね」

「わかったよ、ありがとう」

放課後、私は家に帰って残りの一箱を食べた。結論。案外、いける。うぅ、喉が乾いたなぁ…少しでも太るのを早くするために炭酸を買ってこよう。私は近くのコンビニへ走った。

一週間後、私の体に変化が現れ始めた。

「うぅ…スカートがキツい…」
この一週間、あんな生活を続けていればこうもなるだろう。

スカートどころか、パンツまでキツい。食い込みが直しても直してもまたすぐ戻ってしまう。お腹も少しだが出ており、パンツの上にちょこんと乗っかっている。胸はあまり変わっていない…なんでだろう…

安全ピンでスカートを止めると、私は学校へ向かった。

「あれ、万葉ちゃんちょっと太った?」

声をかけてくれたのは美沙ちゃんだった。

「う、うーん、最近食べすぎちゃって…」

「そっか、食べ過ぎには気をつけてね」

「う、うん」

力のない返事しかできなかった。
家帰ったら体重計ろう…

早速私は家に帰って体重を計った。

「ご、55㎏…」たった2㎏しか増えていないのに、この変化?何かおかしい。もしかして、彼が何かしたとか…?
私は怖くなって、買ってきたばかりのサイダーを飲み干して、いつものようにチョコパイを食べた。
先週より楽に入るようになった気がする…

さらに2週間が過ぎた。
私は十分ぽっちゃりと言えるレベルになってしまっていた。
お腹は座るとそこまでではないが段を作り、お尻は前よりもずっと大きくなっており、穿いているパンツの柄が引き伸ばされてしまう。顔にもうっすら肉がつき、そろそろ二重顎を形成しかけている。胸は相変わらずだ…何で胸だけ小さいままなんだろう…でも脂肪で大きくはなっているがカップは変わっていない。二の腕は揺するとフルフルと肉が揺れる。

「うう…今…何㎏だろう…」

「よいしょっと…うわっ…62㎏…?」

「こ、こんなに太っちゃったの…?」

ここ最近の生活を考えれば当然である。最近ではブラとパンツは入らなくなってしまい、大きいサイズをセットで買った。家では下着、寒い時はジャージで過ごすようになった。

741名無しさん:2014/04/20(日) 21:32:47 ID:QPdcaxO.0
制服は、新しい物を買ってもらった。お母さんからは食べ過ぎないよう注意された。

「明日は彼に会わなくちゃいけないんだった…」

翌日の放課後、私は倉庫に向かった。
「やぁよくきてくれたね」

「立派に育ったじゃないか、僕も嬉しいよ」

「もう60㎏は超えているわ、文句はないでしょ?」

「あぁ、よく頑張ったね」

私は倉庫から出ると、行きつけのコンビニへ向かった。
最近は暑いので、2リットルのコーラは欠かせない。それだけでは喉が冷えるのでポテチや菓子パン、唐揚げなども食べている。

家に帰ると、早速着替えておやつの時間だ。

「よいしょ…ふぅ、はぁ、」

最近は息が切れやすくなってきた。
「ゴクゴク…ぷはぁっ…」

ポリ、ポリ、ムシャ、ムシャ…

「美味しかった…ふぅ、晩ご飯まだかな…」

それから、さらに1ヶ月。私は完全にデブと呼べるレベルになった。

新調したブラも、パンツも、制服も、ジャージも、何も入らなくなってしまった。胸は相変わらず。
お腹は立っていても見事な段を形成し、お尻は大きく、垂れ下がっている。二の腕はさらに太くなり、肉のマントのようになってしまった。
太ももは痩せていた頃のウエストくらいある。
体重は先週計ったら75㎏だった。

このまま、どんどん太っていったら、私はどうなってしまうのだろう…

そんな不安を抱えていると、ケータイがなった。
「あ、もしもし、万葉ちゃん?」
「あ、美沙ちゃん…?」
「今、大丈夫?」
「う、うん」
「あのね、明日から夏休みでしょ?伝えたい事があるんだ。万葉ちゃん、大分太っちゃったから歩くの大変でしょ?だから、私が家に行くね」

「う、うん…」

「じゃあね、また明日」

と言って電話は切れた。
美沙ちゃんにまで、こんな心配をかけさせて…そのストレスが、余計に私を食へと走らせるのであった。

翌日、私が部屋でお菓子を食べていると、美沙ちゃんがやってきた。
「おーい、万葉ちゃん?」
「あ、ちょっと待ってて…」
私は急いで部屋を片付けた。そして、服についていた食べカスも払った
「いいよー」

「ん、おじゃましまーす…」

「どうぞー」

「あ、そういえば玄関空いてたけど大丈夫なの?」

「ん、今お母さんが裏庭でガーデニングしてるから」

「あ、そうなんだ」

「そういえば、伝えたい大事なことってなんなの?」

「あ、それはね、…」

742名無しさん:2014/04/20(日) 21:33:49 ID:QPdcaxO.0
沈黙が続く。

「どうしたの?」

「い、いや、ちょっと言いづらくってさ」

「私と美沙ちゃんの仲だよ?なんでも言ってよ」

「う、うん。それじゃ言うね…えーと、その…ごめんなさい!」

「へ?」
いきなり謝られた私は呆気にとられてしまった。

「…実はね、万葉ちゃんのお弁当の中に、余分な筋肉を脂肪に変えて、太りやすくする薬を混ぜてたの。私ね、太った女の子が好きなの。万葉ちゃんがね、太ってればね、どれだけいいかって、思い始めた。それでね、万葉ちゃんが太り始めてるのをみてね、これはチャンスだって思ってね、少しずつ、混ぜてたの」

「……」

「ごめんね、本当にごめんね、私も、万葉ちゃんと同じようにね、太る事にしたの。友達を太らせておいて、自分だけって言うのも気分が悪いから、お父さんに取り寄せてもらったんだ」

そう言うと、彼女は瓶の中の液体を飲み干した。

「ぷはぁっ。これで、おあいこだね」

「万葉ちゃんにこんな事をしちゃったのは私。絶対に、私は裏切らないよ。だから、明日からよろしくね」

「ま、待って!」

そう言うと、彼女は部屋から出て行った。

その日の夜、私は全く寝られなかった。

ずっと、美沙ちゃんの事を考えていた。

まさか、彼女が、こんな事を、考えていたなんて…

「明日からよろしくね」
どういう意味なんだろう…

続きます。

743名無しさん:2014/04/21(月) 18:43:43 ID:ER9zQWsg0
乙でしたー
体はふとってもまだ精神は堕落してない感じなのでこれからに期待するぜ

744名無しさん:2014/04/21(月) 21:23:12 ID:twqcZnfY0
翌日、美沙ちゃんがやってきた。

昨日あんな事があったので、少し喋り辛かった。

「おはよ」

「おはよう、突然だけど、これ、見て欲しいんだ」

そういいながら、美沙ちゃんはサイズの大きなジャージを取り出し、着た。

「これを夏休みの間でぱつぱつにする。これが私の目標」

そう言うと、近くにあったお菓子を食べ出した。

しばらく食べた後、美沙ちゃんはコーラ2リットルを飲み干し、再びポテチを食べだした。

「ふぅ、はぁ…き、キツい…」

「だ、大丈夫?やめてもいいよ、ぜんぜん気にしないよ」

「だ、ダメだよ…私がやるって決めたんだもの…」

それから、一週間後。

美沙ちゃんは太った。それもすごく。前からちょっとぽっちゃりめだったのだが、それに拍車をかけるように。
「それじゃ、計るね」

「う、うん」

「64㎏…!一週間で7㎏も増えたよ!」

「万葉ちゃんは何㎏?計ってみてよ」

私は体重計に乗った。

「79㎏…!すごいなぁ。私なんてまだまだだなぁ…」

あれから、そんなにたってないはずなのに、もうそんなに太ってしまったのか、その事実が落胆させるが、驚きは少ない。

「もっと頑張らなきゃ…万葉ちゃんに追いつくんだ…!」

「ま、また飲むの…?」

「うん、当たり前だよ。万葉ちゃんに早く追いつかなくちゃ」

そう言うと薬を飲み干して、再び食べだした。

二人とも、これからどうなっちゃうんだろう…

745名無しさん:2014/04/21(月) 21:24:12 ID:twqcZnfY0
それから二週間。美沙ちゃんはしばらく家に来なかった。それでも、私の体重は少しずつ増えていった。

ケータイが鳴る。美沙ちゃんからだ。

「もしもし?万葉ちゃん?」

心なしか、声が野太くなったように感じる。

「う、うん」

「明日さ、迎えに行くから私の家に来てよ」

「え、ど、どうしたの?急に…」

「あ、水着も持って来てね、それじゃあ!」

切れた…。何だったんだろう?もしかして一緒に泳ぐ、って言ってたよね、もしかしてそれかな…?

翌日、家の前に止まったリムジンの中を覗くと、二週間前とは大違いの美沙ちゃんの姿があった。
黒いキャミソールは、その醜く太った体に張り付いて、女の私から見ても異様な色気を放っている。
下は黒のレースのパンツのみで、それも腹肉、太腿の肉に埋もれて、パンツなどなくても十分であろう。
「おはよ、万葉ちゃん」

「私、大きくなったでしょ?万葉ちゃんとの約束、ちゃんと果たしたよ」

「う、うん…」

「クーラーをガンガンに聞かせても暑くってさ、こんな格好で、ごめんね」

「ねぇ、美沙ちゃん、一体、あれから体重は何㎏になったの?」

「私?88㎏だよ。あはは、もう万葉ちゃんに追いついたかな?家に着いたら一緒に計ろうね」

軽く雑談をしている間に、もう美沙ちゃんの家に着いた。美沙ちゃんの家は薬の輸入などで利益をあげているらしい。俗にいうお嬢様というやつだ。でも、美沙ちゃん自身は気取ったりはしていなくて、性格のいい子である。

私は、美沙ちゃんにプールに案内された。

746名無しさん:2014/04/21(月) 21:25:13 ID:twqcZnfY0
「うわぁ、大きいね…」

「でしょ?さ、早速着替えて泳ごうよ」

脱衣所に案内されると、そこには大量のコーラ、菓子が置かれていた。

「これ、なに?」

「何って、泳いで疲れたら食べるんだよ。アメリカから取り寄せたんだ。きっと美味しいよ」

ゆ、輸入菓子…きっとカロリーも高そうだ。

「ねぇ狭山、服、脱がせてくれないかしら?」

「かしこまりました、お嬢様」

狭山さんと言うのは、美沙ちゃん専属のメイドさんらしく、リムジンを運転していたのも狭山さんだ。

「お嬢様、水着はどうされますか?」

「着せてちょうだい」

しっかり者の美沙ちゃんが、どんどん変わっていく気がする、そう思いながら前に渡された水着に着替えた。

渡された時より太っているので、
少しきつかったが。

「さ、泳ごう!」

「泳ぐっていっても、こんな体でどうやって?」

「これをつけるんだよ、ほら」

美沙ちゃんが取り出したのは…浮き輪だった。それも、特大サイズの。普通の人が上に乗れるくらいだ。

この年で浮き輪は、ちょっと恥ずかしい。

「どうしたの?早く早く!」

「う、うん」

それからしばらく(しばらくと言っても20分くらいだが)私たちは泳ぐと言うより、水に浮きながらおしゃべりをした。最近美味しかったお菓子、ちょっとエッチ話。美沙ちゃんはもう手があそこに届かなくなりつつあるので、狭山さんにイかせてもらっているらしい。
私はそんなにする方ではないが、やはり手が届かないと毛の処理ができず、大変だ。

「それなら、狭山にやってもらえば?私もやってもらってるよ」

「そろそろ疲れたしちょっと休憩しよっか。はい、これ」

美沙ちゃんはコーラとビッグサイズのポテチを2袋くれた。

美沙ちゃんの方は、砂糖がたっぷりかかっていたり、チョコをこれでもかとかけた、色々な種類のドーナツを食べていた。

「そういえばさ、ジャージ、ぱつぱつにするって言ってたけど、あれ、どうなったの?」

「あれ?とっくにきれなくなっちゃった。今は今日の車の中みたいな格好をしていることが多いんだ。狭山が服はきておけって、うるさくて。ホントは、裸がいいんだけどね」

747名無しさん:2014/04/21(月) 21:26:21 ID:twqcZnfY0
「そうなんだ…あ、そうだ、狭山さんに、下の処理お願いしていいかな?」

「うん、いいよ。私も一緒に切ってもらうから、一緒にしよ?」

「うん、わかった」

私たち二人で、あれだけあったお菓子を全て食べ尽くしてしまった。

「ふう、お腹いっぱい。さ、着替えよ」

「うん、じゃあ、裸か、上だけ着て待ってて、お風呂場に案内するから」

私はめんどくさいので、裸で向かうことにした。

風呂場では、狭山さんと美沙ちゃんが待っていた。

「お待ちしておりました、万葉さん。お嬢様から、先に体重を計るよう言われておりますので、お乗り下さい」

美沙ちゃんは、先ほどとは違って、ピンクのベビードールを着ていた。例によって、パンツは意味をなしていなかったが。

私は体重計に足を乗せて、目を丸くした。なんと、91㎏を指しているではないか。いつの間にか、90にいってしまっていたらしい。もうすぐ、100㎏。0.1tだ。そう思ったら、何か、涙が出てきた。
こんなことになったのは誰のせいなのか。太るようにいった草薙くんのせい?薬を混ぜた美沙ちゃんのせい?誘惑に負けて自堕落になって行った自分のせい?もう、わけがわからない。私はその場で崩れ落ちかけたが、あるものを見たおかげで、いや、せいと言うべきか。踏みとどまることになった。
巨大な鏡。そこには、醜く、不細工な、自分の姿が映っていた

748名無しさん:2014/04/22(火) 07:00:07 ID:pW/pnA6g0
お腹はさらに大きく二段腹を形成しており、もうすぐ三段腹になってしまうのではないか。
お尻は大きく垂れ下がり、さっきの水着だって全部を包む事はできなかった。
二の腕は何もしなくても、歩くだけで揺れてしまうほどに肉がついた。太腿はさらに太くなり、以前の私のウエストより大きい。
胸もさらに大きくなったが、それ以外の部分も大きく成長しているため、全然嬉しくない。陥没乳首にもなってしまい、下にだらんと、中年女性の胸のように垂れ下がってしまった。
顔は元々が可愛くない上に、二重顎と下膨れときている。ちょっとした化け物に見えてしまう。

「うええええん…うわああああああああああああん!!!」

あまりに、悲しく、悔しく、自分の気持ちがわからない。ただ、泣いていた。

「万葉ちゃん」

749名無しさん:2014/04/22(火) 07:01:12 ID:pW/pnA6g0
「万葉ちゃん」

「ずっと、私が味方だよ」

「万葉ちゃんがどれだけ太っても、動けなくなっても、私が守る。約束するよ」

「美沙…ちゃん…」

「古来より太った女性は美しいと言いますしね。なんなら私もお太りしましょうか?」

「狭山さん…」

「万葉ちゃんの周りには、たくさん仲間がいる。だから、心配しないで、ね?」

「う、うん…」

「…しばらく、お休みになったらどうです?お嬢様のお部屋にご案内しましょうか?」

「そうして、狭山」

こうして、私は夕方までぐっすりと寝た。狭山さんが寝てる間に下の処理はしてくれたらしい。いびきがうるさかったと言っていたが…

「失礼します」

「あ、狭山さん」

「まだ、お帰りにならないのですか?」

「ちょっと、考え事を…」

「太った事を気にしていらっしゃるのでしたら、心配には及びません」

「既にお嬢様にはお話ししましたが、旦那様…つまりはお父さんが、薬を作っているのは、ご存知ですね?」

「は、はい」

「それで、2人には、新薬の実験をして欲しいと言う事です」

「じ、実験台?」

750名無しさん:2014/04/22(火) 07:09:42 ID:pW/pnA6g0


「はい、高エネルギーの流動食、エネルギーを効率よく脂肪に変える薬など、発展途上国向けの薬を開発しています」

「実験台になってくれれば、2人の生活は保証する、と」

「……少し、考えてもいいですか?」

「では、明日の朝お迎えに上がりますので、それまでに」

私は家に着くと、風呂にも入らずそのまま寝てしまった。
疲れていたし、いろんな事がありすぎたのだ…新薬の実験台か…今の私に、大学に進学したり、就職はできっこない。こんなデブは、社会の日陰者として生きるべきなのだ。それを、生活を保証してくれる、友達もいる、恵まれた環境においてくれると言うのだ。私に、選択の余地などないのだ…
これからの人生、美沙ちゃん、狭山さんと共に歩もう。

私の、新しい人生が始まるんだ!

