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【15周年記念】ジョジョの奇妙な問題集【自由参加企画】

182名無しのスタンド使い:2024/08/06(火) 21:16:02 ID:AUXxv3.Q0

〈バッドサイクル〉は『俺ニ頼ラナイデ手離シニ運命ヲ受ケ入レタ方ガ楽ニナレルカモシレナイゼ』と言いながらも、俺の意思に同調して、俺の身体から滲み出る『不運のビジョン』を細かく引きちぎりながら後方に撒き散らし、神村にも付着させる。

 重要なのはいかに細かくするかだ……ここで匙加減を誤れば、場合によっては人を死に至らしめる致命的な不運を押し付けてしまうかもしれない。

 神村楓は人の話をロクに聞かねー、陰気くせー、可愛げのねーヤベー女だが、それでも相手は同級の女子高生だ。楽に致命的な不運を押し付けて始末するってえやり方は、俺自身の心に後味のよくねえものを残す。そして、それは少なからず『不運』の『素養』・〈バッドサイクル〉にも悪い影響を及ぼしかねない。

 天の配剤という言葉がある。その言葉を信じるならば……俺は人事を尽くして、このクソッタレみたいな運命(バッドサイクル)と対決する。

 しかし、そろそろさすがに息が上がってきた。ここは一旦身を潜めてバーサーカーをやり過ごして体勢を立て直そう。そんなことを考えながら俺が迷い込んでしまった廃工場は……見慣れないピンク色に包まれた人たちがたっくさんいらっしゃるぞ。

「だぁ〜れぇ〜チミィ?」

「ここ、紅鶴會の隠れ家なんですけどぉ、何勝手に入ってきちゃってるのかなぁ〜?」

 紅鶴會……と言えば巷で有名な不良グループだ。時代錯誤なカラーギャングなことは間違いないが、ファンシーなピンク色を自身らのパーソナルカラーにしている奇抜なチーマーかと思いきや……それを畏怖の象徴に塗り替えてしまったアンタッチャブルな過激集団である。

 メンバーは個性派揃い、その中でも特記すべき面子は、何をしでかすか予測不能な地元最狂不良一家『桐谷三兄弟』、伝説の暴走族『禁求轢怒羅』最後の継承者『錦山 隆二』、男も女もガキや老いぼれ・獣・物体ですら等しく平等に突貫工事を敢行してしまう無差別異常性欲者『姉端 フロイド』……そして、チームを取り纏める自称・現人神(ゴッド)『山本 崇』は別格にヤバい。飄々とした態度を周囲に振り撒くトリッキーな男だが……前述した荒くれ者たちを実力行使で部下に引き入れたり、成金の家で飼育されていたピットブルをステゴロで殺害、因縁をつけてきたヤクザを拉致監禁、凄惨な拷問の末に殺害して海に沈めたり、舐め腐ったスタンド使いをリンチにして殺害した……真偽不明な伝説が絶えない。

 幸いなことに彼等は俺の〈バッドサイクル〉には反応していないので、大方非スタンド使いだろうが……徒党を組むタガの外れた連中は並みのスタンド使いよりも厄介だ。

「すんません!どうか見逃して!ただの空気だと思って!」

「どーするぅ、ゴッド?」

「うーん、まずは取っ捕まえて話し合おっ」

「口ダケ動ケリャ問題ナイナ?」

「もーまんたいっ、パパっとやっておしまい」

「よーし、お前らあの馬鹿を誰が先に取っ捕まえるかゲームをしようぜ」

 ……俺はもう涙が出てきた。何故ならコイツ等は全身に黒い泥を纏わりつかせているのだ。つまり何を言いたいかと言うと……コイツ等は俺と同様、不運がすぐそこまで迫ってきている。

「ボクの兄さんをバカにしやがって!再起不能にしてやるッ!」

 不良の溜まり場だろうがお構い無く、怒髪天に身を任せてやって来た神村も、いつの間にか多量の『不運のビジョン』を全身に纏わりつかせているが……当人はその状況を認識できない為、最凶カラーギャングにもお構い無く突撃する。邪魔する者は当然鉄拳制裁。やりたい放題である。

「なんだお…バマッ!?」

「ボクの邪魔をするな!」

「……それはこっちの台詞だ。さっきから何なんだお前らは?」

「待て……よく見りゃ神村の妹じゃないか?」

「アイツの妹?ふーん・・・・・・そりじゃ焼き入れてやっか!」

「上等だ!全員かかってこい!返り討ちにしてやる!」

 何やら紅鶴會の面子は神村兄と何かしら因縁があるらしく、彼女のことも知っている様子だ。

 もっとも神村自身はそんなこと気にも止めず、全身に血管のような模様がある赤黒い無貌の人型スタンド〈メルティ・ブラッド〉を発現させると、その豪腕を容赦なく振るい、自分に迫り来る紅鶴會の構成員たちを凪払いながら返り討ちにする。

 破壊力とスピードに特化した近距離パワー型スタンドなら並の不良集団くらい軽く一捻りできるだろうが……数の暴力に慢心することなく、各々が喧嘩慣れして、裏社会と繋がりのある手練れとなると話が変わってくる。一網打尽にする術がなければ厄介だろう。

 有象無象の下っ端を蹂躙して無双状態の神村、敵は無駄に数が多く、何よりも神村楓自身が相手をただの不良、兄を馬鹿にした憎き敵の前座程度にしか認識しておらず―――


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