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Fate/Fessenden's World-箱庭聖杯戦争- Part3

39異文化コミュニケーション ◆GO82qGZUNE:2020/07/12(日) 19:55:35 ID:LX7W3jaY0

「学生用の共有ネット……前時代的だけど便利なことに変わりはないよね」

 手元の情報端末に表示されているアクセス履歴をちらりと見遣り、呟く。
 そう、便利なことに変わりはない。使えるものは全て使う。

 結論だけを言えば───学園内の校舎は、現状その全てが"ゴースト"として錬の支配下に収まっていた。

 形は変わらず、外見上は元より物理的な変化は一切ない。しかしその実、情報的な側面から見れば校舎の変化は如実なものだった。
 あらゆる場所に錬の仮想精神体が入り込み、校舎が受ける物理接触をデータ化して逐一錬のI-ブレインに伝えていた。今や校舎は錬の体内そのものであり、内部で発生する事象は全てが筒抜けとなっているのだ。
 体重移動、大気の震え、質量物体の感知にその他諸々。どこに誰がいるのか、何を話しているのか、その全てが錬にとっては手に取るように理解できた。
 情報構造の維持には共有ネットワークのメインシステムそのものを利用させてもらった。簡易的な思考しかできない、技術的には数百年は以前の民間レベルの物ではあるが、構造体の維持には全く問題ない。
 なにせ物理変化を一切起こさない、戦闘用ですらないゴースト化であるのだから、必要な演算処理は極めて微小なもので事足りる。

(御坂美琴の使役サーヴァントはバーサーカー……だけど、質量移動と運動エネルギーの多寡から言って近接ステータスは大したことない。宝具を加味しなければアサシンで十分に対処できる。問題は巴マミのほうだ)

 情報取得の面から言って圧倒的な優勢にある錬だが、しかしその表情は優れない。油断はできない、できるわけがない。
 聖杯戦争における戦力主体はあくまでサーヴァントにあり、そして巴マミが使役するサーヴァントはあまりにも規格外に過ぎた。
 御坂美琴のバーサーカーと同じくしてその身体能力はおおよその部分を計ることができたが、明らかにアサシンを上回る高水準。更に高速の矢をつがえていた事実からアーチャークラスであることが推察される。
 何より異様なのは、そのスキル。
 襲撃者と戦闘状態に陥ってなおアサシンが感知できなかった域の気配遮断スキル。それは断じてアーチャークラスが持っていい代物ではない。
 考えられる可能性は二つ。神代の大英雄に匹敵するステータスを持つアサシンであるか、他クラスのスキルさえ使用可能な規格外のアーチャーであるか。
 どちらにせよ安易に手を出していい相手ではなく、ならばこそ様子見の姿勢は当然のものと言えた。


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