したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

仮投下スレ

1179 ◆L62I.UGyuw:2011/11/10(木) 19:33:13 ID:5OgotkG.0
「フン、まァ峰打ちだから多分死んじゃいねーと思――ってうおったァ!?」

女が水飛沫を上げて跳ね起き、指先から電光を放った。銀時は慌ててしゃがんで避ける。
その隙に、女は銀時から大きく距離を取った。

「てめっ、平気なツラしやがって。どーゆー体してやがんだコラ」
「いいや、結構効いたぜ。それよりテメェこそどういう鍛え方してやがんだよ、一体。本当に人間か?
 下手なバケモンより馬鹿力じゃねえか、クソ」

ごきごきと、その姿に全くそぐわない粗野な仕草で首を鳴らす。

「まァ、いいか。ところでよ――どうしてニセモンだと判った?」
「は? 勘だよバーカ」

半分は嘘だ。最初から何か変だと直観していたのは事実だが、偽者だと看破していた訳ではない。
しかし彼女が沙英のことを尋ねるどころか全く気にかけていない様子だったのは明らかに不自然であり、だからわざと隙を作ってやったらあっさり乗ってきたというだけだ。

「は、はは、ははははははははははは」

正体不明の女が、瘧にかかったように、震え始めた。
口が三日月のように裂け、赤い舌がべろりと覗いた。
身体が見る間に一回り、二回りと大きくなり、水着は繊維にばらけて金色の獣毛に変わる。
それにつれて、笑い声も少女のそれから野太く野獣染みたものへと変化していく。
そして現れたのは、獅子の変化とでもいうべき、金色の怪物。

「げははははははははははははァ! ざァんねん。お前さん、マヌケっぽいから引っ掛かるかと思ったんだがねェ。
 ま、仕方ねえな。次の機会を窺うとするか」
「オイオイ、次の機会なんざあるとでも思ってんのか? 逃がさねーよ」

刃を返し、じりと銀時が一歩前に出る。

「ところでオメー、アイツに会ったのか?」
「ん? あァ、さっきの姿の女のことか。ククッ、まァな。何だ、あいつがどうなったのか知りてえのか?
 そうだな、条件次第で話してやらんことも――」
「あ、もういいもういい。どーせ話す気なんかねーんだろ。
 テメーをボコってからじっくり吐かせてやらァ――ってなッ!」

銀時の瞳に力が籠った。
腰を一気に落とし、怪物の脛を狙って水面ぎりぎりの一閃。
それを怪物は獣らしい俊敏さで跳躍してかわす。
互いの足元から生じた波紋同士がぶつかり合うよりも早く、銀時は刀の軌道を鋭角に変化させて斬り上げた。怪物は身体を丸めて縦に回転しつつ爪を振り下ろす。
両者の間に激しく火花が散る。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板