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【オリスタSS】或る骰子
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名無しのスタンド使い
:2023/01/31(火) 22:55:00 ID:2bJ4lDNo0
マスターが早急に持ってきた、どこにでもある無色無地、余計が模様がついていない透明なグラスが一つ置かれた。
「ありがとう。さて君たち。そんなに俺の言うことが信じられないみたいじゃあないか。ではここはひとつ、ゲームで証明してみよう。」
勇人は、どこからか赤い骰子を一つ取り出した。
まるでルビーの原石かのように輝いている、されどプラスチック製の骰子を。
「2人とも、1から6の中で好きな数字を2つ。なんでもいいよ。」
2人は顔を見合わせることなく、1人考え込んだ。
この男がどう考えているかはこの際どうでもいい。ただ言われたとおりに数字を決める。
「じゃあ、4と6、4月6日はボクの兄さんの誕生日なんだ。」
自分の兄の誕生日に決めた彩華。その表情は涼やかである。
「じゃあ私は2と5で。」
「では、俺は余った1と3になったというわけだ。ではルールを説明しよう。」
そういって勇人がルールの説明をする。
「ルールはこの骰子を1回振って、さっき選んだ芽が出たらその人に1点。計7回振って先に3点手に入れた者の勝ちだ。」
シンプル極まるルール。そこに無法の立ち入る領域は存在しない。
2人は無言でこれを了承し、勝負に乗った。
「じゃあ、勝負開始だ。」
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