「決まりましたか?」

「はい。是非、やらせて下さい」

「お嬢様と旦那様が家でお待ちです。急ぎますよ」

751名無しさん:2014/04/22(火) 15:35:40 ID:U1WgzjGQ0
狭山さんは車を飛ばして家に向かった。

私は、家で美沙ちゃんのお父さんと話した。気さくな人で、話していると私も楽しかった。
その後は、美沙ちゃんと一緒に、部屋で過ごした。

これから、一生一緒に生きて行くんだもん。

たくさんたくさん、いろんな事。話した。

それから、数年後…

私は、22才になった。私は家を出て、美沙ちゃんと一緒に住んでいる。週に一回、新薬の実験をするだけで、後は自由だ。最近では、部屋に篭って美沙ちゃんと一緒にネットゲームを楽しんでいる。
体重は余裕で三桁を突破した。
確か、美沙ちゃんが150㎏を超えたと、嬉しそうに言っていた。
私も、130㎏近くになった。美沙ちゃんに負けないよう頑張っている。
生活の世話は大体狭山さんがしてくれる。開発した新薬の中に、筋肉を強化する薬があるので、それを飲んでいるおかげである程度は動く事ができるが、めんどくさい。トイレなどにも行くのがめんどくさいので、特大のオムツを履いて、狭山さんに取り替えてもらっている。服は、基本的にはオムツ一枚だが、コスプレで遊ぶ事もあるので、部屋には特注のメイド服やチャイナドレスなとがおいてある。あ、そうそう、ご飯は基本的には流動食になった。新薬の実験は時々しかないが、あまりに美味しく毎食飲んでしまうのだ。因みに一袋500gで、3000kcal。それを2袋ほど飲んだあと、お菓子を食べる。これが最近の私達の食生活だ。
「狭山さん、そろそろ食事の時間ですよ」

「あ、そうでしたね。すぐにお持ちします」

752名無しさん:2014/04/22(火) 15:37:24 ID:U1WgzjGQ0
そう言うと、狭山さんは私たち2人分の流動食と大量の菓子を持って来た。

ゴクゴク…パリパリ…ムシャムシャ…何かを食べる音が響く。

「ねぇ狭山、貴方も少しは太ったら?そんな痩せてちゃ私たちの世話ができると思って?」

「そうですねぇ…お嬢様達を見ていると嫌でも食べたくなってしまいます。ですが、私が太ったら誰が2人の世話をするんでしょうか?今のように動けなくなりますけど、よろしいですか?」

「ぐぬぬ…」

「あはは、ねぇ、美沙ちゃん、狭山さん、午後から…しよ?」

「ん、いいよー…」

「かしこまりました、ご用意をいたしますので、少々お待ちください」

そう言うと、狭山さんはバイブやペニスバンドなど、様々なグッズを用意した。

「ふぅ、ちょっと食休みしてからね…」

「うん、了解」

私は、太ったことで色々なものを失った。
だが、それ以上に大切なものも手に入れた。
結果的には、これで良かったと今なら思う。
この体も、今は慣れた。自分が太っていく快感と、それに従って増えていく肉。どこまで大きくなろうか、などと美沙ちゃんとはよく話す。
あ、あの後なんだけどね、性処理は基本的に狭山さんがしてくれるんだ。バイブや指でいじって私たちのあそこを濡らしたり、ペニスバンドの装着、体位の調整などをしてもらっている。
だから、いつものように、狭山さんがサポート、私たちはお互いにあそこをいじったり、貝合わせをしたり。処女はお互い、ペニスバンドで卒業してしまった。なので、
本物を見たことはない。
狭山さん、美沙ちゃんとするのは凄く楽しいのでそんなことはどうでもいい。

さらに数年後、私たちはもうすぐ30になろうとしていた。

あの新薬も軌道に乗り、大きな利益を挙げたらしく、私たちはそれで大いに食べ、飲んでいる。
狭山さんは既に30を越えているが、相変わらず綺麗。
体重は2人とも200㎏を越えて、美沙ちゃんなんか腹肉がエプロンのように垂れ下がっている。
私も完全に人からみたら化け物クラスになったが、外に出ないのでどうでもいい。

今日は美沙ちゃんと一緒にゲームだ。

「ふぅー…あ、エリア3にいるから…はぁー…先いってるね」

喋るのも一苦労だ…あ、おしっこ。

「狭山さん、おしっこしちゃったからオムツを変えてもらえるかしら?」

「ダメです、三回までは我慢して下さい」

「えー…」

「あはは…ふぅー、あ、こっち来たよ、部位破壊しとくね…」

753名無しさん:2014/04/22(火) 18:39:42 ID:QKqbHE7k0

幸せの形は人それぞれ…ということでいいんかなw

754名無しさん:2014/04/22(火) 20:12:43 ID:pW/pnA6g0
「狭山、アイス食べたい」

「お腹冷やしても知りませんよ、と、いうより2人ともいい大人なんですから、しっかりして下さい」

「はぁーい…あ、美沙ちゃん、そっちいったよ」

「うんー…あ、アイス、食べさせて」

「もう、まったく…」

「あ、そうだ…ふぅ、美沙ちゃん…これ終わったら泳ぎにはぁー…行こうよ」

「ん、いいよー、狭山、水中用のオムツとヘルパー、だしといて」

「一体何月だと思ってるんですか…はぁ」


プールでは、首、手首、足首に特性のヘルパーをつけて浮いている。身体が重いのでうまくバランスが取れないのだ。

「うう…ふぅ、お腹痛い…」

「さっきアイス食べ過ぎだよ…」

「漏らしたらどーしよ…」

「ふぅ、狭山さんでも何とかできないと思うよ…」

「トイレ行っとこっかな、狭山ー!はぁ、トイレー!」

「そういうと思って、簡易トイレを用意しておきましたよ。ここにして下さい」

ブリッ…ミチミチ…ブリュリュ…

結構グロテスクな音が響いたが、今の私たちには羞恥心なんてない。

「ふぅ、あはは、いっぱい出ちゃった」

「ホント、食べ過ぎだよ…」

「ねぇ、美沙ちゃん、私ね、最初はなれなかった。こんなデブな身体。好きじゃなかった。
でもね、美沙ちゃんや狭山さんが隣にいてくれたおかげで、こんな自分が好きになれた。ありがとう」

「私こそ、こんなデブの道に引きずりこんじゃってごめんなさい、ずっと、謝りたかったの」

「もう、いいよ、気にしないで」

「それより美沙ちゃん、競争しようよ」

「競争?」

「そう、どっちが先に体重を1000㎏、1tに出来るかどうか。あの流動食なら糖尿病や他の病気も予防してくれるらしいから、安心して太れるんだ」

「1000㎏かぁ…よーし、負けないからね!」

「私も、今まで以上に食べるぞ〜!」

「狭山さん、今までのように、サポート、お願いしますね」

「ふふっ、1000㎏ですか、凄いですねぇ…もう1人2人使用人を増やさなければいけませんね」

「2人とも、頑張って下さい!」

「そうと決まれば早速体重を計ろうよ、何㎏増えてるかな…」

「私はたくさん食べてたから20くらい増えてるんじゃないかな?」

「でも美沙ちゃんさっき出しちゃったじゃん、」

「ぐぬぬ…すぐ取り戻すもん!狭山!お菓子!たくさん部屋に用意しといてよね!」

「私にも!」

「はいはい…、分かりましたよ」♪

私は今…すっごく幸せです!

終わり

755名無しさん:2014/04/22(火) 20:14:05 ID:pW/pnA6g0
初めてのSS投稿で至らない部分も多かったと自分でも反省しています…
感想とか書いてくれるととても嬉しいです

756名無しさん:2014/04/23(水) 08:41:42 ID:3SG2Wlqs0
太ったの気にしてないとか俺的に論外

757名無しさん:2014/04/23(水) 12:37:21 ID:uIV1KVPE0
肥満好きにはいいと思う。
けど、羞恥心に重点をおく人には微妙かも?
とにかくおつです。

758409:2014/04/24(木) 07:53:41 ID:VFE4eXgI0
肥満傾向のみが強い感じのものですが、
あぶらみ掲示板に投下致しました。もし良かったらどうぞ〜

759547:2014/04/24(木) 08:39:04 ID:gv70G26U0
>736 体と心の堕落っぷりの描写が凄かった、これで初めてとは・・・

>758
投下乙です、毎度のことながら容赦ない盛りっぷりも乙です!

760名無しさん:2014/04/24(木) 09:38:08 ID:KW7yZvHg0
>>759
ありがとうございます!次はもうちょっとドス黒い感じのを書きたいなと考えています

761名無しさん:2014/04/25(金) 00:18:29 ID:9bw9GHQg0
651さん、まだかな…

762 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/25(金) 12:45:12 ID:cLxeWr6o0
初めての投稿となります。

構成を考えているうちにやたら長くなってしまい、
展開もなにかと遅いですので予めご了承ください。
こういった物語は始めてなので、是非とも感想をお願いいたします。

「念力発電」

01

 それは一瞬の出来事だった。
 突然の地震によって建設中に破棄された骨組みから鉄骨が外れ、十数メートル
下の少年に向かって落下した。
 あんなものの下敷きになったら確実に死んでしまう。
 ――っ!
 後先を考える暇などなかった。
 咄嗟にセーリュは右手を突き出して意識を集中させる。
 すると鉄骨は急に落下速度を遅め、少年の頭上数センチで停止した。
 全身から冷汗を流しながらもセーリュは集中力が途切れないように
右手を横に動かす。
 鉄骨は少年を避けて地面に落ち、驚きのあまりか終始棒立ちになっていた
少年は腰を抜かしてその場に座り込んだ。
 セーリュは手に持った買い物袋を置いて、尻餅をついてただ唖然とする少年に
駆け寄る。
「大丈夫!?」
「……」
 漸く我に帰ったのか少年はセーリュの問いに顎を引く。
「う、うん」
「よかった……」
 セーリュはホッと無い胸を撫で下ろした。
 そして少年は自分の隣に横たわる鉄骨を見つめ、そして再び鉄骨が振ってきた
骨組みを見上げる。
「お姉ちゃんって、念力が使えるの?」
 そこでセーリュは自分がしてしまった事の重大さに気付く。
 子供を助ける為とは言え、念力者がその力を使う事は重罪である。
 仮にクレイドル・ポリスに知られたら厳重な処罰は免れない。
 最悪、死刑すらありうる。
 だが、幸いにもひと気の無い路地だった為、この少年以外にセーリュが力を
見たものはいないはず。
 セーリュは少しだけ怯えていた少年に優しくもあざとい笑顔を見せた。
「そう、だから誰にも言わないでね」
 はっきりと念力を使うところを見られた以上否定するのも意味がないと感じ、
セーリュはそう言った。
「うん……わかった」
「ありがと」
 頷く少年の頭を撫でるセーリュ。
 どのみちアウターの人間なら同じアウターの市民をクレイドルに売り渡す事
などしないだろう。
「立てる?」
 セーリュは少年に手を貸して立たせると、彼の服の埃を叩き落とす。
「ありがと、おねえちゃん」
 少年は俯いたままそう呟くと、どこかへと駆け出していった。
「気をつけてね〜」
 去っていく少年に手を振りながら、ふと妙な不安が胸を過ぎる。
 ――まあ、大丈夫だよね。
 きっとバレはしないだろうと自分に言い聞かせ、セーリュは買い物袋を拾い上
げて帰宅をする。

763名無しさん:2014/04/25(金) 12:48:10 ID:usvYLMqs0
02

 地下都市フェテュスを照らす人工太陽の光が窓から差し込み、セーリュは
目を覚ました。
「うん……ううん、うわっ!」
 ――いてててて。
 ベッドから転げ落ち、痛むお尻を摩りながら窓を開くと、外の騒音とオイルの
臭いが狭い屋根裏部屋を充満する。
 百数年前、大戦によって極限まで汚染された地上から逃げるように人々はこの
地下都市へと移民した。
 元々工業地帯として開発されていたこの地下都市はロクに資源もなく、キャパ
シティーを遥かに超える人口が生み出す貧困と犯罪に悩まされ続けている。
 それが、セーリュの住まうアウター。
 それと対を為すのがフェテュスの中心部にある巨大な壁に囲まれた地域――ク
レイドル。
 クレイドルに住まうフェテュスの権力者たちはひたすらアウターの人間から摂
取を続け、自らは何一つ苦労のない生活を送っている。
 もちろんアウターの人間がクレイドルに入る事は許されておらず、クレイド
ル・ポリスによって日々弾圧が続けられていた。
 資源も力も持たないアウターの人間は逆らう事も出来ず、ただその身を削りな
がら働き続けるしかない。
 だが、幸いにも今日は週に一度の休日であり、工場に出向かなくていい。
 つまり、今日は孤児院のお手伝いに専念出来る。
 上機嫌なセーリュはハミングしながらボサボサの金髪をブラシで解かし、顔を
洗って歯を磨くとパジャマを脱いで家事用のボロボロのワンピースに着替える。
「また風通しが良くなっちゃったな〜」
 わき腹辺りに開いた虫食い穴に指を突っ込みながらセーリュは顔を軽く顰める。
 ワンピース自体も最近背が伸びたせいか尺が足りなくなっており、太もも辺り
までしか届かなくなっている。
 これではワンピースと言うより歓楽街のお姉さんたちが着るドレスに近い。
「……とは言っても新しい服作る素材なんてないし」
 最後に上からエプロンをして、部屋を出る前に自分の姿を鏡で確認した。
 ちょっとクセっ毛のある金髪のショートヘアーに大きく青い瞳と小さく整った
鼻口。
 院長のマルタを初めとして大人にはよく綺麗だと言われるが、問題は体系。
 小枝のような華奢な手足に、まな板のような胸。そしてくびれとは無縁の腰周り。
 身長が伸びるばかりで、肉体のボリュームは12歳頃から変わっていないよう
な気がする。
 もっとも、常に食糧不足で悩まされている状況で発育がよくなるはずもないが。
 ――でも、いくらなんでもこれはないよね。
「って、朝からネガティブになりすぎだって」
 両頬を叩いて気合を入れると、セーリュは屋根裏部屋から降りていく。
 子供たちの寝室が並ぶ二階の廊下を歩いていると、反対側から見覚えのある顔
が向かってきた。
「おはよー、セーリュねえちゃん」
 眠たそうに目を擦りながら六歳ほどの少年はそう言う。
「おはよ、ライくん。さっ、もうすぐ朝食だから顔洗ってきてね」
「う〜ん」
 ボーっとするライの背中を優しく押すと、彼はよろつきながら洗面所へと向か
っていった。
 そう言えば昨日助けたあの少年はライと同じ年頃だった。彼に家族はいるのだ
ろうか。
 物思いにふけながらセーリュは食堂へと降りていく。

764 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/25(金) 12:51:00 ID:usvYLMqs0
02

