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児童文庫ロワイヤル
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◆BrXLNuUpHQ
:2024/03/31(日) 07:53:02 ID:???0
「共通点は超能力者ってことか。おれバカだからわかんねえけどよ、この殺し合いって超能力者が集められてるんじゃねえか? 美晴ちゃんもなんかこういうのあるのか?」
「いいえ。でも、超能力者が集められてるっていうのは正解だと思います。前の時は小学6年生が集められて殺されていったんですけど、おんなじように共通点のある人を集めて殺したいんだって、そんな気がするんです。」
「でも美晴は能力者じゃないんだろ?」
「それは……たぶん、うらまれてるからだと思います。前のゲームから脱出して警察にも話したんで。」
「口封じってことかよ。気に入らねぇ。」
「さっきの蜘蛛頭の巨人もなんかの能力で作った怪物ってところかな? だいぶヤバイじゃん。」
「……だな。」
自分の父親を思い出して言葉が出てこなくなった億泰は、美晴から目をそらした。超能力者を集めるという推理は、これまで億泰がやってきたスタンド使い集めから出たものだ。やってきたことはギルティゲームの主催者であるギロンパとそう変わりない気がして、怒りを迸らせている美晴を直視できなかった。
「それより、もっとやばいことがわかった」そうメイトが言ったときには救われた気さえした。
「みんな、今何年だ。」
「あ? そりゃ平成──」「令和──」
「お?」「あれ?」
「ああやっぱり。ぼくら多分全員バラバラの時代から連れて来られてる。」
「なにっ。」
「美晴の心を読んだときに平成って言葉が出てきたからもしかしたらって思ったが……そりゃ未来の世界からやってきたことは色んな時代からも集められるよな。」
「時間を操る……いくら超能力が使えても、そんなことまでできるんですかっ!?」
「いんや、できる。おれが知ってるスタンド使いに、時間を停められる人がいる。」
「……できればいてほしくなかったな。マジかよこれ……」
億泰が断言したのを見て、メイトは天を仰いだ。殺し合いの主催者がタイムリーパーの上に、時間停止までできる超能力者も存在していると来た。ここまで来るとどんな能力者でもいると想定しなくてはならない。そしてそれは同時に、能力者の想定などしきれないから無駄ということを意味する。
(フルナも億泰も比較的オーソドックスなサイキッカーっぽかったが、そんなチートまでいるのかよ。ただでさえ洗脳とか呪いとかのいがちなヤバい能力を警戒しなきゃならないのに、これかなりヤバくないか……?)
「でも、ギロンパは簡単には時間を巻き戻したりはできないと思います。この前はそういうことはしないで、ロボットに乗って襲ってきたあと爆発で倒したんで。」
「ちょ待てよ美晴ちゃん、ロボットってなんだよ? その、ギロンパ?がロボットなんだろ? ロボットがロボットに乗ってんのか?」
「ギロンパがロボットなのかはほんとのところはわからないですけど、そうです。なんか、アニメの悪役が使ってそうな感じので、ガーンッ!って。」
今度は億泰も天を仰いだ。未来の世界から襲ってくるのはわかる。そういうスタンドなのだろう。だがロボットは反則だろう。というかロボットでなくても反則だ。スタンド使い同士で戦いになるのはスタンド以外の部分は差が小さいからであって、これがロボットやら最新兵器など使われたらスタンドうんぬんの前に殺される。
頭にあるのは億泰の兄、虹村形兆のスタンドだ。ミニチュアの軍隊のスタンドの恐ろしさは弟としてよく知っている。あれが人間サイズになって襲ってくるとかその中にロボットがいるとなったらもうどうしたらいいかわからない。『ザ・ハンド』でいくら削ろうともミサイルや砲弾を何万発とぶち込まれれば死ぬのだ。
黙ってしまった年長の男性陣に、美晴とフルナは顔を見合わせて、何か言おうとして押し黙り持ってきたお茶を飲む。
場に会話が戻ったのは、人間たちの輪に加わっていなかったカザンが監視カメラに映る人影を見つけた時だった。
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