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オリロワA part3

458ラストスタンド ◆A3H952TnBk:2025/12/31(水) 20:57:56 ID:jesZa4Jc0

 呉越同舟。エネリットとディビットが成立させた共同戦線。
 施設脱出という共通の利害を掲げることで、結託を成立させた。

 しかし、今はもう違う。
 脱出は間もなく果たされる。
 ディビットはいない。彼は死んだのだ。
 新たな利害で結託できる相手も、この場にはいない。
 故にこそ、もはやエネリットに出る幕はない。

「……僕は、この場を去ります」

 暫しの沈黙を経て、エネリットは口を開いた。
 どこか草臥れたような声色を滲ませながら、彼は伝える。

「僕には、僕の目的がありますから。
 皆さんの思惑とは一致しないでしょう」

 孤独を纏いながら、エネリットは状況を俯瞰していた。
 ――ジャンヌ・ストラスブールらはブラックペンタゴンに参入せず。
 恐らくは正門周辺で、何者かの待ち伏せを受けたのだろう。
 施設を離脱したギャル達が即時の攻撃に曝されなかったことからして、既に戦場を移している可能性も高いが。
 現状の生存者を踏まえた上で、エネリットは“襲撃者”を推測していた。

 ジャンヌ・ストラスブール、交尾 紗奈、葉月 りんか。
 三人の受刑者への攻撃を成立させるだけの戦力の持ち主。
 現状の生存者において、それはルーサー・キングと被検体以外では一人しかいない。

 バルタザール・デリージュ。血の宿命が導く、復讐の相手。
 彼がブラックペンタゴンの外部にいる可能性は、限りなく高い。 
 
 ――――蓮さん、復讐についてあなたはどう考えますか?

 いつの日か、氷月 蓮と交わした遣り取り。
 あの図書館で知識を得て、幾度か繰り返した問答。
 エネリットの脳裏に、それは唐突に蘇った。
 これから待ち受ける運命を、予期するかのように。

 刑務も終盤へと向かっている。
 既に残された時間は少ない。
 状況は苦しい。それでもやるしかない。

 当初の戦力として保持していたエルビス・エルブランデスを喪った。
 刑務序盤から信頼を培ってきた同盟者、ディビット・マルティーニも死亡した。
 バルタザールとの因縁を持つ北鈴 安理は、復讐による協力は見込めない。
 この場における最高戦力、ネイ・ローマンはキングを優先するだろう。

 他の面々に関しても、エネリットに手を貸す動機を持たない。
 恩赦ポイントによる利害関係が成立しないからだ。
 唯一の接点を持つ氷月 蓮は、今どのように動いているかも未知数だ。
 多くの手札を失った今、もはや賭けに出るしかなかった。

 すなわち、ジャンヌ・ストラスブールらの生存を見越して動くこと。
 彼女達と結託し、共にバルタザール・デリージュと対峙すること。
 それが不可能であるなら――最悪、単身での対決も視野に入れる。

 復讐。それこそがエネリットの目的。
 それだけは、必ず果たさねばならない。
 例えどれだけの犠牲を払おうとも。


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