 地下都市フェテュスを照らす人工太陽の光が窓から差し込み、セーリュは
目を覚ました。
「うん……ううん、うわっ!」
 ――いてててて。
 ベッドから転げ落ち、痛むお尻を摩りながら窓を開くと、外の騒音とオイルの
臭いが狭い屋根裏部屋を充満する。
 百数年前、大戦によって極限まで汚染された地上から逃げるように人々はこの
地下都市へと移民した。
 元々工業地帯として開発されていたこの地下都市はロクに資源もなく、キャパ
シティーを遥かに超える人口が生み出す貧困と犯罪に悩まされ続けている。
 それが、セーリュの住まうアウター。
 それと対を為すのがフェテュスの中心部にある巨大な壁に囲まれた地域――ク
レイドル。
 クレイドルに住まうフェテュスの権力者たちはひたすらアウターの人間から摂
取を続け、自らは何一つ苦労のない生活を送っている。
 もちろんアウターの人間がクレイドルに入る事は許されておらず、クレイド
ル・ポリスによって日々弾圧が続けられていた。
 資源も力も持たないアウターの人間は逆らう事も出来ず、ただその身を削りな
がら働き続けるしかない。
 だが、幸いにも今日は週に一度の休日であり、工場に出向かなくていい。
 つまり、今日は孤児院のお手伝いに専念出来る。
 上機嫌なセーリュはハミングしながらボサボサの金髪をブラシで解かし、顔を
洗って歯を磨くとパジャマを脱いで家事用のボロボロのワンピースに着替える。
「また風通しが良くなっちゃったな〜」
 わき腹辺りに開いた虫食い穴に指を突っ込みながらセーリュは顔を軽く顰める。
 ワンピース自体も最近背が伸びたせいか尺が足りなくなっており、太もも辺り
までしか届かなくなっている。
 これではワンピースと言うより歓楽街のお姉さんたちが着るドレスに近い。
「……とは言っても新しい服作る素材なんてないし」
 最後に上からエプロンをして、部屋を出る前に自分の姿を鏡で確認した。
 ちょっとクセっ毛のある金髪のショートヘアーに大きく青い瞳と小さく整った
鼻口。
 院長のマルタを初めとして大人にはよく綺麗だと言われるが、問題は体系。
 小枝のような華奢な手足に、まな板のような胸。そしてくびれとは無縁の腰周り。
 身長が伸びるばかりで、肉体のボリュームは12歳頃から変わっていないよう
な気がする。
 もっとも、常に食糧不足で悩まされている状況で発育がよくなるはずもないが。
 ――でも、いくらなんでもこれはないよね。
「って、朝からネガティブになりすぎだって」
 両頬を叩いて気合を入れると、セーリュは屋根裏部屋から降りていく。
 子供たちの寝室が並ぶ二階の廊下を歩いていると、反対側から見覚えのある顔
が向かってきた。
「おはよー、セーリュねえちゃん」
 眠たそうに目を擦りながら六歳ほどの少年はそう言う。
「おはよ、ライくん。さっ、もうすぐ朝食だから顔洗ってきてね」
「う〜ん」
 ボーっとするライの背中を優しく押すと、彼はよろつきながら洗面所へと向か
っていった。
 そう言えば昨日助けたあの少年はライと同じ年頃だった。彼に家族はいるのだ
ろうか。
 そんな物思いにふけながらセーリュは食堂へと降りていく。

765 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/25(金) 12:52:53 ID:cLxeWr6o0
間違えました、二重カキコ申し訳ございません。

「おはようございま〜す」
「おっ、おはよ!」
 キッチンに入ると、そこでは大柄な中年の女性がすでに朝食の準備を始めてい
た。
 彼女がこの孤児院の院長を勤めるマルタである。
「せっかくの休みだしもっと寝ててもいいんだよ」
「いいんです、マルタさん一人じゃ大変でしょ」
 セーリュはカウンターに置いてある味付け用の野菜を手に取ると、戸棚からま
な板を取り出して包丁で刻み始める。
「わるいね」
「マルタさんの為なら何でもオッケーです」
 セーリュもまた赤ん坊の頃にここに預けられた孤児であり、16歳となった今
は一人の大人として工場で働きながら孤児院の手伝いをしている。
「しかし、食べ物は高くなる一方で親のいない子は増えるばっかりだし……いつまでこうしてやってけるんだろうねえ」
 不安な表情をするマルタに、セーリュは野菜を切りながら言う。
「大丈夫ですよ。私がいますますし、それにアレンやロニーもそろそろ仕事が出
来るようになる年頃だし」
「――そうだわね、何を心配してたんだか」
 マルタは大げさに笑い、セーリュの背中を叩く。
 すると急にセーリュの腹が鳴った。
「あら、随分とお腹減ってるみたいね」
「す、すいません」
 凹んだお腹を押さえながら照れ笑いするセーリュ。
 念力を使うと何故か決まって空腹に襲われる。おまけに昨日は夕食を食べてい
ないので尚更だ。
「しかたないわね、ちょっとつまみ食いしちゃう?」
 マルタはお玉を取ると、ストーブにある大きな鍋で煮込んでいるスープをよそ
った
「ほら、おいしいわよ。いつもと同じのだけど」
 香ばしい匂いのするスープが入ったを押し付けられ、セーリュは苦笑する。
「いや、そんな、大丈夫です」
「ほら、遠慮しない。アンタだってまだ育ち盛りでしょ。そんな痩せ細ってたら
いい男も寄ってこないよ」
「別にそう言うのはいいですし……私はみんなと一緒に食べるんで大丈夫です」
 マルタは不満そうな表情を見せるものの、すぐに満面の笑みになる。
「まったく、謙虚な子なんだから。まあいいわ、それだったら今から朝食にする
から子供達を呼んできなさい」
「はい!」
 セーリュは頷き、二階へと向かっていった。


 賑やかな朝食が終わると、セーリュは床掃除を始めた。
 一回の廊下が終わったところでチャイムが鳴り、扉へと向かっていった。
「はーい、いまいきま〜す」
 セーリュは意気揚々と扉を開けるが、その瞬間全身が固まった。
「……っ」
 目の前に立っていたのは青い軍服を着た二人の屈強な男性。
 肩の紋章から間違いない。クレイドル・ポリスである。
 急に胃がキリキリと痛み始め、心拍数がどんどん上昇していく。
 すると片方の男が口を開いた。
「セーリュ・ライトだな。一緒に来てもらう」
 理由も教えず、拒否も許さない。それがクレイドル・ポリスのやりかた。
 だが、理由は分かっていた。どうやってか昨日念力を使った事がばれたのだ。
 念力を駆使すれば何とかこの場は逃げる事が出来るかもしれないが、そうすれ
ば連中はマルタや子供達を人質にするだけだ。
「ちょっと、どうしたの?」
 慌ててマルタが駆け寄ってき、玄関に立つ二人の兵士を見つめると、何が起こ
っているのか気付いたかのように真っ青な顔になる。
「セーリュ、アンタもしかして……」
 悲惨な表情をするマルタに振り向き、セーリュは必死に涙を堪えながら言う。
「男の子の上に鉄骨が落ちてきて……どうしても助けたくて……ごめんなさい」
「こい」
 会話をぶった切るように一人の兵士がセーリュの腕を掴み、彼女を引っ張った。
 当然口答えは出来ず、セーリュは抵抗せずにクレイドル・ポリスに連行される。

766 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/25(金) 12:54:24 ID:usvYLMqs0
03

 一体どれくらいの時間が経ったか分からない。
 クレイドル・ポリスに連行されたセーリュは手錠と念力封じの首輪を掛けられ、
薄暗く狭い牢屋に閉じ込められた。
 ここがどこなのかは分からない。食べ物もロクに与えられず餓死するまでここ
に放置されるのか、それともそのうち処刑されるのか、もしくは拷問されるのか。
 何も出来ずに時間だけが過ぎて行き、ただただ恐怖と不安の中で怯えるしかな
かった。
 空腹で意識が遠のき始めた時、乱暴に牢屋の扉が開いた。
「貴様の処罰が決まった」
 扉を開いた兵士はそう言い、ハンドジェスチャーを見せる。
 すると二人の兵士が現れ、セーリュを立たせると、彼女に目隠しをして牢屋か
ら連れ出す。
 もう生きていられるのも長くないかもしれないと言う恐怖に身を震わせながら、
セーリュは恐る恐る尋ねた。
「あ、あの……私は……」
「念力者が議会の許可無しに念力を使うと言うのは重罰に値する」
「でも、私は鉄骨に潰されそうな子供を助ける為に……」
「理由など関係ない。人が地上に住めなくなったのは念力者のせいだと言う事ぐ
らい貴様も知っているだろう。そのような危険な力を使う事を少しでも許せばこ
のフェテュスまで地上の二の舞になりかねない」
 ――私だってなりたくて念力者になった訳じゃ……
 だが、念力が使えなければあの子を助ける事ができなかったのも事実。
 これがその代償と考えればあまり重くないのかもしれない。
「ともかく、本来なら銃殺刑だが、研究開発部から申し出があった。念力を使った実験をしているので女性の念力者が必要らしい」
 つまり実験台になれ、と言う事であろう。
「少しでもフェテュスの発展の為に役立てる事をありがたく思うんだな」
 その言葉にセーリュは少しばかりの怒りを覚えた。
 何がフェテュスの発展だ、どうせクレイドルの人間が更に贅沢をする為の研究
にすぎないだろうに。

767 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/25(金) 12:56:27 ID:usvYLMqs0
04

 それからセーリュは数日間に渡り様々な検査を受けさせられた。
 それが終了するとセーリュは再び目隠しをさせられトラックと思わしきもので
どこかへと移動させられる。
 兵士に腕を捕まれてトラックから降ろされた時、そこはアウターに蔓延る騒音
もオイルの臭いもしない静かな場所だった。
 一体どこなのか非常に気になるが、どうやらまだ目隠しは外してもらえないら
しい。
 エレベータが開く音がし、セーリュは乗り込ませられる。
 どうやらもう建物の中のようだ。
 エレベータが停止するとまたしばらく歩かされ、そして立ち止まるように指示される。消毒液の臭いが鼻を劈き、色々な機械音が耳に入った。
「ありがとう、もう大丈夫だよ」
 何者かの声が聞こえ、ついに目隠しを外されると、彼女はガラス張りの部屋の
中にいた。
 部屋はいたって殺風景であり、中央に病院で見かけるようなリクライニングが可能な治療イスがある他、隅にはトイレ・洗面台・シャワー、そして反対側には
ベッドがあるだけだった。
 部屋の外側には様々な機材やモニターがある。
 おそらくここは何かの研究室で、自分の入っているガラス部屋は言わば観察対
象の実験動物を入れる檻なのだろう。
「ようこそ、実験体くん」
 目の前に立っていた眼鏡を掛けた白衣の青年はそう言った。
「あ……はい……」
「別に怖がらなくていいよ。僕は襲ったりしないし」
 大よそ20代前半と思われるその青年は、笑顔を見せながらそう言う。
 長身疾駆で顔立ちはとても整っているが、白い髪の毛は無造作に伸びており、
着ていた白衣はアイロンを掛けていないのかしわくちゃでヨレヨレだった。
 いかにも自分の研究にしか興味のなさそうな若い天才と言う感じである。
「僕はロイド・アークマン。君が一部となる念力発電計画の現場指揮を担当して
るんだ」
「私は――」
「ああ、いいよ。別に興味ないから」
 ロイドはそう言うと、懐からテープメジャーを取り出す。
 優しいのだがどこか不思議な雰囲気の人だ。
「それじゃあ、服を脱いでくれるかな」
「は、はい……」
 セーリュはボロボロのワンピースを脱ぎ、下着姿になる。
「あの……」
「ああ、下着は別につけてていいよ」
 ロイドはセーリュの身長と体重を量り、手に持ったクリップボードに何かを書
きこみ始める。
「身長160cm、体重46.3キロ。BMIは18.1、他所で行った検査の結果によると
他の目立った病気や症状もなし。ちょっと痩せてる意外は健康体だね」
「あ、ありがとうございます」
「別に褒めてる訳じゃないって。ただの観測」
 苦笑するロイドに思わず釣られて笑うセーリュ。
「あっ、そうですよね」
 ポリスの人間とは打って変わって穏やかな物腰のロイドに、セーリュは少しば
かり安心を感じた。
「それじゃあ、そこに座ってくれる?」
 セーリュは支持された通りに椅子に座り、ロイドはそれをリクラインさせる
と彼女の両手両足を椅子についたストラップで固定した。
 さっき感じた一瞬の安らぎは瞬く間に消え、再び不安が身を襲う。
 いくら相手の雰囲気が優しいとは言え、自分が実験台にされようとしている事
に変わりはない。
 ロイドは近くのテーブルに置いてある注射器を手にとって、彼女の腕にゆっくり突き刺す。
「いたっ――」
「ごめん、後二本ね」
 得体のしれない薬を注入し終えると、ロイドはセーリュの腕を軽く消毒し、次
の注射をする。
「あの、これって何の薬なんですか?」
 恐る恐る尋ねると、ロイドは笑顔で答えた。
「成長ホルモンとか食欲促進剤とか、色々」
「それってどう言う――」
 するとロイドは空っぽになった注射器をしまい、バッグから変わった形をした
金具のようなものを取り出す。
「まあ、実験体とは言え君も念力発電計画に関わる訳だし、教えてあげる」
 ロイドは金具をセーリュの顔に近づける。
「アーンして」
 言われた通りにすると、ロイドはセーリュの口に金具を入れ、彼女の口が閉ま
らなくなるよう固定する。

768 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/25(金) 12:59:02 ID:usvYLMqs0
「へっ!? ひょっ、ひゃんへぇひゅひゃほれ!」
 口が開きっぱなしのままもがくセーリュを見つめ、ロイドは言う。
「君も知ってると思うがフェテュスは電力供給に原子力発電を用いている。今ま
ではそれで何とかなってきたけど、これからはそうにもいかないんだ」
 それが一体自分が陥っている状況と何の関係があるのだろうか。
「資源の枯渇も遠くないし、おまけに最近は地震も盛んになってきててもしもメ
ルトダウンなんてすれば地下都市の全てが駄目になる」
 そしてロイドはセーリュの真上につるしてある太いホースを手に取った。
「だからそれに変わるエネルギー供給法として提案されたのが念力発電」
 ホースをセーリュの喉深くまで差込むロイド。
「君も知ってるかもしれないけど、念力は念力者が摂取したカロリーを消費する
事によって生まれる」
「んん〜! んんんんんん〜!!」
「だから簡単な話、念力者に沢山脂肪を蓄えさせて、それをゆっくりと念力に変
換していく事で発電する」
 つまり、それは……
「まあ、ここまで言えば分かると思うけど。君には念力を利用して広範囲に電力供給が出来るか実証する為に太ってもらうって事」
 もがくセーリュに変わらぬ笑みを見せ、ロイドはホースの繋がれた機械のスイ
ッチを入れる。
 同時にホースからセーリュの喉へとドロドロした何かが流れ込み始めた。
 やめて、と叫ぼうとしてもそれは唸り声にしかならず、ホースを流れる液体は
どんどんとセーリュの胃に溜まっていく。
 そして徐々にセーリュの凹んだお腹は膨らみ始め、ついには妊婦のように大き
く膨れ上がった。
 ――くるしい……やめて……やめて!!
「んっ、このぐらいかな」
 もうすぐで弾けてしまうのではないかと言う所でロイドは機械を停止し、彼女
の喉からホースを抜いて手足を固定するストラップを外す。
「ぶふっ……はあ……はあ」
 限界まで膨らんだ腹部に肺を圧迫されながら必死に息をするセーリュ。
 今すぐ全て吐き出したいが、おそらくそんな事はさせてくれないだろう。
「とまあ、この液体は消化が早いから三時間おきにこうやって食事タイムだから。
それ以外は自由にしてていいよ。九時になったらまた来るね」
 ロイドはパンパンに張ったセーリュの腹に手を置いてそう言い、ガラス張りの
部屋から出て行こうとする。
「あっ、ただし吐くのは禁止ね」
 扉を潜る前にそう言い残し、ロイドは去っていく。
 胃がはち切れそうな苦しみの中、セーリュは天井を見上げたまま涙を流した。
 ――どうして、こんな事に。


