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オリロワA part3

472ラストスタンド ◆A3H952TnBk:2025/12/31(水) 21:12:38 ID:jesZa4Jc0

 その異様な光景を見て、唖然とする悪童たち。
 ――――何だあれは。何だあの鉄球は。
 そうして彼らは、半ば直感のように動き出した。
 アレが何なのかは分からないが、とにかく止めねばならないと理解したのだ。 

 トビは鉄球をその目に捉え、いつでも回避行動を取れるよう構える。
 仁成は咄嗟にメリリンやヤミナ達の前に立ち、彼女達の盾となる。
 ローマンは右手を突き出し、すかさず衝撃波を放つ。
 ジョニーは左腕に銃身を生成し、鉄屑の弾丸を連射する。
 エンダは黒い靄を触手のように操り、鉄球へ向かわせる。
 安理は動揺しながら、それでも他の面々に追従するように遅れて氷柱を放つ。

 次々に迫る攻撃を、鉄球は驚異的な機動力で躱し続ける。
 鉄柱に幾度も打ち出され、大鉄球は虚空を縦横無尽に躍動する。

 そのまま回避の勢いを乗せて、鉄球は正門目掛けて勢いよく激突する。
 豪快な破壊音と共に扉を突き破り、施設の外へと飛び出していった。

 一瞬の出来事。刹那の事象。
 悪童達はそれを呆然と見送る。
 ほんの僅かな沈黙を経て――。
 彼らはその正体について、ある答えへと辿り着いた。

 宿敵であるローマンは知らなかった。
 いや、この場にいる誰もが知らなかったのだ。
 長きに渡る因縁を持つディビット・マルティーニだけが、それを把握していた。

 ルーサー・キング。
 彼は慎重であり、狡猾であり。
 しかし時に、途轍もなく大胆であることを。
 周囲の予想を裏切り、とんでもない行動に出る瞬間があることを。


「あの野郎――――ッ!!!」


 そう、力尽くの強行突破を敢行したのだ。
 キングは自らを鋼鉄で覆って大鉄球と化し、強引に正門を突き破ることを選んだのだ。
 もはや形振りなど構わず、恥も外聞も捨てて離脱に全力を尽くしたのである。
 破れかぶれの博打に出るのは、帝王も同じだったのだ。

「ネイ・ローマンッ!!」

 その瞬間、エンダが咄嗟に叫んだ。
 ローマンの視線がすぐさまそちらへと向く。

「私の眷属(ネオス)にキングを追跡させた!!」

 強行突破を行った鉄球に対し、エンダは即座に黒蠅による追跡を行わせた。
 そしてもう一体の黒蠅が生成され、ローマンの周囲を浮遊する。
 キングを追跡する黒蠅の位置を伝える、いわば案内役だった。

 キングは神父との接触で、既に禁止エリアの位置を把握している。
 では逃走において、彼はどちらへと向かうのか?

 移動の労力があり、退路も限定される東の山岳地帯をわざわざ逃走経路に使ったりはしない。
 既に禁止エリアに妨げられている南西の旧工業地帯は、次のエリア指定で完全に孤立化する恐れがある。 
 なればこそ、行く先は自ずと絞られる。


「――北西だ!!ヤツは西の道から北側へと移動している!!」


 そう、未だ道が開けている西から北へと向かって移動する。
 キングはまさしく、北西への道程を突き進んだのだ。
 この場に残された悪童たちは、その危機をすぐさまに理解した。

 北西の灯台へ向かわねばならないエンダ・Y・カクレヤマ。
 エンダの排除を狙うキングが、彼女の北西への移動を察知したならば。
 灯台を目指す集団に対し、攻撃を仕掛けるかもしれないのだ。


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