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肥満化小説・肥満化絵投下スレッド その2

1名無しさん:2011/12/05(月) 00:33:48 ID:tlxuFIYEO
肥満化小説や絵を投下したい方へのスレです。
作品の感想などもこちらへどうぞ。

512名無しさん:2012/08/02(木) 22:43:39 ID:3g8/C6TM0
はじめまして、こちらは初カキコです。
肥満化と触手を掛け合わせたネタって少ないので描いてみました

ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1433_1.jpg

513334:2012/08/02(木) 23:04:33 ID:LhbsIOqM0
>>512
乙です!
表情がエロいですね。

続きを投稿します。

514334:2012/08/02(木) 23:06:03 ID:LhbsIOqM0
ラキとラウラは、ネオンが光り輝く町の入り口に立っていた。
「やっと着いたな。長い旅だった。」
ラキは額の汗をぬぐう。
「長いも何も…ラキさんが頻繁に休み続けるからですよ。
本来3日の道のりを1週間もかかってしまったのですから。」
「う…仕方ないだろ、
スライム達を吸収しちまったせいで素早さがダウンしてるんだから…。
(体力がなぜか増えちゃったけど…)体も重たいし…。」
膝を抱えてスネるラキをラウラは呆れた様子で見ていた。
「はいはい、分かりましたよ。
それでは、さっさと教会で治療してもらいましょうよ。」

その時、ラキのお腹が、ぐ〜っ、と鳴った。
「ちょっと待ってくれ。先に飯屋に行かないか?」
「え〜っ!?」
「さっきから腹へってしょうがないんだ。」
「もう、ホントに困ったハンターさんですね。どこか手頃な店はないでしょうか?」
二人は大通りを歩き出し、店を探し始めた。

20分後。
二人は薄暗い怪しい店の前に立っていた。
ツタが絡んだ看板には『肉料理専門店デビル・ネスト』と書かれている。

ラウラが戸惑った様子で言った。
「ど、どうします?この店以外飲食店が空いていませんでしたよ。
正直なところ、この店に入るとろくなことにならないと、
私の第六感がささやいているんですが…。」
「構うもんか!ただの飯屋だろ?」
ラキは勢いよくドアを開けた。

「こんにちは〜、誰かいませんか〜?」
「ようこそ、わての店へ。」
そこには燕尾服を着た醤油顔の男がお辞儀をしていた。
「ささ、たんと食べていってくれさかい。」
どこの方言か分からない怪しさ満点の言葉づかいで、男は喋る。

「あの…やっぱり止めません?!絶対胡散臭いですよ、ここ…」
ラウラはラキに耳打ちしたが、ラキはさっさと席に着いた。
「細かいことは気にするなよ。まずは腹を満たすことが先決だ。
オヤジ、ありったけの飯を頼む!」
「まいどおおきに!」
その言葉を聞いて、ラウラも観念したのかしぶしぶ席に着いた。

「お待ちどう!当店自慢の肉料理でっせ〜」
しばらくしてオヤジは厨房から謎の肉が載った大皿をわんさか持ってきた。
たちまち直径何mもあろうかという机の上が料理で埋め尽くされる。
「いっただきまーす!!」
そう言ったかと思うとラキは猛然と片っ端から料理を食べ始めた。
ラウラも気乗りしないという様子で肉をほんの少し小皿に取り分けた。
「うっ…すごい臭い。何の肉なのかしらこれ…」
もぐもぐとラウラが食べるのをしり目にラキはするすると肉を胃袋におさめていく。

痩せていたころのかっこいい彼女はどこへやら、
太ましい彼女が次々と料理をたいらげていく姿は、
言い方はおかしいが、やはり絵になる。
顔には出さないが、ラウラはぼそぼそと肉を食べながらそんなことを考えていた。

515334:2012/08/02(木) 23:08:15 ID:LhbsIOqM0
「あの、そろそろこの店出ません?お腹もいっぱいになったでしょうし…」
ほぼ全ての皿が空になったのを見計らってラウラはラキに声をかける。
「ふぇ、なんふぇ?まふぁ、くひたりなひよ。」
ラキはごくんと口に含んだ最後の肉を飲み干し、オヤジに声をかけた。
「同じものをもっと持ってきてくれ!」
「まいどあり〜」
オヤジはまた料理を机いっぱいに並べはじめた。
「ええ!?まだ食べるのですか?もう止めましょうよ!
さらに太っちゃいますよ〜」

ラウラは必死にラキの体を揺するが、
ラキは料理にがっついて食べるのを止めない。
「ふぐっ…むぐっ…ごきゅん…」
料理がラキの口に消えていくのに比例して、彼女の体がどんどん膨らんでいく。
むちっ、むちっ…ぶちっ、ビリビリ…
ぶ厚い尻肉や小ぶりの胸肉、餅のような腹肉など全身の肉が肉肉しくぶくぶくと膨らんでいく。
肉圧に耐え切れなくなった衣服が裂けていく。

にも関わらず、食べ続ける。
「ハフッ…ハフッ…」
彼女は玉のような脂汗をかいている。すごく汗臭い。

「ああっ!どうしたんですか、ラキさーん!!
あっ、そうだ。お勘定、お勘定お願いしまーす!!」
ラウラはオヤジのところに駆け寄った。
「まいどあり〜。
ほな、代金は占めて○○万円になります!」
それは二人の全所持金をゆうに超えていた。
「持ち合わせが足りない…」

オヤジのニコニコ顔を一変した。
「なんやと!不足分、どないしてくれるんや!
あのデブががつがつ食べるから大赤字やねんで!」
オヤジはまだ食べ続けているラキを指差して怒鳴った。
「ひぃっ!?すみません、何でもしますから〜。」
「それじゃあ、『働いて』返してもらおうか?」
オヤジはにやりと不気味な笑みを浮かべた。


次の日。
「6番テーブル、オーダー入りま〜す!」
「11番テーブルに早くワイン持ってって!」
エプロンを着たラキとラウラが店内を駆けまわっていた。
ラキはさらに肥大した体を揺すって全身に汗をかいている。
きつそうだ。
「全く、ラキさんが食べ過ぎるからですよ」
「はぁ、ふぅ、すまん…」
「(この人本当にダメだ…)」

ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1434_1.jpg


場所は変わって店の中のどこかの一室。
オヤジが誰かと話している。
「せやけど、あんさんもアコギですな。
あの二人にスライムけしかけてわての店に来させるなんて。」
「ふふふ、もっと誉めてくれ。
あのスライムは特別製でな、吸収した者の食欲を増幅させるのだ。」
声の主は愉快そうだ。周りには黒い霧が渦巻いている。
「そして、あいつらは町で一軒しか開いてなかったわての店で、
ぼったくり価格の料理を食べるしかなかったってわけやな。」
「して、これからどうするのだ。
まさか、借金を返済するまでずっとウエイトレスをさせるのではあるまい?」
「へへへ、そこは考えとりまっさ。デブの方には『裏の店』の仕事をしてもらいます。」

516名無しさん:2012/08/03(金) 00:27:30 ID:vEKhcBoU0
続き乙です!
食欲に負けて太ったラキさんが『裏の店』でどんなことをされるのか
楽しみですw

517名無しさん:2012/08/03(金) 22:49:54 ID:JY1i0lnc0
おお!ボンドさんおつですこのシチュ最高ですね!

518名無しさん:2012/08/07(火) 00:19:04 ID:RpbfZpvI0
生命の雫が!!なモバマス蘭子ちゃんー
アイマスの流れのときに描きたかった^q^

ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1437_1.jpg

519名無しさん:2012/08/09(木) 01:14:29 ID:R93AhXmQ0
蘭子ちゃんすごい身体にwwGJです。
モバマスというと、うちのプロダクションは最近入所した、Sレア椎名法子のドーナツのせいで皆デブデブに、とか妄想しているw

520945 ◆t3E9hfR0Bc:2012/08/09(木) 09:39:00 ID:IfRA1vlg0
肉の日の舞ちゃんが今一肥満化してないので補充分を。

ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/368818
パス:himanka

本当はデブの日に間に合わせたかった・・・

521名無しさん:2012/08/09(木) 10:56:16 ID:JjCxV/620
初SSがやり方わからなくて連投規制されてしまったのでこちらで

まあ、ぷっくりというのはまだ柔らかい表現で、実際には彼女の見事な体のラインをことごとく崩し、服を拘束具に変え、ふーふー息苦しくなるほどには太っていた。
指にはめた指輪は、指がぷくぷくと太くなったにも関わらず、なぜかそれに合わせて大きく変形したかのように、指を絞めつけもしなかったし、すっと簡単に抜けてしまった。指から抜けると指輪ははめた時と同じサイズに戻った。
それと同時に彼女の体のサイズも元に戻ったのだからまた不思議である。
このようないきさつから、原因が夕べのドンチャン騒ぎの前夜祭によるものではなく、指輪のせいであることが判明したのである。
また当たり前の話ではあるが、はだけ(はじけ?)てしまった彼女お気に入りのハレ着であるドレスはもちろんそのままである。
しかし、本人も召使たちもほっと胸をなでおろしていた。もう二度とあんな思いをするのはごめんだ、と彼女は思い出しては赤面しそう思っていた。

522名無しさん:2012/08/09(木) 10:57:25 ID:JjCxV/620
なんでもこの指輪は村人からの贈り物ではなく、ここの家主である彼女の義父が誕生日のサプライズにプレゼントしようと思っていた、昔の冒険で見つけた宝物だったのだ。
それには姿を消す魔法が込められており、幾度となく彼の冒険に貢献してきたのだ。
しかし、それは男が使ったらの話で、どうやら彼女のような女性には別の能力が与えられていたようだ。
なんでも義父はもう少ししたら旅に出るらしく、もう故郷に戻ってくる予定はないのだという。
そのため、家財や資産をすべて彼女に託し、愛娘のハレの日を祝ってから出発するつもりだったそうだが、とんだ騒動になってしまったようだ。
彼は娘に平謝りし、機嫌も治ったところでつつがなく、村を挙げての盛大なパーティーが催された。
パーティーにはある老人が来ており、旧友の娘の誕生日だと聞いてすっ飛んできたのだという。
彼はみんなが見たことも聞いたこともないような技を持っており、それを今日でいう花火というような形で巧みに披露した。祭りは大盛り上がりだった。
その最中、彼女の義父はキリのいいところでふっと自宅に戻り、整えておいた旅道具を背負って、娘にも内緒で例の旅に出た。
後にそのことに気付いた彼女はとても寂しがったが、すぐに立ち直り、義父に変わり村の長としての務めを果たしていくことを誓ったのだった。

それからしばらくして、例の指輪のことも頭の片隅にしか残っていないような長い年月が過ぎたころ(といってもここの人間は寿命が長いため、外見も内面も対して変わりはないが)。
大切なものを入れる箱の中から、この世の全てを射止めるような美しくも儚い魅惑的な輝きが、辺りをうかがっていた。
まるで指輪そのものに意志があるかのように。

時間があったら続く

523名無しさん:2012/08/09(木) 15:30:19 ID:onXejxBI0
DLできない・・・ファイル消えてます

524945 ◆t3E9hfR0Bc:2012/08/09(木) 21:11:42 ID:IfRA1vlg0
>>523
確認しましたところ、どうやら斧ロダの方が不調なのかファイルが正しくアップロードされないようです。
こちらに上げ直しましたのでそちらからどうぞ。

ttp://www5.puny.jp/uploader/download/1344514177.txt
パス:himanka

525名無しさん:2012/08/09(木) 21:52:04 ID:onXejxBI0
わざわざ感謝します!

