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【15周年記念】ジョジョの奇妙な問題集【自由参加企画】
144
:
名無しのスタンド使い
:2024/03/10(日) 09:43:44 ID:Ryeva2Jg0
【課題名】
>>40
ビンを立てる工場の初日
【使用オリスタ】
No.6056 レイザーズ・エッジ
【解答】
「暇だ………」
某有名企業の系列に属する調味料工場の中。
列を成して流れてくる無数のビンの前で、1人の青年がボソリと呟いた。
著しく勤労意欲に欠けた発言に対し、周囲の従業員達は何の反応も示さない。
ただひたすらにビンの列を見張り、倒れた物に手を伸ばして立て直す………簡単だが単調、そして退屈極まりない作業は彼等の精神を磨り減らし、派遣社員の不真面目な態度を咎める気力さえも奪っていたのだ。
「ファ〜〜〜…………」
マスク越しにも分かる程の大欠伸を漏らす派遣社員の青年。
しかし、そんな彼の退屈はすぐに破られた。
「そんなに眠いってんなら、永遠に眠らせてやらァ!」
「うっわ、え!?何!?」
派遣社員の隣で作業に従事していた中年男が突如怒りを露にビンを掴み、青年の頭目掛けて振り下ろしたのである。
幸いにも咄嗟に身を退いて攻撃を避けた青年の目に写ったのは、中年男のみならず他の社員達すらもビンを握りしめ、自身を見つめている姿であった。
「イヤイヤイヤ、急に何なんすか先輩方!そりゃ洒落にならんでしょうよ!」
「ウルセェ!目障りなてめえをボコせば俺達はその間退屈しねぇで済むんだ!!上手くいきゃ仕事も休めるしなぁ!」
危機感の無い表情で窘める青年に対し、訳の分からない理屈を喚き散らす中年男。
周囲の従業員達も同調するかのように下卑た笑みを浮かべ、ジリジリと青年の元ににじりよる。
「っつー訳で………死ねや、この野郎!」
中年男の咆哮と同時に従業員達が青年へと飛びかかったその時。
「『レイザーズ・エッジ』」
ブオッ!!
空中に無数の拳が表れ、従業員達目掛けて突きが繰り出された。
風を切る音と拳に宿る殺意に従業員達は怯み、思わず足を止めるものの、ただ1人を除いてその身体に傷が付く事は無かった。
バキィ! 「ウグャッ!?」
骨が折れる音と先陣を切った中年男の悲鳴によって我に返る従業員達だったが、今度は別のモノ──────拳を返り血に染め、酷薄な笑みを浮かべる青年への恐怖心によって動きを止めた。
「ア〜ァ……折角俺は真面目に働いてたのに………
趣味も我慢して、人並みに頑張って金を稼ごうとしたのによォ〜〜〜………」
青年は独り言を言いつつ中年男へと近寄り、血塗れのまま呻く彼の頭を掴み………
ガゴォンッ!!ゴパキッ!
手慣れた様子で床へと叩き付け、いとも簡単に首を踏み折った。
「フゥ〜〜………ま〜た失敗しちまったぜ、『禁殺人』。まっ、正当防衛って奴だから仕方ねぇよなァ〜〜〜?」
人を殺したにも関わらず、何て事ないと言いたげな笑みを浮かべる青年の姿に従業員達は己の愚行を後悔し、命乞いを試みようとしたものの──────
「お〜し、久し振りに趣味の時間だ、派手にやってやるぞォ〜〜〜!」
彼等が口を開くより先に「ブッ殺す」と決めていた青年は、その瞬間に行動を始めていた。
◆
「アッレェ?何処にも載ってねぇ!あんなに派手にやったのに!」
調味料工場にて騒動が起こった次の日。
自宅でパソコンの画面を見つめ、すっとんきょうな声を上げる青年の姿があった。
「ハハ〜ン?さては派遣会社の奴等が揉み消しに走ったな?ってかそれは良いとして…………そー言えば給料ってちゃんと振り込まれてたよな?」
家を飛び出して近くのATMへと駆け込んだ青年の嫌な予感は、ものの見事に的中していた。
「チッ………仕方ねぇ、給料取りに行くか!こんな事も有ろうかと、社員共の家を調べといて良かったぜ、全く………」
何て事ないかのように呟き、踵を返して歩きだした青年。
その歩みは、迷いの無いしっかりとした物だった。
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