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オリロワA part3

446パピヨンへの手引き ◆A3H952TnBk:2025/12/20(土) 19:16:59 ID:JuaUgIZk0

 トビはサリヤとの遣り取りの最中に、“ある情報”を預かっていた。
 脱獄の手立て、システム破壊の道筋となるヒントを。
 それを得られたことには、明確な価値があった。

 ブラックペンタゴンから得られる手掛かりは、既に頭打ちになっていた。
 メカーニカによる首輪解析も、あくまで可能性の一つと考えるべき段階になった。
 これ以上は手探りと推測によって立ち回っていく他ない。
 そう考えていた矢先に、サリヤというピースを得られたのは大きかった。

 サリヤの末路は、黒幕の思惑通りに運んだものの。
 それでもサリヤは、確かなる情報を抱えていたのだ。
 システムABCの核心、この刑務の核心。

 その仕組みを、トビは知る由もなかったが――。
 本条清彦という“隠れ蓑”によって、彼女は情報をこの盤面に持ち込むことを果たしたのだ。
 極めて強力な隠密能力と、最高峰の群体型超力者としての素質。
 それらは紛れもなく、サリヤの計画の一端を支えていた。

 彼女の目的は、あくまで世界を構築するシステムの破壊。
 故にこそ保険として、トビへの情報継承を行った。
 この刑務において、誰よりも脱出の可能性を背負う受刑者だからだ。

 そのことを振り返り、トビは再び苦笑する。
 ジョニー・ハイドアウトといい、サリヤ・K・レストマンといい。
 自分のことを“有能な運び屋”だと思っているようだ。
 ただ脱獄を楽しみたいだけだというのに、全く人使いの荒い連中だ。
 そう思いつつ、トビは不敵な笑みを浮かべていた。

 ――――面白くなってきやがったぜ。
 ――――博打ってのは、デカく賭ける方が面白いからな。

 望むところだ、と。
 トビは立ちはだかる壁を前に、獰猛な高揚を抱く。

 困難であればあるほど、遣り甲斐というものがある。
 窮地に近づけば近づくほど、スリルと快感は高まっていく。

 ――――“未知”を恐れるような凡骨共と、オレ様は違う。
 ――――金だの権力だの、くっだらねえ話だ。

 今までも、ずっとそうやって挑み続けた。
 命懸けの試練こそが、脱獄王の存在意義である。

 ――――思う存分、楽しんでこその人生だろ?
 ――――オレ様こそがアビスに相応しい大悪党なのさ。

 悪党というものは、いつだって決まっている。
 傲岸不遜に笑える者こそが、大物と呼ぶに相応しい。
 己こそが大悪党なのだと、トビは自負する。

 今後の道筋を整理するべく、または情報を精査すべく。
 トビは再び行動を開始し、その場から駆け出した。
 まるで忍者のように素早い動きで、鋼鉄の床を蹴り進んでいく。
 
 必要ならば、他の受刑者との接触も行う。
 協力者の確保や、首輪解除の手立ても見出せるかもしれない。
 とはいえ、彼らはあくまでアビスの悪党達。
 被検体の撃破に伴い、既に結託は解除されている可能性も高い。
 既に施設から全員離脱していることも有り得るのだ。
 故に最悪、単独行動も視野に入れる。

 気配を隠しつつ、機敏に動きながら。
 トビはあることについて思案する。

 仮にサリヤの存在が、主催側にとって想定内だったとして。
 決定的な情報を漏らす可能性の高い彼女を、なぜ始末しなかったのか。


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