私の掛け声と同時に相手方も仕掛けてきたようです。「アフンッ」と短い嬌声が聞こえたかと思えば、ガタンっ!という大きな音が鳴り……不意に身体が宙に浮くような感覚に襲われます。この感覚はフリーフォールのアトラクションに近しいかもしれませんが、そんな暢気な事を考えている暇はなさそうです。
エレベーターは普通、落下事故を防止する為ら複数の安全装置を設置して対策していますが……それがスタンド攻撃により無効化されていたら、 私は眼も当てられない悲惨な死に方をするでしょう。
そうなる前に、私の〈return to that place〉は能力を既に発動しています。私のスタンドが空間を叩き割ると、そこから「明日の世界」の住人を連れてくる事ができるのです。叩き割った空間は夕陽のような橙色の輝きを放ち、中から誰かがやって来ます。