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【15周年記念】ジョジョの奇妙な問題集【自由参加企画】
83
:
名無しのスタンド使い
:2024/01/09(火) 22:48:25 ID:Hl4Tpbhw0
【課題名】
毒針七本
【使用オリスタ】
No.8790 フィーバー・ビリーバー・フィードバック
【解答】
「さて……どうしたものか」
夜風が身に染みる冬の夜、年末の入ったアパートの一室を自宅件事務にする探偵は、一仕事終えて帰宅すると、玄関先で身に覚えのない置き配が出迎えてくれている事に気がつく。
そのままにもしておけないので、ひとまず家内まで持ってきたはいいが……万年金欠の貧乏探偵はつい魔が差してしまい、良からぬ事を思い付いてしまう。1LDKの事務所用の一室、事務デスクに荷物を置くと、探偵は射幸心を宿らせた瞳をキラキラ輝かせながらそれを見下ろす。
「どーしよっかなぁ……ここのオーナーが設置している防犯カメラはみ〜んなダミーなんだよなぁ。クリスマスに寝過ごした慌てん坊のサンタクロースが来てくれたという事には…………さすがに出来ないかぁ。でも間違って開けちゃうのは仕方ないよなぁ〜うん。これは出来心じゃあない!うっかり間違って開けっちゃっただけだぜっ!」
貧しさと好奇心に勝てず、自分に言い聞かせるように適当な言い訳を思い付いた探偵は、ニヒヒっと悪戯な笑みを浮かべながら宅急便の封を切るが、中身はまた段ボール、さらに開けて段ボール、段ボールのマトリョーシカが続く。
どうやら普通の荷物ではないようだと、さすがに探偵も察するが、ここまで開けてしまったのならば荷物の正体を暴きたい。マトリョーシカの終着点と思わしき厳重に密閉されてた小包のテープを剥がしにかかるが、何重も執拗に巻き付けられたテープに手間取り、手を滑らせて小包を床にひっくり返してしまう。
探偵はそれを慌てて拾おうとするが……封印から解き放たれて床にぶちまけられたそいつ等は、自分たちを閉じ込めていた箱を持ち上げられ、室内の光と人目に晒されるや否や、蜘蛛の子を散らすように一斉にカサカサと蠢きだす。
「な、なにイィィィィィィィィッーッ!こいつは!!まさか!!」
探偵はそれを見た瞬間、顔を青冷めさせながらデスクに飛び乗り身を守る。ここは探偵事務所でもあるが自宅兼用であり土足厳禁たが、それはこの状況に置いては非常にマズイ。
既に奴等は素早い身のこなしで物陰に隠れてしまったが、その特徴的で強烈な外見は一瞬見ただけでも記憶に焼き付いてしまう。探偵はスマホで検索してそいつの正体を正確に看破する。
「オブトサソリ……デスストーカー!?こりゃまた随分とけったいな奴等が送られてきたな!」
小ぶりながら黄緑っぽい特徴的な外見、乾燥した砂漠地帯に適応した本種は、昼間は岩の下や住みかに身を潜めているが、夜になると活発に動き回り、俊敏な動きと猛毒を駆使して獲物を仕留める。その小さな体に秘められた猛毒は人体にアナフィラキシーショック症状を引き起こす事があるらしく、世界各地で死亡例もあるようだ。
そんな危険生物が自宅兼探偵事務所内に潜伏されてはたまったものではない。次々と飛び出てくる厄介な情報に探偵は冷や汗をかきはじめるが……とあるネット記事を目にした瞬間、探偵の双眸は黄金色に煌めく。
「3.8リットルで約40億円以上!?世界一高価な液体と言われるオブトサソリの毒!!おいおいおいおい、とんでもねー厄ネタかと思ったけど……こんなの見たらワクワクしちゃうじゃねーか!」
実際に毒液を3.8リットルも集めるのは途方もない作業であり現実的ではないが……輸入禁止の厄介者も裏社会の錬金術を駆使すればそれなりの金になるかもしれないと、探偵は金の匂いを嗅ぎ付けて徐々にやる気を出し始める。
しかし、相手はどんなに小さくても危険すぎる猛毒性物。闇雲に捕まえようとすれば毒針を刺されてしまい一巻の終わりだろう。だが……既にオブトサソリの生態を調査し尽くした探偵は不敵にほくそ笑む。
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