いつもいつも楽しませてもらっています、ありがとうございます

526名無しさん:2012/08/09(木) 22:28:10 ID:1TdDxBN60
>>522
アイテム自体が不幸を呼び寄せそうでwktkするぜ
続きがあるなら楽しみにしてるよ

>>524
二口女の挙動がかわいいなあw
毎回楽しませてもらってるよ、ありがとう

527名無しさん:2012/08/10(金) 14:40:25 ID:DR57AXfI0
続いた

 ある日の夜、義父の古い友でもある仲の良い老人が突然訪ねてきた。
彼女は前もって知らせてくれていればそれなりのもてなしを用意していたのに、と老人との久々の再会を喜んだ。
しかし、老人はどうも険しい顔つきをしている。
そして不意に、彼女が義父から譲り受けた指輪のことを尋ねた。
彼女は少し不思議に思いながらも、大切に保管していた指輪を箱から取出し老人に渡した。
すると、老人はあろうことかその指輪を保管していた封筒ごと指輪を炉の中に放り込んだではないか!
突然の出来事に驚いた彼女は
「なにをするんです!?」
と少し声を荒げて老人を問い詰めたが、老人は炉の中をじっと見つめるばかり。
そして、老人が不意に炉の中にしばらく放置しておいた指輪を取り出し、「熱くはない」といい彼女の手のひらに置いた。
「何か見えるか?」
と老人は聞いたが、
「いえ、何も・・・」
と彼女は答える。
老人は「取り越し苦労だったか」と内心ほっとしたが、彼女が放った一言でその考えは消えうせた。
「何か文字が見えます・・・エルフ文字みたい」
老人は彼女に文字の内容と事の次第、暗黒の王の復活の話などを彼女にすべて打ち明けた。
恐ろしくなった彼女は指輪を老人に託そうとしたが、彼は断固として拒否した。
厳密にいうと、彼はその指輪をのどから手が出るほどに欲していた。
しかし彼の理性がそれを受け取ることを拒んだのである。
老人は彼女に指輪を安全な場所、エルフ族きっての実力者の住まいである谷へと持っていくよう指示した。追手がいつ来るかわからない今、今夜にでも出発するようにと。
その時であった、庭のほうで「ガサッ」と音が聞こえた。二人の背筋に真冬の山々よりも冷たい風が走る。
老人は杖を構え、ゆっくりと窓の方へ近づいていき、狙いを定めて茂みの中を小突いた。
「イテッ!」
老人が声の主をむんずと引き上げた。
「だれかと思えば庭師のサン!盗み聞きしていたのか!」
「ご、誤解です!盗み聞きしてたなんて・・・庭の草を刈ってただけで、ほんのちょっと、暗黒の王が世界の終りとか、それだけですよ・・・」
茂みに隠れていたのは屋敷の召使い、サンであった。
こんな夜中に草を刈っていたというのはもちろん嘘で、こういう話に目がない彼は茂みの中でずっと聞き耳を立てていたのだ。
「お願いです。俺を何か変な生き物に変えちまったりしないでください・・・」
そう、この老人は少しばかり名の知れた魔法使いなのである。
とはいえ、全く知らない者もいるにはいるが、それ以外の者には高名な大賢者として崇められている。
しかし、この村では魔法使いといえば厄介ごとを運んでくるものだと思われており、村人の幾人かにも彼を毛嫌いする者がいた。
そうでなくても何をしでかすかわからない未知の存在として恐れられている傾向もあった。
彼の発言は、まさにそういった考えが凝縮されて口に出たものであった。
「嫌か?それならばおぬしの主人の共をすることじゃな」

528名無しさん:2012/08/10(金) 15:10:22 ID:DR57AXfI0
こうして一行は旅に出た。しかし、すぐに老人とは別れた。
なんでも魔法使いの先輩にこの事態についての助言を乞いに行くのだという。
道中、なんやかんやで彼女の従兄弟であるメルーとペペンが仲間に加わり、追手の追跡を逃れながら旅を続けていた。

いま彼女たちは丘の麓に建っている、とあるおじいさんの家にいる。事の次第はこうである。
彼女たちはある森の中を横切ろうとしたが、暴れる木や幽霊による妨害を受けていた。
「だからこっちの道は嫌だといったのに!」
木の枝に抓まれブンブン振り回されているサンが、道筋の提案者である彼女のいとこたちに怒鳴る。
「近道なんだから別にいいだろ!」
いとこも負けじと怒鳴り返す。残りの三人は今にも木の幹の中に取り込まれそうだ。
このままでは弄ばれて死んでしまう。
だれもがそう思ったその時、彼女の体が突然膨らみだした。
「え?な、なに??」
「おい!お前、なんかでっかくなってないか!?」
彼女の体は、指輪もはめていないのに急にぶくぶくと太りだした。
「い、嫌ぁ!」
こういいたかったのはむしろ木の方であろう。彼女の体は瞬く間に膨らみ、閉まりかけていた木の幹に隙間を作った。
そこから従兄弟たちは逃げ出したが、彼女の方は相変わらず、先ほどよりも狭くなった幹の中に取り残されている。
膨らむのは止まったものの、幹に空いた穴に蓋をするような形ではまってしまった彼女はとても苦しそうにしている。
思わぬ大物に、木の方も幹がビシビシと嫌な音を立てていて、今にも破裂しそうだ。
むしろ彼女よりも木の方が苦しいかもしれない。
「だ、だすけてぇ・・・ふぅー、ぐっふぅ・・・」
圧迫されている体に何とか隙間を作ろうと身をよじるが、ぴっちりとはまってしまった彼女の体はどうにも動く気配がない。
突然のことに動揺した一同があたふたしていると、突然、どこからともなく軽快な歌が聞こえてきた。

529名無しさん:2012/08/10(金) 15:31:10 ID:DR57AXfI0
するとどうだろう、木は突然おとなしくなり、真ん丸に張りつめていた彼女の体が萎んでいくではないか。
元の体に戻った彼女を、木が「ぺっ」と勢いよく吐き出した。
歌の主はこのあたりに昔から住んでいるおじいさんであった。
彼の歌には強い魔法が込められており、どんな呪いも緩和してくれるのだという。
一行は彼に手厚く保護されて、しばらく休息を取った後、一行はお礼を言い再び旅に出た。
おじいさんは一行の姿が見えなくなっても見送りの歌を歌い続けた。
その歌のおかげで再び幽霊焼きに襲われることもなく、難なく森を抜けることができた。

一体この間のあれはなんだったんだろう?
一行が森での一件を話し合っていた。
なぜ彼女が突然太りだしたのか。話題はそれでもちきりになった。
能力の話はサンが老人から聞いており、その又聞きで従兄弟たちにも周知のこととなっていた。
その疑問の答えはすぐにわかることになった。

おじいさんの見送りの歌が聞こえなくなり、しばらく歩を進めていると、再び何の前触れもなく彼女が太りだしたのである。
最初は何事かと思った一同であったが、数分もしないうちに元に戻った。
その後も、時間や程度に開きはあれど、発作的に肥満化が起こったのである。

長い年月を指輪の近くで過ごした彼女の体は徐々に蝕まれ、指輪をはめていなくても太る体になってしまっていたのだ。
それがピークに達したのがつい先日の事件の日だったというわけである。

その後も、少しぽっちゃりから歩行が困難になるレベルまで、太っては戻り、太っては戻りと、不規則で幅広い変化が見られた。

530名無しさん:2012/08/10(金) 15:49:10 ID:DR57AXfI0
全く変化が見られなければ、数日そのまま、ということも多々あった。
その変化のたびに彼女は「わぁ!?」だとか「うごぉ!」だとか「うっぷぅ・・・」「ぶふぅ!」「ぐっ・・・」などと喘いでいた。
最初は好奇の目で見られていたが、いつしかそれが当たり前のようになっていき、ただ黙々と歩んでいた。
しかし、彼女の方は、とてもじゃないが無心で歩いてなどいられなかった。
不定期に太ったり戻ったりする体での旅に悪戦苦闘しいる様子だ。
良いときはふっくらする程度だが、悪ければ自分のデーンと突き出たお腹で前が見えないのだ。
それに加えて全身の肉が、歩くたびにゆさゆさぷるぷる揺れるため、何度かズシンと重いしりもちをついた。
一人で起き上がれないときもあった。
その時は引き上げてもらうか、それが無理な時は休憩をはさんだ。
そしてなりよりも嫌だったのが屈辱的だということである。
元来、だれもが羨む才色兼備であった彼女は、他人に醜態をさらしているというのが許せなかった。
それに、年ごろの女の子が自分がでっぷりと太るのを快く思うわけがない。
たびたび訪れるズッシリとした重みと羞恥心により、彼女は旅の終始、涙目の顔を真っ赤に染めていた。

続け

531名無しさん:2012/08/10(金) 16:31:54 ID:Rne.wuH.0
乙!
周囲の人間はしかたないよねってくらいに思ってるけど本人にとってはものすごく屈辱的なんだろうな、これ
そういう認識のギャップみたいなのが面白いぜ

532名無しさん:2012/08/10(金) 16:56:53 ID:DR57AXfI0
名前を付けないとしんどいので、主人公をフロート、老人をガンドロフと記すようにします




