したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

オリロワF 第二層

257 ◆vV5.jnbCYw:2025/05/03(土) 20:07:48 ID:vUvRxycg0

「待っていたぞ……●※×▼○×……、いや、今は宮廻不二か………。」

「え?」


ひどく、おかしな空間だった。
辺りは真っ暗だと言うのに、目の前の老人と、自分の姿だけがはっきりと映っている。
まるでスポットライトでも当たっているかのようだ。


「あんた、誰だ?なぜ僕の名前を知っている?もしかして、デスノの仲間……」


彼が全ての疑問を吐き終わる前に、老人は姿を消した。
辺りには自分の姿だけが、妙に明るく映って見える。
自分はもしかして、こんな所に取り残されたままなのか?という恐怖を抱いてしまった。


光が再び集まる。
人の形になった瞬間、心臓が早鐘を打ち始めた。


「おまえは……!!」


彼の心臓を鷲掴みにした恐怖は、違う存在だった。
そこには、1000年以上前に捨てた、妻の姿があった。
既に彼女の顔を忘れてしまったと思っていたが、今この瞬間、はっきりと思いだした。
自分を怖いと言ったあの夜と、同じ姿をしていた。


「すまない!あの時…勝手にいなくなった僕が悪かった!!」


妻と子を捨てて悪いと思ったことは、一度もなかった。
彼女らがどうなったか考えたことはあれど、仕方のないことだと割り切っていた。
それでも、こうして目の前に現れると、謝ってしまう。
自分が思っていた以上に彼女のことを気にしていたのだと、今になって分かってしまう。
1000年以上が過ぎた今、全く変わらない姿をしているのを、おかしいと感じる暇など無かった。


「許して貰えるとは思わない!それでも……もう一度その顔を見せてくれ……。」


しかし、すぐに彼女は姿を消してしまった。
真っ暗な空間の中、またしても不二は取り残される。


「やはり、お前で間違えないようだな。」


今度聞こえたのは、先の老人の声だった。
あまりにも自分が置いてけぼりにされ過ぎていて、何がどうなっているのか分からなくなる。
少しは自分に合わせてくれよという気持ちで一杯だった。
質問したいことは山のようにあり、たった今ひとつ増えたが、ここまで多いと何から聞いていいのか分からなくなる。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板