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【15周年記念】ジョジョの奇妙な問題集【自由参加企画】

177名無しのスタンド使い:2024/07/15(月) 15:42:52 ID:yXm4db2c0
>>176
「うわッ、ゲホ………何、ガソリン!?」

突然の出来事に戸惑う少女の目に飛び込んで来たのは、下卑た笑みを浮かべたガタイの良い男であった。
ガソリンに塗れた少女に嘲るような視線を向けつつ、男はポケットに手を突っ込み、マッチの箱を取り出す。
こうして夜中に出歩くふしだらな若い女を焼き、その悲鳴を聞く事が男の唯一にして最大の趣味………だったのだが。

バァン!

悲鳴の代わりに銃声が鳴り響き、マッチを持っていた男の手には風穴が空いていた。

「こんな事をするなんて、やっぱりアンタが『パイロマニア』って事で間違い無いみたいね?はぁ……最悪………。ど〜してくれんのよコレ?気に入ってた服なのにさぁ?」

思わずその場に崩れ落ちた男を見下ろし、ガソリン塗れの少女がぼやく。先程までの上機嫌は何処へやら、その顔からは何の感情も読み取る事が出来ない。

「ま、先に手を出したのはアンタの方だしさ……コレも正当防衛になるよね〜?」

何も持っていない筈の少女の右手が"武器を握っているかのような"形状に変化した─────その光景を最後に、男は意識を失った。


ドスッ!!

「ッ………!」
「あっ、起きた?おはよ〜。」

激痛によって意識を取り戻した男が最初に見たのは、下着姿で縛り付けられた自身の体に突き刺さる1本の矢と、昨晩自身が焼き殺そうとした少女がニコニコと笑みを浮かべている姿であった。
怒りに任せて眼前の少女を突き飛ばそうとした男だったが、縄で拘束されたその身体はぴくりとも動かない。

「……ッ、………!?」
「あ〜無理無理。猿轡してるんだから喋れる訳無いじゃん?あんまり五月蝿いと口の中も切っちゃうよ?」

椅子に縛り付けられた男に向かい、ニコニコと狂気的な事を宣う少女。
思わず口を嗣んだ男に構わず、少女は一方的に話し続ける。

「今日のニュースで知ったんだけどさ、アンタ本職の消防士なんだって?何か『いつも真面目で現場にも真っ先に駆け付ける素晴らしい部下でした』とか上司っぽい人が言ってたけど。でもさ、自分でつけた火をチマチマ消すより火の元から消しちゃった方が百倍良いよね?パイロマニアさん?」

まだ僅かにガソリンの匂いを残す紙包みを解きながら放たれる少女の言葉は、しかし恐怖に震える男の耳には全く届いていない。
彼の意識は少女が取り出した物───────新品同然のボウガンと無数の矢にのみ向けられていたのだ。

「まぁ服が台無しになったのは悲しい事だけど………アタシの趣味だって大っぴらに出来る物じゃないし、アンタが自分の趣味にアタシを巻き込んだ事は許したげる。」

紙包みから取り出したボウガンに矢を装填し、照準を男の身体にピッタリと合わせながら、少女は恍惚とした表情を浮かべる。
首を激しく左右に振り、涙を浮かべながらうめき声を上げる男に対して放たれた一言は死刑宣告に等しい物であった。

「その代わり、アンタにもアタシの趣味に付き合って貰うからね?もちろんアタシが満足するまで!」


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