 しばらくは一歩でも動いたら破裂しそうだったので、セーリュはただ椅子の上
で横たわっていた。
 数時間たった所でようやく歩けるようになるまでお腹が引っ込み、セーリュは椅子から起き上がる。
 ふと壁に掛かった時計を見ると、九時まであと僅か五分だった。
 やっと苦しみから解放されたかと思ったのに、あと五分で再びまたあの地獄を
耐え抜かなければいけない。
「……いやだ」
 セーリュは必死に自分が閉じ込められているガラスの部屋から抜け出す方
法を探すが、唯一の扉は厳重にロックされており、開けそうにない。
 念力も首輪によって封じられていて使えないので、ロックを壊す方法もない。
 ああだこうだしているうちについに時計の針が九時を示し、ロイドが二人の白
衣の男性と共に研究室に入ってくる。
「それじゃあ実験体くん、約束のお時間だよ」
「やだ……やめて」
 ロイドがガラスの部屋に入ってくると同時にセーリュは部屋の隅まで逃げる。
「そうやって抵抗するとこっちも力ずくになっちゃうんだけど……」
 そして二人の白衣の男性がセーリュに近寄っていく。
「やだ、こないで! こないで!」
 必死に抗おうとするものの、華奢なセーリュが男二人に敵うはずもなく、簡単に押さえつけられて長椅子に固定する。
「やめて! いたいの、いたいのいやなの!」
 恐怖のあまり自分を抑えられず子供のように泣き叫ぶセーリュの口を強引にこ
じ開けて固定し、ホースを喉まで差し込む。
「んぐううううう! んんん!」
 セーリュの唸り声は、彼女に液体を流し込む機械の音によって掻き消された。



続きます。

769名無しさん:2014/04/25(金) 18:37:01 ID:VyVZvDM60
超支援。続きめっちゃ気になる

770 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/25(金) 23:30:28 ID:cLxeWr6o0
「念力発電」その2

05

 セーリュが念力発電計画の実験台となってからおおよそ十日が経過した。
 ホースによる強制飲食にも慣れ始め、最初の数回のような地獄ではなくなった。
 もちろん相変わらず限界まで液体を腹に詰め込まれるのは多少苦しいが。
 高カロリーであろう液体を流し込まれ続けてたセーリュの肉体には変化が訪れ始めていたが。
 三日目あたりから液体を消化した後もお腹がペッコリ凹まない事に気づき、お
尻や太ももも徐々に柔らかくなっている。
 そして十日目の今……
 ――太ったなあ。
 ガラスに映るグラマーな体を見つめ、セーリュはふとそう思う。
 下腹部はポコッと突き出ており、丸く膨らんだお尻はスウェットパンツの下からもその形を主張していた。
 二の腕も柔らかくなっており、ふとももに関しては足を閉じると隙間がなくな
るほど太とくなっている。
 だが一番育っているのは胸だろう。かつてはブラすらつける必要がないほど貧
相だった胸が、定期的に注入されている薬のせいか今はメロンのような大きさに
なっている。ブラは新しいものを支給してもらった。
 体のシルエットも直線的なものから、胸とヒップが強調される女性らしさを持
つ曲線的なものになっていた。
 それなのに顔は殆ど太らず、細かった頃と大して輪郭は変わらない。
 意外と色っぽくて悪くないのだが、この体はあの非道な強制飲食の結果だと言
う事を考えるととても嬉しいとは言えない。
 ――これからもっと太らなきゃいけないらしいし。どうしよ。 
 先を心配しながらスウェットパンツに乗っかったお腹のお肉を指でつついてみる。
柔らかさと弾力を兼ね備えたそれは以外と気持ちよかった。
 面白半分に体中に蓄積した脂肪を摘みながら、セーリュは思う。
 少しだけ希望が見えてきたかもしれない。
 このまま順調に太り、念力発電計画が成功すれば自分はマルタたちの元へと帰
れるか可能性だってある。
 楽観的すぎるかもしれないけど、前向きでいればきっとこの状況から抜け出せる。
 ――でも、マルタはこれ見たら驚くだろうな。
 大きくなった胸を寄せて集めて遊んでいると、ガラス部屋の扉が開く。
「おはよう、実験体くん」
 クリップボードを片手にロイドが部屋へと入ってきた。
 彼はいつものように
「おはようございます。今日は早いんですね」
「ちょっと身体測定もしたくてね。そろそろ実験が始められそうだから」
 基本的に「食事」は一日に五回、三時間おきであり、毎回ロイド自らが彼女に
「食事」を施しにきていた。
 本人曰く計画の現場指揮を任されている故の責任らしい。
「……身長は変化なし。じゃっ、服脱いで体重計に乗ってくれる?」
「はい」
 研究員により支給されたタンクトップと脱ぐと、服に引っかかった胸との肉が
ブルンと揺れた。
 続いてスウェットパンツを脱ぐと、白いふとももがプルプルと揺れる。 
 動く度に体の肉が揺れると言うのは案外鬱陶しいものだ。
 体重計に乗るとセーリュは足元で変化していく文字を見る。
 肥大化した胸のせいで足元は爪先までしか見えなくなっていた。
「68.6か。開始時から22.3キロも増えてる。中々いいペースじゃないかな」
 ロイドは一人でぶつぶつ言いながらクリップボードに何かを書き込み始める。
「でも、BMIを計算すると26.8か。肥満1度にはなってるんだけど、それでも
まだ実験開始にはたりないかな。もうちょっと太ってもらわないとね」
「嫌でももっと太りますよ……こんな事されてたら」

771 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/25(金) 23:32:53 ID:cLxeWr6o0
 セーリュが顔を顰めてそう言うと、ロイドは苦笑する。
「まあ、そうだよね。で、体調のほうは大丈夫?」
「心配してくれてるんですか?」
 その一言にロイドは思わず笑いだした。
「なにをどう解釈すればその結論に至るかな。実験動物が病気になったら実験に支障を来たすかもしれないじゃないか。それだけ」
 自分を人間として扱おうとすらしないロイドに嫌気を覚え、セーリュは吐き捨てる。
「そうですよね、こんな酷い事が出来る人が他人の心配なんてするわけ無いです
よね」
 するとロイドは眼鏡を人差し指で上げて言った。
「まあ、君からしたら不服かもしれない。だけどこの実験が成功すればフェテュスは大きな発展を告げる事が出来る」
 あの時、兵士が言った言葉に似たような事を言うロイド。
 ただ、今度はセーリュも反論した。
「でも、それって結局クレイドルだけの事ですよね」
「まあ、確かにその応報は主にクレイドルに行くよ。いつものように」
「だから嫌なんですよ。限られた人たちだけが幸せになれるなんて」
「それが古来より続く社会構造って奴だよ。支配者と支配されるもの。支配側に
生まれてくる事が出来なかった連中は運が悪かっただけ。さっ、そろそろ食事の
時間だから椅子に座って」
「何だか……納得行きません」
 セーリュは言われたとおりに椅子に座り、ロイドはそれをリクラインさせる。
抵抗する事も暴れる事もなくなったので、固定用のストラップはされなくなった。
「それは君が支配される方に生まれてきたから。まあ、そのうち理解するよ」
「わかりたくもないです、そんな事」
「はいはい」
 ロイドはセーリュの口を金具で固定し、ホースを差し込む。
「行くよ」
「はひ」
 セーリュが頷くと、ロイドは機械を作動させた。
 同時にドロドロした液体がセーリュの中へと流れ込んでくる。
 セーリュのお腹はゆっくり膨らんで行き、限界までパンパンになったところで
ロイドはスイッチを切り、ホースを外す。
「うっぷ……はあ、はあ……」
 こみ上げてくる吐き気を堪え、セーリュは口を手で押さえた。
 度重なる「食事」によりセーリュの胃は拡張しており、明らかに入る量も増えてきた。
 最初の頃は妊娠六ヶ月の妊婦ぐらいのだったが、最近は臨月の妊婦並みにお腹が大きくなる。
「よし、じゃあ今はここまで……」
「あの、ロイドさん――」
「どうした?」
 大きなお腹に片手を乗せながら、セーリュはもう片方の手をロイドに向かって
伸ばす。
「一人じゃ起き上がれないんで、ベッドまで行くの手伝ってくれます?」
「そこで寝てりゃいいじゃん」
「寝心地が悪いんです、この椅子」
 セーリュの文句にロイドはため息をついた。
「そんなわがままな」
「そのぐらいのわがままは聞いてくださいよ」
 ロイドは不満そうな表情をしながらも手を差し出し、セーリュはそれを掴んで身を起こそうとする。
「ううっ、重っ!」
 必死に引っ張るロイドが面白く、セーリュは思わず微笑んだ。
「女の子に重いなんて言わないでください」
「うるさいな、重いものは……よしっ」
 何とか起き上がる事に成功し、セーリュはロイドの肩を借りてベッドまで歩き始めた。
 お腹が重いので前屈みになってしまい、一歩一歩進む度に胃に詰まった液体が
掻き回され、お腹がドプンドプンと音をたてながら揺れる。
 すると、ふと何か思いついたようにロイドは口を開いた。
「さっきの話の続きだけど、仮にこの研究の成果がアウターの人たちの生活を良
くする為に使われるなら、君は喜んで実験体になるの?」
 セーリュは立ち止まり、少しだけ考えてから答えた。
「やります。私が少し苦しむだけで大勢の困ってる人が助かるなら」
 するとロイドは笑い出す。
「絵に描いたような善人だね、尊敬するよ」
「つまらない皮肉言わないでください、私は本気です」
 するとロイドはセーリュの顔を覗き込み、真っ直ぐに彼女の目を見つめてから、
再び笑い出した。
「――君は支配者側に生まれてこなくて良かったよ」
「どう言う事ですか?」
「いや、別に。ほら、ベッドについたよ」
 セーリュはベッドに腰かけ、パンパンに張ったお腹を触りながら一息つく。
「はあ……」
「それじゃあ、また三時間後」
 ロイドはそう言い、部屋を出て行った。

772 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/25(金) 23:34:44 ID:cLxeWr6o0
 

 それからまた一週間経過した。
 朝の食事の時間より少し早めに起きてしまったセーリュは、とくにやる事もな
いのでボーっとベッドに座りながらお腹の肉を揉んでいた。
 ――どんどん太ってる。
 薬の投入を控えたせいか先週に比べて太るペースは明らかに遅くなっているが、
今では手でガッツリつかめるほどお腹に肉がついている。
 下腹部だけではなく全体的に腹が突き出るようになり、座っているときっちり
二段になる。
 液体でパンパンになったお腹と違い、こっちはフニフニしてて揉む分にも気持
ち良いので最近は暇な時はそればかりしていた。
 背中にも肉のロールが出来始めており、もはやグラマーでは済まないレベルである。
「こんなにおっきくなっちゃうなんてな〜」
 人差し指でお腹を弾くと、ブルンブルンと揺れる。
「あっ、そうだ」
 ある事を思いつき、セーリュは立ち上がった。
 咄嗟に動く度に全身の肉が揺れるのはやっぱり鬱陶しい。
 胸はタンクトップに詰めるのもそろそろギリギリであり、動くとタンクトップ
がヘソの辺りまで登ってきてポッコリしたお腹が見えてしまう。
 セーリュはベッドの隣に置いてある小さなタンスまで向かうと、その引き出し
にしまってあったボロボロのワンピースを取り出す。
 元々セーリュがここに着てきた服であり、とくに今まで着る理由がなかったの
だが、今の自分なら着れるのだろうかと言うふとした疑問からチャレンジしてみ
る事にした。
 タンクトップとスウェットパンツを脱ぎ、ガラスに反射する自分の姿を見る。
 お腹がとくに太ったが、お尻もそれなりに大きくなっているのでまだ辛うじて
くびれは残っている。ただ単に尻がでかいだけかもしれないが。
 早速ワンピースを着てみると、まずは胸でつっかえる。全力で引っ張ってそれ
を乗り越えると、今度はお腹がきつきつだった。
 何とか着る事に成功したが、体の面積が増えたせいかワンピースはお尻の下あ
たりまでしか届かない。これじゃあ長めのシャツだ。
 短期間でこれだけ体の形が変わったのは驚きであり、この先どうなるのか興味さえ興味が湧いてきた。
 もちろん、一人の女の子として太るのはやっぱり嫌だが。
「なにやってるの?」
「えっ、あっ、ロイドさん!?」
 慌てて振り返ると、いつのまにかロイドが部屋に入ってきていた。
 同時にキツイ服で早く動きすぎたのか、ワンピースの胸の辺りが一気に破ける。
「キャッ!」
 慌てて胸を隠すと、今度は尻の部分が破れた。
「もう……なんで……」
「楽しそうでなによりだけど……ちょっと体重確認していいかな」
 ロイドは呆れた表情でそういい、部屋の中央にある椅子に座る。
「あっ、はい」
 正直、セーリュにとっては「食事」の時間が一日で一番の楽しみだった。
 別に「食事」自体は好きじゃない。むしろ苦しいので嫌だ。
 だが、他の時間帯は話し相手がいないので、ロイドと話せるこの時間は非常に
貴重であり、寂しさを紛らわすのにも助かる。
 ロイドも淡々としていた最初の頃に比べるとよく喋るようになり、中々面白い
話題になる事もある。
「って、まだ食事の時間じゃありませんよね」
「ああ、ただそろそろ実験が開始できると思ってね」
 セーリュが体重計に乗ると、ロイドは椅子から降りてその数値を確認する。
「78.1キロ……うん、行けそうだ」
 ロイドはクリップボードを見つめ、何かを書き込む。
 そして今までに無い嬉しそうな表情を見せた。
「おめでと、実験体くん!」
 普段のどこか皮肉めいた笑顔と違い、なにやら純粋に嬉しそうなものである。
「何がですか?」
「現在君のBMIは30.5、ついに肥満2に突入だよ」
「ちっとも嬉しくないんですけど……」
「これで漸く肝心の実験が始められるって事! 早速準備しないと!」
 どうやら相当楽しみにしていたようである。
「じゃ、すぐ戻ってくるから服着といて」
「はい……」
 駆け足で部屋を出るロイド。一体「実験」とはどのようなものなのだろうか。
 こみ上げる不安と、初めてロイドの純粋な笑顔が見れた嬉しさが入り混じり、セーリュは妙な気持ちになった。

続きます。

773名無しさん:2014/04/26(土) 07:13:58 ID:KAD7BvW20
乙です!
肥満化SSとしてもディストピアSSとしても続きが気になってきました。

774 ◆Q4oKNCrgL2:2014/04/26(土) 14:40:15 ID:i.dgb9Ig0
>>769

支援ありがとうございます。いかんせんSSにしては長い話になる予定なので、
投稿のペースを落とさぬようがんばりたいと思います。

>>773

ありがとうございます。廃退した権威主義が生む絶望と意思に反して太らされる事に
対する絶望ってのは中々マッチしてるんじゃないかな、と言う考えから本作の
世界観が生まれました(構成の初期段階では近代ファンタジーに近いものでした)。
自分としても書いていて楽しいので、気に入ってもらえてなによりです。


