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人類観察都市 東京二十三区

807永遠の不在証明 ◆6bb6LonGS2:2022/07/30(土) 23:26:31 ID:LCn3DqJI0
話を聞いていた女性の一人の問いに、殺島が「まあな」とさも当然のようにサラリと答えた。


「コイツも、悲鳴を上げてるからな」


何故か殺島には聞こえた。
一見、普通で平凡で至ってありきたりな少女から、どうしても悲痛な叫びが聞こえるのか。
とはいえ。
よくある虐待とかイジメのようなもので受けた苦痛に苛まれては、いなさそうなのだが。
「それで」殺島が女性からの相談の続きをする。


「その『駆け込み寺』。裏で出回っている話じゃ、死体処理専門のカルト宗教団体だぜ。早々に縁切った方がいい」

「う、嘘っ!? ど、どうしましょう。『暴走族神』様! 私の友人とその息子さんがそこで避難しているんです!!」


表向きでは『駆け込み寺』として有名な万世極楽教。
だが、裏に生きる殺島の立場上、どうもカルト宗教としての側面ばかりが耳に入る。
霊感商法とか政治家との繋がりは、良くも悪くもある話だから特段珍しくない。一際、耳に入ったのは死体処理の話だ。
時期的に聖杯戦争の関連が疑われる。
ただ同盟相手としては少々問題あった。『宗教食らい』の特攻対象になりうる。
無論――向こうも警戒している。故に殺島はこう告げた。


「近々、そっちに顔(ツラ)出す必要ができた。そん時、話をつけてやるよ」

「……! ありがとうございます、『暴走族神』様!!」


そこで一本の電話が殺島の元に入る。


『暴走族神! アルターエゴの姐さんはとっくに出発(デッパツ)しちまいましたよ!?』

「あぁ!? ったくよぉ〜〜、早漏(はや)りすぎだろ!」


騒がしい雰囲気を感じ取り、女性らが聞く。


「ヤジ、もう行っちゃうのぉ〜〜〜?」

「どこに行かれるのですか?」


殺島は爽やかに笑みを浮かべ、煙草を吹かしながら答えた。


「軽く制圧するだけだぜ。『本丸』をな」







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