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児童文庫ロワイヤル
49
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◆BrXLNuUpHQ
:2024/03/31(日) 07:52:40 ID:???0
フルナが能力を隠しているらしいので下手にごまかした億泰に変わって、メイトは己の能力の開示をした。彼のサイキックは秘密にすれば秘密にするほど人からの信頼を失う。それは経験則からのものだが、美晴はスっと手を差し伸べた。
「マジで?」
怪訝な顔になってしまうのを自覚しつつも言ったメイトに、美晴は覚悟を決めたような顔で頷く。嫌なものを感じつつも、察してその手に触れた。
(──グアッ……これ、は……)
その瞬間、メイトが感じ取ったのは強烈な負の感情だった。
日頃から能力の使用には気をつけていて今も意識的に相手の心に踏まこまないように心がけていたのに、それでもなお顔に出そうなほどの感情が手を伝って脳内をかけ巡る。思わず手に鳥肌が立ち、直ぐにでも手を離してしまいたくなる。それほどの強いストレスに、メイトは思わず思った。
(美晴、君はこんなの抱えて生きてるのか?)
死への恐怖、理不尽への怒り、目の前で息絶える仲間への悲しみ、自分への無力感、生き残った仲間への信頼、そしてギロンパへの憎悪。
ドス黒い泥沼の中に、一つ眩く輝くものがある感情。なまじ黒一色でないぶん、黒より黒く感じずにはいられない。
「なるほど……これが、ギルティゲームか。同じ首輪が使われてるってことは、今回のコレももしかしたらってわけだ。」
「すごいですね、本物の超能力者なんだ。」
「まあね、驚いては……ないね。」
「はい。もう『そういうもの』だって思ってるんで。」
(そういうもの、ね。)
未来の世界の時間犯罪者系パンダ型ロボットと同列に扱われているようだが、それは口にしなかった。
美晴から見たギルティゲームは、この殺し合いに似ていた。違うところがあれば、より理不尽なところだろうか。時に完全な運で殺され、最後には誰一人として生かして返す気のない、デスゲームとは名ばかりの殺戮ショー。バトル・ロワイアルの方がまだ公平なそれにチャけることも許してくれない。
「明斗よぉ、お前だけでわかった気になってねえで説明してくんねえか?」
「あ〜わりい、これ説明してたら長くなるやつだわ。その前に自己紹介片付けようよ、スタンドってなんなの?」
「話そらしてねえか? まあいいけどよ、おれのスタンドは──」
億泰がそう言うと、テーブルの上に置かれた缶ジュースのプルトップが開けられた。そしてそのままひっくり返される。口から溢れるジュースがテーブルへと溢れる寸前で、ジュースの滝がかき消える。それが何度も起こって、最後には缶そのものが消滅した。
「これがおれの『ザ・ハンド』よ。おれのスタンドは人型だからこんなふうに物を持ったりフタを開けたりもできる。しかも『ザ・ハンド』が右手で触れたものはなんでも削っちまえるってわけだ。」
「スタンドってのは能力の呼び方か。つーかずりいな、サイコキネシスと物を消せるのの2つできるのかよ。」
「サイコキネシスっつーか、自分の体がもう一個あるみたいな感じだな。人によっちゃあもっと色々できるらしいぜ。」
「あの、わたし!」
音を立てて椅子から立ち上がったフルナに視線が集まった。
「わたし、実は、体から電気が出せる能力があるんです!」
「やっぱり。」「だよなぁ。」「知ってる。」
「……い、以上です。」
誰にも秘密にすることになっている能力について話したのにアッサリとしたリアクションをされ、恥ずかしくなってすぐに座った。
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