「念力発電」その3

 十数分後、ロイドは部屋へと戻ってきた。
 さっきまでのはしゃぎっぷりが嘘かのように落ち着いていたが、それでも妙に
挙動がそわそわしていた為、興奮してる事に変わりはないのだろう。
「それじゃあついてきてもらうね。手、出して」
 言われた通りに手を出すと、ロイドは彼女の両手に手錠を掛けた。
「私が逃げると思うんですか?」
 面白半分にそう尋ねると、ロイドはふっと笑う。
「社交辞令ってやつだよ」
「それ多分使いかた間違ってます」
 そんなやり取りをしながらセーリュはロイドに連れられてガラス部屋を後にし、
研究所の廊下を歩いていく。
「そういえば、部屋から出るのは初めてだったっけ」
「はい。外の空気も悪くないですね」
「嫌味かな、実験体くん?」
 ロイドは苦笑しながら振り返る。
「い、いや、そんなんじゃなくて本当に狭い部屋から出られて良かったな、って
思っただけで……嫌味とか言える人間じゃないし」
「確かに、言われてみればそうだよね」
 そこでセーリュはふと思い、口を開いた。
「あの、私の名前、セーリュって言うんです」
 ロイドは怪訝そうな表情を見せ、眉を潜める。
「それで?」
「いや、あの、名前で呼んでもらたらな、って」
 するとロイドはため息を吐く。
「あのさ、君は実験動物なんだよ。何で名前なんかで――」
「……そうですよね」
「ここだよ」
 廊下の途中にある灰色の扉の前でロイドは立ち止まり、壁にあるキーパッドに
番号を打ち込んだ。
 すると扉が開き、二人は奥にある研究室へと入っていく。

775 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/26(土) 14:42:05 ID:i.dgb9Ig0
そこにはすでに何人もの研究者がおり、部屋の中央にはガラスの筒の中に妙な
装置がある。
 殆どの研究者は眼鏡を掛けた初老〜老人の男性だったが、その中で異様な存在
感を放つ白衣の女性がいた。
 彼女は長身かつ細く、それでいて出るべきところは出ていると言うモデルの様
な体系の若い美女であり、背が低くぽっちゃりしたセーリュとは対照的だった。
 長い黒髪を指でクルクルと回しながら、その美女はセーリュの事を見ていた。
 いや、見下していたと言うべきか。
 軽蔑と嘲笑がこめられたその視線が怖くなり、セーリュは目を伏せた。
 そして中央にある装置まで連れて行かれ、装置の入った筒の中に入れられる。
 そして全身に幾多もの吸盤のついたケーブルをつけられる。それらのケーブルは自分の真上にある装置に繋がっており、何か不吉な予感がセーリュを襲った。
「それじゃあ、頑張って」
 ロイドは人差し指で眼鏡を上げると、ガラスの筒から出て扉を閉める。
 一人閉鎖的な空間に閉じ込められ、不安を感じながら辺りを見回していると、
ロイドと例の美女が喋っていた。
 ガラス越しに何を言っているのかは分からないが、実験が始まるのだろうか。
 そしてロイドは何かパネルらしきものに向かうと、何かの動作を行う。
 ――ひぎっ!
 突如、激痛がセーリュの全身を襲った。
 全身の肉が小刻みに震え始め、目を見開く。
 全身が痺れ、骨の髄まで搾り取られるような痛み。
 涙が流れ始め、ついに我慢できずにセーリュは叫んでしまう。
「いやああああああああああああああああああああああ!!!」
 ガラスの向こう側の研究者たちには聞こえていないのだろうか、彼らは淡々と
セーリュの醜態を観察しながら手に持ったクリップボードに書き込んでいた。
 美女に至っては非常に愉快そうな表情をしている。
 その中で一人だけ恐怖で凍り付いている青年がいた。まるでさっきまでの陽気
さが嘘のように、ただ棒立ちになっていた。
 ――ロイド、なんで……
 全てが真っ白になった。

776 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/26(土) 14:46:05 ID:i.dgb9Ig0
>>774のトリップ間違えたorz アホで申し訳ございません。




 目を開くと、セーリュはガラス部屋のベッドに横たわっていた。
「目が覚めたんだ」
 聞き覚えのある声に体を起こすと、ベッドの麓で床に座るロイドがいた。
 真っ白な髪はいつもよりボサボサに荒れており、白衣もいつも以上にしわくち
ゃなような気がする。
 ロイドは完全に生気のないため息を吐く。
「失敗だよ、実験は」
「――発電出来なかったんですか?」
「いや、発電はできた。だが電球一個を数十秒程度光らせる程度の電力しか生め
なかった。だから失敗も同様さ」
「私が、気絶しちゃったから――」
 俯いたまま首を振るロイド。
「ううん、本来ならあそこまで君を苦しめるはずでもなかった。すまない」
 ロイドの口から意外な言葉を聞き、セーリュは思わず微笑んでしまった。
「……実験動物に謝るなんて変ですね」
 一瞬驚いたような表情を見せるとロイドは皮肉めいた笑いを上げる。
「本当だ、なに言ってるんだろ僕は」
 そしてふらふらしながら立ち上がると、ゆっくりと部屋の扉に向かっていく。
 今にも倒れそうに弱々しく歩く彼を見つめながら、セーリュは尋ねる。
「私って何時間ぐらい気絶してたんですか?」
「二日寝てたよ」
 もしかしてその間ロイドはずっとベッドの隣に座っていたのだろうか。
「僕はそろそろ研究に戻るよ。あの装置は相当な調整が必要だし、いつまでも部下に投げっぱなしにする訳にもいかない」
 大きく欠伸をすると、ロイドはセーリュを見つめる。
「脂肪が少なすぎたのも問題だったかもしれないから、君がもっと肥えるまで実験はお預けだ。それまでにコンバータ装置のチューニングも済ませる」
 相変わらず勝手な事ばかり言うロイド。
 でも、自分をこんな酷い目に合わせている人間なのに、セーリュは何故か彼が
憎めなかった。寧ろ今は――
「よろしく頼むよ、セーリュ」
「えっ……」
 思わず返答が遅れ、その間にロイドは部屋を去っていった。

777 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/26(土) 14:50:54 ID:i.dgb9Ig0
06

 ――本当に美味しい。
 ドーナッツを頬張りながら至福の一時を過ごすセーリュ。
 実験失敗から十日後。ホースによる「食事」も続けているが、一日に一食は普通の食事になった。
 普通の食事とは言え量は絶大であり、どれも炭水化物や乳製品を中心とした砂糖たっぷりで脂っこい食べ物ばかりであるが、
何週間にも及ぶ強制飲食のおかげか、難なく食べられる。
 おまけにアウターにいた頃には絶対買えなかったようなものばかり。
 ――孤児院のみんなにも分けてあげたいな。
 自分だけ良い思いをしている事に罪悪感を感じつつ七つ目のドーナッツを食べ
終えると、セーリュはお皿に山積みされたギトギトのフライドポテトを食べなが
らそれを濃厚な練乳で流し込む。
 もちろん、良い思いの対価にこの体があるのだが。
 先日の測定によると体重は90キロちょっと。BMIは35で肥満3度になったら
しい。もう否定しようのない完全なデブである。
 座ると腹の肉は溢れかえって膝に乗っかり、胸は突き出たお腹に乗っかる。
 スウェットパンツはお尻がつっかえて履けなくなり、タンクトップは腹の肉に
押されて胸の辺りまで登っていき、今やスポーツブラになりつつある。
 ついに顔の輪郭も僅かながら丸くなり始め、元々首にぴったりくっついていた
念力封じの首輪もきつく感じるようになった。
「ふぅ……」
 食事を終えて終えてお腹を摩ると脂肪が波打った。
 ――すごいなあ、この体。
 呆気に取られながらヘソを突っつくと、指は柔らかい脂肪に吸い込まれていく。
 そして両手で腹の肉を持ち上げる。
 ――これが私の一部なんだ。
 ブクブクに太ってしまったのは確かに嫌だが、それ以上に短期間でこれだけ体の形を変えられる人体の神秘に驚いていた。
 お腹の肉を手放すとパチン、と言う音を立てて膝に落ちて震える。
「あれ、意外といい音かも」
 再び脂肪を鷲づかみにし、もう一度膝に落とした。
 パチン。
 ――クセになりそう。
 楽しくなって何度もパチンパチンしていると、目の前に誰かがいる事に気付く。

778 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/26(土) 14:54:18 ID:i.dgb9Ig0
「あっ、ロイドさん。おはようございます」
 ロイドは呆れた表情でセーリュを見つめていた。
「おはよ、セーリュ。なんだか楽しそうだね」
「そうそう、楽しいんですよ!」
「……ごめん、今の皮肉のつもりだったんだけど」
「本当に面白いんです。ほら、ロイドさんも騙されたと思って」
 セーリュはロイドの右手を引っ張り、自分のお腹に乗せた。
「えっ、ちょ――」
 ロイドは反射的にセーリュの腹に指を食い込ませる。
「んっ――あっ、確かにこれは」
 セーリュのブヨブヨなお腹を揉みながらロイドは頷く。
「中々……面白い」
「言ったじゃないです――ひっ」
 ふと、妙な感覚がセーリュの全身を襲う。
 ロイドの華奢な指がお腹の肉に沈む度に、何とも言えないほど気持ちよくなる。
 ――自分で揉んでいた時にはこんな事は無かったのに。
 段々体が熱くなり、息も荒くなってきた。
「ねえ、ロイドさん……ちょっと……」
「ちょっと待って」
 ロイドはセーリュのお腹を揉むことに完全に夢中になっており、まるで彼女の
言葉を受け付けない。 
 そしてついに彼の左手もセーリュの腹肉を掴み、揉みまわし始めた。
「ねえ――」
 ロイドが両手でいじる腹の肉が胸にぶつかり、胸までブルンブルンと揺れだす。
「ロイドさん――」
 心臓が高鳴り、体が震えだした。
「だったらここは……」
 その時、ロイドはセーリュの腹を掴んだまま、親指をヘソに差し込んだ。
「はうっ!」
 言葉にもならない声をあげるセーリュ。
「ね、ねえ……本当に……はあ、はあ……」
 全身の熱が下半身に集中していき、自分の中の何かが猛烈に疼く。
「や、やめ――」
 こんな感じは初めてだ、このままでは何が起こるかわからない。
「ロイドさんっ!」
 裏返った声でそう叫ぶと、ロイドは驚いた手を止めた。
「ご、ごめん。夢中になっちゃって」
 何とか息を落ち着かせながらセーリュは言う。
「本当ですよ……こっちこそ叫んだりしてごめんなさい」
「う、うん」
 そこでロイドの顔が物凄く近い事に気付き、セーリュは慌てて顔を引いた。
「で、ど、どうしたんですか?」
「あっ、あの、うん。ちょっと提案があって」
 めずらしく緊張しているかのようにあたふたと喋るロイド。
「提案?」

779 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/26(土) 14:57:10 ID:./zS0fmI0
 ロイドは咳払いすると、いつもの冷静さを取り戻して言う。
「外に出てみないかい?」
「えっ!?」
「いや、ずっとこんな場所に閉じ込められててるのも体に悪いだろうし、君が健
康に太る為にもちょくちょく外に出るべきだと思うんだ。まあ、外って言っても
研究所の敷地内なんだけどね」
 まさかの提案にセーリュは素早く頷いた。
「お、お願いします」
「なら決定だ。もう上からの許可も貰ってるし、これに着替えて」
 ロイドから袋を渡され、中を確認すると一着のワンピースが入っていた。
「これって――」
「服がなきゃ外には出れないだろ、今着てるのはもう限界超えてるし」 
 それはかつてセーリュが着ていた安い生地で作った手作りのワンピースと違い、
真っ白でフリルのついた可愛らしいものだった。
 とてもアウターでは手に入らないような品物である。
「こんなにいいもの貰っちゃっていいんですか?」
 滑らかな生地を両手で感じながらセーリュはロイドに尋ねた。
「いいよ、君の住んでた所では珍しかったかもしれないけど、どちらかっていう
と安物だし。そもそも僕給料結構いいし」
「自腹だったんですか?」
 セーリュの問いにロイドは目を逸らしながら言う。
「……まあ、こういうのは研究所の経費で落とせないから」
「ありがとうございます!」
「いいから着替えて……もう」
「はい! えっと、じゃああっち向いててください」
「はいはい」
 ロイドが背中を向けると、セーリュはワンピース片手に立ち上がった。
 勢い良く立ち上がりすぎた為か、胸と腹が一気に揺れる。
 重力に負けて垂れ下がる腹の肉と太ももの間に挟まれてパンツは殆ど見えなく
なっており、タンクトップを脱ぐと殆どブラジャーに収まりきらない胸が姿を現した。
「また新しい下着が必要になりそうです」
「了解」
 ワンピースに着替えながらセーリュはロイドにそう言う。ロイドはセーリュに
背中を向けたまま答えた。
 下着のサイズアップはこれでかれこれ三回目となる。
「もういいですよ、ロイドさん」
 ロイドが振り向くと、セーリュはぐるっと回転して身につけたワンピースを見せた。
「どうです?」
「いいんじゃない?」
「反応薄いですね……」
 セーリュは肩を落としてそういい、ガラスに反射する自分の姿を見た。
 非常に可愛いワンピースなのだが、出来れば痩せてた頃に着たかった。
 ワンピースは大きめのサイズであるにも関わらず、お腹とお尻はやっぱり突き出る。
「まあ、似合ってると思うよ。さあ、とっとと行こ」
「はい!」
 セーリュは胸に喜びを膨らませながらロイドの後についていく。


続きます。

780名無しさん:2014/04/27(日) 03:23:09 ID:YKnmdO.E0
支援

Baidu IMEアンインストール時に出てくる美少女 → Baidu IMEアンインストール時に出てくるデブ
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1656_1.jpg

781名無しさん:2014/04/27(日) 10:27:15 ID:lDB9CY6o0
>>779
乙です
上でも言われてるけどストーリーものとしても気になるなあ

>>780
こちらも乙
懇願の目が悲しげなのがいいなあ、太ったことに対する悲しみとして変換できるw

782 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/28(月) 13:47:26 ID:aSSfIl4g0
>>780
>>781

