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オリロワA part3
435
:
REMATCH
◆H3bky6/SCY
:2025/12/18(木) 20:46:52 ID:IzfH5kf60
「キミはさ。自分の戦いが、どこまで波紋を広げるか……考えたことはあるかい?」
「……さてな。考える事もあるが、考えたところで全部は拾えねぇ。そういうモノだ」
「だろうね」
エンダは小さく鼻で笑った。
嘲りではない。事実確認の短い吐息だ。
「嵐の夜、鋼鉄と暴力が吹き荒れたあの岩山で――自分たちの戦いが、どれだけ周囲を巻き込んだかなんてキミは、覚えていないだろう」
断定するような強い言葉だった。
ジョニーは否定も肯定もしない。
只野の喉が、微かに鳴った。
一触即発な空気に、何かフォローを挟みたくなる。
だが、ここで言葉を足せば余計な火種を増やすだけだと悟り、只野は押し黙った。
「その戦いの中で、守られるはずだった命が、ひとつ失われた」
エンダの声が、低くなる。
それが誰なのか。
どういう存在だったのか。
エンダは、そこを語らない。
語れないのではない。
語らないと決めている。
その拒絶の硬さが、只野には痛いほど分かった。
「キミが殺したわけじゃない。狙ったわけでも、望んだわけでもないことも……理解はしている」
――――だが。
「それでも、だ」
黒靄が、影のように足元へ滲む。
まだ形を持たない。ただ、感情に反応している。
それは怒りでも、憎悪でもない。
もっと原始的で、どうしようもないもの。
「結果として奪われたものは戻らない。理由がどうであれ、私はそれを忘れられない」
沈黙が落ちる。
ジョニーは動かない。
否定も、弁明も、謝罪も口にしない。
それは只野が事前に話を通したからではない。
ジョニー自身が、その立場を選んでいるからだ。
相手の言い分を、感情をすべて吐き出させるように。
「正直な話――――私は、あの娘以外の人間なんて、どうでもよかった」
吐き出すように吐露される。
その声を聴いて、只野は理解する。
この言葉こそが、エンダが長く胸の奥で腐らせてきた本音なのだろう。
僅かな間。
エンダの唇の端が薄く吊り上がる。笑みではない。
怒りが通り過ぎた後に残る、歪みだけがそこにあった。
「少しでもあの娘の死に関わった連中を……皆殺しにしてやりたいとすら思っている」
只野の背筋が冷える。
それが比喩でも冗談でもなく、本気で言っていると理解できたからだ。
身勝手な逆恨みだ。
だが、ジョニーはその感情を否定しない。
人間など、それぞれが身勝手な思いを抱え、その我侭を貫くものだ。
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