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バトル・ロワイアル 〜狭間〜
489
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Turning Points
◆2zEnKfaCDc
:2021/09/17(金) 10:56:31 ID:JgrdMADY0
■
ㅤ杏子たちから少し離れ、紗季はひとり考え事に耽っていた。
知人の情報を語った時の杏子が一般人であるまどかの身を案じていたのは自分も知るところだ。その再会にあえて水を差すつもりはない。杏子たちから一時的に離れていることに、そんな気持ちが含まれているのは確かだ。
(……なんて、空気を読んだだけならいいのだけれど。)
本当は、自覚している。新しい恋人を作っていた九郎に深入りせぬよう、再会してからも一定の距離感を保っていたことにも、未知なるものを遠ざけようとする思惑が少なからず混じっていたことを。
言ってしまえば、まだ怖いのだ。魔法少女という非現実に、ずぶずぶと深く関わっていく自分が。
黄泉竈食という概念があるように、関わりを深めてしまえば、もう普通の人間には戻れないとでも思っているのだろうか。それとも、見知ったものが常世の理を変えてしまったあの時の得体の知れない恐怖を、もう知りたくないと身構えているのだろうか。
「――お互い、大変なことに巻き込まれたものですね。」
間もなくして、まどかの方の同行者の男、二人のうちの一人が話しかけてきた。どことなく九郎に似た、人畜無害そうな男性。名簿によると、滝谷という人か。
「ええ、本当に。」
ただでさえ元の場所で怪異や想像力の怪物といった存在と立て続けに出くわし、さらには杏子という魔法少女やモバイル律という超科学との邂逅。
「ところで……あなたも怪異とか魔法少女とか、そういったものに類するタチなのかしら……?」
……真っ先に、その点においての疑問があった。
「いや、ただの人間ですよ。」
にっこりと微笑みながら、滝谷はそう言った。我ながら魔法少女の例えは無いよな、などと思いながら、どこか安堵している自分がいた。
「ただ、あっちにいるファフ君はそういうのに分類されるかもしれません。 彼は俗に言うドラゴンと呼ばれる生き物なので。」
「えっ……ド、ドラゴン!?」
非科学的な存在への心の準備は、既にできていると自負していた。その上で、ドラゴンとは予想の斜め上だった。
妖怪が人の形をしていても頭の中のイメージとの差異はない。魔法少女は、むしろ人の形でなければ意外に感じるだろう。だが、ドラゴンはそうではない。人間離れした体躯と風貌――仮にドラゴンを模した想像力の怪物が生まれるとしても、その形は崩れることがないだろう。
滝谷の指した先にいる男、ファフニールはそうではなかった。ドラゴンと銘打ちながらも、その姿はどう見ても人間のそれ。それだけで滝谷の言葉を嘘と断じるつもりはないし、ここで無駄な嘘をつく意味もないためおそらくは事実なのだとすら思っている。思った上で――諦念を込めて、苦々しく呟く。
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