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【石川賢】ゲッター線が他作品に出張!! 避難所【クロスSS】

176追い出された名無しさん:2012/08/01(水) 00:43:39 ID:ua/8RxNc0
ほぼ同時刻の遠い国の酒場、値段も酒も料理の味も並みであるが、基地が近いだけに訪れる客は多い。
 今、この店で飲んでいる客の一人にドイツ人がいる。
 ドイツ人と言えば、勤勉、誠実などの真面目なイメージを思い浮かぶものは多い。
 ところが、この男ヒム・シャトナーはそのイメージとは無縁の人間である。
 「イタリア人なのではないか?」と言われるほどに女性がいれば声をかけ、手を出し、そちらの意味でもエースの戦績がある男である。
 ドイツ人らしいところは今手に持っているビールがドイツ産であることぐらいである。
 もっとも、隣にいる流竜馬は日本人であるが、不真面目というほどにないにしても規律を重視せず、粗暴な部類に入る男である。
 面白いことにこの二人はエースパイロットである。
 戦争初期はスーパーロボットが少なかったころ各国から集められて結成されたエースを集めた部隊があった。
 彼らはそれに選ばれ。その時からの付き合いであるのだが友人と言えば友人だが悪友の部類にはいる。
 もちろん、部隊のメンバー同士は手紙や電話で時々であっても交流は続いている。

「日本に帰るって? そりゃあいいな」
「あくまで仕事だがな。……三か月ぶりか」
「IS学園か?」
「バカ。俺がISについて何か教えることができると思うか? まあ、場所は近いけどな」
「じゃあ、日本の地理に詳しくはねえけど、ち、……嫁さんの実家に近いんじゃないのか?」
「あいつか……三か月ぶりになるな」

 妻の弟、つまり竜馬の義弟が今とんでもないことになっているのは知っている。
 義弟は竜馬の影響かロボット、特にスーパーロボットに乗りたがっていた。
 これは何度か一人にするのは可哀そうだからということで早乙女研究所に預けていたことが関係している。
 年の近い早乙女博士の子供がいたためにできた処置であったが。
 そこはロボットの聖地と言われる場所、全く影響されないわけがなかった。
 竜馬得意の空手を教えてくれと頼みに来たり、自主トレに付き合うことも何度もあった。
 さすがに年を重ねるにつれて、戦場に行きたいとかいうことは言わなかったが、ロボット乗りの育成校が第一目標であった。
 多分、整備か作業などの方面でロボットを操る進路を行くだろうと竜馬は思っていた。

 なのだが、先日のニュースで彼がとんでもない事態に陥っていた。
 妻の職場に行くということは分かったのでいったん一息をついたものの女子校であることを聞いて別の意味で気が気でなくなっていた。

「あいつやっていけるんだろうか」
「IS学園ね……流石に十八未満は守備範囲外だな」
「お前、それしかねえのかよ」

 幸いにもと言うべきか、IS学園は彼が出向する先に近いところにある。
 皮肉のことに義弟が行きたがっていた学校である。
 さらに皮肉なことに竜馬を呼んだのは早乙女研究所現所長である。
 またまた、皮肉は続き義弟と同年代の少年少女の面倒を見る仕事である。
 極めつけに新型ゲッターの開発関連でもある。


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