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UnHoly Grail War―電脳世界大戦―Part2

148ガールズ・イン・ザ・フロンティア ◆T9Gw6qZZpg:2024/01/09(火) 06:31:10 ID:9OIw6V/M0

「そのくらい怖い王様が相手だから、今から会いに行く子にも、もしもの時には一緒に倒しましょうって話をするんだもんね」
「はい。あのアーチャーが聖杯の獲得に積極的であるか否かは不明ですが……ひとまずの共闘を持ちかけることには、意義があると考えます」

 宿儺への対抗手段を、早期のうちに確保しておく必要がある。『黒』以外の三つの陣営の力を、一時的に借りてでも。最悪の場合、宿儺の討伐に総出で臨むことも視野に入れながら、だ。
 宿儺の矛先が他の陣営だけに向けられたまま、何の不都合もなく聖杯戦争を完遂できる……なんて、容易く吹き飛ぶ可能性には賭けるわけにいかない。

「その子、何か光るものがあったの?」
「少なくとも、戦闘能力については不足ないかと思います。マスターと思しき女性と話している途中にワイバーンをけしかけてみましたが、彼らは撃退してみせました」
「あっ、奇襲したんだね……」
「ほんの小手調べです。本気で殺すつもりはありません。向こうとしても、修練の機会にはなったでしょう」

 予選期間中に行った偵察で、何組かの主従を捕捉することができていたという。
 本戦開始の時点で、既に殆どが脱落してしまったようだが。その後でも尚残された選択肢が、キャスターが『金色の少年』と評するアーチャーであった。

「これ以上の根拠となると……少し、説明に困ってしまうのですが」
「ふぅん……ま、いっか。ここはキャスターの判断を信じるよ」

 ちとせ達の敵は、他の三陣営と、そして宿儺。その前提を常に意識しつつ、立ち回らなければならない。

「それで、他の人達にも同じことを相談していって、ゆくゆくは対宿儺サークル大結成!」
「ええ」
「どうせ、そのうち解体しちゃうのにね」
「ご尤もです」

 一時的な共闘関係を、いつ反故にするかはわからない。
 たとえば、その者を切り捨てたところで、宿儺の打倒の成功率には影響しないと判断できた時。
 たとえば、宿儺に次ぐ脅威性を持つ故に、いっそ討ち死にしてくれた方が望ましいという邪魔者がいた時。
 たとえば、万が一にも予想外に早く宿儺と再会することになり、面従腹背を疑われたことへの釈明を余儀なくされた時。
 卑劣なやり方との誹りを受けようと、何より自分達の死だけは絶対に避けなければならない。そのためなら、時には礼儀も投げ捨てることになるか。

「必要とあれば、適度に間引く。そのように仕向ける。機を見て、流れを見て、私達の利になるように動く」
「全方位に裏切りの準備しながら、口では仲良しを謳うんだ」
「この方針が最も妥当であると、判断しましたから」

 『不夜城』に下り、『カルデア』と組み、『魔神柱』との同盟に立ち返る。地底を舞台にした特異点でかつてのキャスターが行った、二転三転の鞍替えと裏切り。
 それに近しいことを、この電脳の冬木でも再度行うまでのこと。必勝法には至れなかった手法であるが、今度こそ成功させてみせましょうとは、キャスターの弁だ。


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