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児童文庫ロワイヤル
25
:
◆BrXLNuUpHQ
:2024/01/27(土) 00:15:11 ID:???0
「六つ子?」「マジすか?」
(じゃあさっきのあれは兄弟みんなで旗を……?)
一松が言うには自分たちは六つ子だという。なるほどだから六人全員掘られてたのね、いやそうはならんやろ。何があってそうなった。
「ここが地獄って、そんな……」「……わからなくはない。」
次に利根が言うには、自分は死んだはずであり、ここは地獄であるという。
たしかにある意味地獄を味わったが、そういえばオープニングに出てきた変なマスコットには角が生えていたような気もするし生えてなかった気もする。なんだか遠い昔のことのようだ。
「なにかの能力者ってそんな中二病な……」「オレは信じるぜ……周り見ればわかるからな……」
次に直矢も話した。能力者については伏せるが、しかし能力によるものという疑いは伝えておく。一松も利根も程度の差はあれ、直矢の言うことに納得したようだ。
(首輪付けられて、銃まで落ちてたらそうなるだろうな。)
赤い霧に赤い空に馬鹿みたいに置かれている銃。それを見ればこれが現実なのか怪しいと能力者と無関係でも思うだろう。直矢もあまりに生々しい霧の影響を受けていなければ、真っ先に幻覚を疑った。
それから話すこと十分間。親の顔より見たバトル・ロワイアルの開始直後に出会った参加者がしがちな会話をしながら、自然と三人は歩きだしていた。道の真ん中に突っ立っているのはどう考えても危険だ。年長者ということもあり先頭を歩く一松について行くと、気がつけば繁華街らしき場所に出ていた。
「人の多いところは危ないんじゃないすか?」
「そうだけど、ほら、こんなメモがポケットに入ってたんだ。」
「なんですそれ?」
「さあ……」
「あ……それ、持ってます。」
「マジかよ、あっ、オレのズボンにも入ってる。」
それはアイテムの場所を指し示したメモなのだが、なにぶん誰も謎解きが得意ではないので、しらみつぶしに繁華街の入れる店を探していく。クイズを解く際の王道を往くやり方、全通りである。メモ担当の主催者、Xこと氷室カイが気を使って簡単にした上、繁華街にあるとわかるところまでは特に簡単にしたのだが、三人は頭を使わず力押しでアイテムを手に入れた。
紹介しよう、【大形京の近くにあった本@黒魔女さんが通る!!】である。
「なにこれ? 小説か。」
「主催者の嫌がらせじゃないすか? それよりさっきの話……うん?」
クソみたいなハズレアイテムだと判断したのでとびきり簡単にしたのだが、三人はそんな気遣いに気づかず脳死で突破した。適当にその辺の開いてた牛丼屋に入って見つけただけである。
もっとも三人とも別にこれを探す気などそもそもない。ただなんとなく、目標らしい目標が欲しくて、それに向けて行動していたくて、雑談する間の徘徊先に選んだだけである。
水を勝手に飲んでいる直矢と一松をよそに、ペラペラと利根は本を読む。サッカー少年なので別に本はどうでもいいが、過去の経験から怪しいものを口にしたくなくて、二人が飲んでる間の暇つぶしだ。そして利根が会話の途中で声を上げたのでなんだとなると、音が聞こえるという言葉。一松と二人で耳を傾けると、たしかに洋楽のような曲が聞こえた。本は関係ないのか。
「商店街の放送かな?」
一松の言うとおりだとその場は思ったが、すぐにそれが間違いだと気づいた。
繁華街を歩いていくと、すぐに音は大きくなっていく。五分もしないうちに一つの酒場から大音量で曲が流れていることに気がついた。店の外まで流れるほどで、慎重に店内に足を踏み入れた三人は、耳を圧する音に驚いたほどだ。
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