一行はやっとの思いでエルフの谷に到着した。ここでは呪いが弱まるのか、谷に近づくにつれて変化の頻度は減っていった。
谷にはフロートらの他にも、各地から様々な種族が集まってきていた。
彼女らよりも先についていたガンドロフによると、例の指輪の処遇について、会議が行われるのだという。

会議は間もなく始まった。フルートらもそれに参加した。
彼女は指輪を会議場の中心にある台座に置いた。
しばらく議論したのち、指輪を捨てに行くのが一番だという提案が出た。
その方法について彼らはああでもない、こうでもないと話し合いを続けた。
それが白熱し、ついには大声で罵倒しあったり、取っ組み合いが始まった。
みな指輪の持つ魔力にひかれて、指輪を欲し、争いが起きたのである。

その事態を見かねたフロートが、名乗りを上げた。
「私が行きます」
しかし彼らの耳には届かなかった。
今度はもう少し大きな声で
「私が行きます!」
と言い放った。
それと同時に、今までベルトできつく締め上げていたかのように彼女の体が「ボンッ!」と膨らんだ。
服こそ破けなかったものの、その勢いやすさまじく、きつく締めていたベルトが「バチーン!」と音を立ててはじけ飛んだ。
何事かと思い一同が目を向けると、一瞬、小さめのトロールかと思うほどにまん丸く柔らかそうに太った女の子が、目をしどろもどろさせながらワナワナと震えていた。
今の今まで罵り合っていた者全員がポカーンとした表情で彼女の方を見つめていた。
「・・・わたしがぁ・・・捨てに、行きます・・・」
突然の出来事に、油断していた少女はすっかり意気消沈し、限界まで赤らめた顔に涙を蓄え、フルフルと身悶えしながらそういった。
一同はイジメでもしてしまったかのような罪悪感を覚えながら、あいかわらず唖然とした顔のままそれぞれの椅子に戻った。
その発言に呼応するように、口論に参加していなかった男が彼女の旅に参加する意を示した。
その後も数人の有志が、彼女の旅に同行し守り抜くことを誓った。
もちろん好奇心旺盛な彼女の召使いや従兄弟たちも含めて。
谷の主であるエルフの長が、事態を呑み込めないままではあるが会場の皆に宣言した。
「よ、よろしい・・・、指輪で結ばれた旅の仲間の結成だ!」

こうして、人間6人(厳密にいうとフロートたちとは違う人種が2人)にエルフ、ドワーフ、ガンドロフの9人からなる旅の仲間が結成された。

これから先、どんな運命が彼らを待ち構えているのだろうか。



さすがに時間がやばい

533名無しさん:2012/08/10(金) 19:01:47 ID:DR57AXfI0
なんとかなる(ポジティブ)





 谷を意気揚々と出発した一行だが、途中までは良かったものの、山の中でフロートがはぐれてしまった。
しかし誰もそのことに気付いてはいない。
なぜなら彼女がはぐれたのはみんなが寝静まっていた時で、夜明けには帰ってきたからである。
どういうことかというと・・・


フロートは彼女を除いた全員が寝静まってもまだ起きていた。
「これから一体どうなるのだろう」そんな不安ばかりが彼女の頭を渦巻いていた。
しかし、考えていても夜は更けていくばかり。うつらうつらと、徐徐に眠りにさいなまれていった。

彼女は床にドサッと投げ出されるような衝撃で目を覚ました。
目を覚ましてみると、そこは薄暗い洞窟のようで、松明やらが壁に立てかけられており、広場のように開けたところには山積みになった得体のしれないものがゴウゴウと勢いよく燃え盛っていた。
どうやら彼女は眠っている間に山の洞窟に住む子鬼共、ゴブリンに連れ去られていたようである。
奴らはフロートをどう料理するかでもめていた。
そのうち、煮る派と焼く派に分かれて激しい言い争いを始めた。
 彼女をなめていたのか縛られてはおらず、フロートは隙を見て逃げ出した。
あまり深くまでは連れて行かれなかったようで、すぐに出口を見つけることができた。
もううっすらと明るくなってきている。夜明けが近いようだ。
フロートは勢いよく出口から飛び出した。
ちょうどその瞬間、タイミングの悪いことにまたしても彼女の体がぶくぶくと膨れ上がっていった。
「ンブッ!!?う、うそでしょ〜・・・?」
彼女の体はただでさえ狭い洞窟の入り口にすっぽりとはまってしまった。
その様子はさながらどこぞのクマのようである。
彼女は必死にお腹を引っ込めて手を突っ張ったがびくともしない。
入口の近くに見張りがいたが居眠りをこいていたようで、肉に押されるがまま洞窟の中を勢いよく転がり落ちて行った。
それが丁度彼女の逃亡に気付いて追って来た後続のゴブリンたちにぶつかり、ボウリングのピンのように総倒れになった。
しかしそれだけでは進行を止めるはずもなく、とうとう彼女のお知りに追いついたやつらは入口の様子を見て驚愕した。
先の大戦によるゴブリンの激減と風化により徐々にその勢いは衰え、かつては難攻不落を誇った大迷宮だったが、今では彼女のはまっている穴が唯一の出入り口だったのだ。
 焦ったゴブリンどもはなんとか彼女を穴から引っ張りだそうとした。
しかし何をやってもびくともせず、刃を突き立ててはみたものの、ブヨンと沈み込むばかりで一向に手ごたえがない。
当のフロートはというと
「あっはははは!やめ、やめてー!くすぐったい、ふぅ!ふぅ!うぁははは!!」
と、痛いどころがむしろくすぐったい様子で大笑いしている。
「ガンドロフ〜!みんな〜!」
ぴっちりとはまっているため、呼吸がうまくできず息が苦しそうだ。
そんな状態でも力を振り絞って、震える声で必死に仲間を呼んでみるが、声が届くような範囲に彼らはいなかった。
そんな行為は夜が明けるギリギリまで続けられた。
次第にゴブリンたちのくすぐり攻撃(もちろん本人たちはそんなことは思っていないが)が弱まってきた。
数が減ったとはいえ腐ってもゴブリン、大戦後の平和に乗じ、瞬く間に数を増やしたが、どうやらそれが仇となったようだ。
酸素がなくなってきたのである。
さんざん弄ばれた挙句、いくら呼んでも仲間たちの反応がないという事態に心を痛めながらふと我に返ると、さっきまでの猛攻が嘘のように静まり返っていた。
すると彼女の体がシュルンと縮み、元の大きさに戻った。
何事かと思い恐る恐る後ろを振り返ると、そこには無数のゴブリンどもがピクピクと痙攣したり、泡を吹いて倒れていた。
どうやら大惨事は免れたようだ。
笑い疲れたフロートはホッと元に戻った胸をなでおろした。
見渡してみるとすぐに元いたキャンプ地が見つかった。
「それにしてもタイミングが良すぎる」彼女は帰る道すがらこんなことを考えていた。
この指輪は自分のことを弄んで楽しんでいるのではないか、とさえ感じていた。

534名無しさん:2012/08/10(金) 20:12:44 ID:DR57AXfI0
ちょっと無理やり設定、SSだし許してや・・・

忘れてたので追記:フロートは指輪を捨てたら呪いが解けるといわれて、しぶしぶ旅をしています。本当は指輪から離れたら呪いが解けると思っていたようですが、それは間違いだと会議の後で知らされました。あの時立候補したのは完全に使命感と善意によるものです。今はそれに義務が加わり、少しがっかりしています。かわいそう




あの夜の出来事はだれにも語らなかった。
語って愉快なことでもないし、もしそうしてもゴブリン・サフォケイター(子鬼を窒息させる者)みたいな妙なあだ名をつけられてしまうだけだろうと彼女は思った。
 彼女が洞窟の中にいたせいで魔力を感知できなかったのか、南に住む裏切り者の魔法使いの妨害はなかった。
一行は難なく山を下ることができた。
 ・・・というのは一部間違いで正確にいうと、山を下る際に亀裂から低い叫び声のような音とともに大きな炎が上がり、一行に襲いかかった。
それをガンドロフが何とか防いだが、食い止めるのが精いっぱいだった。
一行を先に行かせ、それを見届けると同時に亀裂が穴を広げて彼を山に引きずりこんでいった。
一行は訳が分からないといった顔をしていたが、ともかく、ガンドロフ以外の8人は五体満足で山を下ることができた、といった具合である。


 旅に疲れ、ガンドロフを失った悲しみに暮れていた一行は、山の麓近くの森の中にあるエルフの国で休んでいた。
エルフ族の中でも特に警戒心の強い彼らに最初は殺されかけたが、交渉の末何とか滞在を許可してもらったのだ。
 その夜、フロートが不意に目を覚ますと、エルフの王の奥方がどこかへ行こうとしていた。
好奇心の強いフロートは気になってその後をついて行った。
奥方は彼女に気付き、時を映し出す魔法の瓶(カメ)を見せてくれた。
 そこに映ったのは荒れ果てた大地や、殺戮、奴隷にされた人たち、鉄粉と噴煙が巻き散る、見るも無残なわが故郷の変わり果てた姿であった。
その瓶の中にはフロートもいた。
赤く燃え盛る山の麓にそびえたつ真っ黒な塔、その中に彼女はいた。
彼女の傍らには見るのも危ぶまれるような雰囲気を放つ、恐ろしげな鎧を着た者がいた。
何をしているのかとみてみれば、彼女のことを弄んでいるとも世話をしているとも見て取れる。
なにやら大事な、それもとびきり愛らしいものを手入れするかのようにフルートを扱っていた。
どうやら指輪の魔力が彼女と完全に同化してしまったようで、彼女が指輪そのもののような存在になってしまったようだ。
しかし、力を完全に制御できているわけではなさそうで、大きくなったっきり元に戻ろうとする気配は見られない。
また、完全に自我を失っているわけでもなさそうだ。
なぜなら、虚ろな目をして頬を染めながらも、真黒な者に対して抗議している様子が見られるからだ。
抗議といっても、眠たいときに飼い犬が起こそうとしてきて、それを諭すような程度の微々たる抵抗ではあったが、とにかく自分を見失ってはいないようだった。
また、それが同時に最大の不幸でもあった。
いっそ自我など消えてしまっていた方がよかったのかもしれない。
 見る者を魅了するかのように、きれいにま〜るく肥えきった彼女の体を、丁寧に丁寧にかの者が磨いていく。
その一連の行動にフロートは身をよじさせながら、顔を紅潮させ涙を流し、切なさに満ち溢れた声を上げていた。