支援ありがとうございます。
どうも肥満化よりもストーリーが前面に出てしまった感じですが、
どちらも両立していけるように頑張りたいと思います。

「念力発電」その4

 ガラス張りの部屋を出ると、二人は数日前に通った廊下を歩いていった。
 ただ、今回はあの悪夢のような実験が行われた部屋でを通り越し、その先にあ
るエレベータに乗り込む。階数のを見る限りどうやら普段セーリュが閉じ込めら
れている部屋は地下六階のようだ。
 エレベータはゆっくりと上がっていき、「1」と表記された階で停止する。
 そこからはいくつもの厳重なセキュリティチェックを通り、二人は研究所のロ
ビーと思われる場所へと出てた。
「随分と厳重に警備されてるんですね」
 セーリュの言葉にロイドは頷く。
「まあ、クレイドルが極秘で行ってる研究の殆どはここに集結されてるからね」
「念力発電もその一つなんですか?」
「うん、だから今回君を中庭まで連れ出すのにすら相当苦労したんだ。万が一の事があったら責任を負いきれないからね」
「そんなに重いんですね」
「うん、フェテュスの未来は君のその大きなお腹にあるかもしれないと言っても過言じゃないよ」
 ワンピースの下からも存在を主張する腹部を見下ろし、セーリュは顔を顰める。
「何でお腹限定なんですか」
「最近は胸より突き出てるじゃん」
「言わないでください! ただでさえ気にしてるのに」
 前までは胸が大きくなったせいで足がつま先までしか見えなかったのだが、今
では胸以上に腹が出っ張り、歩いている時しか足が見えない状況にある。
「……フェテュスの未来を担う極秘研究の真相がか弱な少女を無理矢理太らせる
事だなんて聞いて呆れますよ」
「現実はなんたらより奇なりとか言うじゃん」
 ロビーを通り抜け自動ドアを潜ると、セーリュは思わず息を呑んだ。
 今まで見たことの無いような鮮やかな緑色の芝生に、花壇に綺麗に並べられた
色とりどりのお花。
 空気は息を吸うたびに美味しくさえ感じてしまうほど新鮮であり、花のほのか
な甘い香りが心を躍らせた。
「すっご〜い!」
 思わずセーリュは駆け出すが、その途端に全身の肉が不本意に揺れてバランスを崩してしまう。
「あっ――」
 気付かぬうちにセーリュは転倒し、脂肪で詰ったお腹が地面に打ち付けられた。
「いたたたた……」
 よく考えてみればセーリュは太り始めて以来一度も走った事がなかった。体が
新たな重みに馴れず転んでしまうのも無理はないだろう。
「まったく、気をつけてよ。怪我でもされたら飛ぶのは僕の首だからね」
 ロイドはそう愚痴をこぼしながら手を伸ばし、セーリュは彼の力を借りてゆっ
くりと起き上がる。
 息を荒げながら必死にセーリュを引っ張り上げると、ロイドは両手を膝に乗せる。
「はぁ……はぁ……まったく、なんて重いんだ」
「ロイドさんこそ少しは運動したほうがいいですよ、女の子一人を持ち上げられ
ないなんて男としてどうかと思います」
「普通の女の子の倍の重さの子に言われてもね……」
「不可抗力です!」
「あんなに楽しそうに食べてたのに?」
「それは最近じゃないですか、それまでは無理矢理でしたもん」
 そこでセーリュはある事を思いつき、ロイドに発案する。
「そうだ、せっかくの気分転換ですし、ここにいる間は私の体重について喋ら
ない事にしましょ! でないと気分なんて晴れません」
「はいはい」
 ロイドはしぶしぶ納得し、二人は研究所を囲む庭を散歩し始めた。

783 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/28(月) 13:48:26 ID:aSSfIl4g0
 その間、二人は様々な話をした。
 さすが極秘研究の現場指揮者と言うべきか、ロイドは非常に博識であり、フェ
テュスの構造やクレイドルの社会事情をセーリュに説明した。
 それを話すロイドの横顔は非常に楽しそうで、何故か心臓の鼓動が早まった。
 彼が時折見せる笑顔も、初めてあった時の作り物の表情とは違い、本当に心か
らのものだというのが感じられる。
 よくわからないが、もっとロイドの話を聞いていたい。
 もっと彼について知りたい、ずっとその横顔を見つめていたい。
 だが、そんな思いとは裏腹にセーリュの体力は限界に近づいてきた。
 わずか十五分ほどしか歩いていないのにセーリュはすでに息があがっていた。
 丸太のような太ももは一歩進む度に擦れ合って痒くなり、膝もズキズキと痛む。
 仕舞いには肩も凝り始めてきた。
「ロイドさん……ちょっと休んでもいいですか?」
「あっ、うん、別にいいけど」
 近くにあったベンチに座り、セーリュは溜息を吐いた。
 これが太ると言う事なのだろうか。
 今まではあの狭い実験室に閉じ込められていたため実感がなかったが、明らか
に体力も減少しており、動きも鈍くなっている。
 おまけに動くたびに全身が鬱陶しいほど揺れてしまう。
 だが、セーリュはこれからまだまだ太らなければいけないらしい。
 これ以上大きくなってしまっては孤児院に帰れたところでまとも子供達と遊んであげる事も出来ないし、マルタの手伝いだってままならない。
 そもそも帰れる保障などどこにもない。あの狭い檻の中で死ぬまで肥育される
可能性だって否めないのだから。
 家族も、自由も、この脂肪によって奪われる。
 セーリュは腹を掴み、歯を食いしばった。
 今すぐこの贅肉を千切り落としたい。この枷を外して再び元へと戻りたい。
 だが、今の彼女にはどうにも出来なかった。
 己の無力さに涙が溢れそうになるが、セーリュは必死に鼻を啜って堪える。
 彼女の様子がおかしい事に気付いたのか、ロイドは尋ねた。
「どうしたんだい、セーリュ?」
「……もう、いやだ」
「歩きつかれたの? それだったら――」
「もう、太るのなんていやだ」
 セーリュの言葉にロイドは苦笑する。
「さすがにその要望はきけないな、実験の意義がなくなっちゃう」
 そう、所詮彼は研究者で自分は実験動物だ。
 そう考えた途端、ついに我慢が出来なくなり、涙が一粒一粒とこぼれ始めた。
「どうしてロイドさんはそんなに優しいのに、こんなに酷い事をするんですか」
「それは……」
 言葉に詰ったかのようにロイドは返事が出来なくなる。

784 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/28(月) 13:49:42 ID:aSSfIl4g0
「ちょっと、ロイド」
 二人の間の静けさをさえぎるかのように女性の声が響いた。
 手前の物陰から姿を現したのは、発電の実験が行われていた時部屋にいた、
あの白衣の美女である。
「アーネ姉さん、こんなところでどうしたんです?」
 どうやらこの美女はロイドの姉らしい。ちっとも似ていないが。
 ロイドがそう尋ねると、アーネ呼ばれる女性は彼にこちらへと来るようジェス
チャーする。
 そしてロイドが近づいた瞬間、目にも留まらぬ速さでアーネは彼の頬を引っ張
ったいた。
「――っ」
 ロイドは特に歯向かう様子もなく、真っ赤になった頬を摩る。
「駄目じゃない、ロイド」
 ついさっきロイドに手を上げたとは思えないほど優しい声でアーネは言う。
「あれほど実験動物に肩入れするなって注意したのに」
「すいません」
「ロイドは友達がいなくて寂しい事は私だって知ってるわ。でも、その為にお姉さんがいるでしょ」
 アーネは白く細い腕をロイドの背中に回すと、彼を胸元へと引き寄せた。
「別にアレを散歩に連れていくのをお姉さんは怒った訳じゃないのよ。ただ、人
間扱いはしちゃだめなの」
「……うん」
 ロイドは半ば強制的にアーネの胸に顔を埋められがらそう呟く。
「せいぜい家畜ね。きちんと世話はしなきゃいけないけど決してペットでも友達
でもない。ちゃんとけじめは守って」
「……はい」
「家畜は家畜のように扱わなきゃね」
 アーネはロイドの頭をよしよしと撫で、彼を手放す。
 やはり最初に会った時の直感が正しかった。セーリュはこの女が嫌いだ。
 言葉にはしにくいが、人を好きなように利用できると言わんばかりの喋り方と
優しさを装いながら他人を見下したような表情。とても良い人だとは思えない。
「聞こえてますよ」
 セーリュの嫌味に対してふっと笑い、アーネは近寄ってくる。
「聞こえるように言ってるのよ、子豚ちゃん」
 そして美女はベンチに座るセーリュの太ももを履いていたハイヒールの踵で踏
みつける。
「っ!」
「――貴方にも自分の立場を理解してもらわなきゃいけないし」
 迸る激痛に思わず声を上げそうになるが、ここで口を開いたら負けだと感じ、
セーリュは必死に口を噤んだまま美女を睨む。
「あら、いい目。そういうの好きよ」
 踵をぐりぐりとセーリュの太ももに食い込ませながらアーネは笑った。
「……壊しがいがあるもの」
 痛みを我慢するのも限界に近づき、再び涙が溢れてきたところでアーネは足を
下ろす。
「私は色々とやらなきゃいけない事があるから、お遊びは今日はここまでね」
 セーリュに背中を向けると、彼女はロイドの肩に手を置く。
「そろそろ子豚ちゃんを檻の中に戻してね」
「うん」
 アーネが去っていくと、ロイドはセーリュの前でしゃがむ。
「大丈夫、セーリュ?」
 ズキズキと痛む太ももを摩りながらセーリュは彼に尋ねた。
「なんなんです、あの人」
「アーネ・アークマン。僕のお姉さん……みたいな人」
「みたいな人?」
「正確には僕はアークマン家の養子だからね。血は繋がってないんだ」
 通りで兄弟の割には全く似てない訳である。
「あと、念力発電実験総括でもあるよ」
「――酷い人ですね」
 セーリュがそう吐き捨てると、ロイドは苦笑する。
「まあ、荒っぽい人だからね」
「ロイドさんを子供みたいに扱うし、人の事は踏みつけるし……」
「本当にごめんね」
「でも、彼女の言ってた事が正しいですよね。私はただのモルモットですから」
「それは……」
 セーリュの問いに上手く答えられないのか、ロイドは立ち上がる。
「そろそろ研究所に戻ろうか」
「はい」
 言葉に出来ないような空しさが心の中に残る。
 それ以上は何も言わずに二人は地下研究室へと戻っていった。

785 ◆nTUiVpCzdQ:2014/04/28(月) 13:51:40 ID:aIMwlccw0
 その晩、ロイドはホースによる「食事」を施しに部屋に下りてきた。
 すでに手順が見に染み付いているセーリュは何も言わずに椅子に横たわり、ロ
イドもま無言のまま彼女の口にホースを差し込む。
 ロイドがスイッチを入れると同時に不快なドロドロした液体が喉に流れ始める。
 液体が徐々に胃に溜まっていくのを感じながらセーリュはロイドを見つめる。
 ――所詮、私は実験動物。
 胃が張るのを感じ、ただでさえ大きいお腹が山のように膨らんでいく。
「よし」
 ロイドは機械のスイッチを切り、セーリュの喉からホースを抜いた。
 このまま何も会話を交わさず去っていくのかと思いきや、ロイドは口を開いた。
「姉さんが今朝言った事なんだけど、色々考えててさ……」
 返事するとパンパンに詰った胃が逆流しかねない為、セーリュは口を硬く噤ん
だまま頷く。
「やっぱり僕は違うと思う。セーリュだって人間だし、単なる実験動物じゃない。
強制的とは言えこの実験の立派な協力者だ」
「ンッ!?」
 驚きのあまりセーリュは声を出しそうになるが、必死に堪える。
「だから、ホースでの強制飲食は今日で終わりにする。これからは自分で食べて自分で太ってもらう事にした」
 それでは根本的な解決になっていない、と言いたかったが今口を開いたら液体が飛び出してくるだろうと、セーリュは我慢する。
「残念な事に太らないって言う選択肢は与えられないけど、それでもなるべく君
にとって苦痛とならない方法で実験を続けたいんだ」
「別に……いいんです」
 なんとか口から液体が飛び出さないようにセーリュはそう言った。
 とことん彼と言う人間が分からなくなる。割り切ってあのアーネと言う女が言う通りに家畜として扱えばいいのに、こんな中途半端な優しさを……
「そして実験が成功したらすぐにでも元の場所に帰れるように尽くしたい」
「……」
「だから、もうちょっとだけ辛抱してくれ」
「――わかりました」
 どうもロイドをいがみ続ける事も出来ず、セーリュはそう言った。
「ありがとう」
 珍しく笑顔を見せるロイド。何故かそれはとても素敵だった。
「それで、やっぱり君にも目指すものがあるほうがいいと思うんだ」
「どう言う……ウッ、事ですか?」
 思わず口を開きすぎて中身がこぼれそうになる。まだまだ気をつけないといけ
ないようだ。
「たとえば、今日から一週間で100キロまで太れたらごほうびとして街に連れて
ってあげる。今は90キロだから、あと10キロだね」
「街!?……うぷっ」
 またもや口を広げすぎて液体が溢れそうになる。
「そんなの、大丈夫なんですか?」
「無理を通してみるよ、ああ見えても姉さんは僕の頼みは断れないからね」
 そう、ロイドだって必死に悩んで、そして頑張ってる。以前はともかく、今は
決して好きで自分をこんな目に合わせている訳ではないのだろう。
 確かにこんな境遇に陥ってしまったのは不運以外のなにものでもない。
 だが、嘆いていたって何も変わりはしない。
 ならば今は自分の意思で太り続ける、いずれ家へと帰る為に。

786547:2014/04/28(月) 21:58:19 ID:5cbpf2120
素晴らしいストーリーと素晴らしい肥満化、投下乙です。、
セーリュは、そしてロイドはどうなっていくのでしょうか・・・

で、この人の続きと同様にに皆様が楽しみにしているであろう、
あの人の前座を、今月もやらせていただきます。

投稿するのは、
「がんばれゴエモンガールズ でぶでぶ道中 オニクてんこ盛り」の続きです

 ステージ2「呪われたくノ一」

江戸から遠く離れた大亀の上にある島、竜宮島。
そこのある湖の底で緑髪の美しい人魚と大ダコが戦っていた。
人魚は大ダコの吐く墨を避けて、その手に持ったバズーカを撃ち込む。
それを繰り返した末、大ダコは爆発し、壺から手形が出てきた。
人魚は手形を拾ってその場を去った。
だがその手形には、ぽつぽつと蛸の墨がついていて、
その黒い跡がずりずりと動き、人魚の腕に移ると共に
彼女の体の中に染み込む様にして薄れ消えていった。


人魚と大ダコが戦った翌日、
竜宮島に上陸した者たちがいた。
そうゴエモン達3人である。

あの後、大江戸城を突破したゴエモン達は
インパクトを操っていたからくりメカ「シシカカシ」を倒し、
追撃をかけてきた巨大メカ「ビスマルエレガント」を
正気に戻ったインパクトと新メカミスインパクトで撃退した。
それからビスマルを追ってこの竜宮島に向かったのだ。
しかし・・・

787547:2014/04/28(月) 22:01:14 ID:5cbpf2120
ゴエモン「それっ!でやっ!はっ!」
サスケ「たっ、ていっ、うりゃっ!」
ゴエモンとサスケは並み居るオバケを蹴散らしてカエル山を進んでいた。
しかし全速力ではない。
2人がうち漏らしたオバケを片付けながら、
後ろからどすどすと追い上げてくる太った少女、
そうエビスが付いてこれる様にスピードを抑えていた。


エビス「よぃしょっ、よぃしょっ・・・」
エビスはあれから更に太っていた。
ぽっちゃりを通り越してデブ、肥満体に片足を突っ込んでしまってる。

エビスが武器であるハンマーを振るたびに、
二の腕はブルンブルンと揺れる。
足はまさに大根足で、一歩踏み出すたびに
片足はもう片方の足と擦れてしまい、エビスのスピードを更に遅くしている。
お尻は小ぶりの桃の様で、ズボンをはち切れんばかりに押し上げている。
だが更に大きな胸に至っては服を少し破いてしまってる。
お腹は服の上からぽっこりとせり出ているのが分かるほどだ。
逆に言えば、「まだ」ぽっこりで済んでいるのだが、
顔も膨れ出してきて、下膨れの丸顔になりつつある。


エビス「すみません・・・私のせいで進むのが遅くなって・・・」
サスケ「気にしてはゴザランよ、
進むのは速ければいいって訳でもないでゴザルから」
ゴエモン「それにオバケとは十分戦えてるぜ」

確かにエビスのスピードはかなり遅いが、オバケとの戦いでは、
その体にしてはとても良い動きで十分に戦力となっている。
いやむしろ信じがたいことに、
サスケ(太った方が動きが良いでゴザル・・・)
大江戸城では、はっきり言ってしまって足出まといだったエビスだが、
あれから更に太った今の方がその時よりも確実に良い動きをしている。
サスケ(もしや、『シュウセイリョク』が身体能力にも影響を及ぼしているのでゴザロウか・・・)
ゴエモン「サスケ、ゴールについたぞ」
ゴエモンの声を聞き、サスケが前方に注意を戻した。
確かにステージゴールの目印の大狸の置物があった。
エビスの、自重をのせたハンマーの一撃は狸を容易く砕いた。
飛び出してきた手形を手にして3人は
カエル山ステージを後にした。

