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【第1回放送〜】平成漫画バトル・ロワイヤル【part.2】

20『徘徊老人かな?』 ◆UC8j8TfjHw:2024/09/16(月) 18:00:04 ID:kOdSzS8M0

 ヘビが来るからやめろ、と親に咎められたことがある。




「〜〜〜♪」


 覚えたての口笛でミッキーマースマウチをぴゅ〜たら吹いたあの夜。
当時小学生だったアタシは、ヘビがなにより怖くて昼ですらもぴゅ〜ぴゅ〜〜吹くのをやめてしまった。


──もっとも、表玄関に広がるは田んぼ、裏玄関からは山が立ち塞がるド田舎住みだったもので、妙なリアリティがあったんだけども。




「…これでアタシは闘え、と…? ヨーヨーで?」

 暗い森…いや、山の中で。
古びたベンチに一人座りながら、アタシはヨーヨーをギュルギュル回していた。
バトル・ロワイアルだかなんだか知らないが、どうやらこの玩具が『支給武器』とのこと。


「スケバン刑事かよッ…」


「……………」

「…殺し合いって割とマジな感じでやると思ってたんだけど…、案外ほたるちゃんクオリティなわけ??」


あのグッダグダでボンクラなオープニングセレモニーらしいっちゃらしい、ポンコツ武器とは言えるけど。
念の為、他の人に会うまで緊張感は解かないようにすべきとアタシは考えた。


「〜〜〜〜♪」

…と、思いつつも。
同じく『支給品』であるフエラムネを吹くことはやめられない。
ボンカレーだのオロナミンだのボロボロなポスターが、木造りの塀にビラビラ貼られる昭和の時代から、今でも駄菓子の重鎮として君臨しているこのフエラムネ。
アタシのデイバッグには、そいつが何十パックもぎっしり入っており、あとはおまけの玩具が如く支給武器があるのみだった。
仮に、この殺し合いが『マジ』なやつだったら、アタシは大ハズレ引いちゃってるわけで。
ダークもいいところのお先真っ暗であった。


「〜〜〜♫ …いや、ほんとに真っ暗じゃん…。今いるここも真っ暗過ぎ…」

 目の前の崖からは渋谷というメトロポリスの輝かしい光が映える。
ただ、光と影というか…。
アタシの周りは木々で囲まれてめちゃくちゃ暗い。
『とな□のトトロ』で、夜にバス停で待つシーンがあるんだけど。
あれからトトロと雨とネコバスの登場を省いた場所まんまを移してきたのが、今いるここ。つまりは、ホラーだった。
…そいえば、メイとサツキは死んでる…とかゆう怖い話あったなぁ。


「〜〜♪」

 恐怖を紛らわす為に、アタシはひたすらフエラムネを奏で続ける。
ぶーーんぶーん、と時折耳の近くを通過するベース担当がなんとも煩わしい。
カナブンか、カメムシか、…Gかは知らんけど、ただでさえ露出の多い肩とか脚には止まってほしくないものだ。
…あーー、気持ち悪いっ。
とにかく、今はアタシのソロパートなんだ。
お前ら羽虫は邪魔してくんな、と声を大にしてアタシは言いたい。言いくるめたい。


「〜〜〜♪……」


そして、とにかく今いる暗い山が怖くて仕方なかった。


 …こっえーー。
こんな時に限って、脳内ではどう森の『うたたねのゆめ』が無限リピートしてくる…。
朝、早く来ねーかなぁ。
今の季節からして日の出は四時くらい、か…。
それまでの耐久となると…、まぁ頑張れなくもない気はするけど。


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