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辺獄バトル・ロワイヤル【第3節】

391 ◆EPyDv9DKJs:2022/03/09(水) 02:07:26 ID:VigE1wbI0
 優れた剣客同士による剣技の押収だ。
 姫和の流派となる鹿島新當流の突きは届かず、
 アカメの刃は写シを剥がすことすら叶わない。
 迅移がなければ、龍眼の演算に追いつかない可能性すら感じる。
 何度も何度も人を守るための御刀と日輪等が振るわれ派手に音を散らしていく。

「無駄だ! 八将神はあいつらから加護を受けている!
 体力が尽きるまで続けるならば、私の勝利は確実だ!」

 持久戦は何方が有利かと言ったら、それは当然姫和に分がある。
 互いに目的のために肉体を鍛えてるのであれば体力勝負は五分だが、
 此処に八将神と言うバックアップが姫和にはある。同じく八将神との戦いで、
 ドミノ・サザーランドと不動明による激突も五分ではあるが体力差が響いていた。
 いくらアカメも人並外れたところで、コンディションは常に維持できない。

(……この違和感は何だ?)

 彼女とは初対面だから完全に察したわけではない。
 ただ、まるで『だから別の事をしろ』と言わんばかりの発言。
 それがまさか、死ぬためにしているなどとは思うはずがない。

(嘘を言ってるようには思えないし、この状況では私に分が悪い。)

 戦いのコンディションとは最初の少ししか最高潮を維持できない。
 次第に落ちていくのが普通だ。大切なのはその時にどうするかだ。
 落ちてからでは遅い。一度距離をとって地上へと降りながら、
 アカメは懐にしまっていたものを左手に用意する。
 無論、八将神たる姫和がそれを使わせる隙を与えるつもりはない。
 アカメはそれを空へと投げたが、見た目から何か即座に察する。
 咄嗟に腕で眼を覆い、周囲に強い光を放つ。
 琴美が持っていた、最後の閃光手榴弾になる。

 このチャンスを逃さないと言いたいが、閃光手榴弾の威力は強い。
 人間どころか鬼にだって通用するそれを考えれば当然であり、
 アカメも多少ではあるもんお、視界が狭まってるのは事実。
 一瞬のミスが命取りになるのであれば、そのミスを出す前に決着をつけたい。
 デイバックから栄養ドリンクと思しきものを手にし、それを一気飲みする。

「葬る!」

 瓶を投げ捨てながらの肉薄。
 彼女が飲んだのはツヨツヨドリンク。
 安直なネーミングではあるが力を短時間倍化させると言う、
 ドーピングも真っ青なとんでもない効力を秘めた代物だ。
 これでリスクも何もないと言うのだから恐ろしいものである。

 だが、それは相手も同じことだ。
 アカメが準備した際に、姫和も同じく行動を取った。
 同じようにデイバックから取り出したのは───剣。
 彼女の流派である鹿島新當流は突き技を主とするもので、
 折神紫の二天一流のような二刀流をメインとはしてないし、
 ましてや片方は比較的細身と言えども、西洋剣に近しい太めの武器。
 二刀流をやるにしても不格好ではあるが、それは最早関係がない。
 この剣は斬るために使うこともできるが、その目的ではないから。
 剣を取り出して地面へと突き刺す。

「その剣……まさかお前!」

 接近しながらその件に目を張る。
 少し前にスサノオと言うあるはずがないものを見たばかりなので、
 決してないと思ってはいなかったが、こんなところで彼女が持つとは。
 修羅となることを決意した彼女へと渡った、千が持ってた皮肉の支給品。
 その大剣たる鍵と、それから出るものの名は修羅化身───



「グラン───シャリオッ!!!」



 高らかにその名を叫び、彼女は姿を変えた。
 長い黒髪も、年不相応な運命を背負ったことでできた仏頂面も。
 さながら鉱石のような、つややかな黒紫色の鎧を彼女は身に纏っていく。
 帝具『グランシャリオ』はイェーガーズのウェイブが使っていたもので、
 インクルシオの後継機。戦ったことがあるからその力は分かっている。
 純粋な身体強化と、素材に鉱石を使ったことで強固な装甲を持つ。

(まずい!)


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