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UnHoly Grail War―電脳世界大戦―Part2
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:
方舟の救いと洪水の救い
◆WutzLL0xx2
:2023/12/27(水) 02:32:07 ID:4Rbxc5TA0
その質問は、全くキャスターにとって意味不明なものであった。
「知らんな。その二人の存在すら知らん」
"白"の円卓では、すべてのマスターとサーヴァントを確認した。
サーヴァントの真名こそ確認していないが、明らかに当てはまりうる存在はいない。
『僕たちの陣営では、その二人をこの聖杯戦争での最大の障壁と考えてる』
「それだけ言うからには、証拠があるのだろうな」
オモリとバーサーカーは、ケイから聞いた彼らの悪行と、持ちうる能力について話をする。
呪霊操術、肉体を乗っ取る術式、悪辣な策略家、死滅回游。
十種影法術、切断術式、膨大な呪力、伏魔御廚子。
聞くごとにキャスターの、眉間のシワが強くなる。
(──こいつらの話が本当なら、確かに厄介な奴らではある。特に宿儺はおそらくこの聖杯戦争でも天辺に座する類の強さだろう)
(だが──)
「分からんな。何故、お前らがそいつらを狙う?」
「各陣営には五主従が居る。何もお前らが、そいつらに直接対処する必要もあるまい」
「…別に、私達だけで対処している訳でもないけれど、それでも私達がその二人に立ち向かってる理由はあるの。」
「私の願いが、NPC…この電脳世界で、私の歌を聞いてくれた人たちも含めて、救うためだからだよ」
バーサーカーが、キャスターの言に答える。
「私は知ってるの。この世界の人たちが、心ある人間だって。聖杯戦争のために作られた世界だとしても、そこにいる人間を殺していい訳ない」
「羂索も宿儺も、人を大量に殺して恥じない人たちだよ。彼らを残したら、必ずこの世界でも人を殺める。私はそれを止めないといけないの」
キャスターは眉を顰める。
この女の言葉は一見正しくは聞こえるが、いかにも危うい。"英霊"とはそういうものでもあるにせよ、明らかに個人でどうにかするべき枠を超えている。
孔富の"救済(すく)い"と同じように。
「私が聖杯に願う願いはね。私の宝具を──ウタワールド、夢の世界をもっと完全なものにすること」
「元の世界だけでなく、この電脳世界も、オモリの世界も──みんなを、歌で救うの」
「だからさ、キャスター。あなたのマスターも、救いを望んでいるんでしょ?。なら、私たちとあなたたちは手を取り合えるんじゃないかな」
バーサーカーは笑顔で、キャスターに協力を提案する。
キャスターは断言する。
「断る」
「バーサーカー。お前の狂気は聖杯と、この僕の診断が保証している」
(こいつを、孔富に近づけるべきではない)
キャスターはそう判断した。
バーサーカーは目を細め、心外そうにキャスターを睨む。
「何ソレ。挑発のつもり?だったら意味ないよ──
」
「確かに、私はやり方を、救う手順を間違えたのかもしれないけどさ。聖杯が、マスターが、私の願い…新時代は間違ってない、ってはっきり教えてくれてるんだ」
(──こいつは、何を言っている?)
キャスターは心中で疑問を呈する。マスターはともかく聖杯が個人に語りかけるなど、あるはずもない。けれど目前のサーヴァントは明らかに、聖杯の意図を確信している。
バーサーカーの狂気に由来する妄言だと切り捨ててよいものなのだろうか。
だが、思考を深める前にバーサーカーの瞳にはっきりとした敵意が浮かぶ。
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