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Fate/Fessenden's World-箱庭聖杯戦争- Part3

55BB Channel 1st/BLADE BRAVE ◆yy7mpGr1KA:2021/06/09(水) 12:49:44 ID:u8pAsDrg0

「それが俺の知る仮面ライダーへの第一歩といえる。常在戦場とは言うが、平時と戦時を行き来するのも大切だ」
「仮面ライダーへの、第一歩……」

知ってか知らずか、五代もまたそうだった。
2000の技の一つである拳闘をベースに構えをとり、大きく声を上げてクウガへと転じる。
幼い実加の前でも披露した戦士の姿だ。
それが実加の原風景の一つと言っても過言ではないのだが

(そもそも仮面ライダーって……なに?)

抱く迷いに続けて振って湧いた疑問が実加の足に絡みつき、その足を止めそうになるが

「仮面ライダーとは、例えるならばローマの皇帝(マグヌス)である」

真紅の王がその道行を晴らさんと現れた。

「ランサー。マスターとの話は済んだのか」
「うむ。セイバーよ、レクスとの対話は終えた。あの者もまた良きローマである」

満足した様子で深く頷きながら、今度はお前の番だとゆっくり実加へと向かう。

「レクスは誰かを迎えに行くと言っていた。すぐに合流するだろう。今はお前だ、実加よ。知は力なり。認識し、理解することが戦う術となろう」

そう言いながらランサーは自らの丹田―――資格者であればブレイバックルやアークルを装着するであろう箇所だ―――に手を当て、呼吸を整えながら呟く。

「皇帝特権により『神性』を主張する」

その言葉と共にランサーの肉体に神性を取り戻した証……神代の魔術回路である神代回帰の紋様が浮かび上がる。

「『すべては我が槍に通ずる(マグナ・ウォルイッセ・マグヌム)』

続けて宝具の真名を唱えるとともに己の手の中に宝具である巨槍を召喚し、構えてみせる。

「魔術師は魔術回路を励起することで力を行使する。また、お前の国の侍という者たちは刀を抜くことで戦士となるのだろう?
 鬨の声と所作によって、心と体を戦へと切り替える。まさしく戦士の嗜みであろう。仮面ライダー、善きかな」

例えるならこれがランサーにとっての『変身』であると示したのだ。
それはつまり、誰にでも『変身』はできるのだということを。

「ローマの初代皇帝の名は知っているか?」
「アウグストゥス帝ですよね?それは、もちろん」
「うむ。ならば皇帝、カイザーの語源となった男、アウグストゥス以前に帝国の基礎を築いた偉大なるローマがいたことも知っていよう」
「ガイウス・ユリウス・カエサル執政官ですね」
「然り。ローマ皇帝即位以前、初代より前にして、そして私(ローマ)より後の皇帝といえよう。
 そして、ローマという王国(くに)亡き後もその名と在り方を継いだ皇帝たちがいた。ロムルス・アウグストゥスという我が子もいた。他にもコンスタンティヌス、テオドシウス。
 そして……シャルルマーニュ。ハートのキングを司る、神聖ローマ帝国の初代皇帝。あの者もまたローマである」

懐かしむような眼で、慈しむような眼で、彼方を見ているようで、しかし確かに実加を見据えて神祖はそう口にした。

「仮面ライダーも同じだ。初めて仮面ライダーと呼ばれた一人の男がいた。それより以前、それより以後に男の在り方を、承知の上でか知らず知らずにか体現した戦士たちのことを人々は仮面ライダーと呼ぶのだ。
 時代や場所によって鬼、魔法使いなど呼ばれ方が違う者もいるが、それもまた総じて仮面ライダーだ。私(ローマ)やシャルルマーニュが皇帝(マグヌス)であろうように、な。
 お前も、仮面ライダーとなる資格はあるのだ、実加よ。お前も含め、あらゆるものがローマであり、仮面ライダーとなる可能性を秘めているのだ」

最後の言葉は、しっかりと実加だけを見て。
実加の中にある、浪漫(ローマ)と戦士(クウガ)を見出して。
それに応えるように実加は熱いものを躰の裡に覚えた。

「ローマで……仮面ライダー……!」

実加の中からそれを引き出す。
五代雄介がかつてしていたような、腰に手を当てる構え。それに応じるようにアークルが腰に現出した。
腰に構えた剣を抜き放ち構えるように腕を振るう。一条薫が魅せる居合抜きの如く。
そして


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