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魔界都市新宿 ―聖杯血譚― 第3幕

360流星 影を切り裂いて ◆/sv130J1Ck:2017/03/07(火) 22:20:42 ID:Ef0xKzCs0
「随分と面白くなってきたじゃない」

天界での何不自由無い平穏で退屈な暮らしに飽いて、ワザワザ地上に異変を起こした不良天人の本領此処に在り。
天人の永い永い生から見れば、人の生など瞬きの間に終わる程度。だが、人にとって、時に人の生の刹那の燃焼は、永劫の輝きを凌駕する。
比那名居天子は元は地上の者である。其れ故にこそ人の生の輝きに魅せられ、地上の諸人諸妖と交わり戯れる様になったのだ。

─────愉しい。こんなに愉しいのは久し振り。

地上の愉快な人間達が皆死んでしまい。妖怪達も数が減り、死ぬ前にはそれはそれは退屈だった。
死んでからまたこんな愉快な事に巡り会えるとは思わなかった。
いっそのこと聖杯に願ってもう一度生を得ようかと思う程に、心の底からの愉悦を感じながら、不良天人は驚天の魔人超人に挑みかかる。
此処に三つ巴の魔戦が開始された。


三人の中で唯一、武器が宝具であり、尚且つ頑丈極まりない身体を有し、多彩な飛び道具を持ち、地殻を操る程度の能力を持つ比那名居天子。

三人の中で最も高いステータスを有し、シルバーガードによる高水準の防御力と、多彩な能力による強力な攻撃力と、尽きることの無い魔力を有するシャドームーン。

この両者と比べれば、やはりヴァルゼライドは劣っていると言わざるを得ない。
武器で劣り、手数で劣り、魔力量で劣り、何より基準となるべきステータスで劣る。
そして満身創痍を通り越して死に体だ。今日これまでに無数の傷を受け、そして此の場でも痛手を負った。
息が有るだけで奇跡。意識が有るだけで偉業と言える重篤の身で、二本の足で立って戦うという理不尽を成し遂げるヴァルゼライドは、二人を相手に優勢を保って戦うという大理不尽を成し遂げていた。
新国立競技場で、紅蒼の魔剣士達を相手取った時は、二人の息の合い過ぎたコンビネーションの前に一方的にやられたが、シャドームーンと天子にコンビネーションなど発揮出来るわけも無く。
且つシャドームーンはヴァルゼライドと戦って勝つ為に此の場に在り、比那名居天子は佐藤十兵衛の狙いがザ・ヒーローで有る為に此の場に現れた。
此の為、シャドームーンは先ず天子の排除を優先し、天子はヴァルゼライドを狙う。
そしてヴァルゼライドは二人を此の場で屠るべく奮起する。

左の刀でシャドームーンの放った念動力を斬り散らし、右の折れた刀で天子の放った要石を、シャドームーン目掛けて飛ぶ様に軌道を変える。
シャドームーンが防いでいる隙に天子の目掛けて猛攻を掛ける。
悉くを受け、捌き、躱す天子だが、明らかにヴァルゼライドの動きに追随出来ていない。
それもその筈、幻想郷の住人は基本的に空を飛んで戦う者。地に足を着けて戦う経験が乏しい為に、間合いを構成する要素のうち、歩幅や歩法といったものに慣れていないのだ。
それでもヴァルゼライドの攻勢を凌ぎ切れるのは、陽動や回避先潰し、只の見せ球を含む無数に飛来する弾幕の中から、
自身に直撃するものを精確に見切って防ぎ、躱す、命名決闘法の経験によるものだ。
向かって左から首を薙いできた刀を緋想の剣で受け止める。ガンマレイが掠めた右足が激しく痛むが歯を食いしばって耐える。
動きが止まったのは一瞬。同時に2人は後ろに飛ぶ。
ヴァルゼライドの首の有った処を光条が、天子の首が有った位置を真紅の長剣が、同時に通過した。


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