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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル13

186Round ZERO 〜GOD FURIOUS ◆gFOqjEuBs6:2010/06/11(金) 18:52:33 ID:m.ZIbc6I0
 


 それは、鬼神へと堕ちた雷神の姿。
 それは、近寄る者全てを、本当の意味で破壊し尽くす神の姿。
 神でありながらも地べたを舐めさせられた屈辱と憤怒が、彼を破壊神へと変えたのだ。
 目的は只一つ。失ってしまった威信を、プライドをこの手に取り戻す為に。
 ヴァッシュ・ザ・スタンピードを塵一つ残らず消滅させてやらねば気が済まない。
 そうしなければ、身体に染み着いた『死』への恐怖は拭いされないのだ。

 一歩歩く度に、異常と呼べるまでに蓄電された電力が、アスファルトを真っ黒に焦がす。 
 空を覆う漆黒の暗雲全てが……迸る雷全てが、エネルの一部。エネルの手足なのだ。
 止めどなく迸り続ける高圧力の雷の所為で、最早昼なのか夜なのかすらも分からない。
 今が夜だと言う事は頭では理解しているが、それすらも怒りで忘れる程に、エネルは激情していた。
 周囲の電力を取り込むことで、電気人間の自分はいくらでも回復する事が出来る。
 周囲の雷雲と雷を利用する事で、兵隊百人にも等しい戦力を常時発揮する事が出来る。
 この暗雲の下に居る限り、エネルは無敵だ。圧倒的に有利な地の利を得ているのだ。
 そうだ。最初からこうすればよかった。首輪の所為で自分の身体を電気に出来ないなら、周囲の電気を使えばよかったのだ。
 雷として周囲を奔った電力は、再びエネルと雷雲に吸い込まれて、刹那の内にチャージが成される。
 空気中の静電気を始めとするあらゆる電力は、全てエネルの味方をしてくれるのだから。

 ヴァッシュは確かにこっちの方角へと消えた。
 この方角で会場に残された施設は最早、目の前のホテルしかありはしない。
 そして、そのホテル内から響く戦闘による轟音。
 間違いない。ここにヴァッシュが居る。
 既に他の誰かと戦っているのか知らないが、そんな事は関係ない。
 一緒に居る奴、近くに居る奴、邪魔をする奴。
 それらに関係なく、この雷で皆殺しにしてくれる。
 ――最早、神を止められる者は居ない。




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