「あなたが指輪を捨てなければ、いずれはこれが現実となるのです」
私が使命を果たさなければ、この拷問のような辱めが毎日延々と続いていくのだ、と聞かされたフロートは絶望した。
しかし、それと同時にこの瓶の中の出来事が、ガンドロフの死により旅をあきらめかけていた彼女を奮い立たせた。
そして奥方も「これは旅を諦めればの話、まだ希望は残されている」と励ましの言葉をくれた。
フロートは心を新たに、旅を続ける決意をしたのだった。

535名無しさん:2012/08/10(金) 21:40:07 ID:DR57AXfI0
 森で十分な休息と援助を受けた一行は、彼らから譲り受けた小舟で川を下っていた。
その後、岸辺に船を上げた一行はなんやかんやあってピンチに陥っていた。

裏切り者の魔法使い、スルメンの手下の化け物どもがすぐそこまで彼女らに迫っていたのである。
「剣が!」
谷で義父から譲り受けた魔剣を見てフロートが叫ぶ。
彼女と話をしていた男、アルゴンは指輪が握られている彼女の手を取った。
「最後までついてゆきたかった・・・先に誤っておく、すまない!」
そういうと彼は唐突に彼女の指に指輪をはめた。
彼女の体は例のごとく「ボムン」と膨らんだ。
「や、な、何をするんですか!?」
フロートはあまりにも突然の出来事に、苦しいやら恥ずかしいやらでパニックを起こしてしまった。
エルフからもらった服は伸縮性に富んでおり破けることはなかったが、それにより余計に彼女のだらしない体のラインを強調する羽目になってしまった。
しかしアルゴンはそれをお構いなしに「行け!急げ!」といい、彼女のやわらかくなった体をグッと押し、丘から転げ落とした。
運よくほぼ球体型に変化した彼女の体は勢いよく転がっていった。
「きゃああああ!!いやああああぁぁぁ・・・!」
ものすごい悲鳴も丘からだんだん遠のいていく。
「「「…イケェ!…コロセェ!…捕えろォ!!…」」」
遠くで仲間たちが戦っている音が聞こえる。・・・この音はなんだろう、角笛だろうか?
なおもゴロゴロと転がっていく彼女であったが、所詮は脂肪。
全体重がのしかかっている、地面と接触している部分は常に平らに「近い」状態だった。
「近い」というのも、いかんせんここは今日のように整備された道路でもなければボウリング場でもない。
道もなくガタガタで岩だらけ、おまけにそこら中に木が生い茂っている。
今まで衝突していないのが奇跡だった。
そう思ったのもつかの間、ちょっとした段差のために鈍重なボウリングボールがふわっと浮かび上がった。
着地したのは、運悪くもモリッと突き出た大き目な岩の上だった。
彼女のお腹がその岩を包むように「ぐにゅうっ」と潰れた。
「うごぉ!・・・ぶ、ぶふぉぁ・・・うぅ」
一瞬目が飛び出てしまうような感覚に襲われ、転がり続けながらもこのようなうめき声をあげていた。
豊満についた柔らかな脂肪のおかげで痛くはなかったようだが、あれだけ突き出たお腹が凹むほどの衝撃だったのだ。
お腹が圧迫されないわけがない。
目を涙でうるうるさせながらも、なんとか岸辺にたどり着いた。
指輪をはずして元の姿に戻った彼女は急いでボートを川に浮かべ、漕ぎだした。

536名無しさん:2012/08/10(金) 21:44:15 ID:DR57AXfI0
川の中ほどまで漕いだころ、誰かの声が聞こえてきた。
「待って!おれも行く!」
フロートの仲間の一人、サンであった。
「来ない方がいい!ここからは私一人で行く!」
ボートも残ってないのに彼女の必死の牽制にも関わらず、サンはなおも川をこいでくる。
「あなた泳げないでしょう!?」
ボートに近づくにつれて水の底を歩いていたサンの足取りが鈍っていく。
二度、三度と沈みかけ、ついには浮かび上がらなくなった。
「サン!!」
フロートはサンの姿が見えなくなったところまでボートを戻し、自分も川に潜った。
サンはすぐに見つかったが、衣服に荷物を背負った彼の体は容赦なく沈んでいく。
引っ張り上げようにしてもどうにもならない。
 彼女の頭に一つの考えが芽生えた。誠に遺憾ではあるが、今はこれしか助かる方法がない。
彼女は指輪をはめ、すぐに彼の手を握った。
「ざっぱーん」としぶきをあげて、ギリギリ人と認識できるほど異様に膨らんだフロートと、その丘の上に乗るような形で息を吹き返したサンの二人が水面に浮かんでいた。
「ガンドロフから言われたんです。どんなことがあってもあなたから離れるなと」
言われたからというのは、それもあるがただの言い訳で、彼は最初から主であるフロートに尽くすことを誓っていた。
「あなたからは離れません、どんなことがあっても」
「ありがとう・・・サン」
彼女もサンの言葉に心を打たれたようだったが、彼女が今顔を真っ赤にしている理由は他にもあった。
「あのぉ・・・一緒に行くから、とりあえずそこで動くのはやめてくれませんか///」
どうもこの体を他人に触れられるのが恥ずかしいのか、水面から上昇してからというものパンパンに張りつめた顔でずっとうつむいている。
「す、すいませんフロートさま!今降ります!」
彼は近くに寄せてあった小舟の上に勢いをつけてジャンプし、見事着地した。
その勢いをつけたジャンプのおかげで彼女の体がことさら「ブニュッ」と凹んだ。
凹む瞬間彼女の口から
「おぉ?!」
という少し甘い声が漏れた。
そして彼の足がそこから離れると同時に、彼女の体が腹部あたりを中心にボヨンボヨンとゴムまりのように波を打って揺れた。
その振動は水面にまで及んび、彼女の周りに小さな波が生まれた。
彼女は目をぎゅっとつぶり、揺れが少しでも早く収まるように体を強張らせ
「んんー・・・」
という恥ずかしさと快感に耐えるような喘ぎをのどの奥で鳴らしていた。
 揺れが収まった彼女は不必要なまでに膨らんだお腹と胸がつかえて指輪に手がとどかなかったため、サンに指輪をはずしてもらった。
元のサイズに戻り船に乗ったフロートであったが、どこか気まずそうだったことはいうまでもない。


そんなこんなでばらばらになってしまった旅の一行。この先一体どうなってしまうのか。


〜第一部?完〜





もう終わろうかな・・・書いてもいいのよ?(憔悴)

537名無しさん:2012/08/10(金) 23:00:59 ID:Ge0LpmHs0
乙!
ロード・オブ・ザ・リングを彷彿とさせる世界観ですね

呪い系でヒロインがぶくぶくに太るのはドストライクなので
このまま続いてほしい…

538名無しさん:2012/08/11(土) 05:39:00 ID:BoPRDxUI0
>>537
ありがとうございます!

しかし今はちょっとリアルが推しているのでかくとしても相当後になると思います
SSって時間かかるんですね・・・w

おこがましいと思いますが、もしも書きたい人がいればご自由に引き継いでくださっても構いません
ちゃんと紹介してなかったので一応設定を参考までに表記しておきます



フロート:26歳(私たちでいう18〜19歳位。最初の場面は16歳で、ガンドロフが再び村を訪ねてくる間に10年経過している)。才色兼備な西の村一番の地主。冒険好き。明るく活発でかしこく、言動は丁寧。誰に対してもやさしく接する純粋な心の持ち主。
まとめると、お行儀のよいアリーナ姫のようなタイプ。
魔力のこもった指輪のせいで、常に太ったり痩せたりを繰り返す特異体質になってしまった(ポチャから肉塊とその時によって様々。それが一瞬で戻ることもあれば数日続くことも)。
今まで完璧な人生を歩んできた彼女にとって、この事態は非常に認めがたいようだ。常時、己の中のプライドと戦っているため、心がくじけかけて赤面したり、涙目になりやすい。芯は強い子。


今まで出した個人名:サン・メルー・ペペン・ガンドロフ・アルゴン・スルメン(似せてあるので大体わかるでしょうか?)


ハッピーエンドになればいいな

以下ご自由にご解釈ください!お許しください!

539名無しさん:2012/08/11(土) 12:37:20 ID:PMpVuOQM0
前回の触手ネタを新しくして、差分もつけました!
昨日pixivに上げたものですいません。

ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1438_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1439_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1440_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1441_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1442_1.jpg

やっぱり肥満化ネタは差分があってこそですね!
スレ汚し失礼しました。

540名無しさん:2012/08/11(土) 18:36:43 ID:BoPRDxUI0
汚すどころか浄化されそうなんですが


お疲れ様です!いやぁこれはいいものだ

541名無しさん:2012/08/11(土) 19:02:58 ID:PMpVuOQM0
>>540さんありがとうございます!あと前の絵、雑談スレ、あぶらみ
にもコメント下さった方、ありがとうございます!励みになります。
調子に乗ってもう一つ貼らせていただきます。といってもまた渋に上げ
たものですが。
以前どこかで上げたものをココで貼るのは問題ない・・・ですよね?

ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1443_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1444_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1445_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1446_1.jpg
ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1447_1.jpg

本当は後一枚続きがあるのですが、直接肥満化とは関係ないので
ここでは省かせていただきました。
それでは、大量投下失礼いたしました。

542名無しさん:2012/08/11(土) 20:28:33 ID:BoPRDxUI0
乙です!


ご自分で書いたものなら何の問題もないでしょうね

543名無しさん:2012/08/11(土) 21:38:34 ID:vz.LqAuI0
大量投下乙!
差分があってこそというのは本当にそのとおりだと思う。
徐々に太っていくのが実によくわかってすばらしい。

544名無しさん:2012/08/11(土) 22:12:24 ID:SpAnZZk.C
乙です
正に強制肥満って感じですね

545487:2012/08/21(火) 08:48:09 ID:TaJ/XHQQ0
だいぶ遅くなったけど第2話書き上がったよー
ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/371924.txt
パスはメ欄
肥満化描写は最後の方にしかないから興味ない人はそこまで読み飛ばしちゃって
こんくらいの小ネタなら仕込んでも大丈夫だよね…?

