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【オリスタ】Change a gear,Change THE WORLD【SS】

131第8話 ◆gdafg2vSzc:2018/08/30(木) 21:46:39 ID:SinNeEwo0
【8:ネルソン・P・海原、その正体と目的と】


「……成程ね。OK、汀達の状況は把握した」


 洪と戦ったその日の夜、沙枝の家、沙枝の部屋。

 汀の口から、自分達が経験したことの全てを聞いたネルソンが、神妙な表情で頷く。

 汀の側には不安そうに表情を曇らせる沙枝とルイ、そして沼田の姿があった。

 長濱にも一応声をかけたのだが……「面倒だし話だけ聞いといてくれよぉ〜」とだけ返されたのであった。


「そうか……霧吹きねぇ。ウイルスを培養した? あるいは、同等の薬物……」

「おい? ネルソン?」

「……だとしたら不味いな。状況はボク達の創造を越えているって事か」

 話を聞き終えたネルソンが、考え込むように俯き。

 汀の呼びかけも聞こえない様子で、呟き続ける。

「ネルソン!」

「……っと。Sorry、ちょっと事態が想像以上だったんで頭を抱えてたんだよ」

 苛立ち混ざりの汀の呼びかけで、ようやくネルソンが我に帰り、頭を掻きながら苦笑する。その鼻面に。

「まぁよう分からんが大変なのは分かった。それよりこっちの状況は全部話したぜ。次はお前の番だ、ネルソン」

 び、と人差し指を突きつける汀。

「そうよ……片言しか話せないフリして。どうしてそんな演技をしてまで、この街に?」

「それに僕達にも危険が及びそうなんて……覚悟はしてたけど」

「OK。全て話すよ。ボクの正体も、目的も……そして、君達が身につけた『スタンド』と呼ばれる力についても」

「え、本当……!? それ凄く興味がある」

 ネルソンの言葉に、思わず身を乗り出すルイ。その顔は先までの怯えに代わり、好奇心に満ちた笑みが浮かんでいて。

「もぉ、こんな時なのに」

「あ、ゴメン……」

「ははっ、でもルイらしいッスね」

 呆れる沙枝にも小さく笑みが浮かび、緊張した空気が和らぐ。

「OK、後でじっくりlectureするよ。でもまずは……ボクの身分なんだけど。1つ皆に質問したい」

「質問?」

 面倒そうに顔をしかめる汀の前で、人差し指を立てるネルソン。


「SPW……スピードワゴン財団。知ってるかい?」


 その問いかけに対して。

「へ?」
「あ、ああ……」
「聞いた事あるわね……えっと」
「あ、僕知ってるよ!」

 四者四様の反応が帰ってくる。


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