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諦めてください王子!

65名無しのごんべへ:2025/02/24(月) 19:44:58 ID:SZbMjvO20
早速本を開き、栞を挟んだページから読み始めていく。
ちなみに読んでいるのはこの国の歴史書だ。
戦の記述もあり多少血生臭く胎教には良くなさそうだが、政治の面で王子の手助けになりたいと思い、じっくりと読み進めているのだ。

ところが、今日はどうにも目が滑る。
本を開いてみたものの、最初の3行を行ったり来たりしている。
天気は良く体調も悪くないのに、どうにも気持ちが落ち着かず集中出来ないのだ。
「………ふぅ…」
エトヴィンはとうとう本を閉じて、億劫そう目を閉じた。

「エトヴィンさま、どうされました? どこか体調でも? 痛みがありますか…?」
その様子に気づいたメイドがすかさず駆け寄り声をかける。
「いいえ、大丈夫です。…特に痛みはないれれど、何だか酷くソワソワして落ち着かなくて」
正確に言えばお腹は張り続け腰も痛むが、特にいつもと違う様子はない。
「そうですか…。ですがいよいよ出産が始まる前兆かもしれませんね。お屋敷に戻り、医師に診てもらってはいかがでしょう」
「えっ、出産…。も、もう産まれると言うこと…?」
産月に入りいつ産まれてもおかしくないとは言え、何となく出産はまだ先だと思っていた。
それが、急に現実味を帯びてくる。
「え、え、ど、どうしよう。私は、どうしたら…」
「大丈夫です、落ち着いて。 まずは屋敷に戻りましょう。 足元にお気をつけて」
エトヴィンはメイドの手を取りゆっくり立ち上がった。
そしてその時初めて、自分の腹がずいぶん下がっている事に気が付いた。


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