546名無しさん:2012/08/21(火) 20:54:08 ID:dVmJcUIE0
素晴らしいSSありがとうございます
大きくなってよかったなちーちゃんw

547名無しさん:2012/08/21(火) 21:25:06 ID:QWRXJTns0
乙!
10kg増なのにまだ序の口と感じる、不思議!
これからすごく楽しみ

548名無しさん:2012/08/21(火) 22:35:48 ID:lJKwSLHIO
>>545
ネタについニヤリとした
ちっとそっち方面でSS書こうとはしてるんだがなー…

549名無しさん:2012/08/25(土) 16:17:14 ID:4mfpg33E0
誰も何も言ってないのに、突然勝手にキレて開き直る人はきっと普段からその事ばっかり気にしてる。
…というシチュエーションなんだろう。多分。

ttp://bbs1l.net4u.org/sr3_bbss/25694aburami/1449_1.png

加減しつつ程よく肉付けするにはどうすれば良いんでしょうね

550名無しさん:2012/08/25(土) 17:37:28 ID:qSt.SRf20
ぽっちゃりホミカかわいいですな! デブデブもいいけど、程よい肉付きもなかなか萌えますw

551名無しさん:2012/08/25(土) 21:01:13 ID:ezO0pH3UC
乙ですw
自分はこのくらいの太さが一番好きだなぁ

552名無しさん:2012/08/25(土) 23:53:38 ID:PJaCwS9A0
太ったことへの羞恥よりも貧乳への屈辱の方が大きそうだw
でもそれがまたかわいい、乙です!

553名無しさん:2012/08/26(日) 00:29:21 ID:sqQg5WFw0
特性は「あついしぼう」ですかねw
絵描けない人間から見ると、肉は特盛りの方が難しそうな感じがするけど
程よい盛り方のほうが難しいのか

554名無しさん:2012/08/26(日) 20:29:59 ID:FEnmkxlU0
肥満化とは別に膨乳パターンもいいかもしれませんね(・∀・)

555名無しさん:2012/08/27(月) 11:53:37 ID:4no1BvV20
膨乳だけはスレチだろうがよ

556名無しさん:2012/08/27(月) 12:17:16 ID:aNbnd/Yk0
なにげにリクしてんじゃねぇよクソが

557名無しさん:2012/08/27(月) 12:45:26 ID:gk6MQE5.0
最近変な奴多すぎんだろ

558名無しさん:2012/08/27(月) 13:35:39 ID:z1r.ivTE0
前からこんなもんだろ
スルースキル低い奴が増えただけ

559名無しさん:2012/08/27(月) 13:52:17 ID:G.L9/YeY0
18禁スレなのにガキみたいな奴が多いよね

560名無しさん:2012/08/27(月) 14:47:31 ID:NqWwaYVk0
                     /j
                   /__/ ‘,
                  //  ヽ  ', 、
                    //    ‘  ! ヽ             …わかった でもスレ違いだからやめよう
                /イ       ', l  ’
               iヘヘ,       l |  ’
               | nヘヘ _      | |   l            ハイ!! やめやめ
               | l_| | | ゝ ̄`ヽ | |〈 ̄ノ
               ゝソノノ   `ー‐' l ! ¨/
            n/7./7 ∧        j/ /     iヽiヽn
              |! |///7/:::ゝ   r===オ        | ! | |/~7
             i~| | | ,' '/:::::::::::ゝ、 l_こ./ヾ..     nl l .||/
             | | | | l {':j`i::::::::::::::::`ーr '         ||ー---{
              | '" ̄ ̄iノ .l::::::::::::::::::::::∧       | ゝ    ',
      , 一 r‐‐l   γ /、::::::::::::::::::::::::〉ー= ___  ヘ  ヽ   }
    / o  |!:::::}     / o` ー 、::::::::::::i o ,':::::::{`ヽ ヘ     ノ
   / o    ノ:::::∧   /ヽ  o  ヽ::::::::| o i::::::::ヽ、 /   /
   /    ノ::::::/    /::::::::ヽ  o  ヽ:::| o {::::::::::::::Υ   /

561名無しさん:2012/08/27(月) 16:19:15 ID:Yhy5B92Q0
某ジャンルで荒れて以来ずっとこんな感じだね
あのジャンル自体は好きだし職人さんも凄腕ばかりだったけど
たった一人のキチのせいでずっと荒れネタにされるんやな…
そういえばあの荒らしちょっと前に「まだ常駐して少しでも話題に出そうものなら容赦なく荒らす」みたいな宣言してたけどマジでいるのかな

562名無しさん:2012/08/27(月) 17:52:21 ID:4no1BvV20
申し訳ない

563名無しさん:2012/08/27(月) 17:55:20 ID:PQ4xjjUY0
お前か

564名無しさん:2012/08/27(月) 23:11:18 ID:iJPEEiqs0
だらしねぇ・・・

565名無しさん:2012/08/28(火) 00:34:02 ID:NbyH5cGkO
>>561
あの事とそれは関係ないと思うぞ

ここは人が増えることはあっても減ることはなかなかないからな
他に日本語の有力なコミュニティはないし人の性癖は一朝一夕じゃ変わらんし自然に人が集まってくる
んで人が増えていくにつれ変なやつやガキみたいなのが現れるのは当然というか仕方ない気がするぜ

おっとスレ違いだったな続きやりたけりゃ雑談スレで

566名無しさん:2012/08/28(火) 13:07:17 ID:1iL9GFzIO
どうでも良いが...最近、投下スレと雑誌スレが逆転してきてないか?

567名無しさん:2012/08/28(火) 15:34:25 ID:1iL9GFzIO
間違えた!
×雑誌
○雑談

568945 ◆t3E9hfR0Bc:2012/08/29(水) 00:20:47 ID:MkBiLJAg0
ttp://www4.puny.jp/uploader2/download/1346167061.rar
パス:himanka

29の日ですのでいつも通り駄文を。
今回はおまけとして今まで出てきたネタや裏話についてまとめた物が付いてます。
まとめサイト様、おまけの方はまとめてくださらなくて結構ですので、宜しくお願いいたします。

569871:2012/08/29(水) 00:58:38 ID:E/d2PimQ0
イラスト載せて頂きありがとうございます。
投稿済のイラストで申し訳ないですがせっかくの29日なのでこちらにも。
ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=29724609
もう見たよ!という方はごめんなさい。

570名無しさん:2012/08/29(水) 10:28:12 ID:KZvb3Q82O
>>485を覚えているか?そんなん流しちゃったって...まあいいや

俺は旭野砂妃(あさひのさき)ってんだ。昔はそれなりに有名な悪だったんだぜ...(ハアァ)

だけど、あまりの堕落っぷりに天界から目をつけられて堕落を矯正する脱堕天使レイとか名乗るやつと戦う羽目になっちまったんだ。どうせ平和ボケした弱っちいだろうと油断してたら強いのなんのってボコボコに痛めつけられた挙げ句に戦えないぷよぷよの体にされてペットとして飼われっちまったのさ。
じゃあ、話は終わったんじゃないかって?それが終わってないんだなこりが、最近では堕落したやつが以前よりも増えたんで脱堕天使見習いの力を与えてやるから手伝えってさ。んで、こうして久しぶりに下界に下り立った訳だよ...(ハアァ)
「なんか...こうして改めて見るとつまんねぇ所だな」
昔はここでブイブイ言わせていた栄光?の日々を思い出すと泣けるぜ!とりあえずそんな事を頭の隅に追いやり手渡されたターゲットの写真を見ているとどこかで見た気がする...絶対とは言い切れねえがな!
「大河内輝美(おおこうちてるみ)かぁ、どこが堕落してんだ?」
艶やかなセミロングの髪に清楚で気品溢れる、如何にもなお嬢様って感じだ。理由がなんであれ堕落しているなら矯正しないといけねぇが...

571名無しさん:2012/08/29(水) 10:51:42 ID:KZvb3Q82O
「まぁ、仕事みたいなもんだしな!ちゃちゃと潰すぜ!」
早速、大河内の家に行ってみりゃ誰もが羨む大豪邸だ!とは言え、これからそいつがどうなるのかは見物だがな。チャイムを鳴らして出てきたのは、これらまた大豪邸にふさわしい...気品溢れる育ちの良さそうなメイドだった。
「どなた様でしょうか?」
「大河内さんの学友です。今日、大河内さんに招待されまして...」
「そういうことでしたら、どうぞこちらに」
脱堕天使の力で変装した俺は元の「美しくて超絶的にスタイル抜群!!」の体型に加えて清楚で儚げな感じのどこからどう見ても育ちの良いお嬢様って感じだ。まあ、今じゃぁ...本当に育ちの良い体になっちまったけどな ...とは言え力に関しては半信半疑だったのだが、こうして警戒されずに家に案内されてるんだ。信じるしかねぇな
そんなことを思っていると、いつの間にやら大河内輝美の部屋に着いたようだ。
「輝美様、学友の方がお目見えになっています」
「ん〜、入るように言ってください」
「との事ですので、どうぞ」
そんなんで良いのかとツッコミたくなりながらも中にさっさと入れば、写真で見たのとは違いアッバウトな雰囲気を醸し出していやがる。しかも、俺が誰だか知らない筈なのに何故かひとりで納得したように頷いて気味が悪いぜ
「輝美...さん?」
「次の相手は貴女なのかと思いまして、それとも...まあいいですわ」
にこやかに笑みを浮かべて微笑みかけるが、目だけが獲物でもみるように俺を品定めしてやがる。なるほどな、そっちの趣味があるってわけか
ただ、そっちの趣味があるってだけじゃターゲットには選ばれない筈、なにか裏があるな。だけど、正直調べるのはめんどくせぇ!!どうするかな?

