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【オリスタ】Change a gear,Change THE WORLD【SS】

12 ◆gdafg2vSzc:2016/06/30(木) 22:53:24 ID:b03YRWrE0
>>11
「ど、どういう意味だ?」

「……てめぇのスタンドが能力を持ってるように、俺のスタンドも能力を持ってる、って事だ」

「なっ……」

 不敵に笑いながら、じりっ、一歩だけ前進する汀。

「は、ハッタリかますんじゃねぇよ! ついさっきスタンドを出したばかりの奴が、能力なんて知るわけがねぇだろがぁ!」

「いやー、もう一回言うけどよ、俺は説明書見ないでこなせる派なんだよ。自分のスタンドの能力ぐらい、すぐ気付いたさ」

 叫びつつも、汀の態度と気迫に思わず身を引く長濱。

「な、ならよぉ! 能力に気付いてるんなら、なんでそれで仕掛けてこない!?」

「さぁね、なんでだろうな? 仕掛けさせて嵌める能力だからかな……っと、口が滑ったか?」

「ぐ、うぬぬ……ど、どうすりゃいいんだ? あー、凹みそうだわ……」

 汀の言葉に翻弄され、攻撃の手が完全に止まってしまう長濱。

(よっし、コイツ馬鹿だから、適当な事言えば手が止まるとは思ってたが……うまくいったぜ)

 その様子を見ながら、心中でほくそ笑みつつも。

(とはいえ、時間稼ぎにしかならねぇからな……状況をどうこうするには手が足りないし)

 次の手が浮かばず、悩む汀。

(俺のスタンドにも、能力って奴があるんだろうけどよ……能力ねぇ、能力能力能力……)

 考えて出てくるものではないと思いつつも、考えながら。

 汀が、無意識に自分の左腕を掻き。

 無意識の行動を、汀のスタンドも真似し、同じように左腕に触れた――


 ガチャ。

(え?)


 歯車が噛み合うような自分のスタンドの左腕から聞こえ、目を凝らす汀。

 そこには。

 自転車のギアを連想させる、左へ行くにつれて大きくなっていく6枚の歯車が埋まっていて。

 左から3枚目の歯車が激しく回転していた。

 そして、その6枚の歯車に重なるように、うっすらとデジタル数字の「3」が浮かんでいた。

「なんだこれ……」

 恐る恐る、スタンドの指を歯車に触れさせる汀……

 歯車の上で指を動かすたびにガチャガチャと音を立てながら回転する歯車が変化し。

 その都度、デジタル数字も1から6までの範囲で変化していく。

「これが、俺のスタンドの能力、なのか?」

 戸惑いながら、試すように。

 何度も指で歯車を弄っていた汀だったが。


「だああああぁ〜! 考えても分かるかよぉ〜!」

 突然の叫び声に。

「6」の位置、最も右側の小さな歯車が回転した状態にしたまま、長濱に向き直る。


「汀ぁ、てめぇの能力なんぞ知らんわぁ! ブン殴る、それだけだ!」

「やべぇな……来るか」

「いけえぇ! チェンジ・イン・パワー!」

 チェンジ・イン・パワーの拳が放たれ。

 汀のスタンドが、左腕でまた攻撃を捌こうとする――


――ギャアァアァン!!

「な、なんだとぉ!?」

「……こ、こいつは!?」


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