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仮投下スレ

133 ◆Nfn0xgOvQ2:2009/05/05(火) 22:14:11 ID:cAo9lDdA0
「よかった、無事だった…」
「そんな始まって早々、訳も分からないまま死ねるか!!」

どこか懐かしいやり取りに、植木の表情が綻ぶ。
だが、直に真剣な顔つきに戻る。

「…それは兎も角、大変な事になっちゃったね。やっぱ神様を決める戦いと何か関係があるのかな?」
「ああ三年前のアレか、……けどな、犬丸がこんな事をするとは思えんが」
「え、三年…前? 犬丸?」
「ん? 三年前だろ、俺達今高一であん時は中一だったから、うん三年前だ。それに新しい神様決める時は、全員一致で犬丸だったじゃねえか」

植木からすれば正確には百二年前なのだが、それはこの際置いておく。
植木は話を続ける、すぐ傍にいる森の表情がどんどん険しくなっていくのに気付かずに。

「いくら佐野や鈴子でももう能力がねぇからかなり危険な筈だ。早く合流しねぇと」
「あんたは…神器があるか」
「神器? 神器はアノンとの決戦で天界力を殆ど使いきっちまったから、使えねぇぞ?」
「じゃあ、あんたも能力なしなんじゃ……」
「いや俺には職能力がある、森もメガサイトで見たろ」

植木と森の間には、連れてこられた時間軸の違いによる時間差がある。
故に森が知らない事を、植木は森も知っている様に語る。
だがそれは仕方のない事、植木の認識ではその事も森は知っているのだから。
そして今その認識の違いから、隣にいる森に自分がどれ程不信感を増大させているか植木は気が付いていない。

「佐野や鈴子、ヒデヨシ以外にも、ハイジやソラ、ナガラが居ればきっと力を貸してくれる。……プラスは微妙だな」
「誰よ……それ……」
「おいおいどうしたんだよ森、ハイジやソラ達ならお前もメガサイトであって……森?」

そこでようやく植木は気がついた、森がどんな顔で自分を見ているのか。
恐怖に怯えながらも明確に敵意の混じった、そんな表情で自分を見ている事に。
その森の口から、震える口調で紡がれる

「あんた……誰よ?」



「もしかして、そこにいるのは森か?」

聞き覚えのあるその声に反応して、森はとっさに振り返る。
そこに居るのは自分の探していた仲間の一人・植木耕介……だと思うのだが何か違和感がある。
微妙に背が伸びているような、逞しくなっているような、些細だけど見逃せない違和感。

「植…木?」


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