1ちゃちゃと潰す
2暫く様子を見て潰す

572名無しさん:2012/08/29(水) 11:08:28 ID:KZvb3Q82O
誤字、脱字は後で修正します

573名無しさん:2012/08/29(水) 19:36:43 ID:sEL6Jxm60
rarファイルで開けません

574名無しさん:2012/08/29(水) 23:21:55 ID:fjvq4.2.0
>>568
いつも乙!月一投稿がなくなるのはさびしいけど、今までどうもありがとう。
半年以上も続けてくれて、毎月29の日が楽しみだったよ。
つかWairuDo的世界には自分もちょこちょこ書き込んだりしてたんで、
もしかしたらその頃からニアミスしてたかもしれんですなあ…

>>572
1

575名無しさん:2012/08/30(木) 07:27:48 ID:DH2edjno0
>>568
乙でした
投下が少ない時期も、毎月定期的に投下してくれるあなたのおかげで決して盛り下がることはなかったと思います
また気が向いたらたまにでもいいので投下してくれると嬉しいです

576名無しさん:2012/09/01(土) 01:35:29 ID:DstJNYxw0
>>573
アーカイバーが古いんじゃないかな
Windowsなら個人的にはExplzhあたりオヌヌメ

577名無しさん:2012/09/01(土) 17:48:09 ID:w5mrkhi.O
もう出てるかも知れないけどラムネ40の小説サイトでミルクのダイエット作戦ってのに肥満化ネタがあるよ

578名無しさん:2012/09/10(月) 22:40:36 ID:5lVtVtTE0
体内のレプチンを無限増殖させる薬なんてのはどうだろうかwww

579名無しさん:2012/09/11(火) 12:39:28 ID:rwV/9FCQ0
>>578
増殖したら食欲なくなるんじゃね
なんか調べてみたらそうだったんだが・・・。

580名無しさん:2012/09/11(火) 21:15:41 ID:iBUnzm2I0
>>579
あら・・・
知識不足・・・
すんません・・・

581名無しさん:2012/09/11(火) 21:32:06 ID:8sNjzRg.O
じゃあ、ミトコンドリアが生み出すエネルギーをUPさせる薬はどうだろうか?

582945 ◆t3E9hfR0Bc:2012/09/11(火) 21:46:45 ID:2Yg2aR6E0
ドウモ、ミナ=サン。945です。
月一で書くのはやめると言った。
言ったが。
小説を書かないとは言っていない・・・!
つまりその気になれば月二でも月三でも書けると言う事・・・!

ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/377404
パス:himanka

ということで駄文置いておきます。
今後このように気分が乗ったときに適当に投下していきます。

>>574
当時はマナというハンドルネームでやっていました。
もしかしたら掲示板などで会話していたかもしれませんね。

583名無しさん:2012/09/12(水) 22:37:44 ID:4qfr77360
gj!

ペルソナ良く知らないけど楽しめた!

584名無しさん:2012/09/13(木) 03:58:29 ID:ISxVPSjc0
雑談スレ埋まったんだけど管理人新しく建てるんだ

585名無しさん:2012/09/13(木) 18:17:51 ID:uFQw9cQ20
>>582
乙乙
てっきり引退かと思ってたんでまた投下してくれて本当に嬉しいぜ

586名無しさん:2012/09/18(火) 01:16:21 ID:eBOXAFeE0
久しぶりにSS投稿します。
駄文ですが、失礼します。


『アメリカ留学』

プロローグ
「見ろよあの女」
電車に乗っていると、金髪の男が私の方を見て、連れらしき男に耳打ちをした。
「スッゲーデブw」

耳打ちされた男も私を見るなり口を歪めて笑った。
「ゲッ、マジかよ!?あんなピザ女見た事ねえ」
胸の奥がちくりと痛む。

「どんな生活したらあんな体形になれるんだろな?」
彼らの嘲笑に耐え切れず、顔を背け寝たふりをした。
つぅ、と涙を頬を伝う。

やめて…やめてよ…
それ以上私の心をくじかないで…
1年ぶりの日本なのに、あの人に会わせる顔がないよ…

587名無しさん:2012/09/18(火) 01:18:09 ID:eBOXAFeE0

1年前、私は高校の援助でアメリカに語学留学した。
学業成績が優秀な生徒だけが選ばれる、我が校が誇るプログラムだ。

プログラムの受講生に選ばれたことを知ると、クラスの皆は送迎会を開いてくれた。
「おめでとう!榊なら選ばれて当たり前だな。この間の模試も1番の成績だったから。」
同級生の賛辞に顔が自然と赤くなる。
「ありがとう。そんなに褒められると恥ずかしいよ。」
「学校でも一人しか選ばれないプログラムに私のクラスから受講生が出て、先生も鼻が高いぞ。」
担任の先生が大きな手で私の肩を叩く。
「痛たた、痛いですって!」
「すまん、すまん」
教室がどっと笑いに包まれた。

送迎会が終わって教室から出るとあの人がいた。
「榊、アメリカに行くんだってな。」
「あ、大沼君…。明日、朝一番の飛行機で出発するんだ。」
「そう…」
大沼君は少し寂しそうだ。

私はあわてて言葉を継いだ。
「で、でも向こうに行っても大沼君の事、忘れないよ。約束する!」
「本当か?」
「うん!」

その言葉を聞き、肩の力が抜けたようだった。
そして、少し顔をそらしながら私に言った。
「あのさ、もし良かったら俺の家でお前のアメリカ行きを祝して食事でもしない?
今日は親もいないしさ…。」
その誘いの意味を何となく感じながら、私はこくんと頷いた。





「ふぅ、ここがアメリカかあ」
長時間のフライトを経て、私はロサンゼルスの空港に降り立った。
ガヤガヤとたくさんの人でにぎわっている。私は急に心細くなった。
「えっ…と、ホストファミリーが迎えに来ているはずだから探さないと。」

きょろきょろと周りを見渡し、歩き始めたその時。
「Hey, pretty girl!」
大きな声で呼びとめられた。
声がした方を見ると、恰幅の良い青年がのしのしと歩いてきた。

「May I ask your name?」
「あ、ま、まいねーむ いず さかき…」
「Oh!ペラペラペラ…」
「あ、あの、その…」
返事をしようとするが、青年の話す早さが速いのでついていけない。
ごにょごにょと訳のわからない単語が飛び出るだけだった。

その様子を見て青年はさわやかにほほ笑んだ。
「ごめん、ごめん!ちょっとからかってみただけなんだ!」
流暢な日本語である。
「榊 綾香さんだね。僕はロジャー。キミのホストファミリーさ。」
目じりが少し下がったなかなか愛嬌のある顔。
「よ、よろしくお願いします。ロジャーさん。」
ぺこりとお辞儀する。

「長旅で疲れてるだろ?早速、家で歓迎パーティーをしよう。」
大股で歩く彼の横を、私はキャリーバッグを引きながらついていった。


ロジャーさんが運転する車に乗って、私はホストファミリーであるブラウン家に着いた。

「Welcome! YAMATONADESHIKO!」
ドアから降りると、でっぷりと太った中年の男女が玄関に立っていた。
「紹介するよ、僕の両親のロビンとキャサリン」
「Nice to meet you!」
夫妻はグローブのような手で握手を求めてきた。
「な、ないす とぅ みーちゅ…」
パワフルな夫妻に圧倒されながら、なんとか返事をした。

「さあ、挨拶が済んだところで早速ウェルカムパーティーだ!」
近所の人たちも集まって、ブラウン家の庭でバーベキューが行われた。

「どんどん食べてね!」
そう言って、ロジャーさんは私の皿に肉を持ってくれた。
300gもありそうなステーキが何枚も積み重ねられている。
「あ、ありがとう」
親切を無碍にするわけにもいかず、私はもそもそとステーキを食べ始めたが、
1枚を食べ終わる頃にはお腹がいっぱいになっていた。

一方、ロジャーさんや他の人達は大きなステーキを何枚もと平らげていく。
あっけにとられてその様子を見ていると、口の周りをバーベキューソースでべたべたにしたロジャーさんが話しかけた。

「遠慮せずにもっと食べていいからね」
私は苦笑いを浮かべ、進まない手で配られたステーキを食べることを再開した。
これからのアメリカでの食生活になじめるか不安に感じながら。

588名無しさん:2012/09/18(火) 01:20:36 ID:eBOXAFeE0

アメリカでは全ての食べ物が大きかった。
現地の学校の給食は主にハンバーガーとフライドポテトのような炭水化物が中心だったのだが、
それら全てが日本の2倍はあろうかという大きさだった。
ブラウン家での夕食も大盛りのパスタや巨大なステーキ(大味!)、食後はアイスクリームやケーキ(大甘!)というものだった。

(毎日こんな食事なら太っちゃうよ…。でも、残すのももったいないしな…)
アメリカ人向けの料理のように辟易しながら、私はなんとか完食するように努めた。

不思議なもので、しばらく経つと、以前は満腹になっていたアメリカの料理も軽く食べきることができるようになっていった。
また、大味なジャンクフードも結構イケるかも?と思うようになった。
こうして、私自身、慣れとは恐ろしいなあと思いながら、アメリカでの生活に馴染んでいった。







アメリカに来て3カ月が経過した。

私とロジャーさんはカフェで食事をしている。
「いやあ、榊さんが来てからもう3カ月か。月日が経つのは早いものだね。」
両手に余る大きさのハンバーガーを食べながらロジャーさんが言った。
「そうですね、ついこの間のような気がします。」
私もテーブルの上に置いてあった4個目のハンバーガーに手を伸ばした。

「それにしても、榊さんは本当によく食べるようになったなあ。
ウェルカムパーティーの後は吐きそうになっていたのに。」
「あはは、アメリカンサイズの料理を食べ続けているうちに胃袋が大きくなったのかもしれないですね。」
ハンバーガーの最後の一口をほおばりと、私はベルトを緩めた。
ズボンに余裕が出来て、むちむちとしてきたウエストがふっくらと広がる。

その様子をちらりと見たロジャーさん。
「食欲が旺盛なのはいいれけど、最近ちょっとお腹周りが大きくなってきたんじゃない?」
にやりとほほ笑む。
気になっていたことを指摘され、私は少し俯いた。
「あの、分かっちゃいました?」
上目づかいで彼を見る。
丸みを帯びたお腹を撫でた。恥ずかしい…。

「ははは。その程度なら目立たないよ。
もっと太った人はいくらでもいるさ。」
なるほど、室内を見渡すと客の大半は100kgを超えてそうな肥満体の人ばかりだ。
確かにこの中では、ちょいむち程度の私は痩せている部類になるだろう。

「だ、大丈夫ですか…ね?」
「大丈夫、大丈夫!むしろ僕はちょっと太目の方が好みだな。」
ロジャーさんの真っすぐな瞳に、思わず目をそらしてしまう。
「もう…そんなこと、やめてくださいよ。」

「それより、服を買うのに付き合ってくれませんか?日本から持ってきた服がきつくなってきて…」
胸の奥に疼きを感じながら、私は話題を変えるために言った。
「いいよ、近くに良い服屋を知っているから行こうか。XXLまでサイズを取りそろえているからね。」