後ろの岩陰に隠れながら自分たちを見つめている誰かに気づくことなく。

788547:2014/04/28(月) 22:04:06 ID:SCzGWP6Q0
三人が進んだ先は、この龍宮エリアにおける町、乙姫町だ。
サスケ「さてまずは、
エビス「茶屋行きましょうよ!茶屋に!お腹が空いて・・・」
サスケ(食欲までエビス丸どのに近づいてきたのでゴザルか・・・)
ゴエモン「 まあ、茶屋なら話を聞くこともできるし、一服してこうぜ」
という訳で茶屋に入った3人、
それと同時にうち2人(ゴエモンとサスケ)の目についたのは
背を向けた長くて綺麗な緑髪の女性。
ゴエモン「おっ、ヤエちゃん」サスケ「ヤエどの」 エビス「ヤエさん?あの人が」
ゴエモンたちの声を聞き、のっそり、いやゆっくりと振り返る女、
ゴエモン達の仲間のくノ一ヤエ、
その端正な顔は紛れもなく彼女のそれである。
しかし、
エビス(えっとこの人、ゴエモンさんの話ではスタイル抜群らしいのに・・?)
サスケ(・・・拙者にはもう何も分からんでゴザル・・・)
ゴエモン「ヤ・ヤ・ヤエちゃんまで・・・どうしちまったんだよぉ・・・」
ヤエ「・・・・・」

そうあの均整な体は丸々と膨れ、太ってしまっていた。
体重は今のエビスと同じくらいだろうか、
忍装飾はパツパツで、とても窮屈そうだ。
特に両の腕が一番太くなっていて、忍装飾の袖に所々に小さな亀裂が入ってる。
元から大きめだった胸も更に大きくなっていて、
その有様は、忍装飾の下にメロンを入れてるのか?とも思えてしまう。
前はキュッと括れていたお腹周りも肉で膨れてしまい、
ポコンとせり出してる。
それでも胸と見比べると括れているようにも見えるのだが、
下半身は上半身と比べると変わり様が小さく、
特にお尻は殆ど大きくなってない。
だが「ボン・ボン・キュッ」と言えるスタイルになったことは
ある意味悲しい・・・

ヤエ「・・・私もね、ビスマルのことを聞きつけて調査を始めたの」沈黙してしまったゴエモン達を見かねて、
ヤエが自分のいきさつを話しだした。
ヤエ「ビスマルが隠れ家としてこの島に築いた竜宮城のことを知ってね、
「龍宮城までつながるステージを攻略しようとしたんだけど・・・」
「カッパ街道の大ダコを倒してから、どういう訳か、オバケを倒すたびに太ってしまって・・・」

789547:2014/04/28(月) 22:06:13 ID:5cbpf2120
ゴエモン「本当一体どうしちまったんでぃ・・・」
「大ダコの呪いよ」 ゴエモンの疑念に答える声が外の方から聞こえてきた。
「ここを住処としていた大ダコは自分を倒した相手に呪いをかけるんだ」
「呪いを・・・」「そう自分を倒した相手を更にオバケを倒すごとに太らせる呪い」
「ともかくオバケと戦わなければこれ以上は太らないよ、呪いを解かない限り痩せられもしないけどね」
そう言い切って声は途絶えた、代わりに遠ざかっていく足音が聞こえてきた。
ゴエモン「そう言うオマエは誰なんでぃ!」 サスケ「何奴!」
ゴエモンとサスケは声の主を追って外に飛び出していった。
ヤエとエビスは茶屋に残った。
・・・言うまでもないだろうが、
今の彼女たちでは追いつけっこないからである。



走っていく足音を追ったゴエモンとサスケは、
声の主である少女に町の外れで追いついた。
歳は十五・六くらいで、良い意味でほっそりとした体をしている。
(今のエビスとヤエを見ると余計にそう思えてくる)
しかし、その耳は人間ではなくネコのものである。


ゴエモン「その耳・・・」
サスケ「もしかしてお主は」
スザク「そう、私は妖怪のスザク、オバケの仲間であなた達の敵だよ」
ゴエモン「その敵がどうしてヤエちゃんのことを教えてくれるんでぃ?」
スザク「あなた達に助けて欲しいからさ、詳しくはまたの機会にね」
 それだけ言ってスザクは、ゴエモンをも上回る程のジャンプで、
二人の前から去っていった。
ゴエモン「あれだけのジャンプが出来るならスピードも相当のもんのはず、
オイラ達に追いつかれたのはワザとだろうな」
サスケ「町中で話せることではなかったでゴザルしな」



ゴエモン「しかし妖怪のスザクか、本当にオイラ達の敵なんだろうか?」
サスケ「正直言って、ヤエどのの呪いについて教えてくれただけでもアリガタイでゴザル」
ゴエモン「それもそうだな、ヤエちゃんはこれ以上戦わせない様にして、
エビスちゃんもあの体で戦うのもキツイだろうし、オイラとお前の2人で行けるとこまで行こうぜ」
サスケ「そうでゴザルな」
そう話しながら、町に戻った二人に町娘が駆け寄ってきた。
「大変だよ!町に妖怪が出たんだよ!!」
ゴエモン「なんだって!」サスケ「すぐに向かわねば!」
「いや、もう大丈夫だよ、アンタ達が声をかけたあのお姉ちゃんが倒してくれたから」
サスケ「声をかけたお姉ちゃん・・・」
ゴエモン「・・・ヤエちゃんが!?」

790547:2014/04/28(月) 22:11:21 ID:5cbpf2120
乙姫町の宿屋、その「うめの間」、
もう夜も遅いので、ひとまずゴエモン達はここで宿をとることにした。
ゴエモンとサスケは部屋の右隅にまとまって横になっていた。
エビスは部屋の左隅で、大きな体を縮こませて横になっていた。
ヤエは真ん中のベッドに、転がされて、いや横になっていた。


あの時どんなオバケが出たのかは知らないが、
倒した結果としてヤエは更に倍近く太ってしまった。
忍装飾は更に押し上げられ一部、というか大半が破れてしまってる。
まず腕が体の中で一番大きく太い部位と化している。
太くなりすぎて曲げることもままならない。
人の太り方としては明らかに不自然だが、呪いの効果だろうか。
顔も真ん丸く膨れて、幼げで可愛らしい丸顔になってる。
胸はもはや頭よりも大きな爆乳で、
「服の下にメロン」から「服を突き破ってスイカ」になってる。
どこから調達したのか、サラシを巻いてるので丸出しにはなってない。
そんな胸を押し上げて綺麗な形を保っているのは、
これまた綺麗な形で突き出た太鼓腹である。
「うめの部屋」は一番グレードの高い部屋なのでとても広く
シャンデリアの飾られた天井もとても高いがこのお腹を台にすれば、届きかねない。
間の隙間が消え失せた脚、桃の様なお尻、太る前の倍の太さはあろう腰周り。
そんな下半身も肉塊レベルの上半身と比べるとせいぜい小デブレベルである。
単純な重さよりもそのアンバランスさでヤエを動けなくしている。

なかなか寝られない4人だったが、
そんな空気を変えるためにかゴエモンが口を開いた。
ゴエモン「ヤエちゃん、エビスちゃん、
明日オイラとサスケで竜宮島を攻略してくる」
サスケ「海の中は拙者に任せるでゴザル」
ヤエ「いや・・私も行けるとこまで、い、行くわ」
「海に潜れる人もふ、2人いた方がい、いいと思うの」
首が無くなったせいか、喋るのも少々辛そうだ。
エビス「私も行きます! 
ヤエさんがこんなになるまで戦ったんですから、
出来ることはやります!」
ゴエモン「 分かった、だが無茶はしないでくれよ」
「それじゃあお休み」

791547:2014/04/28(月) 22:12:53 ID:5cbpf2120

今回の被害者

ヤエ 
がんばれゴエモンシリーズのレギュラーで、
シリーズでも1、2を争う人気キャラ。
その人気ゆえに、今回自分の毒牙にかかることに・・・
具体的に言えば、大ダコの呪いによってオバケを倒すごとに太る様になってしまった。
上半身を中心にして太るのは、脇に抱えてた手形を媒介にして呪いがかけられたから。
現在の体型 75kg 106・74・81→
156kg 153・140・96


エビス
「レキシのシュウセイリョク」によって更に太り続けていて、
サスケの推察通り、身体能力や食欲といった別の要素もエビス丸に近づいてきている。
現在の体型 78kg 103・74・97


ステージ2 セーブしました( 今回はここまでです)
(ゴエモンを知らない人に分からない用語や
知ってる人を混乱させるオリジナル設定が多くてすみません)
(・・・残念ながら後者の方は更に増えていきます)

792 ◆t3E9hfR0Bc:2014/04/29(火) 00:01:33 ID:uRCtxsMU0
皆さん投稿お疲れ様でした。
29の日なので駄文ですが投下します。

ttp://www1.axfc.net/u/3232604
パス:himanka

読んでいただければ幸いです

793 ◆t3E9hfR0Bc:2014/04/29(火) 00:04:27 ID:uRCtxsMU0
あ、そうそう。
今回試作のTRPGとカードゲームもどきを付けてみました。
バランスの調整などはしていないので、おそらくクソゲーとなります。
それでも良ければ遊んでみてください。

794名無しさん:2014/04/29(火) 00:38:38 ID:Kx57WA720
いつもありがとうございます

795名無しさん:2014/04/30(水) 21:02:00 ID:2y2foej60
乙でした。肥満化カードゲームをソロプレイしてみましたが、確かにバランスは悪いかもw
でもなかなか楽しめました。どうもありがとうございます。
あと今回のSSはどちらもホラーチックでツボでした。

796 ◆nTUiVpCzdQ:2014/05/01(木) 14:33:03 ID:CTDYL6RA0
投下させていただきます。

「念力発電」その5

07


 それから一週間、セーリュはひたすら食べ続けた。
 出された食事もそれなりにバラエティに富んでいた為飽きる事もなく、今では
この暴食に快楽さえ感じ始めるようになった。
 何も考えずに、ただ家畜の如く与えられた餌をむさぼり続けるだけ。
 時折、いっそこのままでいいのではないかと言う考えが頭を横切るようになっ
たが、その度にセーリュは我が家を思い出し固く決意した。
 この食事は、再び自由を得る為の手段に過ぎないのだと。
 そして七日目、セーリュが夕食の特大ハンバーガーを食べているとロイドが部
屋に入ってきた。
「……なんか、見るからに大きくなってるよね」
「はふっ、ほうへふ?」
「ほら、食べながら話さない」
 残った数口を口に含み、練乳で流し込むと、セーリュはナプキンで口を拭いた。
「でも、さすがに十キロも増えてるとは思わないんですけど」
 正直、街に出てみたかったので約束の十キロは太りたかったのだが、強制飲食も無しでそこまで太る事はできないだろうとセーリュは思っていた。
「そうかな? 前はここまでお腹が出てなかったと思うけど」
 太ももにどぷんと乗っかるセーリュの大きなお腹を突きながらロイドは言う。
「ちょっ、ロイドさん!」
「前はこれを全部片手で掴めたような気がするし」
 セーリュのお腹の肉を鷲づかみにするロイド。
「やめてください!」
 ロイドを振り払い、セーリュは突き出る腹部を両腕で隠すように守る。
「私だって恥ずかしいんだから」
「先週まではセーリュだって楽しそうにそれで遊んでたじゃないか」
「それとこれとは別、もうロイドさんが触るのは無しです!」
 何故かロイドに触られると妙に興奮してしまう。セーリュはそれが怖かった。
「はいはい、それじゃあとりあえず体重量ろっか」
「はい」
 立ち上がろうとすると同時に膝に乗っていた腹の脂肪が一気に重力に引っ張られるが、なんとか踏ん張ってバランスを保った。
 脂肪がつきすぎたお腹は今までのように突き出るだけではなく垂れ下がるようになり、歩き難さに拍車を掛けていた。
 ロイドが持ってきた体重計に乗ると、ロイドが驚きの表情を見せる。
 セーリュ自身はお腹が邪魔で体重計の表示が見えない為、彼に尋ねた。
「どうです?」
「すごいな、目標達成どころか四キロオーバーじゃないか」
「オーバーって、そんな――」
「104.8キロだよ」
 まさかの増量にセーリュは目を丸くする。自分は無意識にここまで食べていた
と言うのだろうか。
 ついに体重が100キロを越したと言うのも不思議な感覚である。
 元々の倍以上の体重であると言う事は、脂肪が自分のもう一人分の量あると言
う事になる。
 大きく柔らかい腹部に手を乗せながらセーリュはため息を吐いた。
「それじゃあ、約束通り明日は街まで出よ」
「本当に大丈夫なんですか?」
 再び研究所から出られるのはうれしいのだが、どうしても自分を家畜呼ばわり
したあの女が許可を出すとは思えなかった。
「まあ、姉さんも君がたった一週間でそこまで太れるとは思ってなかったみたい
でさ、意外とすんなり外出許可を出してくれたよ。才能あるんじゃない?」
「太る才能なんていりません」
「今はその才能が役に立ってるじゃないか」
 ふてくされるセーリュのへそを突っつき、ロイドは言う。
「ちょっ、ロイドさん!」
「ごめんごめん、それじゃあまた明日ね」
「もう……」
 ロイドが部屋を去っていくと、セーリュは何故かその場に立ったまま自分のお
腹を揉み始める。
 自分の腹部から突き出る脂肪の塊は手が触れる度に激しく揺れた。
 お腹が揺れる度に体がその贅肉に引っ張られるような感触に見舞われる。
 自分の肉体がこの脂肪に縛られていると言う屈辱は、いつのまにか快感に近い
ものとなっていた。
 でも、やはりロイドが揉んでいる時の感触とは違う。
 急に顔が火照り始めてきた事に気づき、セーリュは首を振る。
 ――なにやってるんだろ。
 太る事によって精神的にも変わり行く自分を、セーリュは少しだけ怖くなった。

797 ◆nTUiVpCzdQ:2014/05/01(木) 14:37:08 ID:CTDYL6RA0


 翌日、セーリュはシャワーを浴びていた。
 実験が始まったばっかりの時はアウターの水風呂と違って無制限にお湯が出て
くる事があまりにも嬉しく毎日のようにシャワーを浴びていたが、次第にその感
動も薄れ、最近は三日に一度程度になっている。
 そもそも食っては寝るだけの生活なので汚れる事もないし、なによりどんどん
とシャワーも浴びにくくなっていた。
 セーリュは石鹸をスポンジに含ませると、片手でスイカのような大きさの胸を持ち上げ、もう片手で乳房の下側を洗い始めた。
 太るにつれて手の届かない場所や洗わなければいけない面積が多くなり、かつ
ては五分で終わらせられたシャワーも今は十五分以上掛かる。
 おまけにシャワールーム自体結構狭く、振り向いただけでお尻やお腹がガラス
にぶつかってしまう。シャワールームに入る事すら出来なくなる日もそう遠くな
いだろう。
 また一つ、この脂肪のせいで出来なくなる事がある。
 そんな事を考え、軽く欝になるもののセーリュはすぐに気を取り直す。
 今日は待ちにまった日なのだから。
 ――ロイドと二人で街に出かけられる。
 世間ではデートと言うのものだろう。もっとも、こんな状況ではそうとは言い
難いが。
 だが、実際にロイドと過ごす時間は楽しいし、昔からクレイドルの人々がどの
ような暮らしをしているかには興味があった。なので一石二鳥そのものだ。
 その為に一週間頑張って太ったのだから、今更弱音を吐いている場合じゃない。
 泡だらけになったまんまるな体を満遍なくお湯で流すと、シャワールームを出て近くに掛けてあるバスタオルを体に巻く。
 葉を磨き、ブラシで髪を梳かしながらドライヤーで乾かすと、バスタオルで体
を拭き、洗面台において置いた下着を身に着ける。
 先週買ってもらったばっかりのなのだが、すでにサイズが小さくなりつつある。
 全身の肉を震わせながら必死にパンツを履き、ブラに溢れんばかりの胸を詰め込むと、目の前に置かれた真の難関を見つめる。
 先週ロイドがくれた白いワンピースである。
 街に出るとなれば普段のスエットパンツとタンクトップと言う格好じゃいけな
いのは当然だが、先週着た時すでにきつめだったこのワンピースが、今のセーリュに着れるのかどうか……

