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【15周年記念】ジョジョの奇妙な問題集【自由参加企画】

16名無しのスタンド使い:2023/11/29(水) 09:23:22 ID:iPZmwzt60
【課題名】
殺し屋のお仕事
【使用オリスタ】
No.8843 イモーガン・ヒープ
【解答】
とある街の昼下がり。路地裏にひっそりと居を構える建物に、1人の男が訪れた。

「さぁせぇ〜ん。あのぉ、オレねぇ?ココの社長さんに用があって来たんですけどぉ〜。」

「ハーイ、ご融資ですか?少々お待ち下さい!」
(……変な客だぁ…。)
愛想の良い応答とは裏腹に、受付嬢のアスミは心の内で呟いた。
目深にニット帽を被り、サングラスとマスクで完全に顔を隠している「THE・不審者」な外見はまあ良い。こんなマトモじゃない金融機関に訪れるような人間なのだから、何か後ろ暗い所が有るのだろう。しかし、それにしては妙に引っ掛かる。この男は………

何か、奇妙な雰囲気を纏っているのだ。

「へッへェ、ありがとうございます。アレ?お姉さん初めて見る顔だね。新人の子?」

「ええ、つい先日入社したばかりでして……」
そんなアスミの内心を知ってか知らずか、男は軽薄な口調で話し掛けて来た。前にもウチに来た事があるのだろうか?先輩に聞けばコイツの素性も分かるのかもしれないが、目を吊り上げながら受話器の向こうの債務者に罵声を浴びせ続けている彼に声を掛ける度胸など、アスミは持ち合わせていなかった。

「あ〜、悪いんだけどさぁ。今日はオレ、金借りに来た訳じゃないのよ。」

「はぁ、そうですか…。申し訳ないのですがお客様、現在社長のタジマは他のお客様と話している最中でして。要件でしたら私が対応しましょうか?」

「いや、良い良い。今日は社長に文句言いに来たんだし。暫く待つわ。」
ヒラヒラと左手を振りながら男は言う。

(ああ、このパターンか)
アスミにとって、この手の客は珍しい物では無かった。従業員の身で言うのも何だが、タジマという男は人の恨みを買いやすい。常に高圧的に振る舞い、他者を騙して奪う事を躊躇わない。昨日も何ちゃらいう売人相手に言い掛かりをつけ、何発か殴り付けて商品の代金も踏み倒した事をさながら武勇伝のように語り───

「アァ!?フザけてんのか、テメェは!!」
突然、店の奥から怒号と何かが割れる音、そして悲鳴が響き渡った。
直後に2人の男が応接室から現れる。1人の額は痛々しく割れて血に染まり、もう1人の男は右手に割れた花瓶を握っていた。

「ちょ、お客様、大丈夫─」
「テメェ借りた金も返さねぇでウチの利子に文句垂れるってなァどういう了見だ、ゴルァ!」
思わず椅子から立ち上がったアスミを無視するかのような怒鳴り声が轟く。恫喝された男は涙を流しながら逃げ去っていった。

「うわー、酷いなぁ。あのオジサン大丈夫かな?」
そんな場の空気を無視した呑気な声が響く。
(あっ、終わったなこの人……)
向かいに座る発言者を見ながらアスミは思った。どうやら予想外の事態が起こると、人間の頭はかえって冷静に働くらしい。しかし、アスミの脳味噌は、目の前に存在する怒り狂った大男と、それを相手に全く怯まず空気の読めない発言をする不審者の両方をどうにかする方法を閃く程のスペックは持ち合わせていなかったようだ。
タジマは男に気付き、向き直った。

「アァ!?何者だ、テメェ!?」
「いや客だよ、客。そこのお姉さんがアンタは話し中だって言うから今まで待ってたんだよ、タジマさん。」
「……おいアスミ、何でテメェで対応しなかったんだ、ナァ!?」

(何してくれとんだ不審者ー!!)
もしもアスミの精神が今よりも強ければ、彼女は間違い無くそう叫び、その一瞬で激怒した上司に蹂躙されていた事だろう。しかし彼女も受付嬢とは言え裏の社会に身を置く人間。常人よりは高い判断力を有していた。

そんなアスミが取った行動は──

「あっ、あの、私……。あっあっ、そうだ!お茶が切れてたので買い出しに行って来ますね!社長はお客様への対応をお願いします!」
適当な理由を付けての逃走だった。
「テメェアスミ!仕事放り出してどこ行く気…」
「まぁまぁタジマさん。まずは待たされてたオレと話して下さいよぉ〜。」
「」


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