その服屋には5回行くことになった。
もちろん、私の体形が大きくなるにつれて、より大きな服が必要になったからだ。
アメリカに来て半年が経つころには、私の体重は90kgを超えてしまっていた。

ある時、ロジャーさんと並んで帰宅すると、庭に水をまいていたブラウン夫妻が私達に何か喋りかけた。
「何?なんて言ったんですか?」
「あー、『並んで歩いていると、ふくよかなおそろいのカップルだね』って…」
「え、それって…」
「あ、気にしないで。家の親、鈍感なところがあるから。」

彼が話し終える前に、私は玄関に入って階段を駆けあがり自室に駆け込んだ。
姿見の前に立つ。

むっちりとしたハムのような二の腕。
マシュマロがくっついたような胸。
妊婦のように突き出たお腹。たぷたぷとした脇腹。
大きなクッションがひっついたようなお尻。
気がつくと、周りのアメリカ人達と比べても遜色しない立派な体格になっていた。

「あわわ…これは本格的にあぶないよぉ…ダイエットしなきゃ」
姿見の前で色々なポーズをとっていると、扉の外でロジャーさんの声がした。
「おーい、大丈夫?入ってもいいかい?」
「だ、大丈夫です!」
贅肉をつかむのを止め、あわてて返事をする。

扉が開いてロジャーさんが顔をのぞかせた。
「さっきはごめんな。家の親、鈍感なところがあるから…」
「い、いいんです。太ったこっちが悪いんですから」
もたもたとズボンをたくしあげる私。
ロジャーさんは話しを続ける。
「本当にすまなかった。何かお詫び出来ることがあれば言ってくれ。」

「あ…」
私は少し躊躇した後、こう続けた。
「じゃ、じゃあ、だ、だ、ダイエットを手伝ってくれませんか?」

589名無しさん:2012/09/18(火) 01:22:24 ID:eBOXAFeE0
つづきはまた投稿します

590名無しさん:2012/09/18(火) 04:21:49 ID:WgNyf7cU0
ふぉおおおおおおきたああああああああああああああああがんばれえええええええええええええええええええ
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

591名無しさん:2012/09/18(火) 17:38:57 ID:qXjk7GWQ0
これはすばらしい
ピザ大国の環境に飲まれて太るってのもいいね

592名無しさん:2012/09/19(水) 20:27:43 ID:vhBeNWGA0
続きを投稿します


6

翌朝

私達は近くの市営プールにやってきた。

手っ取り早く痩せる方法として水泳をしようと思ったのだ。
ロジャーさんも私の申し出を快諾してくれた。

9月だがロサンゼルスはまだ暑い。早朝でも汗が噴き出る陽気だ。
私達はゆらゆらとかげろうが上がっているコンクリート打ちのプールサイドに立っていた。

「あ、あの、少し派手じゃありませんかね…」
私はお尻に食い込んだビキニパンツの紐の位置を整えながら言った。
ショッキングピンクの、10m先からでも目立つような色のビキニだ。しかも布地が両乳首と秘所をわずかに隠す面積しかない。
「家にあった水着で女子用がそれだけだったんだよ。母が20年前に着ていたやつ。ちょっと派手だけど我慢してな」
ポリポリとロジャーさんが頬を掻く。今日の彼はTシャツに半ズボンという服装だ。

「わ、分かりました…」
他のお客さんの視線が気になって仕方がない。
パラソルの下で日光浴をしていたご老人が私の方を見てなごやかに笑っていた。
ビーチボールで遊んでいた子供が目を丸くしてこっちを見ていた。

私は羞恥心を押し殺し、飛び込み台の階段にむちむちとした片足をかけた。
よろけないように慎重に登っていく。
飛び込み板に立つと、ギシリと湿った音がして、板が大きくたわんだ。

「それじゃ、さっそく泳いでみようか。」
飛び込み台のそばに立ったロジャーさんが言った。

「えいっ!」
飛び込み板を思い切り蹴った。

…が、飛び込み板の反発が不十分だったのか、はたまた私の体重が重すぎたのか、
私の体は空中に飛び上がらなかった。
足の跳躍を吸収して飛び込み板が上下に振動するだけだった。

「わっ…わっ!?」
不安定な足場に振り落とされまいと両手を左右に伸ばし、何とかバランスを取ろうとした。
しかし、大きな胸や腰、お尻の脂肪がふるふると震え、好き勝手な方向にいこうと重心を引っ張る。

「ひゃあ!?」
ぐらりと傾いたかと思うと、叩きつけられるような激しい衝撃をお腹に感じた。
次の瞬間、冷たい水の間隔を覚え、私は水中にいた。
すぐにぶくぶくと水を掻き、上昇する。

「ぷはぁ!?」
水面に顔を出すと、プールサイドのロジャーさんがびしょ濡れになっていた。
笑い顔と困り顔を足して2で割ったような表情をしている。

「ハハハ…、なかなかダイナミックな飛び込みだったよ」
どうやら飛び込んだ時の水しぶきが彼に降りかかってしまったらしい。
そう言うと彼は水面に漂っていたピンク色の布地をすくい上げた。
「あと…これ、はずれてたよ」
「あっ…」
私が着ていたビキニのブラジャーだ。
私はぷかぷかとブイのように浮いていた胸を片腕で抱え、ロジャーさんからそれを受け取った。
たぶん、顔が真っ赤になっていたと思う。


プールから上がり、更衣室で水着の紐を結びなおした後(ロジャーさんは気を使ってずっと向こうを向いていてくれた)
再びプールに入った。
「よし、それじゃまずは水中歩行から始めよう。」
ロジャーさんの掛け声に合わせて、私は一歩一歩、歩き出した。
1・2…1・2…
腰の周りにたっぷりとついた贅肉が浮き輪のように私の体を浮かそうとして、プールの底に足をつくことが難しい。
私はハァハァと息を切らせ、水の重たい抵抗に表面積の大きな体で抗いながら、ゆっくりと進んでいった。

日本にいた時はそれなりに運動もできた。
だけど、半年の間に急激に太ったことで運動能力が著しく低下しているのだろう。
ぷよぷよとついた贅肉が動きの邪魔をする。

絶対に痩せてやるんだから

そう堅く誓って、時折波に足を取らせそうになりながらも、何とか対岸まで歩き終えた。

「ふぅ…ふぅ…」
プールの壁面に体を預けて深呼吸する。
私を覗き込むようにして、ロジャーさんの大きな影が逆光の中に見えた。
「よし、これで50mは歩いたね。取りあえず、今日は1km歩くことを目標にしよう。」
私はぶくぶくと口を水の中につけた。
体力が持つだろうか…

593589:2012/09/19(水) 20:29:33 ID:vhBeNWGA0
「ぷひー、疲れたぁ…」
すっかり日も傾いた住宅街を私とロジャーさんは歩いていた。
「榊さん、良く頑張ったよ。」
ロジャーさんがぽむぽむと私の肩を叩く。
「痛た!もう少し優しく触ってくださいよ。日焼けしてヒリヒリするんですから」
口をすぼめて、叩かれた箇所をさする。

1kmを泳ぎ終えるために、一日中プールにいたため、
布地で隠されていたところ以外こんがりと小麦色に日焼けしてしまったのだ。
裸になると両乳首と股の下だけ肌色でなんとも恥ずかしい。絶対に日本の両親には見せられない姿だ。


ブラウン家に着くとブラウン夫妻が夕食を用意してくれていた。
大きなミートパイ…厚切りのバターブレッド…山盛りのスパゲティー…
テーブルにはぎっしりとおいしそうな料理が並べられていた。
運動してお腹がすいていたせいで、よだれが出てきてしまう。

ロジャーさんは夫妻と二言三言会話した後、
「それじゃ、夕食にしようか。」
と、言った。

私達はそれぞれの椅子に座り、フォークとナイフを手に取った。
しかし…私の目の前に並べられた料理は下げられ、代わりにちょこんとレタスサラダが盛りつけられた皿がことりと置かれた。
「I'm sorry to give you this poor dinner…」
配膳してくれたブラウン夫人が申し訳なさそうに言った。

「え?え?」
戸惑う私にロジャーさんが優しい口調で言った。
「申し訳ないけど、榊さんはダイエット中ってことで僕の両親にも協力してもらうことになったんだ。
今日から食事は野菜が中心だ。」
手から力が抜けて、持っていたナイフとフォークが床に落ちた。

594589:2012/09/19(水) 20:31:15 ID:vhBeNWGA0
以上で今回分は終わりです
また続きを書きましたら投稿します

595名無しさん:2012/09/19(水) 22:21:47 ID:fnJVjatM0
もう続きでてるww
ホームステイネタ最高、乙です

596名無しさん:2012/09/19(水) 23:39:51 ID:RJuXVDEY0
日焼跡えろーい
そして盛大なリバウンドフラグが

597名無しさん:2012/09/20(木) 00:06:35 ID:CNW.oO1k0
抗いがたい大きなものに飲まれて自分が変えられていくっていうのがたまらなくそそりまっす



野菜だけは帰って駄目なんじゃとママさんにマジレス

598589:2012/09/20(木) 22:12:46 ID:4bD7njjM0
コメントありがとうございます!
続きを書きましたので投稿します



7

それから…
アメリカでの飽食生活に慣れ切っていた心を入れ替えて、私は痩せるためにダイエットを必死で頑張った。
なぜなら、ロジャーさんとプールから帰ってきたあの日、ごちそうを見て無意識によだれを垂らしてしまった一件で、
いつのまにか体だけでなく、心もあさましい食いしん坊のデブに堕落していたことを気付いてしまったからだ。
その後、私は自分の醜さに対する羞恥のあまり、自室のベッドに突っ伏した。

そして、夜が明けるまで泣いた後、日本を出発する前夜、大沼君とかわした約束を思い出したのだ。
「大沼君のことを忘れない」
そうだ。私は日本に帰ってから大沼君に好きになってもらうんだ。
そのためには、この弛みきった体を絞り、元の体になって日本に帰ろう。

堅い決意を胸に秘め、地獄の日々を耐え抜いていった。
食事は野菜しか食べず、毎日ランニング10km、水泳1km、腹筋500回を自分に課した。
時には栄養不足で倒れることもあった。
全て投げ出して、日本に帰りたいと思うことも何回もあった。