798 ◆nTUiVpCzdQ:2014/05/01(木) 14:38:41 ID:/oR4VU1I0
「なにはともあれ、試すのみ!」
 そう意気込み、セーリュは上からワンピースを被るように着る。
 首はすんなり入り、両腕も少々きつかれど袖を抜けたが、問題はここからだ。
 二つの大きな膨らみが生地の進行を邪魔する。
 ためしに少し引っ張ってみるものの、やはり胸が邪魔だ。
 ならば、とセーリュは両手でワンピースを掴み、一気に引っ張る。
「えいっ!」 
 作戦は成功し、なんとかワンピースは胸を通過した。
 だが、その先にあるお腹は一筋縄ではいかないだろう。
 胸よりさらに突き出てる為、強引に引っ張ろうとも弾かれるだけに違えない。
 ワンピースを左右にずらしながらセーリュはゆっくりとワンピースを身に着け
ていくが、脂肪の山の頂点であるおへその少し前で動かなくなってしまう。
 必死にお腹を押さえ込みながら生地を下ろす事によってお腹はクリアしたが、
今度は反対側がお尻に引っかかる。
 最終的に幾多もの苦難を乗り越えてなんとかワンピースを身に着ける事に成功
したが、鏡に映る自分の姿は滑稽以外のなにものでもない。
 限界まで引き伸ばされたワンピースはボディースーツのごとくピチピチにセー
リュの体に張り付き、腹とお尻の突き出るだらしない体のラインを強調させる。 
 ワンピースの丈もあきらかに足りなく、太ももは完全に露出しており、ギリギ
リお尻を隠せる短さだった。
 服の素材が良質な為か、前のボロワンピースのように破れる心配はなさそうだ
が、これではまるで夜の繁華街に現れて男を誘惑するお姉さんのようである。
 もちろん、こんな体では男など寄ってこないだろうが。
「おはよう、セーリュ」
 部屋の扉が開き、いつも通りの姿をしたロイドが現れる。
「おはようございます」
「もう出かける準備は万全みたいだね」
「……結構恥ずかしいんですけど」
 ロイドは下から上までセーリュを見つめると、平然とした表情で言う。
「まあ、そう言うのもいいんじゃない?」
「よくないですよ、いやらしい」
「じゃあ街行くのやめる?」
「これを着るのにどれだけ苦労したと思ってるんですか? 行きます!」
「じゃあ決定だ、さっそくいこ」
「はいっ!」
 ロイドに続いて実験室を出たところで、セーリュはふと気になった事を尋ねる。
「ロイドさんは着替えないんですが?」
 彼はいつもの白衣姿であり、得に余所行きの格好ではない。
「他に服がないんだよ、研究以外で外出するのなんて何年ぶりかわからないし」
「……なんかごめんなさい」
 なるほど、と思いつつセーリュは思わず聞いてしまった事を後悔する。


続きます。

799651:2014/05/06(火) 11:27:30 ID:TF8OXJ5I0
まとめが復活していたんですね…管理人さん、感謝です!
新作もたくさん投稿されていて、皆さま乙です!

お待ちいただいていた方、申し訳ありません。
>>730の続きを投稿させていただきます。

800651:2014/05/06(火) 11:32:07 ID:TF8OXJ5I0
「あれから2時間は過ぎましたが…どうですか、食べ終えることができましたか?」
使い魔の少年が楽しそうに地下牢の扉を開ける。

牢の中央には必死に口に食べ物を運ぶアニスと…山盛りのままの料理が置かれていた。
彼女が料理を取ると、皿の上に新たな料理が湧き出てくる。
「あれれ? 全然減ってないじゃないですか。本当に真面目に食べていたんですか?」
「んぐっ、ち、違…。食べても食べても料理が減ら…な…んっ」

少年は、舌なめずりをした。
「努力が足りないんじゃないですか」
「そ、そんなことはない、が…お腹が一杯で…」
「もう食べられない?」
「腹が…腹がこんなにパンパンに膨れて」

アニスは過食によって妊婦のように膨らんだ腹部をポンポンと叩いた。
それは「ギブアップだ」という、少年への精一杯の訴えだった。

少年はアニスの太鼓腹を軽く押し、その圧力を確かめる。
そして、ニッコリと笑った。

「それは可愛そうですね」
「だ、だから…もう、勘弁してくれ」
「あらあら、食べ始める前の威勢はどこにいったのですか? こんな料理、ペロリと平らげられるのではなかったのですか?」
アニスは口を堅く結び目をそらした。目元には涙が溜まっている。

「あなたは約束を守れなかった。これはそのペナルティです」
使い魔の手から黒い霧が伸びる。
その霧はアニスの体を包み、すぐに消えた。
「わ、私に…何をした?」
「ちょっとしたお手伝いですよ」

少年が言い終わらない内にアニスの体が膨らみ始めた。
注射器で注入されたかのように全身に薄らと皮下脂肪が付き始め。
シルエットが丸っこいものに変わっていく。

「んっ、あっ、これ…はぁ!?」
「食欲の悪魔ってご存知ですか? 私はその悪魔でしてね」
「しょく、よくぅ? …ふぅぅ…ぶひぃぃん!」
ベルトのバックルが音を立てて弾け飛んだ。
「術を掛けてあなたの体質を変化させました」
「おお、い…っ…にぃ?」
「食欲を増幅させ、全身の脂肪の量を増やしたんですよ」

少年は、でっぷりと突き出したアニスの三段腹を軽く小突いた。
「んっ、あっ、止め…」
「ぷよぷよとしたいい肉です。まるで運動不足の子供のような」

追い払おうとするアニスの鈍重な動きをかわしつつ背後に回り、ズボンからはみ出した肉を満足そうに眺める。
「巨尻の肉厚でパンパンに張って皺がよった衣服」
「み、見るなぁ…ひゃっ!?」
「膨れ上がった二の腕の肉。ブヨブヨと垂れた乳房」

少年の手は這うように下腹部へ伸び。
「や、やめっ…はぁん…」
「…肉厚ですね」
アニスが身をよじると彼女にまとわりついた脂肪が滑稽なほどよく弾んだ。

「お、おのれ。私にこのような屈辱を…」
「まあ、いいじゃありませんか。食欲の悪魔として申し上げておきますが、デブというのもなかなか悪くないものですよ」
「そ、それはそうかも…」

召喚者の男との生活を思い浮かべたアニスだったが、すぐさま頭を振る。
「な、何を考えているのだ私は…」

そう言えば私を養ってくれていた男は今どうしているだろうか。 
あの馬鹿馬鹿しくも充実していた日々がはるか昔の事のように思える。

行方不明になった私を探してくれているだろうか。
もしかして私を見捨てているのでは。

食欲の悪魔によってじわじわと削り取られていたアニスの心は恐怖と羞恥と孤独によって、折れてしまった。

「ふぐっ…グスっ…」
「えぇ、いきなり泣き出してどうしたんですか?」
突然の号泣に今まで余裕を保っていた少年は困惑している。
「さ、さすがにやりすぎましたかね。いきなり泣かれるとは思いませんでした」
「ふぇぇ…」
「ティナ様には壊さないように言われていたんですが…」
「お家、帰るぅ…」
「参りましたね、ティナ様との打ち合わせではこの後別の悪魔にも折檻してもらう予定でしたが」

ふぅ、とため息をついた。
「まあ、いいでしょう。次の悪魔なら肉体操作のプロフェッショナルですし、元に戻してくれるでしょう」

続きます

801 ◆nTUiVpCzdQ:2014/05/06(火) 13:11:18 ID:u/SJhITA0
まとめサイト管理人さん、いつもお世話になっております。
まとめの復活は喜ばしい限りです。更新、ありがとうございます。

>>651さん、お疲れ様です。続きを楽しみにしてました!

便乗して自分も次章、投下します。


「念力発電」その6

 研究所の敷地から出ると、二人はバスに乗って目的地を目指す。
 途中、住宅地と思われる場所を通り、セーリュは驚愕する。
 舗装された道路はヒビ一つなく、両側に建つ家はどれもマルタの孤児院のよう
な大きさだった。
 正面には綺麗に切りそろえられた芝生があり、家の隣には車庫がついていた。
「これってどれも一軒家なんですか?」
「うん」
「こんな大きなお家に住む人がいるなんて……」
「セーリュの家はどんなんだったの?」
「珍しいですね」
「何が?」
「ロイドさんが私に質問するのって、初めてじゃないですか」
「そうかな」
 ロイドは頭の後ろで腕を組む。
「確かに、僕って昔からあんまし他の人に興味がなくてさ」
「いっつも自分の世界に閉じこもってる人ですもんね」
 セーリュを見つめ、ロイドは笑う。
「あれ、バレた?」
「始めからバレバレです」
 窓から立ち並ぶ豪邸を見つめ、セーリュは言った。
「私は、物心つくころから孤児院に住んでました」
「そうなんだ」
「だから親の顔なんて知らないし、なんで自分が念力を使えるかもわからない」
「……」
「でも、そんな人はアウターにはごまんといるんです。親のいない子供たちや、
食べ物のない人たち。明日があるかもどうか分からない世界で怯えながら生きて
いる人たちが」
 ロイドは何も言わず、ただ彼女の話を聞き続ける。
「だから、こう言うのを見るとちょっと気持ち悪くなります。同じ人間なのに、
なんでこんなに差があるのか、って」
「……いつだって人はこんなものだよ」
「ロイドさんは一度言ってましたよね、支配する側に生まれるか支配される側に
生まれるかは運だって。だったら私はとても運の悪い人です。支配される側に生
まれてきた上に念力を持ってしまったせいでこんな目に会わされるんだから」
「――うん」
「だけど、だからってそのままでいいなんて納得したくないんです。今が幸せな
ロイドさんやクレイドルの人々はそうかもしれませんけど、今までがそうだから
って、この先もずっとそのままの世界なんて私は嫌です」
 するとさきほどから考え込むような仕草を見せていたロイドはついに口を開く。
「僕だって気づいてるよ、今の状況がいかにおかしいか」
「だったら――」
「だからって自分に何かができる訳じゃない、だったら周りから目を背けてただ
自分の好きな事をして生きていけばいいと僕は思ってた。セーリュの言う通り、
自分だけの世界に閉じこもってる。僕も、クレイドルの全ても」
 しばらくの静けさの後、セーリュは口を開いた。
「……なんだか重い話しちゃってごめんなさい。せっかくの気晴らしなのに」
「いいよ、現実問題なんだしね。あっ、ここで降りるよ」
「はいっ」
 バスを降りると、目の前にはお洒落なレンガ街が続いていた。
「すごい……」
 色とりどりの商店を見つめながら、セーリュは目を丸くする。
「クレイドルの若者たちに人気のスポットだよ。洋服屋や喫茶店を初めとして
色々あるんだけど……僕もあんましこないからよくわかんないや」
 するとまるでロイドの言葉に返答するかのようにセーリュのお腹は鳴った。
「すいません……普段はこの時間帯に食事するから」
 ロイドはふっと笑い、セーリュのお腹に手を乗せる。
「そうだね、じゃあ食いしんぼうなセーリュの為に早速朝ごはんにしようか」
「誰のせいでこうなったと思ってるんですか!」
「はいはい」
 抗議するセーリュを軽くあしらいながら、ロイドは歩き始めた。
「もう、ロイドさんの意地悪」

802 ◆nTUiVpCzdQ:2014/05/06(火) 13:14:44 ID:GlHjY3uE0


 近くの喫茶店で朝食を済ませ、二人は商店街を歩き始めた。
「ふう〜、お腹いっぱい」
 五人前の朝食でパンパンに詰まったお腹はただでさえキツキツのワンピースを限界まで引き伸ばしており、破れていないのが不思議なくらいである。
「今更だけど、念力発電実験って食費だけでも相当掛かってるんだね」
 財布の中身を見つめながら落胆する。
「それを覚悟の上で誘ったんじゃないですか?」
 些細な復讐を果たせた事を喜び、セーリュはクスリと笑った。
「お昼もよろしくお願いしますね」
 ロイドはため息を吐き、財布をポケットにしまう。
「まあ、自ら太ってくれるんだからそれに越した事はないんだけど」
 その一言で、セーリュはここにきてから薄々と気づいていた事を口にする。
「そう言えば、なんかここって太った人が多いですよね」
 セーリュほどでないにせよ、他の通行人や喫茶店にいた人たちは殆どがぽっち
ゃり以上だった。一部はセーリュと同じぐらいの重量の人や、セーリュより更に
太っている者まで見かけた気がする。
「統計によるとクレイドルの人口は半数が過体重かそれ以上らしいよ」
「ええっ!?」
 驚くセーリュに、ロイドは平然と言う。
「これだけ食料が豊富なんだ、そうなるのも必然さ」
 アウターでは食料はまともに手に入らないと言うのに……
「太ってる事が気にならないんですか?」
 セーリュは、目の前を歩く女性の大きなお尻を見つめながら言う。それは歩く
度に激しく揺れ、非常にみっともない。
 自分も今後ろからみたらこんな惨めな姿なのだろうと思うとやるせなくなる。
「ううん、今じゃ太ってる事は美しいとされつつあるよ」
「えっ?」
「それがクレイドルの人間のやり方さ、自分を変えるより世界が今の自分を認め
るように変えようとする。ある意味エントロピーの最終段階だ」
 ロイドは目を細めてフェテュスを照らす人工太陽を見上げながら言う。
「でも、無理もないさ。もう人間に行くところは残されてない。この狭い地下都
市で腐っていくだけだろうね」
「まだ、このフェテュスで変えられる事なんて沢山あります」
「アウターの事かい?」
 セーリュが頷くと、ロイドは首を振る。
「そうかもしれない。だけどその先に何がある?」
「なにがって、沢山の人の幸せがですよ」
「それだけじゃ足りないんだよ、この衰退を覆すに――」
 ロイドは急に言葉を止める。
「随分と都合のいい解釈だな」
 いつのまにかロイドの後ろに立っていた小柄な人物がそう言う。
「あの……」
 フードによって隠されたその顔を見ようとするが、その前にセーリュは背中に
冷たく固いものを突きつけられるのを感じた。
 おそらくこれがロイドが喋るのをやめた理由であろう。
「あの――」
「悪いが、一緒に来てもらう」
 セーリュの背中に拳銃を押し付ける大柄な男がそう言った。
 周りにこの異変に気づいているものはおらず、とても逃げられるような状況で
ない為、セーリュとロイドは言われるがままに謎の二人組みに裏路地へと誘導される。


前回に引き続き展開が遅くて申し訳ございません。
下準備は整ったので、次章からは必ず強制飲食も肥満化も加速させるつもりです。
続きます。

803名無しさん:2014/05/11(日) 01:01:01 ID:TiQu6cRY0
Baidu IME広告の愛美ちゃん → Baidu IME広告のおデブちゃん
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1659_1.png

804 ◆wlkRjR8P8.:2014/05/12(月) 19:19:56 ID:DEOZ.rtU0
初めてですが、投稿してみます。
今回太らせるのはドラクエ8のゼシカです。
本編クリア前提で書いたのでプレイされていない方にはわからない部分があるかもしれませんがご了承ください。
色々拙い部分あると思いますが、温かい目で見守っていただけると幸いです。




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