しかし、そんな生活でも耐え抜くことがが出来たのは、日本を出発する時に大沼君とかわした約束のおかげだった。




そして3ヶ月後…
私の体重は65kgまで減っていた。

ぷよぷよとせりだしていたお腹は引っ込み、はいていたズボンに両腕が十分入るほどの隙間が出来た。
加えて、毎日かかさなかった運動により筋肉がついたおかげで、少なくなった贅肉もたるみはせずに、
張りを保って体にほどよくついている。
シルエットはまだまだぽっちゃりだが、全体的にすっきりとしていて
ちょっと太目のスポーツマンといったところだ。
ランニングの時も明らかに体が軽く感じるようになった。

ただ、私の精神力は限界に近くなっていた。



12月24日。今日はクリスマスである。
ブラウン家では、ブラウン夫妻とロジャーさん、そして私の4人で食卓を囲んでいた。
テーブルには白いクロスがかけられ、七面鳥の丸焼きとクリームたっぷりのラウンドケーキ、サラダが並べられている。
クリスマスを祝う特別豪華な夕食なのだ。

「「「Toast!」」」
シャンパンが入ったグラスがぶつかる。

「いやー、おめでたいなあ!」
シャンパンを一気に飲み干し、顔を赤くしたブラウン氏が陽気に言った。
アメリカに来て、早や9カ月、日常会話なら理解できるほど英語も分かるようになった。
「ほら、遠慮せずに食べなさい。」
ブラウン氏は私にチキンを取り分けてくれた。
「あなた、サカキさんはダイエット中なのよ。」
横でブラウン夫人がたしなめた。
「おお、そうか。すまんすまん。」
氏はぺしゃりと自らの禿頭を叩いた。
「しかし、Ms.サカキ、大丈夫かい?顔色がすぐれないようだが?」
「いえ、本当に大丈夫です。ただ、お腹がすいていないだけなんです。」
私はにっこりと笑った。
サラダのボウルからレタスを自分の皿に装い、そそくさと食べる。

ロジャーさんは黙ったままだ。

「ごちそうさま。おじさん、おばさん、ロジャーさん。おやすみなさい。」
テーブルの上の料理を見ないようにしながら自室へ上がる階段を登った。

599589:2012/09/20(木) 22:15:38 ID:4bD7njjM0
ばたん、と自室のドアを閉めた。

「う〜、お腹空いたよぅ〜」
ベッドにごろんと横になり、お腹を押さえる。
「はぁぁ〜、あのチキン、おいしそうだったなぁ…」
ブラウン氏から手渡されたチキンの匂いを思い出し、私は顔をほころばせた。

「だめだめ!日本に帰るまで後3カ月。痩せたままで大沼君に会うんだから!」
雑念を追い払うために頭を左右に振り、ポケットからMP3プレイヤーを取り出した。
「気分を紛らわせるために音楽でも聞こう。」



グゥ〜
地の底から響くような低い音がして私は目を開けた。
すでに日は落ちて、部屋の中は真っ暗だ。
どうやら音楽を聞きながら眠ってしまっていたようだ。

グゥ〜
また音が鳴った。
どうやら私のお腹が鳴っているらしい。
そう認識すると突然猛烈な空腹感が襲ってきた。
「お、お腹…空いた…」
毛布を被り再び眠りに入ろうとするが、空腹がお腹をちくちくと刺激する。
夕食で出たケーキの映像が頭にこびりついて離れない。

しばらくベッドの中で目をつむった後、私はたまりかねずに体を起こした。
「少しだけならいいよね?」

静かに部屋の扉を開け、階下に繋がる階段をゆっくりと降りる。
ブラウンさん達はすでに寝たようだ。1階には明かりはついていなかった。
私は彼らに気付かれないように電気をつけずにキッチンに入った。
手探りで冷蔵庫の扉を探す。
「大丈夫、大丈夫。これまで頑張ったんだから、少しくらいごほうびがあってもいいよね。」
呪文のように自分に言い聞かせながら、大きな扉を開けた。

冷蔵庫の人工的な黄色の光が影をつくる。
「ケーキ、ケーキ…っと」
ケーキは奥の方にしまってあった。
ブラウンさん達が少し食べたのか、包丁で扇形に切り取られていたが、
まだ両手で抱えて余るほどの大きさだ。
私はそれを取り出して、サイドテーブルに乗せた。
「一口だけ、そう…一口だけなら大丈夫よね」
人差し指で表面に塗られた生クリームをたっぷりと掬って、嘗める。

舌先から頭まで砂糖の甘みが駆けあがり、脳に響く。
「…おいしい」
この甘さを3カ月間も我慢していた自分が馬鹿らしく思えた。

残されたケーキに目が行く。
「一切れだけなら大丈夫よね」
冷蔵庫の漏れ出た明かりを頼りに包丁とお皿を探し出し、扇形のケーキから小さなショートケーキを切り取ってお皿に装った。
近くの食器棚からフォークを見つけ、ショートケーキに突きさした。

じゅるりとよだれが顎を伝う。
「いただきます」
ぱくりと一口食べた瞬間、じんわりと甘みが体中に染みわたった。
「〜〜〜」
飢餓に陥っていた体が久しぶりの糖分を摂取し、喜びに震えている。
あまりのおいしさにほろりと涙が頬を流れ落ちる。

二口で切り取ったケーキを食べ終わると、サイドテーブルの上に乗っていた残りのケーキを手でつかんだ。
ほとんど無意識の動作だった。
口を最大限まで開き、ケーキを突っ込んだ。
口から溢れ出たクリームが鼻に付き、服に零れ落ちる。
しかし、私は一向に気にしない。気にしている時間さえもったいないと思えた。
ただ全ての意識が目の前にあるごちそうを消化することに集中している。

「おいしい、おいしい、おいしいよぅ〜」
砂糖とバターをたっぷりと含んだケーキのとろけるような甘さが、私の思考を溶かして行く。

何も考えられない。
この味を味わえるなら何もしたくない。
一生これを食べ続けていたい。

あぐあぐと最後の一塊を飲み干し、
「ゲッ〜プ」
と、トドのようなゲップをした時。

キッチンの明かりが、パチリ、とついた。
目を丸くしたロジャーさんが入口に立っていた。

600名無しさん:2012/09/21(金) 00:39:49 ID:gbaJQ8hM0
なんかすごいことになってきましたねww

601名無しさん:2012/09/21(金) 01:07:59 ID:M9W4qhWE0
良ければ初期体重教えてくださいな

602589:2012/09/21(金) 21:56:41 ID:w8MHnQWM0
>>601
体重変動の経過はこんな風です

榊 綾香 168cm
留学開始時     58kg

3カ月後(4の時) 73kg

5カ月後(5の時) 91kg

8カ月後(7の時) 65kg

主人公のキャラ付けに関しては「優しくが、押しに少し弱い性格」だけしか考えていません。
容姿についてはお好みのものを脳内補完して下さいw(適当)

それでは前回の続きを投稿します

603589:2012/09/21(金) 21:59:59 ID:w8MHnQWM0



「榊さん…」
「あ、ち、違います、これは…これは…」
ロジャーさんは口を閉ざしている。
「これは…その…」
「…」
「…」
重い沈黙。

ロジャーさんの目は真っすぐに私に注がれている。
まるで私を見下すようだ。
刺すような視線に胸を締め付けられる。
胃袋から酸味のある液体がこみ上げてくる。

「そ…そうよ…!」
胃液を嚥下し、絞り出すように言葉を紡ぐ。
「け、軽蔑しましたよね!こんな私を…誘惑に負けて夜中にケーキをあさる私を!」
ぐるぐると頭の中で黒い感情か渦を巻いている。
「見てくださいよ!どんなに痩せてても榊綾香の本性は、これですよ!
食べ物を見ると理性を忘れる豚なんです!」
彼は黙ったままだ。
「軽蔑しましたよね…軽蔑したと言ってよぉ…」
ぽたぽたと涙が床にしたたり落ちる。

「軽蔑なんかしないよ…」
ボツリとロジャーさんが言った。
「え…」
「この3カ月間、榊さんは一生懸命ダイエットを頑張ってきた。軽蔑なんかできるはずないじゃないか」
ひしり、と私の体を抱きしめる。
彼の胸はほのかな熱を持っていて…。
「でも、これ以上君が苦しむのを見たくないよ。」
「ロジャーさん。」

私は彼のふくよかな胸に顔をうずめて泣いた。
とめどなく涙があふれて止まらない。
自分の服が私の涙と鼻水で濡れるのも気に留めず、彼は力強い声で言った。

「榊さん。前々から、いや始めて会った時から言おうと思っていた。
僕は君の事が好きだ。ガールフレンドになってくれないか。」

冷蔵庫から漏れ出るわずかな光でも分かるほど、その顔は赤くなっていて。
私はただその顔をぼーっと見ていることしかできなかった。
「どう…かな?」
浮かんできたのは大沼君の笑顔。
「あの、その、私には日本に恋人がいて…」
言葉が上手く出てこない。
下を向いた私をの肩を、がっしりと大きな手がつかむ。
「僕は地球上の誰よりも榊さんを愛している。僕と付き合ってくれないか?」

困惑と喜びと緊張と。
3つの感情がぶつかり合う思考の中で。
私はどうしたらいいんだろうか…

604589:2012/09/21(金) 22:07:30 ID:w8MHnQWM0
以上で今回分は終わりです

今後の展開についてどちらのシナリオにしようか迷っているので
よろしければご意見をお聞かせください

A告白を受け入れる(ヒロインベターエンドルート)
B告白を断る(ヒロインバッドエンドルート)

605名無しさん:2012/09/21(金) 22:25:46 ID:vRmie0hc0
両方見てみたいがベターエンドの方がいいなぁ。

606名無しさん:2012/09/21(金) 22:27:53 ID:rGGdzoTc0
>>604
どちらの方がよりひどく太りますか?

607名無しさん:2012/09/21(金) 22:28:23 ID:PEjVmAKs0
Aかなぁ

608589:2012/09/21(金) 22:38:13 ID:w8MHnQWM0
>>606
同じくらいですかね
どちらも100kgは超えます

609名無しさん:2012/09/21(金) 22:39:55 ID:C8SVQRig0
つまりベターなら幸せ太り、バッドならストレス太りって事だろ?

610名無しさん:2012/09/21(金) 22:42:25 ID:ORPkGo3g0
Aでほっこりしたいです

611名無しさん:2012/09/21(金) 22:47:22 ID:3y.Dt8j2O
最初のシーンがお互いの幸せの為にも別れ話を切り出しそうな雰囲気なのでAで!!




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